クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
今回は前回書けなかったタスクの決意回です!
そしてメビウスも決意を新たにする回です!
今回はかなり短めです。
因みにメビウスとナオミに関してははっきり言いましょう!
くっつけたいです。
輸送機に揺られ、五人はアルゼナルへと向かっていった。
時を同じくして、タスクは島のある所にいた。そこは銃にヘルメットで作られた彼の仲間の墓であった。
しばらく彼はそこにいた。
やがてタスクは洞窟の中に入っていった。
シーツを剥がす。そこにはパラメイルがあった。
(父さん・・・母さん・・・やっと見つけたよ・・・)
(父さんと母さんが死んで・・・仲間を失って・・・ヴィルキスを守るという自分の使命に向き合うことから逃げていた)
(この森で・・・一人死ぬことも出来ずにその日暮らしを送っていた)
(そこにヴィルキスと共にアンジュが現れた。凶暴で、人の話を聞かなかって、まるで野獣で、本当に彼女を選んだのか疑わしかった・・・)
(でも・・・血にまみれても戦い、生きようとする姿は・・・美しく・・・眩しかった・・・。
(俺も生きよう・・・!!彼女の様に!自分の手と足で!)
(ただのタスクは今はいない)
(ここにいるのはタスク。ヴィルキスの騎士、イシュトヴァーン。
メイルライダーバネッサの子タスク!)
(そして・・・アンジュの騎士だ!)
決意を新たにタスクは島を後にする。
輸送機ではメビウスが目が覚ましていた。
しかしメビウスは終始無言だった。
「もうすぐアルゼナルよ」
サリアがアルゼナルへの帰還ルートに入る。
そしてアルゼナルに着く。
「ちっ!生きてたのかよ」
輸送機から出てきたアンジュをみて、ヒルダ達はそう言う。
ヒルダ達は面白くないようだった。
「ええ!生きてたわよ。残念だったわね。殺し損ねて」
「なんの話かな?」
ヒルダはしらを切るつもりだ。
「まぁまぁ、今日はアンジュちゃんの生存祝いで美味しいものでも食べましょうよ」
エルシャがその場を持ち直そうとそう言う。
美味いものにありつけると聞き、ヒルダ達は文句も言わずについて来た。
食堂に向かうと、ピザの解凍中のようだ。
「それにしてもよく無事だったわね」
サリアが驚いた風に言う。
「まぁ島に流れ着いてからは自給自足の生活でなんとかやってきたわ。あの島には工具とかも残ってたし。直して帰ろうとも考えたわ」
「けっ!メビウスが見つけなければそのままだったな。」
ヒルダが悪態をつく。
「そういえばメビウスは?」
その時メビウスがその場にいない事に皆が気づいた。
「多分部屋にいるんじゃないか?」
「そういやロッカールームに入った時、なんか深刻そうな顔してたぜ」
「・・・私、ちょっと様子を見てくるよ」
そう言うとナオミは席を立った。
部屋ではメビウスがハンモックに腰掛けていた。
今日のガーナムの言葉を思い出す。
(本来のお前は任務に忠実で、殺せと言われれば女子供でも迷わず殺す!人の命なんてそこら辺の紙屑程度に扱う!そんなやつだったじゃねえか!)
頭で否定しようとするが、どうしても否定できない。
扉が開いた。振り返るとナオミがいた。
「メビウス、食堂いかない?アンジュの生存祝いにみんなで美味しいもの食べるんだよ?」
「・・・いらない。俺抜きでやってくれ」
「・・・ねぇ?何があったの?」
メビウスの様子が変なのは、輸送機から気づいていた。
「・・・別に・・・なんにもない・・・」
「そんな風に言ってもかえって不安になるだけだよ」
「私でよければ相談に乗るよ」
そう言うとナオミは隣に腰かけた。
「・・・俺って、最低なのかもな」
「えっ?」
ナオミが突然の事に驚く。
「俺は今まで自分がこうであったと思っていた自分を演じてきたつもりだった。でもそれも幻想だったのかもな」
メビウスはナオミに話した。
自分がブラック・ドグマの一員だった事を。そして、ガーナムが言ってきた自分について。
「・・・でもガーナムが嘘をついてる可能性もあるよね?」
あいつの言っていることは全て嘘だ。
その一言で確かに否定できるのかもしれない。
でも、メビウスはそれが出来ない事があったのだ。
「・・・ココとミランダの墓で、俺、涙流したよな?」
覚えている。
私は確かその時泣き崩れていた。メビウスも涙を静かに流していた。
「あの時、ココとミランダが死んだ事が悲しくて泣いたんじゃない」
「え!?」
その言葉にナオミは多少驚く。
「悲しくなかった事に泣いたんだ」
「ココとミランダが死んだのに、俺・・・悲しくなかったんだよ。仲間が死んだのに・・・なんとも思わなかった・・・悲しいはずなのに・・・その事に・・・涙が出なかったんだよ。そんな自分のことが・・・悲しくて・・・恥ずかしくて・・・」
(人の命なんて紙屑程度に扱う!)
