クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
今回から文中の・を変えてみました。
(特に変わってる感はない。というか変わってるのかさえ俺でもよくわからない)
今回から第3章です。第3章はアニメで言うなら第8話までの予定です。
アニメが気になった方はお近くのGEOかTSUTAYAへ今すぐGO!
(一度は言ってみたかったセリフ)
それでは本編の始まりです!
第17話 ひとりぼっちの反逆
夜のアルゼナル、ジル司令の部屋に、サリアとメイ、マギーとジャスミン。そしてバルカンが集まっていた。
「三度の出撃でこの撃墜数。結構結構」
ジル司令は手元にあるアンジュの資料を見ながら満足そうに言う。
「今まで誰も動かせなかったあの機体をねぇ」
「多分、ヴィルキスがアンジュを選んだんだと思う」
「ヴィルキスが?」
サリアが呟く。
「それじゃあ始めるとするか・・・リベルタスを」
その言葉に4人は息を飲んだ。
「不満か?サリア?」
「すぐ死ぬわ、あの子。無茶ばっかりしてるから」
今日の戦闘を思い出す。命令無視をし、仲間の狙っていた敵をアンジュは横取りしていた。
遂にはフレンドリーファイアまでありえていた。
「新兵二人を殺し、ゾーラをあんな風にしたんだ。恨まれない方がおかしいな」
マギーがそう答える。
「私なら上手くやれる!私なら!もっとヴィルキスも乗りこなせて見せる!なのになんで!?」
「適才適性ってやつだ」
ジルがそう答える。
「それでもし!ヴィルキスに何かあったら!」
「その時はメイが直す!命をかけて!それが私達一族の使命だから」
メイが明るく、だけど決意を秘めた表情で答える。
その表情にサリアは黙り込む。
「お前はお前の使命を果たすんだ。いいね、サリア」
サリアは静かに頷く。
「いい子だ」
そう言ってジル司令はサリアの頭を撫でる。
「ところでメイ、フェニックスの方はどうだ?新たに何かわかったか?」
「少しだけ、あの機体だけど、燃料がどう言う仕組みなのかは、理解はできた。あの機体、半永久機関が組み込まれてるんだと思う」
半永久機関、それは外部から何らかの要素が加わると、その要素がなくなるまで、永久的に続く機関のことである。
閲覧者にわかりやすく教えるなら、電車のおもちゃをレールに置く。
その電車のおもちゃに電池を入れる。後はスイッチを入れる。
するとその電車は電池が切れるまで、レールの上を只々走り続ける。
フェニックスは、一度スイッチを入れると、その後はスイッチを切るまで動き続ける。
言うなれば、自動で充電される電池が搭載されているのだ。
しかも無限に。
「だから外部からの燃料なんてなくても、あの機体は動けるし、あの粒子についても説明がつく。あれが機体を動かしている機関から出されたものなんだよ。
多分アイ・フィールドも本来は半永久機関が使われてる。
それを発生させる装置の冷却が必要だから時間制限があると思うけど」
「ファングの方はどうだ?」
「あれはさっぱりわかんない。なんで動くのかさえ。一つだけ予想として言えるのが、あの兵器は多分メビウスの意思で攻撃する兵器だと思う」
「意思で攻撃?」
皆が疑問に思い、口を開く。
「自分に敵対するものを徹底的に破壊する。それがファングの意味なんだと思う」
「やはり未知の兵器と言うことか。あいつのいた世界の文明は、私達の技術レベルより格段に上みたいだな」
ジル司令はそう言うと煙を吐き出す。
「これから忙しくなるねぇ」
マギーがそう言う。
「くれぐれも気取られるな。特に監察官殿にはな。では解散」
そう言うと、サリアとメイ、マギーは部屋を後にした。
「いい子だ・・・か。全く、ずるい女だねぇ」
先程ジル司令がサリアの頭を撫でたみたいに、ジャスミンがバルカンの頭を撫でながら言う。
「なんだって利用してやるさ。気持ちも、命も、何だって」
「地獄になら・・・とっくに落ちている」
そう言うと吸っていたタバコを義手で握りつぶした。
アンジュのヴィルキスが覚醒してから数日が経った。
今日の訓練が終わり、メビウスはフェニックスのコックピット改造の最終調整をしていた。
