クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
PHOENIXよりはフェニックスの方が馴染み深いでしょう。
今回は取調室がメインです。少なくても原作のアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギの様なことはされないのでそこんところはご安心ください。
それでは本編行ってみましょうか。
「・・・」「・・・」
彼は今、取調室にいた。特にすることもなく、ただ座っていただけだ。
部屋の中には既に、エマ・ブロンソン監察官がいた。
彼女は何か光輝く物を操作していた。それは空中に浮かんでおり、少なくても自分の記憶の中にあのようなものは知らないと断言できる。
「あなた、今日の天気の反対を言ってみてくれない?」
エマ監察官が突然聞いてきた。
今日の天気の反対?唯一の窓から外を見る。外は晴れている。
「今日の天気は雨・・・こう言うことですか?」
「うん、計器に問題は見られないわね」
(あれ、機械だったのか)
彼からしたら、彼女は超能力者でそうやって宙に何かを出すことができるものだと勝手に想像していた。
「じゃあ確認するけど、あなたは自分の事を13歳だと本気で言うつもりですか?」
「もちろん!」
俺は多少声を荒げながらも自信満々に返答した。
その返答を宙に浮かぶ何かを見ながら聞いてきたエマ監察官はため息をついた。
「やっぱりそうなんですね」
なにかを一人で納得したようだ。
「あの・・・それはなんですか?」
司令が来るまでこのまま黙って座ってるのもなんなので俺は少しでも情報収集をしようとエマ監察官に話しかてみた。
「あなたは見たことがないのね。ノーマである以上、無理もないのかもしれないわね。これはマナ。「人類」にのみ与えられた幸福の光。」
「ノーマ」それに「マナ」その言葉は彼は既に聞いていた。あれはマギーさんもいた時だった。確かアルゼナルはマナが使えない廃棄物が来る場所だとジル司令が言っていた。
「廃棄物」その言葉の意味をまだ理解できないでいた。
考えてみれば、マナやノーマについて、俺は何も知っていない。
「私はノーマではないわよ。私は人間ですよ、人間」
まるで釘をさすかのようにエマ監察官が人間ということを強調してきた。
エマ監察官が人間なのは見ればわかる。疑問はエマさんの言い方だ。
まるでノーマは人間ではないと言わんばかりであった。
「あの・・・」
「待たせたな」
俺が疑問を口にしようとしたとき、扉を開けジル司令が入ってきた。
「司令、お疲れ様です」エマ監察官はそういうと改まった。
「さてと、メビウス。それではお前の取り調べを始めるとするか」
そう言うとジル司令は目の前の椅子に腰をかけた。
「まずお前が新しく思い出したことを全て話してもらうぞ」
俺が思い出したこと、それはあの機体のパイロットが自分だと言うこと。あの機体の名前は「フェニックス」だと言うこと。そしてあの機体で俺は「何か」と戦っていたこと。そして、おそらく自分はこの世界の人間じゃない。別世界の人間だと言うことも。伝えた。
ジル司令は一通りの話を聞くなら、こう言ってきた。
「別の世界から来た、本来ならそんなおとぎ話は信じろと言う方が難しい。だけどな、今回に関してはその色々と信じられない様な事を見てきてしまったしな。信じるしかないんだろうな」
ジル司令によると、自分はシンギュラーと呼ばれる穴から大怪我を負って、フェニックスと一緒に落ちてきたらしい。
ちなみにその時にはすでに、このように少年化していたらしいが、その時に着ていたパイロットスーツは明らかにサイズが合っていなかったそうだ。早い話がブカブカだったそうだ。だから自分が13歳だったという信じられない話に関しても、頭ごなしに否定しないでいたらしい。
俺はジル司令からこちらの世界の常識について聞かされた。
マナと呼ばれる光によって世界は平和になったこと。しかし、マナの光が使えないノーマはその世界では生きていけないこと。生きられるのはここ「アルゼナル」だけだけだということ。ここでドラゴンを殺していくことだけが生き残れる方法だということ。ノーマは女性にしかならない。その為、俺が男のノーマ第1号だということ。
一通りの話しが終わると、ジル司令が、より真面目な表情になった。そして唐突に尋ねてきた。
「さて、とりあえず別世界から来たということにしてだ。もしそうだとして。メビウス、お前はこれからどうするんだ?」
これからどうするんだ? その一言に一瞬思考が停止した。
たしかに考えてなかった。もしこの世界に来たとしたら、何故自分はこの世界に来たのだ。いや、それ以前に自分のいた世界に戻れるのか?
