クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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お気に入り40人突破しました!

今回からどこか冒険物の用に仲間を集めてある場所を目指す風になります。また、多少ショッキングな表現も出始めました。

今までとは違うショッキングな表現が・・・

ちなみにしばらくはフェニックスはただの移動用のマシーン的な扱いですね。(笑)

それでは本編の始まりです!



第30話 ミスティの決断

 

 

アルゼナルを離れたメビウスは飛んでいたが、やがて夜が明けて、太陽が地平線から見えてきた。

 

(綺麗だな・・・)

 

前日フェスタで見た花火とは違い、また新たな感動をメビウスは覚えた。

 

そうしてしばらく飛んでいたが、やがて陸地が見え始めてきた。フェニックスを森に着陸させる。

 

「ここが・・・外の世界か」

 

メビウスは周りを見渡していた。周りの状況を確認するため、しばらく周囲をブラブラしていた。

 

するとそこに、メビウスはある物を見つけた、

 

それはアルゼナルにあった輸送機であった。

 

「アンジュ!ヒルダ!」

 

輸送機の後部ハッチから中へと入る。しかしそこに二人の姿はなかった。

 

しかし、そこにはペロリーナの着ぐるみがあった。しかもそこからうめき声が聞こえた。

 

「!誰か入っているのか!?」

 

メビウスはペロリーナの頭部を外した。するとそこにはミスティ・ローゼンブルムがいた。

 

「なっミスティさん!?」

 

「え!?メビウスさん!?」

 

お互いが驚いていた。ミスティからすれば、アルゼナルにいたはずのノーマが目の前にいるのだから無理もない。

 

「ミスティさん!?アンジュは!?ヒルダは!?」

 

「あなたは・・・アルゼナルからの追っ手なのですか?」

 

「・・・違う。俺は俺の意思でここにきた」

 

「お願いです!アンジュリーゼ様の邪魔をしないでください!彼女は妹を・・・シルヴィア様を助けに行く為に!」

 

「助けに・・・か・・・」

 

「そうです!ミスルギ皇室の方々はみんな処刑にされるのです!そうなる前に!」

 

「その情報・・・マナからですか?」

 

「えっ?・・・はい」

 

「・・・ミスティさん。あなたも騙されてるんだ・・・」

 

「え?・・・どういうことですか・・・?」

 

メビウスの言葉の意味をミスティは理解できないでいた。

 

「ミスルギ皇室の人が処刑される。そんな話は嘘なんですよ」

 

「え!?」

 

「そもそも、国民が革命を起こしたとか、国が滅んだとかも全部嘘だったんですよ」

 

 

 

疑問に感じたのはモモカが来た頃だった。ヒルダが言っていた言葉。

 

【アルゼナルが一部の人間にしか知られていない】

 

この言葉が事実ならメイド風情であるモモカがここにたどり着けるわけがない。なのにたどり着いた。ならばそこには、誰かの協力。又は思惑が絡んでいると見るべきだろう。

現にメビウスが密航に関して聞いた時、彼女は明らかに動揺していた。

 

「だから俺はその後、司令室のパソコンで調べてみたんです。ミスルギ皇国について。以前聞いた話では、ミスルギ皇国が滅んだと聞いてました」

 

「・・・でも現実は違いましたよ。ミスルギ皇国は、確かに名前だけは滅びてましたよ。・・・神聖ミスルギ皇国に変わってましたよ、国名。名前が変わっただけで国自体は滅んでなんていませんよ」

 

「そ・・・そんな・・・」

 

「ミスティさん。あなたの言うことも一つだけ当たってましたよ。皇室の方の処刑。一人だけされました。ジュライ・飛鳥・ミスルギ。多分アンジュの知り合いなんでしょ?」

 

「その方は・・・アンジュリーゼ様のお父さまです」

 

「そうか・・・その父親の処刑をしたの。誰だかわかります?ジュリオ・飛鳥・ミスルギ。こっちも、どう考えてもアンジュの知り合いですよね?」

 

「ジュリオ様は・・・アンジュリーゼ様のお兄さまです」

 

