クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
今回はナレーターが結構フリーです。途中でナレーターっぽくもなくなります!
今回の話はメビウスに本編見ていた際に思ったこと感じた事を全部言わせてみました!
それでは本編の始まりです!
夜となった。アンジュが罪人の服で晒し者にされていた。両腕には手枷がつけられており、アンジュを拘束していた。
その体には幾多もの傷跡が付いており、どう見ても罪人の扱いからは完全に外れていた。
「これは私を馬から落とした罪!」
「ぐうっ!」
「これは私を歩けなくした罪!
「ああっ!」
「そしてこれが生まれてきた罪!」
「がはっ!」
シルヴィアがはアンジュを鞭打ちする。アンジュはただそれを受けるしかなかった。
「シルヴィア様!もうやめてください!こんな酷い事は!」
モモカが必死に頼む。彼女も兵士達のマナにより拘束されていた。
「酷いこと?このノーマが!汚らわしくて暴力的で反社会的な化け物が!私のお姉さまだったのよ!これ以上に酷い事がこの世にあると言うの!?謝りなさい!私がノーマだから悪いんです!ごめんなさいって!」
「シルヴィア様の言う通りだ!」
「私達の人生を返せ!」
アキホ達を中心に会場からアンジュに対しての罵声が響いた。
「モモカ。君には感謝している。我々に断罪の機会を与えてくれた事に」
「えっ・・・」
ジュリオの言葉はモモカには意味がわからなかった。
「アンジュリーゼをアルゼナルに送り込んだまでは良かった。後は勝手に死ぬはずだった。私達はその報告を待つだけだった。なのにこいつは死ななかった!生きていてはいけない存在なのに!そのためにわざわざ芝居までうたなければならなかった」
「一介の侍女が世界の果てに追放された存在にこうも簡単に会えるわけがないだろう?モモカ。お前は利用されたんだよ。私達にな。
お前達のシルヴィアのために戦ってきた姿は、実に滑稽だったぞ」
「そっ・・・そんな・・・」
モモカは自分のせいでアンジュがこんな目にあっている現実に絶望した。
「このノーマのせいで私達の母は死に、私達兄妹は国民の示しのため!涙ながらに父親を処刑せざるを得なかった。全て!このノーマの際なのだ!諸君!このような穢らわしいノーマの存在を!許してはいけない!」
・・・我慢の限界だ。今回だけはナレーターの立場を超えて、はっきりと言おう。
ジュリオの言うことはほとんどが嘘である。ジュリオは父親の処刑に涙など流していなかった。シルヴィアが別れを悲しむ涙を流した程度だ。こいつの発言にナレーションするのさえ嫌だが閲覧者のためにナレーターの仕事は続けよう。
さて、話題がそれてしまった。本編に戻ろう。
「今宵この国は生まれ変わるのだ!神聖ミスルギ皇国として!初代神聖ミスルギ皇国皇帝のジュリオ・飛鳥・ミスルギが命じる!このノーマを処刑せよ」
会場にいた市民達が歓喜の声を上げた。
「ほら!歩け!」
アンジュは絞殺台へと歩かされていた。
「惨め!」「私達を騙していた罰よ!」
アンジュのクラスメイトが罵倒する。
「なんで・・・なんで私が処刑されなければならないのよ!何の罪で!」
アンジュに生卵が投げられた。
「黙れノーマ!私に何をしたのか!忘れたとは言わせないわ!」
「ちょっと足払いして笹巻きにしただけでしょ!」
「そんな・・・酷い・・・」
アキホが泣き真似をした。ここまであからさまなのに周りはアキホを気遣っている。
「死刑されるような罪じゃないわ!」
「それは人間の場合だ!お前はノーマだろ!」
「そうだ!お前は人間じゃない!」
「アンタはノーマ!それだけで死刑で十分なのよ!」
「そうだ!ノーマは死刑にしろ!」
「死刑だ死刑!」
「そんな!アンジュリーゼ様のおかげで!私は幸せになれたんですよ!なのに!」
モモカがただ一人、アンジュを弁護するが民衆はそんな事は御構い無しだった。
「吊ーるーせー吊ーるーせー吊ーるーせー吊ーるーせー吊ーるーせー」
会場からは吊るせコールがかかった。このような事があっていいのだろうか!
「そんな!アンジュリーゼ様は何も悪くありません!なのにどうして!・・・どうしてアンジュリーゼ様だけがこんな酷い目に・・・!」
「モモカ・・・あなたと・・・あそこにいた人達だけね。ノーマだとか人間だとか関係なく、私を認めてくれたのは・・・」
アルゼナルの第一中隊を思い出す。サリアを。ヒルダとロザリーとクリスを。ヴィヴィアンとエルシャを。ココとミランダとゾーラ体調を。ナオミとメビウスを思い出す。
それだけじゃない、あそこにいた人全てがアンジュをアンジュと認め、接してくれていた。
(それに比べて・・・これが平和と正義を愛するミスルギ皇国の人間だと言うの?豚よこんな奴ら!言葉の通じない豚以下の存在よ!こんな奴らを守るために・・・ノーマは戦ってるって言うの!?)
