クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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久しぶりに戦闘シーンを書いた気がする。

今回で神聖ミスルギ皇国の話は終わりかな?

第4章はまだ終わりませんけどね!

それでは本編の始まりです!



第34話 腐った国との決別

 

 

ミスルギ皇国上空ではフェニックスとグラスター

カスタムが激戦を繰り広げていた。

 

撃っては守り、守ったら撃って。それの繰り返しであった。

 

「ファング!」

 

脚部から8つの牙が放たれた。それらは目前の敵に向かって放たれた。

 

それらはグラスターカスタムのアイ・フィールド防がれた。しかしアイ・フィールド起動中がメビウスの狙いでもあった。

 

メビウスは機体を加速させ、グラスターカスタムに突っ込ませる。そしてぶつかる直前でターボノズルを使い、急上昇させた。

 

「何!?」

 

「遅い!」

 

次の瞬間、背中からミサイルがグラスターカスタムに向かって放たれた。それらは機体後部に命中すると爆発した。

アイ・フィールドも機体の前面にしか展開できないためらこの戦法が唯一勝てる戦法なのだ。

 

「へっ!ちっとはましな動きできるじゃねぇか!」

 

「・・・」

 

「冷てぇなぁ!楽しく殺しあってるんだぜ!?

もっと喜べよ!」

 

「お前のお喋りに付き合う気はない!」

 

以前の戦いでは自分の中に迷いが生まれていた。その迷いが機体の動きに現れ、惨敗を喫した。ならば今は目の前のガーナムを倒し、その上で聞きたい事を全部聞き出してやる判断だ。

 

しかし次のガーナムの一言でメビウスのそれは揺らいだ。

 

「エンブリオとは仲良くお喋りしてたじゃねえか!矛盾する大罪を繰り返す者よぉ!」

 

「!!なぜエンブリオの事を知っている!?」

 

「やっとそちらから話しかけてくれたなぁ!」

 

マシンガンの弾が飛んできた。避けきれないため

アイ・フィールドで防ぐ。

 

するとガーナムは機体を接近させてきた。再び接近戦となる。

 

「いい加減自分の使命を思い出したらどうだぁ?」

 

「今はお前を倒す!全てを聞き出すのはその後だ!」

 

「そいつは無理だな!なんせお前は殺されるんだからな!」

 

機体を蹴飛ばされた。その衝撃に身体が揺れる。

 

右肩からはアキホに撃たれた傷がまだ残っていた。

あの後止血手当をタスクからしてもらってはいたが、やはり完全とまではいかないようだ。

 

メビウスは機体を立て直すと、再びグラスターカスタムに急接近した。そして当たる直前で急上昇させる。

 

「同じ手は通じねぇぜ!」

 

ガーナムはそう言うと機体を180度回転させ、マシンガンを放った。

 

そこにフェニックスはいなかった。

 

「なっ!?」

 

「もらった!!」

 

真上から声がした。次の瞬間、ガーナムの機体が揺れながら落ちていった。正確に言うなら上から何かに押し付けられて落とされていったが正解である。

 

フェニックスがグラスターカスタムを掴んで、地面に叩きつけようとしたのだ。近くの森に機体が叩きつけられる。

 

サーベルをコックピット手前に突き立てる。

 

「俺の勝ちだな!さぁ答えろ!お前は何を知っている!!」

 

「へっ!勝った気でいるにはまだ早えぜ!」

 

次の瞬間、ガーナムは再びフェニックスを蹴飛ばした。衝撃で機体が大きく揺れる。

 

「さぁて!戦いはこれからだ!」

 

機体を立て直したガーナムがマシンガンを取り出す。メビウスもコンバットパターンを仕掛ける準備をする。

 

 

 

「・・・と言いたいところだが、残念な事にさっきの衝撃で中の回路がいくつかダメになっちまったよ」

 

ガーナムはそう言うとマシンガンを下ろした。

 

「今回は逃げてやるよ。前回とは違ってな。喜んでいいんだぜ?まぁ次会った時はぶっ殺すけどな」

 

「答えろ!エンブリオ。あいつは何者だ!」

 

「おいおい。負けたからって素直に従う訳はないだろ?」

 

「んじゃメビウス。いや、お前を揺さぶるために今はこう言うか。【矛盾する大罪を繰り返す者】よ。せいぜい俺が殺しに行く前まで他の奴に機体をぶっ壊されんなよ。その機体も鹵獲しなけりゃならないし。んじゃグッバイ」

