藤襲山で暮らす鬼   作:夢食いバグ

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怒るよ、やってらやぁっ!


はっきり言ってコレはねぇわ。

あの後外出したら……家ぶっ壊された……。

 

何言っているかわからないが本当に事実である。たぶんこの山や鬼達だな……獲物取られと思ったかでも逃がしたのはそっちの方なんだよなぁ……。

 

「とりあえず、何日かに分けて必要なもの出すか……」

 

水はぶっかけられてないようだし、ある程度の物は大丈夫だろう……液体の必要なもの全くないし。

 

せっかく集めた食べ物に土がついてしまうのは取っても悲しいが……骨の粉はしっかり蓋をしているからコレぐらいであればまだなんとかなるだろう。

 

「4日ぐらいはかかるかなぁ……」

 

同じ場所にまた家を建てても、同じようにぶっ壊されるだけなのははっきり分かっている。

 

「また月が綺麗なところ見つけないとなぁ。」

 

今度は拡張がしやすい掘っ建て小屋建ててみようかな、しばらく暮らして手先やらも器用になっただろうし。

探すのは、刀何本と干し肉や骨もサトウやシオの食糧。刀折れていないと良いけどなぁ……。

 

「よいしょっと……」

 

瓦礫を外して、見つけては日陰になる場所に置いてを繰り返す。昼間になったら壊れた家をボーっと眺めているか土がついてしまった刀を服で拭っているかだ。

 

ちなみに集めた刀のお気に入りの何本かはおれてた、正直に殺してやろうか?という気になったし機会があれば首跳ねてみようと思う。

 

「しばらくは、放浪生活か……」

 

ぶっちゃけ寝ることがないから家の意味のない家であったが、それなりに気に入っていたのだがなぁ。

壊されたのは仕方がない。

 

「さてここから離れるか。」

 

月が綺麗な場所を探そう。……たぶんコレだけの荷物を一人で持てるって鬼としての身体能力なのだろう。普段あんまり使わないし当たり前だったから気にしてなかったが。

 

どれぐらい離れたところがいいだろうか? とりあえず人を多く喰らい始めている長と見られそうな鬼からはちょっと離れた方がよさそう、また壊されたりしたらこまるし。

 

「そういえば……下のほうの藤も綺麗だそうだなぁ……。見てみたいけどこれから見れるようにならないかなぁ……」

 

鬼にとっては毒でこの山から降りられない原因でもあるが……花は綺麗だ。綺麗な物は好きだし一目見てみたい。

 

「さて次はここでいいかな……日陰を辿ってきたがここで開くと日に炙られるな。夜になってからここの木倒そ。」

 

そうやって夜になってから木を斬り倒して……あっ刀あるやん。斬れるんかな……なまくらってことは個人的な見立てだけど無いだろうし……

 

「さて……そのままやってもつまらないし、これで斬ることにしよう。」

 

刀は使ってこそだからね、いつも通りに見よう見まねで構える。目の前にあるのは比較的細い木である……。最初に建てたとき殴り倒してたからなぁ……。

結構いろいろ構え見てきたけど、コレが一番しっくり来る。独学以外の何物でもないけどね。

 

「よいしょっと。」

 

まずは横に刀を振り斬る。刀本来の落ちない切れ味と鬼独特の身体能力も合わさり折れるように斬れるが……。

 

「うーん切断面が……この刀としては荒すぎるな、やっぱり技術的なものが足りないんだろうなぁ。

 

美しく揺らめいても居なかったし。刃零れしちゃいそうな切り方だね……うん。」

 

刀は血濡れ等もあり三回も人を切ればろくにきれないというが、この刀はすこし別のようだ……。たしかに血痕などは拭う必要はあれど連戦に対応できる耐久はありそうだ。

 

木を今切った感覚からわかるのは、確実に鬼の首を斬るには技術もろもろが足りなすぎるという事実だ。

 

「あの家を壊したやつ皆殺しにしたいんだけどなぁ…!」

 

鬼同士の戦いは不毛である。日光以外にろくに倒す方法が無いのだから。だがこの刀を使えるようになればかなり優位に進められるだろう。

 

個人的に平和主義であるが、今回のは本気で怒っている。

 

「……全部これで切ればそれなりにはなるようになるだろ……呼吸?っぽいものもやるか。」

 

たしかなんか空気とやらの吸ってやる奴だよな? 手順やらなんやてんで見当もつかないし分からんが。

 

「すーはーすーはー」

 

コレで強くなるのか? なにかあったりするのか、てかコレで身体能力上がるってすごいな人。うん人かこれ。人という名のナニカじゃないのか………

 

そこら辺気にしたらダメな気がしてきた。

 

「どっこらしょ……」

 

やっぱり変わらねぇなコレ……荒いままだ。でも人とやらはコレを使って鬼を退治しているというし嘘ではないと思うから続けるしかないか……。

 

その後広げるまで呼吸して切っては、夜になるまで日陰にいて切っては夜になるまで日陰にいてを繰り返した。そしてだんだん荒いままのため日陰にいるときに斬る動作を脳内でやりはじめた。

 

何百回何千回も脳内で繰り返していた。

 

呼吸をして人が強くなるのだから、鬼だけが例外ではないとずっと思った。そして……。

 

「…………! やった木目が荒くない!」

 

今までとはちがい木目を荒くせず斬ることができた。そして鬼狩り達がつかう呼吸を覚えられたと思っているがそれは違う。

 

鬼狩り達が使う呼吸ではない。つまりただの吸って吐くを無意識に行うのをやめた深呼吸をして斬っているだけである。だからろくに成長も何もしなかったのである。

 

じゃあなぜ今回は上手くいったのか? それは、そう思い込んだということが大きい。鬼としての能力の無意識下でしている制限をはずす行為を深呼吸という動作を用いてしてしまったのである。

 

だがそれは本人は全く気がついていない。

 

「さてそれなりにいい空間確保できたし……家もう一度たてますか。その後前のやつ壊したのぶっ殺す。」

 

だってその間違いを訂正する人が誰一人として居ないこの飢えた鬼だらけの山なのだから。




お引っ越し。そして(深)呼吸の習得。理論的には呼吸術でもなく只のプラシーボ効果である。

アンケートは10話までにしたいと思います。

鬼血術や呼吸を習得など(これから)

  • 鬼血術のみ習得
  • 呼吸のみ習得
  • 両方習得
  • 習得しない
  • チートなど強くなさすぎないように習得
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