クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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今回の話の制作にとても悪戦苦闘した。多分7第話の制服表現並みに苦戦しました。

半分寝ぼけ眼で書いたので、その点はご了承ください。

それで本編の始まりです。





第10話 シュミレーター

「ねぇ。メビウスって黒いパラメイルに乗ってた人だよね」

 

ローカールームに向かう道の最中、ナオミはメビウスに話しかけた。

 

「 そうだけど」

 

「よかったよ。生きてて。正直ダメかと思ったよ」

 

「もしかして、ナオミなのか?助けてくれたのか?」

 

「私はただあの機体をここに持ち運んだだけだよ」

 

そんな話をしてる中、4人はロッカールームにたどり着いた。

 

「そんじゃ外で待ってるから。早く着替えてくれよ」

 

「・・・少しは常識があるのね」

 

先程の件でサリアとは多少ギクシャクしていた。

 

「どう思っていたのかはあえて聞かないでおくぞ」

 

そう言ってメビウスは3人がロッカールームに入っていくのを見守った。

 

 

 

 

ローカールーム内にて。

 

「いったいこれはなんですか!」

 

アンジュは渡されたパイロットスーツを持ってそう言う。

 

「パイロットスーツ。それに着替えて」

 

サリアはそう言って着替え始めた。

 

(こんな破廉恥な服っ!ん?)

 

アンジュはタグに書かれている文字を見つけた。

 

そこにはローマ字でAKIと書かれていた。

 

「前の持ち主の名前よ」

 

「前の?」

 

「死んだわ。つい最近」

 

よく見ると所々血が乾いた跡があった。

 

「こんなの着るぐらいなら、裸でいた方がマシです!」

 

「そう」

 

そう言うとサリアはドアを開け、アンジュを放り出した。

そして素早く鍵をかけた。

 

「ちょっと!開けて!開けなさい!」

 

ドアをノックする音が聞こえる。サリアはそれを無視した。

 

「ナオミ、貴方は着替え終わった?」

 

ナオミは既に着替え終わっていた。

 

「あのっ。開けなくていいんですか?」

 

「いいのよ、少し待ってて」

 

そう言ってサリアは着替えの続きを始めた。

 

 

 

 

廊下にて。

 

「お前そんなに全裸でいたいのかよ」

 

廊下ではメビウスが呆れた口調でアンジュに話しかけていた。

 

無論、アンジュのことを見ないように、背を向けていた。

 

「私は悪くありません!どっかへ行ってください!」

 

「お前が着替えないとこっちも着替えられないんだよ!」

 

そんなやりとりをしていた

 

「学園で教わった通りですね!ノーマは化け物です!野蛮で下品で暴力的で・・・そういえば、ノーマは女性だけのはずです。

なぜあなたは男なのにノーマなのですか?」

 

その時扉が開いた。サリアだった。

 

「着る気になった?」

 

「・・・はい」

 

そう言うとアンジュはパイロットスーツを掴んだ。

 

「それとメビウス、あなたももう入って着替えて。あなたの着替えを待つ時間に余裕がなくなったわ」

 

「わかりましたよ」

 

そう言って俺はロッカールームへと入っていった。

 

自分のロッカーの番号からパイロットスーツを取り出し、制服を脱いでロッカーに入れた。

パイロットスーツは前の戦いで付着した血に塗れていた。特に気にすることもなく着込んでいく。

 

唯一バイザーに血がかかってるのが気になった。

 

俺はその血を近くにあった蛇口で洗い流した。そしてパイロットスーツの比較的綺麗なところで水を拭いた。

 

ついでに水を手ですくうと、そのまま口に含んだ。

久しぶりだ。少なくても目覚めてから自分は水を一回でも飲んだだろうか。多分シャワーの時に口に入った程度だろう。それは1日ぶりの水だった。

今までが死んでいたのか、生き返るというよりは生まれ変わった気分になった。

 

メビウスが部屋を出ようとするとアンジュがまだ全裸なことに気がついた。

なぜか服をペタペタ触っていた。

 

「早く着ろよ」

 

「あのっ」

 

そう言って部屋を出ようとした時アンジュに呼ばれて足を止めた。

 

 

「なんだ?」

 

「・・・手伝ってくれませんか?」

 

「・・・サリア副長ー」

 

俺はトビラを開けて、サリアを読んだ。

 

サリアはすぐ近くにいた。

 

「なに?」

 

「アンジュの着替えを手伝ってやってくれ」

 

そう言うとサリアは驚いたような顔をして入ってきた。

 

「あのっ手伝ってください」

 

「あなた・・・一人で服も着れないの?子供以下ね」

 

その言葉にアンジュは赤面した。

 

「あなたはナオミと外で待ってて」

 

「わかりましたよ」

 

外ではナオミがいた。白のパイロットスーツを着込んでいた。

 

「アンジュはどうだったの?」

 

「全裸で待機中」

 

その言葉にナオミは苦笑する。

 

「そういえばナオミ、お前が助けてくれたのか?ありがとうな」

 

ロッカールームに辿り着く前の会話を思い出し、ナオミに礼を言う。

 