「早く殺せよ!」
「とっとと家に帰りたいんだけど」
ノーマを殺す事にこいつら豚以下の連中はなんとも思っていないらしい。
(お父さまとお母さまは違っていた。私がノーマだとしても、私を愛してくれていた)
あの日を、洗礼の儀の前日を思い出す。
母があの日くれた指輪を思い出す。そして歌を思い出す。
【永遠語り】アンジュの母ソフィアが、アンジュに教えた歌。
「どうか、あなたの道に、光の加護があらん事を」
ソフィアが指輪を託した際に言った言葉を思い出す。
「始まりの光 kilari・・・kirali」
「終わりの光 lulala・・・lila」
「なっ!この歌は!?」
「永遠語り!それはお母さまの歌よ!ノーマの分際で穢さないで!」
「兵士ども!止めさせろ!」
「おいお前!いい加減に・・・」
アンジュが兵士を睨む。すると兵士達はそれにビビった。
(道を示す光・・・お母さまが私に残してくれたもの・・・私は死なないし、諦めない。最後の最後まで・・・)
「ふっまぁいい。どうせ死ぬんだ少しでも楽しませてくれたまえ」
豚のリーダージュリオが立ち上がった。
「これより!穢らわしいノーマの処刑を始める!」
歓声が響いた。
次の瞬間だった。
「ふっざけんじゃねぇぇぇぞ!!!」
会場中に怒鳴り声が響いた。その声に観客達はざわめく。
「おっおい!あれを見ろ!」
観客の一人が空を指した。するとそこには光の粒子を放つ機体がそこにはあった。
フェニックスだ。
「フェニックス・・・まさか!メビウス!?」
アンジュは驚いていた。
その頃。ステージの物陰で、ある男がアンジュを助けるために準備をしていた。
「なっ・・・なんだよ・・・これ・・・」
「こんな・・・酷いことを・・・」
コックピット内ではヒルダとミスティの二人が唖然となっていた。
マナの中継により、アンジュの処刑は、彼女達も見ていたのだ。その光景はノーマを見世物の用に吊るし上げ、挙げ句の果てに殺す。しかもそれを一般市民はショーの用に見ている。まさに狂っているとしか言いようがなかった。
メビウスに関しては完全にキレていた。
「ヒルダ。機体制御頼む」
メビウスはそう言うとジェットボードを取り出し、機体の外へとでた。片手にアサルトライフルを握って。
メビウスがステージに降りていった。ジェットボードを背中に背負う。
「きっ貴様!一体・・・」
突然の事にジュリオが驚く。彼らからしたら空から人間が降りてきたのだ。驚くなと言う方が無理である。
「アンジュを処刑するだと!?血の繋がった兄妹じゃないのか!それを見世物の用に扱いやがって!?アンジュをなんだと思っている!おまけに人が死ぬのを楽しむだと!?貴様ら!それでも人間か!」
メビウスの発言に豚どもは笑い始めた。
「あいつ!化け物であるノーマを守ってるよ。馬鹿なんじゃない」
「相手はノーマなんだよ。殺したところで何の損失にもならないんだよ」
「化け物にルールなんていらないんだよ!死ねばそれでいいんだよ!」
「最低だ貴様ら!人間の風上にも置かない!最低の連中だ!!」
メビウスの中の何かが音を立てて切れた。
「アンジュがノーマで化け物って言うんなら!テメェらはただの臆病者だ!」
その言葉に周りが睨むように見てきた。
「それどう言う意味よ!」
「言葉の通りだよ!テメェらのしてる事は!ノーマを認めず!一方的に排除しやがる!そのやり方はな!痛みを怖がって一方的に殴りつけようとする臆病者のやり方だって言ってんだよ!」
するとメビウスの体に何かが覆いかぶさった。
それはマナでできた捕縛結界だった。
「ノーマに味方する者はノーマと同罪ですよね?」
リィザが捕縛結界を展開した状態で豚のリーダーに尋ねる。
「当たり前だ、いい余興だ。この大罪人を今この場で・・・」
突然ジュリオの顔にパンチが飛んだ。そのパンチはジュリオを吹っ飛ばした。
皆驚いて見ていた。マナの光で作られた捕縛結界をメビウスは引きちぎったのだ。
豚のリーダージュリオが台に突っ込む。殴りどころが悪かったらしく、残念な事に、ジュリオはまだ生きていた。
直ぐに側にいた兵士がメビウスに銃を放った。それを避けるとメビウスは距離を詰め兵士に殴りかかる。兵士はマナの光で防ごうとした。しかしそれはメビウスにとって何の意味もなかった。力押しでマナの光を砕くと、メビウスはそのままの勢いで兵士をぶん殴った。兵士は会場に飛ばされた。
「・・・マナの光を・・・打ち砕いた・・・」
豚共は驚きで誰も身体を動かさなかった。唯一使える腐った頭脳で、ある結論を導き出した。