「よし、これでもう大丈夫だな」
目の前のそれを見つめながらメビウスは言った。
フェニックスを操縦桿からパラメイルのハンドルへと改造した。
これならアイ・フィールドも左右効率よく展開できる。
パラメイルのハンドルは既にシュミレーター訓練で何度も動かしているため、動かし方は身体に染み付いていた。
「メビウスー今日は給料支給日だよー!給与窓口行くよー!」
ナオミが下から呼んでいる。
「分かった。すぐに向かう」
そういい、メビウスはコックピットを後にした。
「撃破、スクーナー級3.ガレオン級へのアンカー打ち込み。そこから弾薬、燃料、装甲消費を差し引いて、ロザリー様の今週分のキャッシュは18万です」
受付から紙束が出された。
「ちっ!これっぽっちかよ」
「十分だよ、私なんて一桁だし」
クリスがロザリーを擁護するかのようにいう。
ロザリーの様なグレイブは前線で戦うため必然的に装甲や弾薬消費などの出費も増えるのだ。
その分、ドラゴンを倒せるため、収入の方も上がる。
その点クリスのようなハウザーは後ろからの援護射撃などで、基本的に出費は減ることになる。
当然、後ろからの援護なので収入も少なくなるのだ。
これに関しては本人の腕が問われる。
「ヒルダはどうだった」
ロザリーとクラスがヒルダに尋ねる。
ヒルダはキャッシュの束を見せる。少なくても3桁は超えていた。
「おお!」
それに二人は驚きの声を上げる。
「撃破数、スクーナー級8、ブリック級1、そこから弾薬、燃料、装甲消費、さらに借金を差し引いて、ナオミ様の今月のキャッシュは30万キャッシュです」
「借金?・・・ええええ!どういうことですか!?」
ナオミには言葉の意味が理解できないでいた。
窓口の人が答える。
「ナオミ様はアーキーバスを購入されました。その借金です。因みに借金額ですが総額2000万キャッシュです」
「・・・ニセンマンンンン!!!」
ナオミが普段は出さないような声で悲鳴をあげる。
「はい。今後ナオミ様の報酬の10分の9が借金の返済へと当てられます。なお、残りの借金残高は1730万キャッシュです。これが明細です」
そう言うと受付の人は明細を渡してきた。
「あっどうも」
ナオミは上の空の様子で、その紙を受け取った。
「まぁそのナオミちゃん・・・頑張ってね」
「お前、いきなり借金スタートじゃん」
その場にいた第一中隊のメンバーが憐れみの目を向ける。
メビウスも苦笑していた。
アンジュの番が回ってきた。
「アンジュ様の今週分のキャッシュは550万キャッシュです」
「アンジュやるぅ〜」「大活躍だったものね」
その額にヒルダ達3人は気に入らないようだった。
「さてと、それじゃ本命のやつの金額を聞いてみるか」
皆の視線が彼に集まる。
メビウスの番が回ってきた。皆メビウスの金額を予想し合っていた。
3回目の戦闘ではメビウスは援護などを重点的に行っていた。この援護がなければロザリー達などもっと低い金額だったのだ。
皆が一番気になったのはあの時の戦闘。ゾーラ隊長がいたあの時のドラゴンとの戦い。撃墜数など、どれくらい稼げていたのか、皆気になっていた。
メビウスの金額が言われる
「メビウス様の今週のキャッシュは230万キャッシュです」
そう言われて紙束が置かれた。
(よかった)
変な金額を出して、下手に周りとの溝を増やすわけにはいかない。そう思っていたため、メビウスは内心では安堵する。
もっとも、これらは例のパラメイルの改造やバーグラーセットの弾薬代、零距離射撃の際の装甲の塗り直しや装甲の修復代などを差し引かれての金額だった。
本来ならその倍以上のキャッシュが渡される予定だったのだ。
「ありがとうございます」
そう言ってキャッシュを取り、帰ろうとした時だった。
なにやら窓口がざわめいていた。
「ねえ!本当に出すの!?」「だって司令に言われたんだし仕方ないでしょ!」「いつか破産するわよ!こんなことされ続けたら!」
「あの?どうしました?」
メビウスが疑問に思い訪ねる。
やがて意を決したかの様に、窓口から人が出てきた。
まるで親の敵でも見ているかのような目をしていた。