「いや、そんな。当たり前のことをしただけだよ」

 

メビウスはナオミの顔をじーっと眺めた。

 

「なっなにかな?顔になんかついてる?」

 

「いや、ちょっと考えてたんだよ」

 

「それって、自分のいた世界について?」

 

「それに関しては記憶がないから今はなんとも思ってない。今考えてたのは、マナの光が使えないだけでこんな差別が起こってるってことだ」

 

その真剣な口調にナオミは息を飲む。

 

「俺にはここにいる人達がアンジュやエマ監察官の言う化け物や野蛮とか、そんな風には見えないんだ。ただマナの光が使えないだけなのにな」

 

そう思っていると、扉が開いた。どうやらアンジュの着替え終わったらしい。

 

「待たせたわね。それじゃあ付いてきて」

 

そう言われて3人は、サリアの後ろを歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

「ここはどこなんだ?」

 

サリアに尋ねてみた。

 

「ここはシミュレータールーム」

 

既にココとミランダはシミュレーター中のようだ。

 

「メビウス。あなたはあのシュミレーターを使って」

 

指差す方を確認するとそこはほかのシミュレーターとは違うらしい

 

「既にやるべきことはコンピューターにインプットしてあるから。あなたは一応新兵だけど、既に戦闘経験はあるし」

 

「イエス・マム」

 

メビウスはそう言うと指定されたシミュレーターに入る。

 

中は少なくてもフェニックスとは違う構造をしていた。

 

フェニックスは操縦桿一つで、大体のことができる。しかしこれは左右にハンドルにがついていた。

 

機体名はグレイブというらしい。

 

試しに機体飛ばしてみた。

 

(遅い。いや、自分があの機体の速度にただ慣れていただけか?)

 

そう思っていた中。目の前にドラゴンが現れた。コンピューターからは色々と指示が飛ばされてきた。

 

(これらを全てやればいいのか)

 

そう思いながら、メビウスは機体を加速させて行った。

 

 

 

 

 

 

 

メビウスがシミュレーターを始めた頃。

 

「アンジュとナオミは私が見るわ。それぞれ左右のシミュレーターに

入って」

 

そういうとナオミは左のシミュレーターへと入っていった。

アンジュは右のシミュレーターへと入っていった。

 

 

「これがメインスロットル、これがインジケーター」

 

サリアがアンジュに内部構造について軽く説明する。

 

「なんですか?これは?」

 

「パラメイルのシミュレーター」

 

「パラメイル?」

 

「私達ノーマの棺桶よ」

 

そう言うとサリアは扉を閉じた。そしてナオミの方も同じように扉を閉めた。

 

(ナオミは少しだけレベルを上げてみるか。問題はアンジュね。初めからできるなんて思ってない。まずは飛ぶ感覚を体になじませないと)

 

そう思いながらシミュレーターを起動させた。

 

次の瞬間、アンジュとナオミの悲鳴が聞こえた。

 

ナオミはまだメイルライダーになりたての新兵だ。慣れれば本来なら悲鳴など上がらないが、まだ無理もない。

 

「操縦桿から手を離さない!次!上昇!」

 

突然のことにアンジュはまだ悲鳴をあげていた。

 

(ナオミの方は軌道に乗ったか)

 

ナオミに関しては一応テストも受けていたので一度慣れてしまえばあとはなんとかなるものである。

 

「次旋回!そのあと急行下!」

 

「キャァァァ!!!」

 

急に機体が周りアンジュはまた悲鳴をあげる。そしてそのあと機体は急降下した。

 

(初めてじゃこれくらいね)

 

(!?この感じ・・・まさか!?)

 

アンジュは心の中で何かを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜〜〜あ。こんなに真っ赤に腫れあがっちゃって・・・ジュクジュクになってるじゃない〜〜」

 

「マッ、マギー」

 

「痛い!?痛いよね!?もっと痛めてあげようか!?」

 

「酒臭いよ、マギー!」

 

そう言うとジルはマギーの脳天にチョップした。

 

「痛っ」

 

「こりゃあダメだねぇ。外側のボトルは全部おしゃかになっちまってる。そこでだ!今回新たに仕入れたこのミスルギ皇国製の新ボトル!ち〜とばかし値がはるけど品質は保証してやるよ。」

 

こういう時のジャスミンの顔はとても生き生きとしていた。

ここでもジャスミンは商売根性を見せていた。

 

「司令部のツケで頼む」

 

「あいよ、これでもう平気だろ」

 

そう言うとジャスミンは義手をジル司令に渡した。

 

「ふむ、なかなかの良さだな」

 

ジルはその義手の良さに納得する。

 

「しかしもう少しデリケートに扱って欲しいもんだねぇ。そいつはお前さんほど丈夫にはできてないんだよ」

 

「暴れ馬がいるんじゃしょうがないだろ」

 

そう言うとジル司令はタバコを一服し始めた。

 

「例の皇女殿下と男のノーマ、あいつらを第一中隊に入れてよかったのかい?」

 

「少なくてもメビウスに関しては仕方ないと思っているさ」

 

「そりゃまぁあんな結果出しちまったんだ。第ニ第三中隊なんかに回したらその中隊は稼ぎがなくなってあいつを残して壊滅するだろうねぇ。でもだからといって皇女殿下まで入れなくても良かったろうに」

 

「ダメなら死ぬ。それだけさ」

 

ジルはそう言うと煙を吐き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

(この感覚は!エアリア!)

