クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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製作中において。
自分の出したオリジナル機体の名前の案
①デスペラード
没理由、英語としての意味がよろしくない。
②アーバトレス
没理由、似た名前の機体が存在していたから。

その他色々と真面目な案もあったけど、それら全部をあげると話が進まないのでこの2つだけで終わりにしておきます。
それでは本編の始まりです。


第3話 その名は・・・

「あの、ジル司令、一つよろしいですか?」

 

廊下において、ジル司令の後ろを歩く彼が質問した。

 

「なんだ?」

 

ジルは振り返ることなく聞いてきた。

 

「自分は、どれくらい寝ていたんですか?」

 

「君がここにきたのが昨日の15時くらいだ。まぁだいたい16.7時間だろうな。ちなみに今は午前10時だ。」

 

「あの、助けていただいて、ありがとうございます」

自分は今更ながら、礼を伝えた。

 

「礼なら君を助けたライダーに言うんだな」

 

助けてくれたライダー、後でその人の所にも礼を言いに行こう。

 

しばらく歩いていくと少し広い所に出た。

そこは、戦闘機やら巨大な人型兵器などが置かれていた。

 

「ここが発着デッキだ」

 

ジル司令はその奥へと足を進めたので、自分もそれに続いた。

 

「すまないが君は少しそこで待っていてくれ」

 

ジル司令に申し訳なさそうに言われたので、自分はそこで待機していた。その時だった。ジル司令の向かう奥に黒い機体が見えたのは・・・。

 

「メイ、解析の方ははどうだ」

 

「あっジル。そのことなんだけどね・・・」

 

メイはジルに気がつくと少し顔を曇らせた。

 

「まず結論から言うよ。この機体だけど、パラメイルとは似て非なる物だよ。今はそれだけが断言できるんだ」

 

ジルは 「やはり」という顔でタバコを取りだし、一服した。

 

「つまり、ほとんどわからなかったと言うことか?」

 

「まぁ身もふたもなく言うとそうなんだよね」

 

ジルのきつい一言に申し訳なさそうにメイが答える。

 

「まず電気系統だけど、これが見たことないものなんだよ。それを見ちゃうとパラメイルの電気系統はおもちゃ、対するこれは精密機器くらいの差ができちゃうんだよ。

他にもパラメイルとは違ってケーブル接続とか見られないし、はっきりいって、ブラックボックスの塊だよ、この機体。しかも・・・」

 

そこまで言うとメイはジルの耳元に近寄り、小声で話した。

 

「この機体のエンジンや一体何を燃料にしてるとか、全くわからないんだ」

 

「未知の物質ということか」

 

ジルはタバコを床に落とすと足で火を消した。

 

「でも。一つだけ、これだけはわかることがあるんだ。」

 

メイが真面目な顔になって言った。

 

「この機体だけど、とても激しい戦いをしてたんだと思うよ」

 

それはジルも薄々感じてはいた。この機体は幾多もの修羅場や戦場を乗り越えてきた。

黒い塊。その黒い部分の所々ドス黒い赤色の物が付着していた。

とてもじゃないがペイントとは思えない様な付着っぷりだった。

恐らく、戦いの最中に着いていったのだろう。

それだけで、この機体がいかに激しい戦いをしてきたのかを伺わせていた。

 

それは機体だけではない。彼を初めて見たときから感じ取っていた。

 

昨日、ナオミがこの機体と一緒に彼をここに連れてきた時、素人目の私にだって一つわかってたことがある。

 

(このままでは彼は死ぬな)

 

コックピット内は血の水たまりが出来ていた。右腕からは今もなお止めどなく血が溢れていた。顔からもだ。さらにマギーの話によると、内臓の一部からも血が流れ出てたらしい。恐らく彼と同じ血液型の予備ストックがなければ間違いなく彼は死んでいただろう。

・・・今にして思えば、安静にさせておいて話を聞いた方が良かったのかもしれない。

最も、彼自身が記憶喪失なため、詳しい話も聞けないが。

 

そして彼をコックピットから出した直後、こいつは姿を変えた。

それが今の姿。黒い塊ということだ。

見た目だけならパラメイルのフライトモードに通じるところがある。

変形時に関しては、彼を含めたこの機体の上に乗ってた全員が機体から振り落とされていた。

 