「新たな敵、ブラック・ドグマ6撃破。メビウス様の追加キャッシュは6000万キャッシュです!」
そう言うと袋を二つ投げ渡してきた。それを反射的に受け取る。
場の空気が凍りつくのを感じた。
「・・・ロクセンマンンンン!!!」
次の瞬間その場にいた皆が驚きの声を上げた。
以前行ったドラゴン100体倒しでも5958万キャッシュであった。しかしそれは一人だけだったからだ。
本来なら皆がキャッシュの取り合いとして、ドラゴンを倒すため、キャッシュには自然と差ができるものだ。だがこの差はあまりにも異常だった。
「今後ブラック・ドグマの機体は一体1000万キャッシュで扱えとジル司令からの通達が届いております!」
そう言うと受付の人は窓口へと戻っていった。
長い沈黙が続いた。
「・・・なぁみんな、少なくても一機、初めてあいつが現れた時は、みんなも協力してくれたし、その・・・なんだ・・・。1000万キャッシュは山分けにしないか?」
メビウスが切り出す
「お前・・・本当にいいやつだな!」
「マジでくれるの!もらうもらう!」
「あんたみたいなメイルライダー、マジで珍しいよ」
皆感心したように言う。
「私はいらない」
そう言うとアンジュは窓口で今日稼いだ金を預金する手続きをした。
「お前はそん時、特になんもしてなかったろ!」
ロザリーがそう言った。
「とにかく今は着替えましょう。早くシャワーを浴びたいし」
エルシャの一言に皆が納得した。
アンジュ以外のみんながロッカールームへと向かう。
案外一緒にいると、結構楽しいものであり、メビウスの中にあった、異性だからという感覚は薄くなっていた。
今となっては着替えも特に気にすることなく一緒にしていた。
しばらくしてアンジュが入ってきた。
アンジュが自分のロッカーを開けると、アンジュの制服がズタズタにされていた。
「こりゃぁひどい!誰がこんなことしたんだろ?」
ヴィヴィアンが驚きの声を上げる
もっとも犯人に予想はついていたが。
後ろでロザリーが笑っていた。
アンジュはナイフを取り出すと素早く斬りつけた。
ロザリーのパイロットスーツは胸の部分が破れた。
俺は一瞬だけチラ見してすぐ視線を逸らした。
「な!このアマ!!」
ロザリーは摑みかかるが、アンジュは、そんなロザリーを払いのけるとボロボロの制服を着込み、ロッカールームを後にした。
「あいつ・・・一皮どころか三皮剥けたな」
メビウスが感心したように言う。
皆が着替え終わると、ベンチの上に1000万キャッシュを置き、皆で山分けした。
一応サリアも2機目を落とそうとしていたのでこの山分けに混ぜる事になった。
1000万キャッシュ÷8人=125万キャッシュ
一人125万キャッシュで山分けされた。
分配が終わると、ロザリーとクリス以外はロッカールームを後にした。
ロザリーは切り裂かれたパイロットスーツの修復をしていた。
しかし、裁縫などあまりした事ないのか、彼女は苦戦していた。
「ねぇ?新しいの買う?」
「いきなり使うなんて勿体ねぇよ!あの金はフェスタの時に使うんだ!」
クリスの提案を、ロザリーは却下した。
なお、ロザリーが言ったフェスタだが、この言葉の意味はもう少し先になると説明ができるようになる。
そのため暫くは待っていてほしい
「それにしてもあのアマ!もっと徹底的にやらないとダメみたいだな!」
「そうだね。泣いて許しを請うまで、徹底的にやろうね」
ロッカールームで二人は良からぬ決意を固めた様だ。
遂にナオミは借金を背負いこんでしまいました!
ゲームでは1億キャッシュでしたけど、それだと多少のご都合主義に頼らざるを得なくなると判断したため、借金は2000万キャッシュとしました。
因みにメビウスが結構な大金持っていますが、理由はちゃんとあります!
実はこの作品の初期案ではメビウスはアンジュの代わりに使われる予定でした。
(もっとも初期の案です)
しかしそれではいけないと判断して、様々な追加要素や変更点などが混ぜ合わさって、この様な作品になりました。
この金額の多さはその時の名残です。
ちなみにそのほとんどの使われ方もアニメなどを見ている人には予想がつくのではないでしょうか?