GBD-L_ガンダムビルドダイバーズ Lonely 作:杉村 祐介
「……見つけた!」
長物を構えたリーオーの背後を取った。それが首をこちらへ向けたと同時に、大剣で唐竹割りに叩き伏せる。その周囲にいたリーオータイプは近接兵装でこちらに迫ってくるが、そんなものお構いなしにデブリの隙間を縫って走った。
あれは放っておいても、いずれストライクかエクシアが倒してくれるだろう。たかだかNPCの群れ、武装が汎用ならば勝機はある。問題はスナイパータイプが混じっていることだ。きっとあのストライクもスナイパーに背中を撃たれたのだろう。そうやってジリジリと遠距離でいたぶられて、最後にはエネルギー切れでゲームセット。そうなる前に、僕が暗躍してその狙撃手を潰す。
背後から爆炎が輝いた。さっき追いかけてきそうだったリーオーのものだろう。派手に何度も散っていく。予想通り、彼らは接近戦で雑魚の群れとなったリーオーたちを蹂躙しているのだろう。上手くいった!と自分も心の中でガッツポーズをした。
それにしても、たった二機でよく集団戦を耐えきったものだ、彼らのコンビネーション戦闘が見られないことが残念だ。幾つものデブリをチェックしながら、そんなことを考えていると、もう一機スナイパー型を見つけた。
だが、今度の敵は僕を――ゲイルシュナイデンを警戒している。四機の護衛をつけているリーオーの群れに単身飛び込むのは無茶だ。
けれど、その無茶を楽しんでしまうのが、僕の悪い癖でもある。
「あの二人が派手にやってるんだ、こっちも!」
四機の護衛のうち二機はバズーカとマシンガンを手にしている。二機は近距離戦用でビームサーベルを手に直進してきた。
ゲイルシュナイデンは左腕一本で大剣を振った。それを敵対するリーオーはやすやすと懐に潜るように回避してみせて、そのサーベルで機体を突くために腕を引いた。
「そこだっ、サーベル展開!」
そこまで読んだ上で、右手の甲からビーム刃を突き立てる。「まさか手の甲にサーベルが仕込まれているなんて」という奇をてらった武装は、いわゆる初見殺し的な意味で特に有用だった。
一機のリーオーを貫いて、二機目にそれを押し付けた。バランスの崩れた近接タイプは軌道を逸して明後日の方向へ進んでいく。
だが気は休まらない。こんどはバズーカとビームライフルがお出迎えだ。そう直進ばかりもしてられず、ゲイルシュナイデンはデブリの影に隠れた。
「こいつでどうだ?」
宙に手を振れば、そこから急速に広がっていくまるで自機のような風船、ダミーバルーンが幾つか形成された。視覚的な錯覚はあまりNPCに対して有用とは言えないが、それでも貫通できないバズーカに対しての遮蔽物にはなる。
それが次々と割られていく数秒の間に、ゲイルシュナイデンが敵機へと近づいて、その右腕で軽々と屠った。
中距離タイプの二機を倒した僕は、改めてメインターゲットとしていたスナイパー型を見て――その銃口がこちらに向いているのを察して――ゾッとした。
「しまっ……」
声が出なかった。心のどこかで油断していたのだ、スナイパー型は救援を呼んだ二人を狙い続けるだろうと高をくくっていたのだ、近距離まで近づいたら攻撃せずに距離を取るだろうと慢心していたのだ。
ああ、こんな時、背中を預けられる仲間が居たらなぁ、横から狙撃してくれるスナイパーが居たらなぁ、そんなこと何度思ったことか。そんな考え、いつものことだ。それでも独りを選び続けているのは、自分自身だろう。
「――あっぶねぇな!」
怒号が飛んだ。通信回線は切ったはずなのに、声が聞こえた気がした。狙撃型のリーオーが引き金を引こうとした瞬間、そこに光の速さで飛び込んでくる機影が、味方の姿がそこにあった。