ジルは後ろを向いた。

 

「さてと、これが君が乗っていた機体だ。なにか分かることは・・・」

 

そこでジルは彼の様子がおかしいことに気がついた。なんというか、心ここにあらずであった。

 

「おい?どうした?」

 

ジルは声をかけるがまるで聞こえないのか、全く反応していない。

 

(なんだこの感じは。俺はこれに関しての記憶がない。だけど何故そう思うんだ?間違いない。自分は、この機体を知っている!もしかしてこの機体は、記憶を失う前の俺に関係あったのか?目の前のこれはなんだ!?俺のことを知っているのか!?)

 

彼はぼーっとした足取りで前へ進む、

 

「ちょ、ちょっと、君!?大丈夫!?」

 

メイも彼の様子がおかしいことに気づき、彼を止めようとするが、彼は止まらなかった。

 

一歩、また一歩、彼は前へ、例の黒い機体へと進んでいった。

彼がその黒い機体に触れた瞬間だった。

 

その機体の目が光った。次の瞬間、彼は突然頭を抱え、うなだれた。

 

「おっおい!大丈夫か!?」「しっかりしろ!」

周囲も流石に異常だと気づき、彼に近寄る。

 

「・・・知ってる」

 

「え?・・・」

皆がその一言に沈黙した。

「俺は・・・お前を知ってる!」

 

次の瞬間だった。目の前にあった機体は姿を変えた。

 

ただの黒い塊としか思えなかったそれは、目の前で、形を変えた。

脚が出てきた、腕が出てきた、顔が出てきた。

あっという間にそれは人型兵器となった。

 

背中に羽を生やしその翼からは青い光の粒子が放たれていた。

腕には銃が握られていた。

左肩の後ろ部分には剣の持ち手と思われるものがあった。

黒い装甲の所々に赤いラインが光っていた。

その光によって、ドス黒い赤色も見えた。

 

「嘘!?」「動いた!?変形した!?なんで!?」

 

整備士達は騒めいていた。無理もない。何しろ彼はただ機体を触っただけである。

コックピットにすら入っていない。なのにこの機体は、今、操縦していたであろう人物が触れただけで、人型へと姿を変えた。

 

周囲が混乱していた中で、彼は近くにあったリフトを使い、機体に登っていった。

 

「ちょっと待ってよ!」

慌ててメイがリフトに乗り込む。リフトは、胸部に着くと、彼はコックピットと思われる所を開けた。メイも後ろから付いて行き、覗いてみた。

 

そこにはモニターで様々な情報が記載されていた。

彼はそれを躊躇いもなくいじくりまわしていた。

 

「君、これがわかるの?」

「わかる」

 

返事はすぐ返ってきた。

 

「さっきこの機体に触れた時、俺の中の何かが外れた。それで記憶がいくつか戻ってきた」

 

こいつの名前、操作方法、それだけじゃない。戦闘技術や武器の知識まで、戦闘系に関しては、それなりの記憶が戻ってきた。

いや、戻ってきたと言うよりは流れ込んできたと言うのが正しいのかもしれない。

 

(やっぱり彼も、戦う人なんだね)

 

「大変なんだね。君。まだ子供なのに」

 

その発言に彼が振り返って言った。

 

「何歳に見えているんだ?」

 

「7歳」

 

メイは答えた。すると彼はため息を放ち、

「本当は13歳なんだけどな」と愚痴った。

 

(13歳。それはちょっと無理があるんじゃ)

 

メイが内心そう思っていると、彼の動きが止まった。

何事かと名が覗き込む。

 

モニターには、ある単語が浮かび上がっていた。

 

《PHOENIX》

 

「PHOENIX(フェニックス)、これがこの機体の名前なんだね」

 

メイはどこか感心したような声で言った。

 

フェニックス、それは不死鳥である。

永遠を生きていると伝えられる伝説の鳥だ。

その寿命が尽きる時、フェニックスは灰となる。

そしてその灰から再び命を得る。

 

その伝説の鳥の名前が付けられていた。

 