「ちなみにその処刑にはシルヴィアも関わってるみたいですよ。処刑理由はアンジュがノーマだということを隠し、国民を欺いた罪らしいですよ」

 

「ミスティさん。俺にはそのシルヴィアって人が処刑されるだなんてとてもじゃないが思えない。そして、処刑されないのに処刑される風に見せてアンジュを呼び出すなんて・・・少なくても俺には、騙しているとしか思えない」

 

「まさかモモカさんも!?」

 

「いや、彼女は多分利用されてるだけだろう。俺には彼女のアンジュへの思いがとてもじゃないが嘘には思えない。あれが嘘だとしたら俺は誰も信じられないだろうな」

 

「・・・あなたは・・・一体何者なのですか・・・」

 

ミスティが驚いて聞いてくる。

 

「・・・ミスティさん、あなたに話しますね。俺の真実を」

 

メビウスはミスティに全てを話した。自分が男だという事、自分が別世界の人間だという事。自分が本当は13歳だという事。覚えている全てを話した。

 

「・・・そんな事が・・・」

 

ミスティは信じられないでいた。あまりにも現実離れした話だからだ。

 

「俺にはマナがどんなものかわからない。でも、少なくてもマナがないだけで人としてすら見ない連中を、俺は認めたくない。それが血の繋がった存在だとしたら、尚更だ」

 

メビウスはどこか自虐めいた風に、だけど明確な意志を含めていた。

 

 

 

「じゃあミスティさん。アンジュはやっぱりミスルギ皇国に向かったんですね」

 

「はい・・・」

 

「ありがとうございます。それでは」

 

メビウスは輸送機を後にしようとした。

 

「あのっ!待ってください!」

 

ミスティが後ろから呼んできた。メビウスは振り返る。

 

「なんですか?」

 

「・・・私もミスルギ皇国へ連れていってください!」

 

「・・・はぁぁ!?ミスティさん!自分が何言ってるか分かってるんですか!?」

 

「わかっています!私はアンジュリーゼ様のためと思って脱走に協力したんです。ですが、あなたの言う事が本当なら・・・!私はアンジュリーゼ様に謝らなければなりません!」

 

「それに!私も多少疑問に思っていました。マナが本当に絶対の情報なのか・・・だから!私も自分の目で真実を確かめたいんです!お願いします!」

 

ミスティは頭を深々と下げた。

 

「・・・危険な道になるんだぞ?」

 

「あなたの言うことが本当なら、アンジュリーゼ様はもっと危険な目に遭っているはずです!」

 

・・・・・・沈黙が続いた。

 

「・・・その格好じゃ目立つ。服を取ってくるからそれに着替えてくれ」

 

遂にメビウスが折れた。服を取りに二人でフェニックスへと向かう。そして輸送機へと戻る。

 

しばらくして、ミスティは着替えて出てきた。男女兼用の服のおかげで、特に違和感はなかった。

 

「とにかく今はミスルギ皇国を目指す。ミスティさん。ミスルギ皇国はここからどれくらいですか?」

 

「徒歩だとかなりかかるはずです」

 

(ならアンジュはまだミスルギ皇国についてないのか?・・・いや、おそらく別の移動手段でも見つけたんだろうな)

 

「とにかく出ます。ミスティさんは後ろに乗ってください」

 

「はい!」

 

そう言うとミスティは後ろに乗った。メビウスが機体を上昇させる。

 

「そうだ、これかけてください」

 

そう言うとメビウスは自分のかけてたバイザーをミスティに渡す。

 

多少の調整をして、ミスティはそれをかける。

 

「それじゃあ行きますよ!」

 

そう言うとメビウスはフェニックスを加速させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前に遡る。

 

 

 

古びたガソリンスタンドでお互いが移動手段を手にした後、ヒルダはアンジュと別れて、母のいるエンデラント連合を目指していた。途中で店から強奪したワンピースへと着替えた。

 

そしてヒルダは遂に母親のいる家の前までたどり着いた。

 

そこには昔と変わっていない家の風景があった。

 

