クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
前回はタスクの所だけでよかったような気もする。
まぁ過ぎたことは気にしない主義なので!
それでは本編の始まりです!
今日はアルゼナルの補給日だった。外から様々な物資が届けられる。
「食料4医療1医薬品1」
「ブラジャー入りのコンテナはうちのもん。後で下に回しといてくれ」
エマ監察官とジャスミンがコンテナの分別をしていた。
その後ろの陰で、何かが動いた事に二人は気づいていなかった。
その何かは今パラメイルのところにいる
「総員かかれ!チンタラしてると晩御飯に遅れるぞ!」
メイが整備士達に指示を出していた。
一方こちらは第一中隊。
先ほど出撃したばかりなのでみなパイロットスーツであった。
あの一件後、アンジュはアンジュなりに他のメンバーとの距離を縮めていこうとした。
しかし、ヒルダ、ロザリー、クリスの三名に関しては相変わらずだった。
「あのやろう!また一人で荒稼ぎしやがって!」
「なんで戻ってきたの?」
「どっちがゴキブリなんだか」
「よーし」
そう言うとロザリーはなにかを取り出した。
「どたまにネジ穴開けてやる」
ロザリーの手にはネジが握られていた。
「やめなよ。司令に怒られるよ?」
「まぁバレなきゃいいじゃん」
「・・・それもそうか」
クリスは止めようとしたが、ヒルダに押される。
「喰らえ!害虫女!」
ロザリーがネジを投げようとした次の瞬間、警報が鳴った。
それに皆驚く。ロザリーは手が滑った。
「アイタ」
ネジはメビウスに当たった。
「ヒィィ!違います!違います!私何もしてません!」
ロザリーが慌てる。
だが直ぐに別の警報だと理解した。
「各員に告ぐ。アルゼナル内部に侵入者あり」
「侵入者?」
意外な言葉だった。この絶海の孤島アルゼナルに侵入する者がいるとは誰が予想していただろうか?
対象は現在!通路を逃走中!付近のものは直ちに確保に協力せよ!
「よっしゃあ!侵入者捕まえてキャッシュにしてやる!」
ロザリー達は元気よく奥の道へと進んでいった。
「私達も行くわよ!」
「しょうがねぇ、もう一汗流しますか」
メビウスは愚痴るも一応走りながら探す。
「左右に分かれて探しましょう!」
左右に分かれたが、なぜかメビウスだけ左で他は右だった。
しかし、戻る気にもなれず通路を走る。
すると通路の角から何かが飛び出してきた。
「危ない!」
次の瞬間、それらは正面衝突した。
「イタタタ」
「すまない!急いでいたもんだから。大丈夫か?」
「はっはい!大丈夫です」
その子は見たことの無いような格好をしていた。
(不思議な子だな)
「ねぇ君?ここら辺で侵入者見なかった?」
「え!?し!侵入者ですか!?」
その子は何か慌てていた。
すると少女の後ろから警備員がやってきた。
「見つけたぞ!侵入者だ!」
「逃すな!捕まえろ!」
その数は明らかに少女一人に対しては多すぎる数だった。
「ちょっと待てよ!」
メビウスは警備兵の前に立つ。
「幾ら何でも数の暴力すぎるだろ。相手は一人でしかも女の子なんだぜ」
メビウスは一度、1対100という数の暴力を受けた事がある。
だから数の暴力の恐ろしさは身に染みている。
「私達も女の子です!」
「そう言われちゃ言い返せないな・・・てか侵入者?この子が?」
「どいてください!えい!」
「危な!」
メビウスは警棒をよけた。
するとその子は突然目の前に何かをだした。
それは振り下ろされた警棒を防いだ。
「これは・・・アイ・フィールド!?あの子!まさかブラック・ドグマの関係者なのか!?」
・・・実際にマナの光を見た事がない彼からすればこの反応は正しいのかもしれない。
「やめてください!私はただ!アンジュリーゼ様に会いにきただけなんです!?」
「アンジュリーゼ!?なぁ君!今アンジュリーゼって言ったか?」
アンジュリーゼ。俺はその名前を知っている。
俺だけではない、第一中隊の全員がその名前を知っているのだ。
「マナの光!?」
後ろから聞き慣れた声がした。
振り返るとアンジュ達がいた。
アンジュは驚いた顔をしていた。
「もも・・・か?」
「もしかして・・・アンジュリーゼ様?」
「・・・アンジュリーゼ様ぁ!」
そう言うとその子は泣きながらアンジュに抱きついた。
(・・・
司令室ではエマ監察官が電話口で誰かと話していた。
「モモカ荻野目皇女アンジュリーゼの筆頭侍女です」
「はい、元皇女の・・・ええ!・・・わかりました」
そう言うとエマ監察官は受話器を置いた。
「委員会はなんと?」