脳内でガーナムの言葉がリピートされた。
「・・・」
ナオミは暫く黙っていたが、やがてメビウスの頭を自分の胸に押し当てた。
「なっ何をするんだよ!」
「泣いていいんだよ」
ナオミはそう言った。
「今はココとミランダが死んで悲しくて泣きたいんだよね?本当にガーナムって人の言う通りなら、そんな人は涙なんて流さないよ。」
「私にはメビウスがそんな風な人間には見えない。だから気にする必要なんてない。それでも不安なら、今泣けばいい。泣いて全ての思いを吐き出せばいい。それで泣く事は恥ずかしい事じゃない」
「でも!」
「大丈夫。私しかいないから」
「・・・ウワァァァァァァッ!!」
メビウスは泣いた。恥も体裁も気にせず泣いた。
ただただ悲しくて、自分の事が分からないのが怖くて、不安で、子供のように泣いた。
暫くは泣き続けていた。ナオミは黙ってそれを受け止めた。肯定も否定もせず、ただ泣くのを受け止めてくれた。
やがてメビウスは泣き止んだ。
「・・・ありがとう。気持ちがスッキリした」
「ううん、それじゃ・・・」
「ちょっと待って、ナオミ」
そう言うとメビウスは目を手で拭くと、足跡を立てずに扉へと近づいた。
ドアノブを握ると次の瞬間一気に開けた。
すると第一中隊のメンバーが流れ込んできた。
「!?いっいつからいたの!?」
ナオミの顔が赤くなった。
「さいしょっからぜ〜んぶ聞いてたよ!メビウスってあんな風に泣くんだねぇ!ナオミも大胆なことするねぇ」
「ヴィヴィちゃん、そう言う事は言っちゃダメよ」
二人ともしばらく黙っていた。
「・・・泣くことは恥ずかしくないんだよな?ナオミ」
「・・・みんなは何しにここにきたの?」
ナオミが話を変えようとした。
「流石に助けに来た本人がいない状況で始める訳にはいかないでしょ?」
アンジュがそう言う。
「とにかくとっとと食いに行こうぜ。腹空いちまったよ」
「あんたは特に何もしてないんでしょ」
ロザリーのの言葉にアンジュが横槍を入れる。
「まぁまぁ、落ち着いて。みんなの分用意してあるから。早く食べに行きましょう」
アンジュからすれば、久し振りのアルゼナルでの食事だった。
そこには普段は出されないピザが出されていた。
「ビザなんてアルゼナルで出してるんだ」
「あら?これはジャスミンモールでジャスミンが報酬の前払いって事でくれたものよ?」
「報酬の前払い?あのジャスミンが?」
サリアが驚きながらも疑問に思う。
「その報酬って、誰の何だろ?」
クリスが疑問に思う。
「まぁ今はアンジュの無事を祝って食べようじゃないか」
そう言うとメビウスはピザをたべた。
俺は俺だ。メビウスだ。ガーナムの言うようなやつじゃない。
メビウスらしく生きる。
(決めた。俺は自分の記憶を絶対に取り戻してみせる。そのうえで自分でどうするかを決める!たとえあいつが言うような人間だったとしても!自分を変えてみせる!)
メビウスは心の中で新たな決意をし、ピザを食べた。
今回はただやりたかった事をやっただけです。後悔はしていない!
おそらく今回の話後半は飛ばしてもいいかも・・・
本編は次回からですね。