 

そう言うとグラスターカスタムは加速しながら夜空の中へと消えていった。

 

その場にはメビウスとフェニックスが残された。

 

「・・・なんとか勝てたか」

 

周囲を見渡した。周りには何事かと野次馬が集まって来ていた。

 

(ここにいるのはまずい。とりあえず集合場所に行くか)

 

メビウスは機体をウイングモードに変形させ、夜空に高く舞い上がり、ミスルギ皇国を後にした。

 

 

 

 

 

メビウス達三人がいた隠れ場所では、現在タスクとアンジュとモモカとヒルダ。そしてミスティがいた。

 

「申し訳ありません!アンジュリーゼ様!」

 

モモカとミスティが同時にアンジュに頭を下げていた。

 

「私のせいで!このような目に!申し訳ありません!」

 

「いえ!私があのようなデマな情報をアンジュリーゼ様にお伝えしたせいです!本当に申し訳ありません!」

 

「何言ってるのよ二人とも。お陰でスッキリしたわ。」

 

「え?」

 

「私には家族も友達も・・・何にもないって事がよくわかったわ。でもあなたた達は違ってた。

ありがとう、モモカ。ミスティ」

 

アンジュは優しく二人を許す。

 

「さてと。傷の手当てはこれで終わったよ」

 

アンジュの手当てをしていたタスクだが、どうやら手当は終わったようだ。

 

「ありがとうタスク。でもね・・・」

 

次の瞬間。タスクの頬にアンジュのビンタが飛んだ。

 

「痛ってええ!!」

 

「なんで私の股にダイブするの!?意地なの!?

病気なの!?」

 

アンジュは忘れていなかった。タスクがアンジュを絞首台から助かるときに、アンジュの股間にダイブした事を。その時は周囲は皆メビウスに注目しており、アンジュ達には気がつかなかった。その時アンジュはボロボロの罪人服だった。つまり今回は生で秘部を見られたと言う訳だ。

 

「なぁアンジュ?そいつ知り合いか?」

 

ヒルダが水を飲みながらそう聞いてきた」

 

「ええ。あなたのおかげで大変な目に遭った時のね」

 

「なんだよ。まだブラの件怒ってたのかよ」

 

「アンジュリーゼ様?こちらのお方とはどのような関係で?」

 

「えっ!?それは・・・」

 

「・・・一週間、寝泊りを一緒にした関係だよ」

 

タスクの言った一言にアンジュ以外の女性陣がざわめく。

 

「やっぱり!でなければ命懸けでアンジュリーゼ様を助けになんて来られませんよね!

男勝りなアンジュリーゼ様にも・・・ようやく春がやってきました・・・筆頭侍女として!嬉しくも思います!」

 

「アンジュリーゼ様が想い人を作られていたとは・・・。おめでとうございます!アンジュリーゼ様!」

 

「おやおや、あたしら達の知らないところで結構お熱い事があったようで・・・」

 

「いやぁ、それほどでもないよ・・・」

 

「アンタは黙ってなさい!!」

 

アンジュのげんこつがタスクの脳天にヒットした。

 

するとそこにフェニックスが帰還した。

 

コックピットからメビウスが降りる。

 

「メビウス!あいつどうなった!?」

 

「・・・なんとか追っ払った。ところであんた・・・えーっと」

 

「タスクだ」

 

「タスク。傷の手当てありがとな。でも一つ聞かせてくれよ。お前・・・一体何者なんだ?」

 

その疑問はみんなが思っていた。アンジュもなぜタスクがあの場にいたのか、それが分からなかった。

 

「別にアンジュを助けた理由はあれだよ。君は少し暴力的だけど綺麗だし、可愛いし、美人だし・・・」

 

「そんな事聞いてないわ。タスク・・・あなた何者なの?」

 

「・・・ジルから言われたんだよ。アンジュを死なすなって」

 

「ジル?それって司令のこと?」

 

「それだけじゃない。俺はヴィルキスの・・・

アンジュの騎士だよ」

 

「騎士・・・」

 

しばらくの間沈黙が続いた。

 

「そうだアンジュ。お前にこれ返さないとな」

 

メビウスは思い出した風に機体のボックスの中から取り出してきたアンジュの指輪を出す。

 

「メビウス。あなたどうやってこれを取り返したの?」

 

「・・・ちょっとした手助けが起きたんだよ」

 