ヒルダは6歳の頃に、ノーマだと発覚した。ノーマだと発覚する前は、家にあるリンゴの木に登り、リンゴを食べていた。おやつには母親が作ったアップルパイをオルゴールを聞きながら食べていた。

 

母親であるインゲは最後までヒルダを守ろうとしていた。

 

「お願いです!見逃してください!たとえノーマでも!ヒルダは私の大切な娘なんです!!」

 

最後の最後まで・・・

 

 

 

ヒルダは意を決して、家の扉を開けた。中はヒルダが6歳の頃と全く変わっていなかった。

 

「あら?娘のお友達?」

 

後ろから懐かしい声がした。振り返るとそこにはヒルダの母がいた。

 

「マ・・・マ」

 

ヒルダは声にならない微かな声でそう呼んだ。遂に母の所に帰ってこれたのだ。それがヒルダにとって、最大の願いであった。

 

「ゆっくりしていってくださいね。あの娘、もうすぐ帰ってくるから。それまでオルゴールでも聞いていらしてください。そうそう、もうすぐアップルパイが焼けるのよ。よかったらどうぞ」

 

「アップルパイ・・・ママ・・・」

 

ヒルダは外に出た。そこには昔と変わらずリンゴの木が生えていた。

 

そこからリンゴを一つむしり取り、食べる。

 

その味は昔食べたリンゴとなんら変わりがなかった。

 

(帰ってこれたんだ・・・あたし・・・)

 

そう思い、ヒルダは涙をこぼしながらリンゴを食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雨が降ってきたな」

 

こちらはミスルギ皇国を目指していたメビウスとミスティ。二人はしばらく飛んでいたが、やがて雨が降ってきたため、機体を一目のつかない林の中に一旦着陸させた。

 

そして、近くにあった洞穴へと避難した。

 

「ミスティ、なんか食う?」

 

コックピットの中のボックスからパンを取り出した。ちなみに飛んでいる最中、ミスティには、さん付けはやめようと言う話になった。

 

パンは二人で2つずつ食べる。食べ物を購入した際、水も購入していたため。飲み食いには決して困りはしない。

 

「それにしても、ミスティは本当にアンジュの事を信頼してるんだな」

 

「はい!たとえノーマであっても、アンジュリーゼ様は私の憧れです!」

 

「・・・もし」

 

「え?」

 

「もしミスティやモモカの様に、マナがなくても認め合えれば、世界は平和になれるかな・・・」

 

「メビウス・・・さん」

 

「つまらない話をしたな。少し外を歩いてくる」

 

そう言うとメビウスは機体からフード付きのジャンパーを取り出した。フードを被り、雨をしのぎながら、メビウスは外へと出て行った。

 

しばらく歩くと、商店街のような道に出た。

 

外は人がまばらであった。しかし、外を歩いていた人のほとんどが傘をさしてはいなかった。なぜならマナの光が傘がわりになっていたからだ。

 

どうやら傘の存在はファッション的な扱いになっているようだ。

 

(あまり人気の多い道は使えないな・・・)

 

そう判断して、メビウスは道を少し外れた。

 

道を外れると、そこには人通りがなかった。裏路地という奴だ。

 

しばらくそこで歩いていると、目の前を女の子が歩いていた。そして前から何やら音が迫ってきた。よく見てみると、そこには赤のサイレンを鳴らしながら車が走ってきていた。車は前の女の子の横を通り過ぎると、メビウスの手前で止まった。

 

(まさかノーマだと気づかれた!?)

 

メビウスは内心では戦闘態勢に入っていた。

 

車の中から男達が4人出てきた。すると男達はメビウスに目もくれず、来た道を走っていった。そして、目の前を歩いていた人に向かって後ろから突然殴りかかった。

 

「なっ!?」

 

それはあまりにも意外な行動だった。なぜ殴りかかっているんだ。目の前の女の子は抵抗する素振りも見せずに、地面へと倒れた。しかし男達は一向に殴る蹴るを止めない。

 

(どう見てもまずいだろあれ!)

