クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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今回露骨にオリキャラ同士くっつけようとしている感があります。

多分次回からは結構話が重くなるので今回多少ほのぼのとさせました。(タイトルから既にほのぼのではない)

それでは本編の始まりです!



第41話 奏でられる葬送曲

 

 

ローゼンブルム王国。この部屋の一室でミスティはある事を考えていた。昨日行われた各国首脳の会談。

 

あの後ジュリオがある決定事項を各国首脳のマナに伝えていた。ミスティもその決定事項を見て、その内容にショックを受けた。

 

彼女は今、机に俯せていた。

 

「・・・私は・・・どうすれば・・・」

 

「ミスティ様」

 

ドアがノックされた。

 

「どうぞ」

 

ドアが開かれた。そこには執事がいた。かつてアルゼナルにも来ていたあの執事だ。

 

「お茶のご用意ができました」

 

「・・・ねえ。爺や」

 

「なんでございましょう?」

 

「私は世界のために・・・何かをできるでしょうか?」

 

「・・・ミスティ様。迷われないでください」

 

「爺や?」

 

ミスティが驚いて執事の顔を見る。

 

「家の名に縛られず、あなたの正しいと感じた事をしてください。爺やはいつまでも、どこまでも、一人になろうとも、最後までミスティ様の味方です」

 

爺やの目はとても綺麗だった。正しいと感じた事をする。ミスティは決断した。

 

「爺や。お願いがあります」

 

「分かっております。そう言うと思われまして、既に用意はできております」

 

そう言うとミスティは父親にある手紙を書き、机の上に置いた。爺やもそこで辞表を書き、机の上に置いた。その手紙には、二人の決意が書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルゼナルでは今日も復旧作業に追われていた。

 

メビウスとナオミはジャスミンの手伝いをしていた。

 

「ねぇジャスミン?ジャスミンや司令はドラゴンが人間だって事を知っても戦ってたんだよね?」

 

ナオミがジャスミンに尋ねる。

 

「知らない方が幸せなこともある。戦場での迷いは死に繋がるだけだよ」

 

「でも知っちゃったんだね。私達も」

 

「なら考えな。ただし仕事の手は止めずにね」

 

「難しいことを言うなぁ」

 

「まぁね、悩みなんてものは仲間同士で共有するもんさ。あたし達だって昔はそうしたよ」

 

ジャスミンが昔を懐かしむ用に言う。

 

「ジャスミン。医務室に箱を届けてきたぞ」

 

そこにメビウスが医務室から戻ってきた。

 

「メビウス。ヴィヴィアンはどうだった?」

 

「あれからずっと寝てるらしい」

 

ナオミの問いにメビウスが答える。

 

「いい機会だね。ナオミ、メビウス。ちょっと早いけど食料を配ってきな。配り終えたら各自休憩で

構わないよ。少しみんなと話してきな」

 

「ありがとう。ジャスミン」

 

二人は配給品を持つとその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

その後は二人は第一中隊のメンバーと色々話した。

 

サリアとヒルダに。アンジュに。エルシャとロザリーとクリスに。第一中隊の色々なメンバーと話し合った。配給もちゃんと行った。

 

 

 

 

配給が終わるとメビウスとナオミは自分達の食事をとった。

 

とりあえず瓦礫を椅子がわりにする。壁が崩れているため外の景色が見える。

 

「なぁナオミ。ナオミはどう思う?」

 

メビウスが突然聞き出す。

 

「それって、ドラゴンについて?」

 

「あのあと考えてみたんだよ。なんでドラゴンはこちらの侵攻してくるのか。それを昨日作業しながらずっと考えてたんだよ」

 

確かにそうだ。なぜドラゴンはこちらの世界に侵攻してくるのか。それを作業しながらずっと考えていた。こちらを滅ぼすためか?その答えは誰にも分からなかった。

 

「・・・もしまた攻めてきたら、みんなを守れるのかな・・・」

 

ナオミが呟く。もしまたドラゴンの大群が攻めてきたら私達は大丈夫なのか。その考えがナオミの中にあった。

 

「メビウス。フェニックスだけど。あれって結局なんだったの?」

 

フェニックスのあの変化。どう考えても常識はずれであった。

 

「わからない。モニターでは使えるようにはなってるけど・・・」

 

実はあの機能が使えるようになったのだ。しかしメビウス自身とても悩んでいた。あれは一体なんなのか。

 

あの時、あの砲撃をメビウスは見ていた。その光はとても冷たく感じられた。人が持つには危険すぎる代物に思えた。

 

 

 

少しの間沈黙が続いた。

 

「ねぇメビウス。さっきエルシャの言った事だけど覚えてる?」

 

さっき食料の配給の際に言っていたエルシャの言葉。【このままアルゼナルがなくなったらどうするか】ナオミはそんな事を考えた事があまりなかった。

 

「メビウスはどうするの?他の生き方とかあるの?」

 

「他の生き方・・・か」

 

メビウスの今の生きる理由。当初はそれは自身の記憶を取り戻すためだ。そして元の世界に帰る。それがメビウスの生きる意味だった。

 

・・・だけど今はここでの生活が心地の良いものになっていた。皆と一緒にいるこの時間が、今のメビウスにとってはかけがえのないものへと変わっていた。

 

