クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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久しぶりにアルゼナルのメンバーが登場します!

アニメでは確か10話のBパートに当てはまる部分です。

色々とアニメと違うところもありますがそれがこの作品の売りという事で!

それでは本編の始まりです!



第35話 アルゼナルへの帰還

 

 

タスク達と別れたメビウスは、アルゼナルを目指し、飛んでいた。

 

陸地を離れ、海の上を飛び続けていた。やがてアルゼナルの設備が見えた。

 

因みに話し合った結果。状況として、メビウスが脱走犯のアンジュとヒルダを捕まえて帰還する状況である。

 

発着デッキにフェニックスを着陸させる。

 

「・・・結局戻ってきたのか・・・ここに」

 

「・・・一悶着起こるぜ」

 

メビウスが険しい表情でそう言った。

 

すると暗がりの奥から何かが来るのを感じた。それは銃を構えた保安部だった。彼女達は4人を包囲し、銃を突きつけた。

 

そして奥からジル司令がやってきた。ジル司令はメビウスの前まで来た。

 

「脱走犯のノーマの捕獲ご苦労だったな。だが・・・」

 

次の瞬間、ジル司令はメビウスにでパンチを繰り出した。しかも義手の方でだ。

 

「司令室のコンピューターに無断でアクセス。貴様も無罪ではないぞ」

 

アンジュとヒルダは摑みかかろうとするが、銃を突きつけられては黙るしかない。

 

「・・・哀れだな」

 

「なに?」

 

「司令ともあろうものが!無抵抗なノーマ相手に銃を突きつけなきゃ説教の一つもできないのかよ!」

 

「こう言うのを臆病者って言うんだよな・・・」

 

次の瞬間再びメビウスにパンチが飛んだ。

 

メビウスの鼻から血が流れる。しかしそれを手で拭うとジル司令を睨みつけた。

 

「へっ。司令よ。俺さ、色々とわかった事があるんだよ。あんたらが。いや。大人ってのが一体何考えてるのかよ!」

 

「マナだ!ノーマだ!リベルタスだ!そっちのゴタゴタにこっちを巻き込んで引っ掻き回す!それがあんたら大人のやり方なんだろ!」

 

【ドスッ!】

 

するとジル司令の義手のパンチがメビウスの腹に直撃した。流石にきいたのかメビウスは腹を抱えてうずくまるが、やがて動かなくなる。

 

「メビウス!おい!大丈夫か!?」

 

駆け寄ったアンジュとヒルダにもジル司令は義手で腹パンをした。

 

「がはっ!」

 

二人とも意識を失った。

 

「三人を拘禁しろ!反省房に叩き込め!」

 

ジル司令の命令の元、保安部達が意識のないアンジュ達を連行する。モモカは人間と言うこともあり反省房送りは免れた。

 

 

 

反省房に叩き込まれたメビウス達。

 

「起きろ。アンジュ、ヒルダ、メビウス」

 

その言葉と共に三人に水がかけられた。

 

見るとサリアとエルシャが居た。

 

「処分を通達する。まず個人資産を全て没収。無論パラメイルもよ。そしてメイルライダーとしての資格も剥奪する。そして反省房での一週間の謹慎」

 

「ちょっと待てよ!メビウスがあたしらと同じ罪はおかしいだろ!」

 

「・・・言い方が悪かったわね。メビウスの脱走に関しては、権利が権利なだけに脱走に対しての処分はないわ。メビウスに対しての処罰は司令室コンピューターへの無断アクセスに付いて。処分は第一中隊からの除隊。罰金1000万キャッシュ。反省房での3日間の拘禁よ」

「けじめはつけないといけないわね・・・ここに住む仲間なんだし」

 

エルシャがボソリと呟いた。

 

「ねえ。二人とも・・・どうして?」

 

エルシャがアンジュとヒルダに問いかける。

 

「どうして脱走なんてしたの?」

 

「私達は赤ん坊の頃からここにいるわ。だから外の世界を知らない。待って人なんていない。ここから出て行く理由もない。外にノーマの居場所なんてないのよ・・・」

 

その言葉に二人はそれぞれの出来事を思い出す。

 

母は待ってなどいなかった。ヒルダの代わり身を既に作っていた。

 

シルヴィアは待ってなどいなかった。むしろ殺そうと画策までしていた。

 

「結局違うのよ。こいつらは・・・信じるんじゃなかった」

 

サリアはそう言うとその場を後にした。エルシャもサリアを追いかけてその場を後にした。

 