 

メビウスは走って男達とその女の子に割って入った。男達に向かい、女の子を庇う形で。

 

「ちょっとあんた達!なにしてるんだよ!」

 

「おい坊や!そこどきな。そいつはノーマなんだよ」

 

「そうそう。俺達は社会の廃棄物であるノーマの掃除をしてるんだよ!」

 

「掃除って!・・・無抵抗な子を一方的に殴りつけて!!そんな権利があんた達にあるのかよ!!!」

 

「あああるさ!相手はノーマだ。どんな事をしても罪には問われねぇよ」

 

「だって人間じゃないんだしねぇ」

 

その言葉に男達は大爆笑した、

 

「わかるか坊や?俺たちは正義のために仕事してるんだ。ヒーローごっこは他所でやりな!おら!どけ!」

 

男の内の一人が、メビウスを横へと突き飛ばした。メビウスは近くの泥沼にダイブする。

 

「早く帰ってママのミルクでも飲んでるんだな」

 

「早く帰らないとノーマに食べられちまうぞ!」

 

「まぁそんときゃ俺達がそのゴミの処理をしてやるよ」

 

そうして男達は女の子への暴力を再開した。 女の子は相変わらず無抵抗だった。

 

「なぁ?これ使ってみないか?」

 

男の一人がピストルを取り出した。

 

「おっ!それでどうするの?」

 

「これでこいつの四肢を順番に撃っていくんだよ。最後に腐った脳天に風穴をあえてやるんだよ」

 

「残酷ぅ〜」

 

「へへっ!じゃあ俺からだな。覚悟しろよ廃棄物」

 

そう言うと男は彼女の右腕に照準を合わせる、

 

「バァン!!」

 

乾いた音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと男の手から血が流れていた。

 

「はっ?いてててええええ!!!」

 

男は最初は理解できていなかったが、やがて激痛に悶える。

 

男達は皆発泡された場所を見た。するとそこには泥まみれのメビウスがいた。手には銃を構えていた。

 

「てってめぇ!」

 

「バァン!」

 

もう一人の男が拳銃を取り出す前にその男の胸には、風穴が空いた。男は後ろに倒れた。

 

「・・・お前達に・・・生きる資格はない!!!」

 

そう言うとメビウスは三人目に向けて銃を撃った。それは男の使うマナの光で防がれてしまった。

 

しかしメビウスは一気に距離を詰めると、そのバリアにパンチを入れる。するとそのバリアは砕け散った。ノーマだからマナを消滅させたのではなく、単純な力押しでマナの光のバリアを破壊したのだ。まるで窓ガラスを拳で割ったかのように。

 

そのまま男の顔にパンチが決まる。アンジュを殴った時でさえ、全力では殴らなかった。しかしメビウスは今、全力で殴りつけていた。すると男首があらぬ方角へと回った。その男も動かなくなった。

 

「ノーマだと!?そんなばかな!?」

 

四人目は慌てふためいていた。ノーマは女にしかならないため、当然の反応でもある。

 

それに構う事なく、メビウスは四人目に向けて殴りかかった。マナの光で身を守ろうとしたが、その行為は、力押しでマナを破壊できる彼には意味がなかった。マナの光が砕け、腹にパンチが入る。男は腹を抱えながら、うずくまる。

 

そしてメビウスはそいつの顔を思いっきり蹴った。まるでサッカーボールを遠くに飛ばすかの用に蹴った。男の首が胴体から離れた。

 

胴体から離れた首はポンポンと転がっていったが、やがて動きが止まった。メビウスはそこに行くと、その首を足で思いっきり踏んづけた。まるでゴミでも踏むかのような態度であった。

 

「グチャッ!!」

 

その音とともに、メビウスの下半身に血飛沫が付着した。

 

メビウスは振り返ると手を撃った男の元に向かった。

 

「てってめぇは・・・一体」

 

男は手の甲を抑えながら呻くようにいう。

 

「ノーマ。お前達が嫌っているノーマだ」

 

そう言いメビウスは銃口を男に向けた。

 