 

アンジュは機体を難なく上昇させた。かつてアンジュがやっていたエアリアのように。

 

その結果にサリアは驚いたが、さらなる驚きが襲ってきた。

 

メビウスのモニターにはシミュレーターが映っていなかった。

振り返るとメビウスはトビラを開けなにかをしていた。

 

「ちょっと!なにやってるの!?」

 

サリアは慌てて駆け寄る。

 

「両方のハンドルの調子が悪くなった。だから整備してるんだ」

 

「整備って、あなたシミュレーター訓練は!?」

 

「そうだ。これ渡しておくぞ。今回の結果らしい」

 

そう言われてサリアは差し出された紙を受け取った。

 

そこには今回のシミュレーター訓練で満点を取ったと言う結果が載っていた。

 

サリアは言葉を失った。シミュレーターの難易度は一番高く設定したのに。それを彼はやってのけたのだ。満点で。機体はシミュレーター用のグレイブだった。

 

認めざるを得なかった。

 

やがて意を決したかのようにサリアはメビウスに話しかけた。

 

「さっきは悪かったわね」

 

「急に改まってどうしたんだよ?」

 

意外な言葉にメビウスは驚きを隠せなかった。

 

「さっきの件よ。私はあなたの事を事を誤解していたみたいね。あなたのこと、機体の性能頼りの軽い考えのロクデナシだと思ってた」

 

(そこまで酷い評価されてたのかよ)

 

そこまでの評価だとは思わず、多少ショックを受ける。

 

「でも少なくてもパラメイルの操縦技術は本物のようね」

 

「言っただろ。信頼は実力で勝ち取る。それが俺の主義だ」

 

「少なくともメイルライダーとしては信頼するわ」

 

多少隔たりの壁が薄くなったのを感じメビウスは喜んだ。

 

「そんな副長に報告だ。ナオミの方が大変なことになってるぞ」

 

振り返って見るとナオミは目を閉じて、機体を急降下させているのがモニターで表示されていた。

 

「ナオミ、危ないわよ!目を開けて機体を立て直して!」

 

ナオミは墜落ギリギリでなんとかそれをやってみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

シミュレーターの結果はトップはメビウスだった。

そして意外なのが2位がアンジュということだ。

ちなみにナオミは3位だった。4位はミランダ。5位はココだ。

 

「うっ・・・ぷ・・・・うえええ〜〜〜〜」

「おええ〜〜〜〜」

シャワー室にて、ココとナオミがバケツに向かって顔を埋めていた。その二つの背中をミランダが摩る。

 

「いやぁ、それにしてもすげぇもんだなぁ皇女殿下にあの少年は!

初めてのシミュレーションで漏らさないだなんて。

おまけに少年に関しては難なく最高レベルを満点で達成しちまうとは。こりゃ私達も負けてられないなぁ」

 

ゾーラ隊長は笑いながらそう言っていた。

 

「そういやロザリー、あんたの初めてのシミュレーターの時はどうだった?」

 

「あ、いや、私の初めては、そうですね」

 

ロザリーは狼狽しながらも答えようとした。

「気に入ったみたいね。あの二人」

 

ヒルダが体を洗いながら話してきた。

 

「あぁ、戦力的には悪くない。特にメビウスのやつは機体の性能に頼ってるんじゃない。機体があいつの腕に頼ってるんだ」

 

「ねぇねぇ、サリア、アンジュとメビウスって何?ちょー凄くて面白いんだけど!!」

 

そう言いながらヴィヴィアンが顔を覗かせる。目はキラキラしていた。

 

「そうね・・・2人とも、すごいとしか言いようがないわね」

 

後ろでシャワーを浴びていたアンジュを見ながらサリアはそう答えた。

 

「んで、その肝心のエース様はどこなんだい」

 

「確か用事があるとかで、パイロットスーツを着たままどこかへ行ったけど」

 

ヒルダの質問にクリスが答える。

 

「用事って、一体なにがあるんだ?」

 

ヒルダ達は疑問に思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パラメイルの発着デッキ。

 

「コンファームド・リフト・オフ」

 

「フェニックス!メビウス!出るぞ!」

 

Gが襲ってきたが、一度でも慣れればなんともないものであった。

 

「ジル司令、それじゃあ行ってくる」

 

「忘れるな、一時間後には帰還しろ」

 

「了解」そう言うとメビウスは通信モニターを閉じた。

 

独立調査権。あらかじめジル司令と交渉の末取り決めとなった独立した権利。今日の訓練が終わり。

メビウスは一時間だけ、記憶を取り戻す手がかりを探すために、空を自由に飛ぶ。

 

 

 






ついに独立した調査権を使わせることができました!

もしゲームで言うならいわゆるフリー探索です。

果たして手がかりは手に入るのでしょうか!?

今後この独立した調査権がどのように使われるのか、お楽しみに!
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