隣にいたジル司令がタバコを吸いながらエマ監察官に問いかける。
その問いにエマ監察官は答えない。
「やはり、予想通りですか」
「ええ、あの娘を国に帰したら、ドラゴンやそれと戦うノーマ。
最高機密が世界に流れる恐れがある・・・と」
エマ監察官は続ける。
「何とかならないのですか?モモカさんはここに来ただけなのに・・・」
「ただ来ただけ・・・ね」
「ノーマである私に人間の決めたルールを変える力なんてありませんよ。せめて一緒にいさせてあげようじゃありませんか」
「今だけは」
通路ではアンジュが歩いており、その後ろをモモカが歩いている。
「あっあの、御髪・・・短くされたのですね」
「・・・ええ」
アンジュは素っ気なく答える。
「いいと思いますよ。大人の雰囲気というか、これまでの姫様の雰囲気から脱皮されたような」
アンジュが自室に戻る。モモカも部屋に入る。
「ここ・・・まさかアンジュリーゼ様のお部屋ですか!?」
「そうよ」
「お着替えですね!手伝います!」
アンジュは制服を床に置いた。
「畳みます!マナの光よ!」
モモカの手から光が放たれた」
マナの光だ。
「・・・そう使うんだ。マナの光って」
「ジル司令の命令で、明後日まであなたのお世話をする事になったわ」
「お世話だなんて!私はアンジュリーゼ様のお世話に!」
「誰それ?私はアンジュ」
「ノーマのアンジュよ」
その言葉にモモカの顔が曇る。
「聞いたわ、滅んだんですってね。ミスルギ皇国。私がノーマだとバレたから。あなたの帰る場所もないんでしょ?」
「アンジュリーゼ様・・・」
「最初から知っていたのよね。私がノーマだって・・・よくもまぁ騙し続けてくれたものだわ。何年も・・・今となってはどうでもいいけど」
「・・・」
モモカは何も答える事が出来なくなった。
「私はもう寝る。ベットは隣を使いなさい」
そう言うとアンジュはベットに横になった。
「私は、アンジュリーゼ様のお側にいたいのです・・・お願いします。アンジュリーゼ様」
(ここは人間の住むべきところじゃないのよ?モモカ・・・)
次の日の朝、モモカは朝食に抗議していた。
「こんなものをアンジュリーゼ様に食べさせるのですか!?」
(うるせぇ)
内心皆そう思っていた。モモカの抗議しているその朝食を今、皆食べているのだ。
「侍女の世話くらいしっかりしてほしいものだね」
ヒルダが聞こえるようにアンジュに愚痴る。
「ねぇねぇサリア?侍女って何?」
ヴィヴィアンが尋ねてくる。
「高貴な人の身の回りの世話をする人の事よ」
「アンジュは元お姫様だし。その時の人だよ」
ナオミが付け加える。
「へぇ〜アンジュってすごいんだね」
「ケチャップついてるわよ、もう」
ヴィヴィアンの口元についてた汚れをエルシャが拭き取る。
「あああー!じゃあ!エルシャとサリアとナオミは私の侍女だね!」
「違います!」
三人が口を揃えて否定した。
すると突然食堂の入り口がざわつき始めた。
「なんだ?」
皆食堂の入り口に目を向ける。
見るとそこにはメビウスがいた。
メビウスは全身怪我と傷まみれであった。
背中には変な板を背負っていた。
「何騒いでるんですか?モモカさん?」
メビウスは何事も無いかのようにモモカに質問する。
「このものはアンジュリーゼ様にこれを食べさせるんですか!」
「結構いけますよ!それ。それにアンジュはもう食べてますし」
モモカは後ろを振り返る。するとアンジュはそれを満更でもない顔で食べていた。
「アンジュリーゼ様ぁ!!ああ!お労わしい!」
(ウルセェ・・・)
メビウスも内心皆と同じ事を思った。
「・・・ところで一つ聞きたいことがあるのですが」
「何ですか?モモカさん?」
「あなたは・・・ノーマなんですか?ノーマは女性にしか現れないはずでは?」
「・・・あなた達の常識は聞いたよ。ノーマは女にしかならないこともね」
「でもさ。俺はノーマ。それでいいじゃないか」
「それではもう一つ聞きます。なぜ全身怪我と傷まみれなのですか?」
「・・・痛いところを聞くなぁ」
話は昨日の夜へと遡る
メビウスはジャスミンモールへと来ていた。
「よく来たね。メビウス」
「用事があるって聞いたから来たけど。一体何のようだ?」
「以前言ったろ?アンタに頼みたい事があるんだよ。これの商品宣伝をしてほしいのさ」
そう言ってジャスミンはなにかを出してきた。
それは板のようなもので、どのように使うのかまるでわからなかった。
「これをどうしろと?人の頭でも叩くのか?」
「そいつはね。倉庫の奥で眠っていたけど、今日入ってきたパーツで復活したよ。ジェットボードって言ってね」
