GBD-L_ガンダムビルドダイバーズ Lonely 作:杉村 祐介
「大丈夫か!?」
「間に合ったみたいだな!」
エクシアが狙撃手に高速接近して切り刻み、ストライクは先程突き飛ばした近接タイプが近づいていたのを切り伏せた。救援信号を出していた二人が、さっきまでかなりの距離を離れて戦っていたはずなのに、気づけば今目の前に現れて、ピンチを救ってくれていたのだ。
切っていた通信回線を開いて、謝罪と感謝の意を伝える。
「……ごめんなさい、ありがとう」
「堅苦しいこと言わないで」
「それに、感謝するのはコッチの台詞だしな!」
ああ、この二人はきっと本来の実力は自分よりも上なんだ、そんなことが脳裏をよぎった。救援に来たのに、逆に助けられるなんて恥ずかしい。
だが気を抜いてる場合ではない。戦いはまだ終わっていない。おそらくはミッション目標であるプロトタイプ・リーオーを倒すまで、この量産型は無限に湧き続けるだろう。
だが救援で途中参戦した僕には情報が足りなさすぎる。否が応でも、彼らと共闘するしか無さそうだ。
「トールギス……プロトタイプ・リーオーの位置情報はどこに?」
「二時の方角、少し進んだ所」
「でもスナイパー型も含めたリーオーがうようよ居て近づきようがない」
なるほど、近接タイプの二人は門前払いを喰らったということか。だったら簡単、その門をこじ開けてやればいい。
「狙撃にだけ気をつけて、まっすぐデブリを突っ切ってくれるかな。君たちの実力なら、スナイパーさえなんとかすれば勝てるはずだから」
「スナイパーはあんたが倒すってこと?」
「そう」
信じてもらえるかは分からなかった。ついさっき出会った仲だ、こちらの作戦を飲んでもらえるかどうかなんて、確率的には低い。
だが回答は明瞭だった。
「オッケー」
「あんたを信じるよ」
そう言って、彼らは機体のバーニアを燃やした。およそこの機体では追いつきそうにない加速で飛んでいく。
まさかこんな簡単に信じてもらえるとは思えず、一瞬あっけにとられてしまったが、迷っている時間すら惜しい。こちらがやると言ったんだ、彼らに置いていかれるわけにはいかない。
「……ありがとう」
ゲイルシュナイデンのバーニアも全力を吹かせて、二機の機影を追いかけた。もうすでに遠のいた機影の周りではドンパチ騒ぎが始まっていて、すでに複数のリーオーが倒されていた。速い、加速が段違いだ。さすが前衛職に適した機体のことだけはある。
であるならば、己は己の仕事をこなすのみ。
あちらこちらに散ったデブリに居座っているスナイパータイプを見つけては、その刃を突き立てる。一つ鍵をこじ開ける。二体目はこちらに気づいた瞬間、そのメインカメラをライフルでぶち抜いてやった。一つ鍵をこじ開ける。
あの二体が派手に戦ってくれているおかげで、スナイパーたちは釘付けだ。その分だけ、ゲイルシュナイデンの暗躍しがいがあるというもの。決してスポットライトを浴びる立場ではない、浴びてはいけないのだ。身を隠すことに徹して、隠密に物事を進める。これは僕の性に合っていた。