「・・・・・・」
いつもより長い沈黙が続いた。
やがて腹を括ったみたいに、ジル指令が告げた。
「もし行き場がないのなら、ここにいるといい」
まさかの発言に俺は目を丸める。
「ここにいる以上、色々と規則やルールがあるが、何もわからないで外をふらつくよりは、ここにいた方が情報を集めていくという点で良いかもしれないぞ」
ジル司令の言ってることは最もだ。自分はこの世界の人間じゃない可能性が高い。
そんな自分が今、外を出てもおそらく野垂れ死ぬことが目に見えていた。それならジル司令の言ってる事の方がたしかに現実味があった。
俺は暫く考えた。
そしてある決意をした。
「・・・一つだけ頼みたいことがあります」
「なんだ?」
「自分はこの世界の人間じゃないのにこの世界にいます。おそらく自分はこの世界で何かをする為に来たんだと思います。だから記憶を取り戻して、そのやるべきことを見つけるために、自分に独立した調査権をお与えください」
俺の言い分はこうだ、自分の記憶の手がかりが外にもあると思うのでたまに外の探索に出してくれ。そして、やるべきことをやったら、元の世界に変える方法を探し、その方法が見つかったら帰してくれ。
エマ監察官は驚いた顔をしていた。
ジル司令は目を閉じて、暫く考えていたらしがやがて目を開け、
「・・・いいだろう、その権利を認める。ただし、その権利についてはよく話し合って決めるぞ。」
ジル司令は少し考えたのち、肯定の返事をくれた。
これにもエマ監察官は驚いていた。
その後の話し合いは、権利についての互いの取り決めだった。
結果をまとめると、以下のようになった。
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・独立した調査権、これはここにいる限り、毎日訓練というものを行うが、その訓練の後に時間制で認めるということ。そして、その分の燃料費は自腹で出すと言うこと。何か記憶で思い出したら報告すること。
・そして、やるべきとこが見つかり、やり終わった時、元の世界に変える方法を探し、帰る方法が見つかった時は、帰還を許可すると言う事。
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これが話し合いでまとまった権利であった。
一通りの取り調べは終わったらしい。
ジル司令が唐突に言ってきた。
「それでは早速お前の機体の性能テスト、ならびにお前のメイルライダーとしての適正テストを始めようと思うが、大丈夫か?」
「大丈夫です!」
我ながらよく即答したものだ。まぁ、右腕は包帯さえ撒いておけば良い。顔の怪我に関してはつばでも付けておけば治るだろう。
「そうか。ではロッカールームに行って、これに着替えてこい。10分後に発着デッキのフェニックスの前で待機しておけ。それとここでは上官に対しての返事は(イエス・マム!)だ。覚えておけ」
「イエス・マム!」俺はそう言うとその渡されたものを持ち、部屋を出ようとした時だった。
「ロッカールームがどこにあるかわかるのか?」
ジル司令のその一言でその場に固まった。
「・・・どこですかね?」
(今度ここについて誰かに紹介させるか)
ジル司令は内心そう決心した。
「もういい、私達は外に出る。ここで着替えてから行け」
そう言うとジル司令は立ち上がり、部屋を後にした。エマ監察官もそれに続いて部屋を後にした。
一人になった部屋で、自分はとりあえずパイロットスーツを着ようとしてそのスーツを手に取った時だった。
「・・・なんじゃこりゃ?」
そのパイロットスーツは、一言で言うなら露出部分が多い。特に胴体の前面と臀部が露出していた。しかも何に使うのかしっぽみたいなものが付いていた。
そういえば下着はつけないとか言ってたな。
(・・・。まぁ誰にも見られてないし、見られたからなんだ、特に問題はないんだけどな。とりあえず着ていたものは畳んで机の上にでも置いておくか)
特に気にもせず着替えていった。
だが着替えている最中、ジルの言っていた言葉に手が止まった。ノーマは女性にしかならない。ノーマはドラゴンを殺すことだけが生き残れる方法だと言うこと。
ドラゴンを殺す?どうやって?発着デッキで見た機体を思い出した。あれに乗ってドラゴンと戦うのだろう。ではその時のパイロットスーツは一体何か?俺は今、着替え途中のパイロットスーツを見た。
(・・・まさか!?嘘だろ!?あの機体に乗ってる人はみんなこれ着てるのかよ!なんで!長時間行動と排泄の問題を解決できるスーツがこれか。そうかこれなのか!色々と突っ込みたいんだけど!!)