「まさか・・・ノーマ・・・」
「ありえない!ノーマは女に現れるはずだ!男のノーマなど聞いたことない!!」
豚共は騒ぎ立てていた。
未だに怯えて立てないでいたジュリオに向く。
「アンジュを解放しろ!それともまだ実力の差を理解できずこの俺と、メビウスと戦うつもりかな?」
メビウスは銃をジュリオに向けた。生身でこれだけの能力なのだ。遠距離からの攻撃が加えられたら実力の差は明白だろう。
「ひっ!やめろ!やめろ!」
ジュリオが慌てて頼み込む。失禁さえしていた。
「・・・殺せ!殺せ!殺せ!ノーマに味方する化け物を殺せ!」
観客達が一斉に騒ぎ出した。
その中でアキホが倒れ込んだ兵士の銃を拾うと、メビウスを撃った。右肩に命中し、血が流れる。しかしメビウスは顔色一つ変えないでいた。それどころか避けなかったようにも見えた。
「なるほど!それが臆病者の出した答えというやつか!なら!」
銃声が鳴り響いた。銃弾はアキホの腕を撃ち抜いていた。
アキホは声にならない悲鳴をあげた。
「痛い!痛い!痛いよ!!!」
メビウスは撃っていない。隣を見るとそこにはアンジュがいた。
さらにその隣にはあの時、島であったタスクまでいた。
「なっ!・・・アンジュリーゼ・・・様」
「どうしたの?拘束されてる状態じゃなきゃ一丁前に罵る事も出来ないの?本当に臆病者な豚共ね」
「君のおかげだよ。彼らの注意を君に引きつけてくれたおかげだ」
あの後、皆の注意がメビウスに向いている間に、タスクはアンジュを救出していたのだ。
因みにタスクがまたアンジュの股にダイブしたのはここだけの話である。
「消え失せろ!臆病者の豚共!」
メビウスが銃口を観客達に向ける。すると観客達は皆我先にとその場を離れていった。今まで散々好き勝手言ってきたくせに、危険になると一目散に逃げる。まさに無様であった。
豚共があらかた去った後の会場に残されたのは生存者は、メビウスとアンジュ。モモカとタスク。そして偉そうな豚が二匹だけだった。
兵達はリィザを含めてタスクとメビウスで全員ノックアウトした。アンジュはモモカを拘束していたマナを触れる事で壊した。
そしてメビウスとアンジュの目の前には醜いジュリオと醜いシルヴィアがいた。
メビウスはシルヴィアの胸ぐらを掴んだ。
「二度とアンジュに関わるな!」
そう言うとシルヴィアを投げ捨てた。車椅子の彼女にとってこれはとても苦しいものがあった。
「あっ・・・あ・・・あ・・」
そんなシルヴィアをアンジュは車椅子に叩きつけると睨みつけた。
「ありがとうシルヴィア!醜い人間の本性を現してくれて!ありがとうお兄さま!私の正体を暴いてくれて!」
「メビウス!アンジュ!」
フェニックスが降下してきた。ヒルダとミスティが機体から降りてくる。
「ミスティ・・・ヒルダも!二人とも!どうして!?」
その時だった。
「やれやれ、無能が服を着て歩いてるとはこの事か」
後ろから声と銃声がした。メビウスは反射的に避けた。すると銃弾はその先にいた、ジュリオの頬をかすめた。
「ひぃい!痛い!痛いよ!」
「ちょっと掠っちまっただけだろ?これだから温室育ちの坊ちゃんはダメなんだよ」
痛みに悶えるジュリオを特に気にも止めずに、その声の持ち主は会場へと入ってきた。
メビウスは振り返った。するとそこにはあの男がいた。その男をメビウスは知っていた。何度か夢の中であっていたのだ。そして、一度戦った事があった。
「ガーナム!なんでお前がここにいる!」
「理由なんてどうでもいいだろ?そんなことよりここであったがなんとやらだ。前回の続きを始めようじゃねえか!」
そう言うと彼は指を鳴らした。するとそこにグラスターカスタムが現れた。
「ヒルダ!みんなを頼む!みんなをここに来るまでいた機体の隠し場所に集合だ!!」
「おっおう!」
そう言うとヒルダはアンジュとミスティを、タスクとモモカを連れて、会場を後にした。
「早く乗りな。そしたら空中で戦ってやるよ」
メビウスはフェニックスに乗り込む。そして機体を上昇させた。
「さぁて、前回のように邪魔されない最高の舞台だ!さぁて。楽しく殺し合おうぜぇ!」
「悪いけど時間がないんだ!早めに決着をつけさせてもらう!」
そう言うとお互いがサーベルとナイフを抜いた。
ジュリオに関しては殺す事が全く惜しくない存在として書いています。
スパロボでもミスルギ皇国のやり方はキラやルリさえも激怒させてましたね。
次回!ガーナムとの戦闘です!そろそろ4章もクライマックスに近づいてますね。