クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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今回から第4章です!

今回から暫くはアルゼナルのメンバー達はお休みです。

と言っても全員が出ないわけではありませんが。

今回の章からオリジナル展開も増えていきます!

はたしてどのような展開が待っているのでしょうか!?

それでは本編の始まりです!!



第4章 激突!ミスルギ皇国!
第29話 決意の旅立ち


 

 

アルゼナルではノーマ達がざわついていた。

 

無理もない。前代未聞の事態が起きたのだ。

 

【ノーマの脱走】そのことが集められた人達に公表された。

 

当初はフェスタの何らかのイベントと皆が理解した。

 

しかし直ぐにそれはイベントなどではない事がわかった。

 

この出来事は彼女達を驚かせるのには十分であった。なんせ彼女達はほとんどが生まれて直ぐにここアルゼナルにやって来ている。それ故に外の世界への興味こそあれど、その様な脱走など考えた事などないのだ。

 

しかしこの出来事は彼女達を不安にさせるのには十分な出来事だった。

 

(これから私達はどうなるのだろう)

 

その思いとともに、第一中隊を除いた人達は皆解散。各自がそれぞれの部屋へと帰っていった。

 

その後第一中隊のメンバーは別々に取り調べを受けていた。

 

脱走したのがアンジュとヒルダという事がこの時メビウス以外の第一中隊にも伝えられた。

 

メビウスも同じように取り調べを受けていた。彼に関しては現場にいたため、共犯者説を疑われたが、直ぐにそれは否定された。

 

オリビエが、メビウスは、発進直前に司令室に来ており、その後に発着デッキに向かった事を証明してくれたからだ。

 

そんな短期間では共犯もクソもないものだ。

 

 

 

メビウスも取り調べが終わり、部屋へと帰った。

 

ナオミは先に取り調べが終わっており、部屋に帰っていた。

 

「あっお帰り」

 

「・・・おう」

 

「・・・メビウス。なんでアンジュ達は脱走したのかな?」

 

「・・・わからない・・・」

 

「明日は早くから集合がかかったし、もう寝るね。寝るときに電気を落としてね。それじゃあおやすみ」

 

そう言うとナオミはベットに横になり、しばらくして寝息が聞こえてきた。

 

メビウスも寝ようとシーツを取り出し、ハンモックにかけようとした。すると、そこに手紙が置かれていた。

 

アンジュからの手紙であった。メビウスは直ぐに手紙を広げた。

 

【この手紙を読んでいる頃には、既に私はアルゼナルにはいないだろう。恐らく私が脱走した事に、基地のみんなが騒ぎになっているだろう。みんなにも迷惑をかけているだろう。多分みんなが脱走した理由は昔のようにミスルギ皇国に帰るためだと言っているだろう。

 

・・・メビウス、それは違うわ。

 

私には・・・妹、シルヴィアがいる。彼女が処刑されるのだ。私がノーマであったせいで。そのせいでミスルギ皇室の人間は処刑されるのだ。

 

私はかつて彼女から足の自由を奪ってしまった。そして今度は命まで奪ってしまう。だから私は妹を助けなくちゃいけない。

 

ここまで来れたのはあなたのおかげでもあるわ。あなたが言った言葉【後悔する生き方だけはするな】その言葉があったから戦って来れた。だからメビウス。あなたにだけは脱走の真実を伝えたい。それじゃあメビウス。みんなにさようならって伝えて。

あなたに会えてよかった・・・さようなら」

 

メビウスは無意識にその手紙を握りつぶした。

 

(違うんだアンジュ・・・)

 

メビウスは考えていた。自分は真実を知っている。自分はその状態でアンジュと会っていた。

もし自分が真実を伝えていれば、別の可能性があったはずだ・・・。

 

ココとミランダの事を思い出す。二人を助けてやれたはずなのに、死なせてしまった。その出来事を思い出す。

 

 

 

 

 

「・・・後悔する生き方だけはするな・・・か」

 

メビウスはそう呟くと、やがて金袋を持ち、部屋の電気を消して、部屋を後にした。

 

行き先はジャスミンモールだった。番犬としてバルカンがいたが、メビウスが金袋を見せると客と判断したのか大人しくなった。

 

メビウスはなるべく男が来ても問題ない衣類を集めていた。パラメイルにカスタムできるパーツを見つける。そして生身用の武器を漁っていた。それなりの食料も買い込み、最後に花束を3つ買った。

 

バルカンの前にキャッシュを置くとバルカンはワンと一つ吠えた。毎度あり!のつもりだろつか。

 

次に医務室に向かう。そこにマギーはいなかった。

 

「・・・ゾーラ隊長・・・」

 

メビウスはそう呟き、ゾーラ隊長の近くにあった、花瓶の花を交換した。

 

そうして医務室も後にした。

 

今度はココとミランダの墓の前に来ていた。

 

二人の墓に花束をを添える。

 

「ココ・・・ミランダ・・・俺は後悔しない生き方をするよ」

 

そうして墓場を後にした。

 

部屋に戻る。すでにナオミは寝ていた。

 

メビウスは金袋から1260万キャッシュを出した。やがて袋からもう少しのキャッシュを出した。

 

「・・・これで借金返せよ・・・あと、みんなで

美味いもんでも食べろ・・・あばよ・・・」

 

そう言うとメビウスはジェットボードを背中に背負い、再び部屋を後にした。

 

ロッカールームにたどり着くと、メビウスは

パイロットスーツに着替えた。

 