あやふやな答えをアンジュに返した。エンブリオの事は黙っておこう。メビウスはそう決めていた。

 

「さて、そんなことよりアンジュ。それにヒルダも。二人はこれからどうする?」

 

メビウスが真剣な表情でそう聞いてきた。

 

二人はアルゼナルを脱走したのだ。外の世界を信じて。だが現実は違っていた。二人は外の世界に、

人間たちに捨てられたのだ。

 

「このままどこかで隠れて暮らせねぇかなぁ?」

 

「やめておきなさい。こんな世界でそんな場所無いと思うわよ」

 

ヒルダの提案をアンジュが否定する。

 

「メビウス?あんたはどうする気だ?」

 

「俺は・・・アルゼナルに戻ってみるよ」

 

その言葉に二人は驚いた。

 

「確かめたい事があるんだ。どうしても・・・

だから俺はアルゼナルに帰るつもりだ」

 

「・・・私もそうさせてもらうわ。あんなゴミ溜めのような所にいるくらいなら、まだあそこの方がましよ」

 

「あたしも同感だね。あんなもの見せられちゃ、

人間と一緒になんて居たくもないね」

 

三人の意見がまとまった。ノーマの処刑を喜んで見る

人間共。そんな奴らのいる場所にはいたくない。

 

「明日アルゼナルに帰還するか・・・」

 

「わかった。ジルにもそう伝えておくよ」

 

「ねぇタスク。一つ頼みがあるんだけど」

 

アンジュがタスクにそう言う。

 

「なんだい?」

 

「ミスティの事だけど。彼女を家に返してあげて」

 

「わかってるよ。とにかく今日はもう遅い。出発は明日の朝にしよう」

 

「そうだな。俺はもう寝るぜ」

 

そう言ってメビウスは横になった。しばらくしすると寝息が聞こえてきた。

 

「僕たちももう寝よう」

 

「寝てる最中に変なことしないでね!!」

 

アンジュが釘を刺した。こうして皆死んだように眠りについた。

 

 

因みにその夜、寝相でタスクがアンジュの股間に顔を埋めた。朝起きてアンジュがその事に気づき、タスクをフルボッコにした事は言うまでもなかろう。

 

 

 

 

そして朝となった。皆が朝食を取ると、各自準備を始めた。

 

「それではアンジュリーゼ様。どうかご無事で」

 

「ミスティ。私の事は忘れなさい。それがあなたのためよ」

 

「安心してくれ。ミスティさんは必ず無事にローゼンブルムに帰す。アンジュ達もなるべく穏便に済ませる用に、ジルにも頼んでおいたから」

 

「ありがとう。タスク」

 

「・・・アンジュ。一ついいかな?」

 

「何?」

 

「君の歌を聞いた時、震えたよ。あんなに綺麗で心を捕まえられた歌声は初めてだった。初めて聞くのになぜか懐かしくて嬉しいような・・・不思議な歌声だったよ。また聞かせてくれないかい?」

 

「また・・・会えるわよね?」

 

「ああ。必ず会える」

 

「そうだ。もう一つあった。君の髪って綺麗な金色だよね」

 

「えっ!?そっそれが・・・?」

 

アンジュが顔を赤らめた。やはり褒められて嬉しいのだろう。

 

「下の方も金色なんだね」

「死ね!この変態騎士!!」

 

この変態は何故このような発言が出てくるのだろうか。この後タスクが本日二度目のフルボッコにされた事は言うまでもなかろう。

 

 

 

 

「それじゃあタスク。ミスティの事。頼んだぜ」

 

「あぁ。君達も気をつけて」

 

メビウスとタスクが軽く挨拶をすると、タスクはアーキバスにミスティを乗せてローゼンブルム王国へ。メビウスはアンジュとヒルダとモモカをフェニックスに乗せてアルゼナルへの進路を取った。

 

アンジュはミスルギ皇国を振り返った。

 

(・・・さようならミスルギ皇国・・・

さようなら・・・腐った国の家畜ども・・・

シルヴィア・・・お兄さま・・・さようなら)

 

心の中でアンジュはそう呟く。過去の自分と・・・アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギと決別するために・・・

 





次回メビウス達はアルゼナルに帰還します!

ようやくアルゼナルのメンバー達が再登場するのか。アニメでは精々一話ちょっと出なかっただけですけどね。

それにしてもタスクが羨ましいと思う人は絶対いるはず。
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