藤襲山で暮らす鬼   作:夢食いバグ

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壊れたらどうなるんだろうね、しらんけど。


魂が宿るとは言うが。

あの奇妙な多分生前いや一応生きてるなだからえっと……何て言うんだ?

 

鬼になる前でいいのか?まぁそうしておこう難しいことをこねくりまわすのは苦手なんだ。

 

「うーん水ー」

 

とりあえず喉が乾いた、血以外にも飲むのもはある……食べ物は味が全くしないが。

 

サトウとシオはいつまでも白い砂としか感じない………なんか変なことおきたしもしかしたらなっているかも知れないから、後で砂二つ口にいれてみよう。

 

「川の水はここら辺にくんであったはず……、めんどくさいし井戸とか掘ってみるかな……やり方全くわからないけど。」

 

川からあらかじめ汲んだ水を飲んで、だらだらと考える。基本的に水は川から直接持ってきている。たまに血が大量に混ざってたりして綺麗じゃないこともあるが……

 

そもそもが上流に近いこともあり、水は基本的には綺麗だ。

 

たまに死んだ人やらの血やら肉やら服やら流れることもあるが美味しいお水だ。

 

近いとはいえ毎回汲むのは大変だから、井戸つくれないかとか考えているのだが。

 

「あーそろそろ来た人間たち降りるだろうから、食料集めしないといけないけど疲れるなぁー。」

 

今回も大量の死体が出来ていることだろう、どこにいくつあるのかは探さないとわかりもしないが……。

 

それなりに刀扱えるようにはなったから鬼がもし襲ってきてもある程度の対処ができるようになったし……食べ物持って少し行動範囲広げて食料探すかぁ。

 

普段は日帰りで帰れるところしか行かなかったけど。

 

「あっそうだ、持って帰ったやつまだ肉とかついてたから腐る前に食べないと……家が汚れる。」

 

干し肉として、うさぎや猪の獣肉と同じく加工して保存するのもいいかもしれない。基本的には人間の肉なんかほとんど残らないのばっかり集めてきたからなぁ………

 

でも肉よりも残るものもあったりするんだよね、食べるの少し面倒くさい所になるけど。

 

「アレにもたしかあったな……トンカチ持ってこ、後肉削ぎ落とす用に刃物も。」

 

色々積めた道具部屋から、トンカチと折れた刀を弄って作った簡易的な刃物を持ってきて。

 

前に取った食糧を置いた場所に向かう……ちなみにうさぎやら猪やらの干し肉を作っている場所も同じだ。

普通の人間だったら、獣臭さやらですぐにお香を焚きたくなるような悪臭が出ていると思う。

 

よくわからんけど。

 

「さーて、解体するかぁー」

 

残った肉を削いで、大きく取れたものは干し肉にするために同じように干す。

 

小さいものは別に移し分ける、骨はいつも通りに粉にするため砕くと湿ってそうだから乾かしてから粉にしよう。いつもはだいたい骨だけだったし……こんなに肉あるのははじめてだなぁ。

 

後は…………………

 

「これだなぁ、えーと目抜いて後は……たしか中身詰まってるから。よいしょっと……」

 

内臓類は十分喰えるが、日持ちがしないからしばらくはうさぎや猪を食べずにこれになる。

 

肉類はまだ日持ちがするが……まぁうさぎや猪も取ったら内臓や血から食べてるからなぁ。そう思いながら、皮を剥がしてからトンカチで割る。

 

「今回は水入ってた、えーと中にあるもの出して。骨はここだな。」

 

そういえば墓守やってからの最初の頃、柔らかい部分から食べてたなぁ……いくら鬼とも言えども腐りきったものは食べられない事もあるし。

 

新しく死人が出たときは真っ先に、内臓とか食べてたなぁ……それと腐らせないように必死だった。今だと堂々と天日干しやらして干し肉にできるけど周囲の目があったしばれたら不味かった。

 

普段食べるのは、埋葬が古い死体からだし……新しいものは本当に腐るものをさっさと食べる感じ……

 

「あの頃もあの頃で楽しかったなぁ……」

 

真昼から墓荒らしなんてなかなかするやつは居ないから、昼間に居なくても疑われなかったし……

 

夜に墓荒らしするやつも頑張って追い払ったし、寝る必要がないから上手くいったのかも知れないけど。

 

寿命とかでなんやかんや言われ始めたら、さっさと食いだめしてから腕の一本持ってトンズラしてから次の墓守とかになれる場所探してたからなぁ……

 

基本的には、多分給金無しで働いている人になるし。

 

ご飯も宿も要らなかったから、二束三文な給料でも自然と貯まったし……たまーに墓にくる子供にあげてたなぁ、親に取られてたかどうかは知らないけど。

 

「おっと今解体中だ。」

 

昔を懐かしんでしまった、怒る人も鬼も居ないから問題事態はあまり無いのだが。

 

取ったの二つの眼を頬張り。

 

「さてもう少しやってから、ご飯にしよ。」

 

まだまだ干すの肉切れるところとかあるし、早くしないと日が昇っちゃう。そうしたら作業はまた日が暮れてからになるし、なるべく手早く済ませないとー

 

そうやって肉を取った後、骨も乾かす為に置いて日持ちしない内臓や干し肉にもならないほどの小さな肉を持って部屋を出る。

 

「今日はお腹一杯になるなぁーあっシオとサトウかけてみよ、試しに。太陽出るから刀部屋で食べるかぁ。」

 

道具部屋から、サトウとシオの袋も持っていく。

今度はちゃんとこの白い砂の味が分かるかなと淡い希望を抱いて、結果は勿論。

 

「………二つともジャリジャリしてる、かけても変わらないなコレ。やっぱり白い砂だな。」

 

特に変化も、無いのであるが。

 

一度肉を煮たり焼いたりもしてみたが、生肉が一番美味しく感じる。まぁそれと同じなのだろう、鬼と人の根本的な違いだ。

 

「うまいうまい、獣肉よりもやっぱり合ってるんだろうなぁ、でもわざわざ身の危険を犯すほどでもないし。

 

食事よりも刀見たり月見てる方が楽しいからなぁー」

 

そうやってお腹一杯だなぁ、と思いながらまだまだ残っている内臓や肉片を見つめた。




食事シーン(別の意味でメシテロ)

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