「まっ待て!頼む!命だけは!」

 

「最後まで我が身が大事か!」

 

もはや男の命乞いなど彼にとっては不快以外の何物でもなかった。男の額に風穴が空いた。男は何も言わない骸と成り果てた。あたりには死体が4つとメビウスと、暴行を受けていた女の子が残された。

 

「おっおい!君!大丈夫か!?」

 

メビウスは地面に倒れていた女の子の側に駆け寄る。

 

うつ伏せだった身体を起こす。するとその顔はメビウスが知っている存在だった。

 

「なっ!ヒルダ!?」

 

そう。ヒルダだった。普段見ていたツインテールはほどけており、後ろ姿では気づかなかったが、それは確かにヒルダであった。だが、普段見ていたヒルダはそこにはいなかった。いたのはまるで別人かのように弱っていたヒルダであった。

 

「おい!ヒルダ!しっかりしろ!」

 

「マ・・・マ・・・なん・・・で」

 

ヒルダはただボソボソとそのような言葉を呟いていた。

 

するとそこに先ほどの車が再びやってきた。

 

「おい!いたぞ!あいつだ!」

 

「まずい!」

 

メビウスはヒルダを背負うと、その場からダッシュで離れた。

 

後ろからは複数の足音が聞こえてきたが、しばらくすると、その足音は聞こえなくなった。どうやら振り切ったようだ。

 

メビウスは人目につかないように、洞窟へと戻っていった。

 

「メビウスさん!?どうしたんですか!?」

 

「ミスティ!マナの力で治療ってできるか!?」

 

メビウスはそう言うとヒルダをミスティに見せた。

 

「これはひどい・・・やってみます!」

 

「ママ・・あたし・・・」

 

ヒルダはうわごとのようにそれだけを呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前の時間に遡る。

 

ヒルダの母、インゲには新たに娘がいたのだ。その子はノーマではない。普通の女の子だ。名前はヒルデガルト・シュリーフォークト。

 

それはヒルダの本名であった。

 

インゲはそれをヒルダとして。自分の娘として育ててきた。ヒルダにとってそれは、自分の存在を否定された気分だった。ヒルダは言った。自分こそがヒルデガルト・シュリフォークトだと。

 

インゲは最初困惑していたが、やがて思い出したらしい。11年前の出来事を・・・。

 

その子はヒルダのことを全く知らないら様子だった。だが彼女がノーマだとインゲから教えられ、その証拠であるマナの破壊を見せられると、ヒルダに対して一言叫んだ。

 

「化け物!!」

 

本来、妹になるはずだった存在には、自分の本当の名前が付けられていた。その妹は本来姉になるはずの存在を化け物呼ばわりした。

 

ヒルダの心に大穴が開いた。

 

そしてインゲの放った一言。これがヒルダにとどめをさした。

 

「あんたなんて!生まれて来なければよかったのよ!」

 

その言葉とともに、インゲはアップルパイをヒルダに投げつけた。ヒルダはそれを胸に受けた。物理的にヒルダにダメージなどない。しかしこの時、ヒルダの中にあったなにかが木っ端微塵に吹き飛んだ。言葉にならない悲鳴をあげ、ヒルダは家を飛び出した。

 

ずっと願ってきた、想い続けてきた母親の存在。その母親から存在を否定された。

 

失意の中、彼女は行くあてもなく、ただ歩いていた。そこに先程の警官どもが後ろから殴りかかってきた。

 

「通報しない。だから今すぐ消えろ!」

 

インゲは土下座しながらそう泣きついてもいた。しかしそれすら裏切られたのだ。警官に暴行を受けながら、彼女はアンジュが妹と会えたかを気にしながら、死んでも良いと思った。

 

これがヒルダの身に起きた惨劇だった。

 






まさかのミスティがパーティに加わりました!

今回はヒルダサイドの話も加えました!アニメ本編ではこれが血を分けた親のする事なのかとマジでショッキングでした。

果たしてヒルダは助かるのか!?そしてアンジュ達は今!どうしているのか!?

次回もみんなで見よう!(予告風)

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