発着デッキに着いた。そこには誰もいなかった。メビウスにとっては好都合であった。フェニックスに近づき、作業を始めた。ターボノズルの装備をしていたが、やがて装備が終わった。

 

これでフェニックスの機動力などは飛躍的に上昇した。新たなるフェニックス ターボカスタムだ。

 

フェニックスに搭乗する。フェニックスは固定されていたがそんな事は今のメビウスには御構い無しだ。

 

コックピット内のボックスに食料と衣類を入れる。ボードに関しては折りたたんでしまう。武器などは身体に携帯しておく。

 

拘束パーツの解除、そして機体の発進準備にかかった。

 

「・・・すでに決めたはずだぜ。後悔する生き方はしないって・・・」

 

メビウスはそう呟き、バイザーをかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前に遡る。

 

司令室ではジル司令を中心にサリア、メイ、マギー、ジャスミンが話し合っていた。

 

エマ監察官は絶賛寝込み中だ。

 

「まずい事になっちまったね」

 

マギーがそう言う。

 

ノーマの脱走。それを許しただけでも多少面倒くさいのにまさかミスティを人質にされてしまった点はとてもまずい。なにより脱走したのがアンジュという事が彼女達にとっては何よりもまずい出来事だ。

 

これが他のノーマやヒルダだけならジル司令はせいぜい【放っておけ、それよりミスティ・ローゼンブルム様の捜索に専念せよ】と言えた。

 

だが、アンジュが消えた事は彼女達の計画にも響くものがある。

 

「ジャスミン。坊やとの連絡はとれたか?」

 

「いや、まだだね。なんせ向こうから一方的ってのが普通だろうし」

 

ジル司令の問いにジャスミンは肩をすくめる。

 

(アンジュ・・・それにヒルダも・・・どうしてなの?)

 

サリアは困惑していた。前回の戦いで、ようやく

アンジュがチームとして馴染めて来たと思っていた矢先の出来事だ。無論、ヒルダの事もサリアは考えていた。

 

「・・・最悪の場合。ヴィルキス無しでやらねばならないのかもな」

 

ジル司令がどこか重い口調でそう言う。

 

「いざとなったら・・・メビウスにアンジュの代わりをしてもらうかい?」

 

マギーがそう聞いてくる。

 

フェニックスは機体性能だけでいうならば、

メビウスの腕もあり、

間違いなくアルゼナル最強の存在である。

 

「・・・でもリベルタスには!ヴィルキスは絶対必要だよ!ヴィルキスは、あの人達の決死の思いがこめられてるんだよ!!」

 

メイが必死になりながらそ言う。

 

「分かっている・・・明日、ナオミにアンジュの

捜索をさせるか」

 

ジル司令の言葉にサリアが驚く。

 

「なぜナオミが!?私が行きます!」

 

サリアが代案を提出した。

 

その時、司令室に警報が鳴り響いた。

 

「なんだこれは!」

 

「これ!機体の拘束アームが外された音だよ!機体が発進準備にかかってるよ!」

 

「機体!並びにパイロットは誰か!」

 

「機種データ確認・・・メビウスとフェニックスだよ!」

 

「メビウス!何をしている!やめろ!」

 

モニターにメビウスが映された。

 

「・・・・・・ジル司令。自分はこの世界でするべき事を思い出し、実行しました。そして元の世界への帰還方法もほぼ確立しました。

 

 

 

・・・自分はこれから!元の世界へと帰還いたします!今までお世話になりました!」

 

(嘘だ!)

 

その場にいた皆んながそう思った。

 

しかしメビウスは止まる気配は無かった。

 

「・・・メビウス!フェニックス!行きます!」

 

そう言うとフェニックスはアルゼナルの空に舞い、やがて星空の中へと溶けていった。

 

 

「直ぐに第一中隊にスクランブルを!」

 

「・・・無駄だ。やめておけ」

 

「ジル!?」

 

ジル司令は覚えていたのだ。メビウスが初めてここに来た時、ある事を約束していた。独立した調査権とやるべき事が見つかった際は、帰還を許可すると言う事を。

 

メビウスはそれを利用したのだ。

 

しかし、まさかこのタイミングでそのような事をされるとは、流石のジル司令もこれには動揺していた。

 

なによりフェニックスの機体性能では並大抵の

パラメイルでは追いつくことなど不可能である。

 

「このままあいつ・・・帰ってこない可能性って

ありえるかい?」

 

「・・・その可能性は無くはない」

 

「・・・根拠は?」

 

「・・・フェスタの時、司令室のパソコンに何者かがアクセスした形跡がある」

 

「なんだって!?じゃあまさか!」

 

「さっきオリビエを問い詰めたところ、途中で

メビウスがオリビエと交代したらしい」

 

「知られたと思うかい?【リベルタス】についても」

 

「恐らく、知られただろうな」

 

「・・・あいつを信じるしかないのか・・・」

 

ジル司令はそう言うと、手にしたタバコを義手で

握りつぶした。

 

アルゼナルを離れ、夜空を飛んでいた。地図などはパソコンを見た際に自然と頭に叩き込まれていた。

 

(・・・必ず・・・助ける・・・!)

 

メビウスの目は決意に満ちていた。

 

 






今回、メビウスがアンジュを助けるために脱走してしまいましたね!

本来ならジル司令が依頼するケースを考えましたが、展開に面白みを出すために、あえて脱走にしました。

それにしてもここでまさか最初にしたジル司令との権利交渉が役に立つとは・・・

べっ別に計画通りだし・・・(震え声)

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