「・・・安請け合いしちまったかな?」
後悔先になんとやらだ。彼とてそう言う知識を持っていないわけではない。だからこのようなことを考えてしまったのだろう。
「・・・こうなりゃ腹の一つでも括るか!」
やがて意を決したようにそのスーツを着ていった。自分の記憶にあるパイロットスーツはもう少し大きかった。そして今着てるパイロットスーツは自分にピッタリであった。その現実が彼を少し泣かせた。自分が子供体系になっていると言う現実を改めて叩きつけられた。
着てみると別に動きづらさも感じない。別に悪い品ではないらしい。唯一の疑問が、尻尾みたいに垂れ下がっているこのケーブルの様な物だけだった。特に邪魔になったり、差し込むような所は見当たらないため、そのまま垂れ下がらせておくことにした。
この部屋には発着デッキから来たんだからまたその道を辿ればいい。
「そんじゃ、いきますか!」
俺はそう言い取り調べ室を後にした。
俺が部屋でパイロットスーツに対して多少よろしくない想像をしていたころ。
アルゼナルの司令室では。
「それで、エマ監察官、どうでした?結果は?」
タバコを吸いながらジル司令はエマ監察官に問いかける。
「検査の結果、彼が嘘をついていたり、なにかを隠しているとは思えません」
「嘘発見器が騙されていたりは?」
「彼に始まる前に嘘をつかせた際は反応したのでそれはあり得ません」
彼の検査結果について話し合っているらしい。
「それにしてもジル司令、よくあのような権利を認めましたね」
エマ監察官はジルの行動に驚いていた。独立した調査権。それを認めたことには驚きを隠せないでいた。
「流石に事態が事態です。彼が別世界から来たこと。それに彼がシンギュラーから落ちてきた時点で普通じゃないことは理解していた」
「それでも認めたのは、やはりあの機体の影響ですか」
エマ監察官の質問にジル司令は答えない。
ジル司令にとって今の望みはあの機体の調査だ。ならば彼の提示した独立した調査権を認めるのには、こちらにも、メリットがあった。
あの機体が稼働している時間が長い方が、機体を調査することができるからだ。
「メイ、そちらの準備はどうだ?」
ジル司令は発着デッキのメイに確認する
「とりあえず計器類とかには測定器とか付けておいたけど、あまり効果は無いと思うんだよなぁ」
メイはそう答える。
まずはあの機体が動く姿などを確認したい。
(あの機体、もしかしたら使えるのかもしれないな、我々の目的に)
いい拾い物をした。ジル司令はそう思い内心ほくそ笑んだ。
次回はついにフェニックスが動きます!
そしてドラゴンとの戦闘、そこでフェニックスのモニターには、謎の文字が浮かび上がる!
そして予告的な内容にしてみました。
そして速報!後2.3話経つと、原作シナリオ編に突入します。
第一中隊のみんなに出会えるぜ!
ちなみにイエス・マム!とは、サー・イエッサー!の女性版らしいですが、イエッサー!よりはイエス・マム!の方がアルゼナルには似合っているので基本はイエス・マム!でいきます。
いつかキャラクター図鑑とかそういうのも作ってみたいな。