藤襲山で暮らす鬼   作:夢食いバグ

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良いものなんだけど何故か壊されてるんだよね、あれもほしかったけどコレもまたアリ。


破片を組み合わせる。

家を建ててしばらくは特に壊されることもなく、平和だった。まぁ人がポンポン鬼もポンポン死ぬこの山で平和というなんて頭にお花畑と蝶が飛んでいるかナニカでしかないのだが。

 

「にしても最近食い残しが少ないな……」

 

人の骨とかは三年分は軽く見積もってあるが、この山の鬼が骨までバリバリ食う奴が増えたかまたはそれぐらいの軽くできるぐらいに図体が大きいものがでたか。

 

「でも食い残し自体は見つかるからあんまり困らんかなー、備蓄できんのがあれやけど。」

 

ここでは人は貴重だ、食糧的な意味がほとんどを占めるけど。

 

「鬼とか食べてみたいけど、首切ったりすると消えちゃうんだよなぁ……なに踊り食いだけ可能な食い物ってものすごく大変な気がする。

 

って鬼って食い物か?人喰ってるんだからそこら辺は深く考えなくていいか。」

 

上手く食べられれば食糧なんて気にしなくてよくなるのにな……集めるのそれなりに大変だし。

 

家のなかに鬼一匹とらえて脚とか首とかに杭打って動けなくしたらいけるかな……集めた刀の試し切りとかに使うのも面白そう。

 

いけそうだけど、ギャーギャー五月蝿そうだから嫌だなぁ……刀や月を見るときは静かなときがいい。

 

それにもし襲ってきたら怖いし、せっかく家壊させる可能性減らしたのに増やしちゃうし。

 

「獣用の罠の確認と仕掛け増やしてこよ、これからより人のもの少なくなるだろうし。」

 

場所が変わろうがしていることは前とあんまり変わってはいない、刀を見て月を見て……猪やらネズミやらウサギの獣を取って血肉を啜る。

 

そしてたまに来たりする人達を首切られないように気を付けながら気まぐれに話したりするだけだ。

 

……前とすこし違うのはお気に入りの刀を前の家ぶっ壊されたときに何本か折れてしまって飾れていない事だが。

 

「今回はスカか……」

 

猪用の罠を見てみるが全く掛かっていない、というか今回のは獣用の罠全く掛かっていない……干し肉はまだあるし焦る時じゃないか、ちょっと残念な気がするけど。

 

しかも大分荒れている、ここで鬼とドンパチでも起きて獣でも逃げてしまったのかもしれない。

 

「うんコレをは模様つきの破片?」

 

すこし気になって拾うと周囲にそれっぽい木の破片が多くあることに気がついた、血痕がへばりついててそれぞれの模様は見えずらいが………

 

「上手く嵌めるとはまるな……集めるだけ集めて、家で合わせてみるか……血も温めた水で拭けばそれなりに落ちるだろう。」

 

ある程度の破片を集めてやれば、想像はつくからなぁそこを木片を砕いて接着剤で混ぜたものを詰め込んで成形すればそれなりのものにはなるだろう……

 

山で取れる塗料にろくなものが少ないのが難点だが。

 

「白は骨、朱や黒は血、緑は草を煮出すか、ミカン色はこの山のなる奴で何かあったかなぁ……」

 

拾った破片をすべて袋に入れる。

 

さて、罠増やしてから家に帰ろう………

 

 

「おっコレは……楽しい。」

 

出来上がったのはこの狐面だ……なんか前天狗面の青年が簡単に作れるとか言ってたから弟子か何かに渡したものかな?

 

だいぶ外の時間はたったんだなぁ、育手にでもなったのかな天狗面の青年育手ってなにかよく知らないけど。

 

でもやっぱり破片からの修復はちょっと無理な部分ができるなぁ……塗料不足も相まって破片が無い部分はちょっと歪んでるし当然色も違うし。

 

「刀部屋に飾っとこ……、修復するのに余った木で個人的に狐面でも作ってみるかぁー」

 

その後、お面の破片は人がくる度に見つかった。刀部屋にある修復した仮面は数が増えていった。

 

人とも話した。盲目の住職、抜けた忍者、蝶々のようなお嬢さん、燃える炎のような少年、力が強い桜の子、それなりの夢を目指す少年。

 

他にも話したけどあんまり覚えていない、今思い浮かんだのもあんまり覚えていない。

 

首落とされかけたけどとても楽しかった、後どぶから料理が薄味でまずい自然の味に振る舞ったときの感想や評価が変わった進展だね。

どれもが何かを抱えていた、まぁ話しても解決しないこともあるが話してある程度なら傷は埋まる。

 

それから自分で狐の面を、顔につけるようになった。誰かが顔で鬼だと思うと言われたから隠せば普通にお話しできると考えたからだ。

 

今のところその成果はわからない、積極的に会うわけでもないし気まぐれだからだ……自分の心はよくわからないから。

 

刀も増えてそして、渡して減って……いくつ集めたのかもう忘れてしまった。狐のお面だけは増えていく、刀と違ってそのまま捨てても近くの鬼に武器を与えないし危険も少ない。

 

「だけど捨てられないんだよなぁ。」

 

増えすぎたら捨てる、それが一番いいんだ……だけど何故か壊し土に戻すことが出来なかった。餓集癖がなすものかそれとも何かを思っているのか。

 

「……ここにお面の人がきたら渡すことにしようかな。」

 

刀は、同じ鬼狩りだから渡していたならお面は同じ修行場で育ったものに渡そう。きっと快く受け取ってくれるだろう。

 

「ハハハ、ここに来て寂しくなってきたかなもうずいぶんといるのにな……なんで生きてるんだろ。

 

でも生きるまでは生きよう、いつかは死ぬさ。」

 

精神的な死が目の前に迫っている妙な不安感にかられる、なんのために、生きてなんのために死んでいるのだろうか。問いの答えは考えても見つからなかっただから仮初めでも……

 

月を見て、自然を感じ、綺麗なものを沢山集めて、話を楽しむ、流れを見つめる。

 

そんな下らないこと達を答えとして出してもいいのだろう。




すこしメンタルナイーブに

今回でアンケート締め切りになります。

鬼血術や呼吸を習得など(これから)

  • 鬼血術のみ習得
  • 呼吸のみ習得
  • 両方習得
  • 習得しない
  • チートなど強くなさすぎないように習得

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