メビウスは終始黙っていた。

 

「・・・ごめんなさいね。私達のせいであなたまで巻き込んでしまって・・・」

 

アンジュ達が申し訳なさそうに謝る。サリアの怒りは明らかに脱走したアンジュとヒルダに向けられていた。

 

メビウスは脱走に関してはサリアの言っていた用に、関係なかったはずなのに、アンジュ達とのせいで一緒に怒られていたのだ。

 

「気にすんな。俺の罰は勝手に司令室のコンピューター使った罰なんだからよ。だから結局は二人が脱走してようとしてなかろうとここには送られたんだぜ。まぁ罰は罰だ。今はジル司令に課せられた謹慎の罰を甘んじて受けようぜ」

 

「ねぇメビウス。気になってたんだけど。世界に帰るとか一体どう言う事なの?」

 

「そう言えばアンジュはあのときいなかったな。どうせ時間はあるんだ。話しておくか。俺について」

 

メビウスは話した。自分が別世界の人間だと言う事を。自分が元の世界にいつかは帰ると言う事を。自分が本当は13歳だと言うことも話した。

 

「・・・そんな事ありえるの!?」

 

「アンジュだって少しは気づいてたろ?フェニックス。それにブラック・ドグマの機体。あれの異常差を。明らかに次元が違いすぎる」

 

そう言われてアンジュは少し考えていたがやがて口を開いた。

 

「ねぇ?メビウス。あなたは・・・あなたは元の世界に帰りたいの?」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

長い沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

「わかんねぇ。元の世界があんなところだったら、俺は多分そこが嫌で飛び出したのかもしれねぇ。そしてその時記憶を失った。それで戻りたいなんて考えてたら笑えるな」

 

メビウスが自虐めいた口調でそう言う。

 

「でも。知りたいんだよ。俺は自分の事が。そのために元の世界に帰ろうとしているんだと思う。そこに記憶の答えがあると信じて・・・」

 

「・・・ゴミ溜めじゃないといいわね」

 

アンジュはそう言った。

 

しばらく経つと今度はロザリーとクリスが現れた。二人はアンジュやメビウスには目もくれず、ヒルダに詰め寄っていた。

 

「なぁなんで脱走なんてしたんだよ?なんで相談してくれなかったんだよ?あたしら友達だろ?」

 

「友達と思ってなかったんでしょう?ねぇ!どうなの!?」

 

ロザリーの疑問にクリスが答えを出した。

 

「・・・さぁな」

 

「・・・死ねばよかったのに」

 

クリスがそう吐き捨てるとその場を離れた。その後をロザリーが付いていく。

 

「ヒルダ。お前何言ってんだよ」

 

メビウスが驚きながらヒルダに尋ねる。

 

「別に、あいつらは利用していただけ。ただそれだけだよ」

 

そう。ヒルダからしたら外の世界に帰ったら二人のことも忘れるつもりだったのだ。

 

「・・・少なくても向こうは友達だと思ってたみたいよ」

 

「・・・もういいんだよ。利用してたってのは確かなんだし。下手な言い訳するよりはマシだろ?」

 

 

 

 

暫くすると、反省房の奥からまた足音が聞こえてきた。

 

反省房の外を見ると今度はナオミがいた。

 

「ナオミか。なんだ?あたしら脱走犯を罵りにきたのか?」

 

「そんなんじゃないよ。ただ、食事を届けにきただけだよ」

 

「もうそんな時間なのか。まぁ何も食わないよりはいいよな」

 

そう言うと三人は乾パン一つとコップ一杯の水をそれぞれ手にした。

 

「それとこれ、三人の制服。ここに置いておくね」

 

「・・・お前は相変わらずだな」

 

「大丈夫。今はこうなってるけど、いつか前みたいに戻れるって私は信じてるから」

 

そう言うとナオミは反省房を後にした。

 

三人は暇となっていた。

 

その時だった。

 

「久しぶりだな」

 

不意に後ろから声がした。振り返るとそこには予想外の人物がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ゾーラ・・・隊長?」

 

そこにはゾーラ隊長がいた。

 

「気がついたんですか!?」

 

メビウスが驚きながらたずねる。

 

「ああ。昨日の夜にな」

 

ゾーラ隊長はアンジュとヒルダを見た。

 

「すっかり二人とも変わったなぁ。私が寝てたうちに色々とあったんだなぁ」

 

「色々あったのよ・・・色々と」

 