「ジェットボード?」
「知らないのも無理はないね。でもね。私が子供の時はパラメイルの代わりとしてこれで出撃する人もいたんだよ」
ジャスミンは昔を思い出す。これに乗り、バズーカ片手にドラゴンと戦ってきた事を。
「どう使うんだよ」
「板の上に足を固定するところがあるだろう?」
板を見る。するとそこには確かに足を固定するところが見えた。
「その固定された足ごと傾けると左右の移動やUターンなど、色々とできるんだよ」
「倉庫整理をしてたらそいつが出てきてねぇ。あんたなら乗りこなせるんじゃないかと思ってね」
試しにそれに乗ってみる。この時点ではまだただの板だ。
「これどうやって動かすんだ?」
「板の先端にスイッチがあるだろ?それを押してみな」
スイッチを押す。すると板が突然浮いた。
「うぉっ!?」
いきなり浮いたので、多少驚いてバランスを崩し前に倒れる。
「なぁに、簡単な事だよ、あんたにはこれを乗りこなして貰いたい。アンタが乗りこなせばきっと周りも興味を持ち出す。そうなったらきっとジャスミンモールにもこれを売るようになる日がきっとくる」
「・・・こりゃ俺には無理だな」
メビウスは断ろうとした。
「残念だけど、あんたはもう逃げられないんだよ」
「どう言う事だ?」
「あんた?前祝いでピザ食べたろ?あれ実はとても貴重なものなんだよ。キャッシュでどうこうできる代物じゃないんだよ。あんたならこれを使いこなせると思って前払いしたんだからね」
「・・・それって卑怯じゃね?」
「ぼやいてる暇があるならとっとと行くよ!ナオミ!あんたは仕分けの続きをしな!」
そう言われて俺達は外に出た。ちなみにナオミは例の借金の返済のため、ジャスミンモールで仕分けをしていたらしい。
「とりあえずこれは身体に覚えこむってのが一番いいんだよ」
「とりあえず一分間は飛び回るようになりな。燃料はここなら置いておくよ」
そう言うとジャスミンはジャスミンモールへと帰っていった。
メビウスは少し考えていた。
「・・・ピザの一件も出されちゃ、流石に断ることはできねぇなぁ」
そう言うとメビウスは再び足を固定して、スイッチを入れた。
今度はバランスを取ろうと姿勢を維持した。
(確か足を固定してある物ごと曲げるといいんだったな。左!)
左に曲がる。すると予想より大きく左に曲がる。
「イテテテ!」
メビウスは地面にぶつかった。
もう一回飛んでみた。すると今度は壁に激突した。
もう一回飛んでみる。今度は真っ逆さまに落ちた。
もう一回飛んでみる・・・
その様な特訓を朝まで繰り返していたらしい。
その結果一分程度なら乗りこなせるようになったらしい。
「ってなわけさ」
「そりゃあ大変だったなあ」
ヒルダが高笑う。
「なんかジル司令も今度出撃の時はこれで出撃しろなんて命令されちまったよ」
「出撃?一体なんのことです?」
モモカが疑問に思い尋ねる。
しかしアンジュがどこかへさろうとしたためその後についていく。
「アンジュリーゼ様。どちらへ?」
「あなたの食事よ。あなたは【人間】だから」
そう言うとアンジュは食堂を後にした。モモカも後ろについて行く。
アンジュはモモカにハンバーガーを買った。
自分の分も買った。
モモカは初めてみるお金に驚いていた。
「これがお金というものですか。貨幣経済なんて不安定なシステムだと思ってましたが、これはこれで楽しそうですね」
「これからは必要なものはこれで買いなさい。」
「ギャァァァァ!!!」
叫び声が聞こえ、モモカは驚く。
見るとそこには負傷したメイルライダーが運ばれて行た。
「痛いっ・・・痛いよっ・・・」
「ほらほら暴れんな。腕がくっつかなくなっても知らんぞ」
「あれっ?腕は?」
「こちらです」
助手のような人が腕をマギーに渡す。
モモカはハンバーガーを見た。
ケチャップを血と連想してしまい、吐き出しそうになる。
「何なのですか?ここは?一体何をする所なのですか?」
「狩りよ」
アンジュはそう答えるとハンバーガーを一気に食べた。
包み紙をゴミ箱に投げ捨てる。
「私もいつああなることか・・・」
「アンジュリーゼ様・・・」
(傷ついておいでなのですね・・・お労わしや・・・私がお救いしなければ・・・私が・・・アンジュリーゼ様を!!)
モモカは心の中で決意した。
通路の角から何かが飛び出してくるのは実生活では何度もあります。
皆さんも廊下を走ってはいけませんよ。
それにしてもモモカ荻野目並みのいい人はマジでいませんよ。
そしてメビウスはジェットボードを乗りこなせる日は来るのでしょうか!
因みに次回でおそらくアニメの6話のシナリオ終了ですね。