「ん?何してるの?」

 

「・・・」

 

彼はコックピットに落ちていた一枚の紙を拾った。

それは血にまみれていて、汚かった。

彼はそれを見ていた。そして、ポケットに紙を突っ込んだ。

その後はコックピットから出て行き、リフトに乗った。

 

「あっ、待ってってば!」

メイもジル司令への報告のためにリフトで降りて行く。

 

彼がコックピットから出たが、今度はフェニックスは人型のままであった。

 

下ではジル指令がタバコを吸いながら待っていた。

 

「どうだ、何か思い出したか?」

 

ジル司令は煙を吐き出すとそう聞いてきた。

 

「少しだけ、自分の名前だと思われるものを見つけた」

 

そういうと彼はポケットに突っ込んだ紙切れを渡した。

ジルはそれを空いていた手でとった。

 

「ジル司令・・・その手」

「驚いたか?」

 

ジルの右腕は機械の腕、義手であった。

 

「私にも色々あったんだよ」

 

これ以上の詮索は控えよう。

ジル司令は紙に目をやった。

 

そこは周りが血で塗れており、とても汚いものだった。しかし、

その紙の真ん中に、薄くなっていながら、ある言葉と記号が描かれていた。

 

「The future is endless・・・未来は無限だ・・・か」

 

そしてその下には色あせたメビウスの輪が描かれていた。

 

ジル司令は何かを考えていた。そして

 

「いい機会だ、お前の呼び名はとりあえず今からは、「メビウス」だ。

いつまでも君ではなにかと不便だろう」

 

その呼び名に異論は無かった。自分としても、いつまでも彼や君呼ばわりは残念なものがあるので、呼ばれる名ができただけでも嬉しいものだった。

 

「さて、他にも思い出したことがあるか?」

 

ジル司令はタバコの火を足で消すとそう聞いてきた。

 

「あの部屋の時よりは幾らか思い出せてます」

 

ジル司令の問いに対して、自分のことが少しだけわかったのか、多少だけと、前向きな姿勢になれた。

 

「どれ、ここは1つ、取調室で詳しい話を聞くとしようか。

なに、手荒な真似はしないさ、まだ怪我人の外野であるしな」

「おい、そこのお前」

「はい!」

そこにいた整備士の一人であろう女性がやってきた。

 

「メビウスを取調室に連れて行ってやれ、私も後から行く」

 

「イエス・マム!」

 

「よろしくお願いします」

案内してもらう以上お礼を伝えておこう。

 

「僕、こっちだよ」

 

そうやって女性に手を引っ張られながら、彼は、いや、メビウスは思った。

 

「やっぱ子供に見られてるのか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、コックピットを見てどう思った?」

 

メビウスが角を曲がっていったのを見送ってから、ジルがメイに問いかける。

メイはコックピットで見たPHOENIXという文字を伝えた。

 

「やっぱりあれ、別世界の技術が使われてるよ。じゃないと説明できないよ」

 

メイは、まるで想定どうりかの様に返事した。

 

「となると、やはり別世界からの来訪者ということか」

 

別世界からの来訪者とその機体。

 

メビウスとフェニックス。私達はまだ何もわかっていないのかもしれない。

 

「・・・機体のデータが欲しい。取調室でなんか手を考えてみるか。

メイ、機体のデータが計測できるかどうか試せるか?」

 

「できる限りはやってみるけど・・・やっぱりブラックボックスの塊だし、下手な真似はできないよ」

 

メイが真剣な面持ちでそう告げる。

 

「わかった、とりあえず今はメビウスについて知ることから始めるか」

 

そういうとジルは取調室に行くために歩みを進めていった。




さて、ようやく主人公に呼び名をつけてあげられました。
ちなみに彼の今の服はとりあえず病人用の服だと思ってください。

アンジュや第1中隊の面々とは、もう少し出会うまでかかる予定です。

次回あたりに戦闘シーンが書けるといいな。

ちなみに、フェニックスに関しては戦っていく中で、その力を解放していく機体だと思っていてください。
背中の翼はウイングガンダムゼロTV版の翼を想像してください。あれが付いていると思ってください。
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