「それにしても。まさか脱走しちまうとはな・・・ヒルダ」

 

ゾーラ隊長がヒルダの方を向く。

 

「あたしはあんたを利用してたんだよ。気がつかなかったの?」

 

ヒルダが悪態をつく。

 

「・・・気づいてたさ」

 

「えっ?」

 

「私は気づいてたよ。あんたが外の世界に未練を残してるのを。だからそれを忘れさせてやろうとしてたんだけどね・・・」

 

「・・・なんで・・・気づいてたの?」

 

「私はかつては第一中隊の隊長だぞ。隊のメンバーの事なんて顔見たら何考えてるかなんてすぐわかるさ」

 

「凄いんですね・・・ゾーラ隊長」

 

「ゾーラ。あんたはこれからどうするんだ?」

 

「当分はパラメイルには乗れないな。まだ体調も万全じゃない。しばらくは指示などをするだろうな」

 

「まぁ今は仕方ないが、ここを出たらまた頑張れよ!困ったら私の所に来な。手取り足取り教えて可愛がってやるよ!」

 

そう言うとゾーラ隊長は反省房を後にした。

 

「・・・ゾーラも変わらないな」

 

ヒルダはどこか嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く時間が経過して、夜となった。

 

「さて、俺はそろそろ寝るぜ。二人はそのベットでも使え」

 

そう言うとメビウスは床に横になった。

 

「さてと、あと六日間は反省房。でもここから出ても、何もない。なんで生きてるんだろ?希望がそこにあるからか?」

 

「希望?そんなもの本当にあると思ってるの!?」

 

ヒルダの愚痴にアンジュが怒った風に言う。

 

「あるのは迫害される現実とドラゴンとの殺し合いの毎日だけよ。全く、馬鹿馬鹿しくて笑っちゃうわ」

 

「偏見と差別に塗り固められた愚民ども。ノーマってだけで一方的に否定するやつら。マナを使う奴はそんなに偉いの?全部が嘘だった。友情とか家族とか絆とか・・・」

 

不意にアンジュが叫んだ。

 

「あー!友情こそ大事とか!絆こそ素晴らしいとか!平気で口にしてた自分を殴りたくなってきた!」

 

・・・アンジュが壊れてしまった・・・アンジュはなおも続ける。

 

「どいつもこいつもバカばっか!こんな世界!腐ってるわ!いっそ壊してやりたい!」

 

「世界を壊すねぇ・・・どうやってだよ?」

 

ヒルダが当然の疑問を聞いてくる。

 

「できるんじゃない?パラメイルと武器があれば!」

 

「陸までどんくらいあると思ってんだよ」

 

「フェニックスの仕組みをパラメイルに使えないかしら!?」

 

「食料や資材はどうすんだよ」

 

「魚なら取れるし、最悪人間達から奪い取ればいい」

 

そう言うとアンジュは鉄格子を掴んだ。

 

「私を虐げ!辱め!貶めることしかできない世界なんて!私から拒否してやる!こんな腹立たしくて!頭にくる!ムカつく世界!全部壊してやる!」

 

「ハッハッハッハッハ!」

 

ヒルダが突然笑い始めた。

 

「何がおかしいの?」

 

「ムカつくな。そう言うの。よし!あたしも協力してやるよ。ムカつく世界をぶっ壊すのに」

 

(・・・あいつら・・・ちょっと見ない間に仲良くなってんな)

 

まだ起きていたメビウスは薄れゆく意識の中でそう思った。

 

 

 

その日の夜。アルゼナルにアンジュの歌う永遠語りが響いた。

 

それは自室にいたサリアに。

 

浴槽にいたエルシャとヴィヴィアンに。

 

ゾーラの部屋でお楽しみをしていたロザリーとクリスに。

 

医務室でマギーに診てもらっていたゾーラに。

 

食堂で手伝いをしていたモモカとナオミに。

 

司令室でタバコをふかしていたジル司令に。

 

そして、夢うつつなヒルダとメビウスに。

 

皆の心にその歌は強く響いた。

 

まるでその歌から、アンジュの決意が伝わるかの用に。

 






今回で第4章はおしまいです!

ゾーラ隊長がやっと復活しました!原作だとクリスはゾーラの部屋をヒルダが個人資産の没収をされたので買い取ってましたけど、ゾーラが生きているので買い取るくだりはないです。

そして物語は第5章に突入します!果たして第一中隊は元に戻れるのでしょうか!?
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