もしできる事ならこの時間がずっと続いて欲しい。心の何処かではそんな考えが少し芽生えてもいた。

 

「・・・まだわかんねぇな俺には。ナオミはどうするんだ?他の生き方とかあるか?」

 

メビウスが疑問に思い尋ね返す。

 

「私は・・・世界を旅して回りたい」

 

「世界を?ミスルギ皇国とか、色々な所に行くのか?」

 

「そうだよ。山とか海とか、色々な所を見て回りたい。いつかはメビウスのいた世界も見てみたい」

 

ナオミが目の前に空いた穴から海を見る。その目は海の先を見ていた。

 

「ねぇ。メビウスはミスルギ皇国に行ったんだよね?どうだった?」

 

「・・・あまりいい印象は持てなかった。ノーマだと分かるとまるで人が変わったみたいにみんなが迫ってきた」

 

メビウスはオブラートに包みながら、ミスルギ皇国の出来事を話す。

 

ナオミは黙ってその話を聞いていた。

 

「そうなんだ。じゃあやっぱり不可能なのかな?

ノーマである私が外の世界を旅するなんて・・・」

 

「わからねぇぞ」

 

メビウスは真剣な顔になった。

 

「たしかに外の世界の人間はノーマの事を良く思ってない。でもモモカさんみたいにノーマなんて関係ないって思ってる人だっている。そんな人がいるなら、いつかノーマも人間も関係なくなるんじゃないか?皆で手をとりあえるんじゃないか?」

 

メビウスはミスティの事を思い出す。ミスティがマナでヒルダを助けてくれた事を。彼女はノーマを認めて、受け入れたのだ。

 

「・・・思えば私ってメビウスによく助けられてるね」

 

不意にナオミがそう呟く。メビウスはそれを否定する。

 

「そんな事ねぇぞ。最初はナオミが俺を助けてくれたじゃねえか」

 

最初。自分が穴から落ちてきた時。たまたまナオミがそこにいたから今メビウスはここにいる。もしあの時、ナオミがいなかったら自分はそもそも死んでいたかもしれない。

 

「互いに助け合って生きてるって事なんだよ」

 

「決めてるところ悪いけどメビウス。ほっぺにご飯粒ついてるよ」

 

メビウスは慌てて頬を触る。そこにご飯粒はあった。慌ててとる。

 

ナオミの方を向く。彼女は軽く笑っていた。

 

「・・・ナオミ。お前もついてるぞ」

 

ナオミも慌てて頬を触ってみる。こちらもご飯粒がついていた。

 

しばらく顔を見合わせていた。やがて二人とも笑い出した。

 

 

 

 

【ピーンポーンパーンポーン】

 

その時だった目の前に突然何かが浮かび上がった。その画面には女性が映っていた。

 

「こちらはノーマ管理委員会直属の国際救助艦隊です。ノーマの皆さん。ドラゴンとの戦闘、ご苦労様でした。これより、皆さんの救助を開始します。水、衣料品、温かい食料も十分に用意されています。全ての武器を捨て、脱出準備をしてください」

 

「見てメビウス。助けが来たよ!」

 

ナオミが喜ぶがメビウスは浮かない顔をしていた。

 

「メビウス?どうしたの?」

 

(なんだこの女・・・笑顔なのに全く笑ってない・・・まるで笑顔という冷たい仮面を被ってる

みたいだ・・・)

 

メビウスは本能的にこの映像に不信感を抱いた。

 

「メビウス?」

 

「・・・嫌な予感がする」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前に遡る。

 

ジル司令はタバコを吸うために外へと出ていた。

 

「やぁアレクトラ。久しぶりだね。いや、今は司令官のジルか」

 

背後から声がした。慌てて振り向くとそこにはある男がいた。

 

「エンブリヲ!」

 

ジル司令は拳銃を取り出すとエンブリヲを撃った。しかしエンブリヲはそこに実体がないのか。弾が身体を通り抜けた。

 

しかしジル司令は銃を向けながらエンブリヲを睨む。

 

「怒った顔も素敵だよ」

 

「何をしに来た!」

 

「なぁに。急に君に会いたくなったのさ。それよりメビウスに宜しくと頼んでおいたけど、ちゃんと伝えてくれたようだね」

 

「あと君に一言ある。私は一度も自分の事を神と名乗った事はない。創造主という意味ではあたっているが」

 

「まぁいい。それより彼等が来たようだ」

 

【ピーンポーンパーンポーン】

 

「こちらはノーマ管理委員会直属の国際救助艦隊です。ノーマの皆さん。ドラゴンとの戦闘、ご苦労様でした。これより、皆さんの救助を開始します。水、衣料品、温かい食料も十分に用意されています。全ての武器を捨て、脱出準備をしてください」

 

ジル司令はその映像を見た。そして直ぐに向き直る。既にそこにエンブリヲはいなかった。

 

ジル司令は直ぐに臨時司令室へと足を進めた。

 

臨時司令室ではオペレーター達もその映像を見ていた。

 

「ジル司令、救助艦隊が・・・」

 

「耳を貸すな。戯言だ!対空防御態勢!」

 

「イエス・マム!」

 

アルゼナルは対空兵器などを起動させる。

 

 

 

それを艦隊は確認した。

 

「アルゼナル!対空兵器の起動を確認!」

 

「やれやれ。こちらとしては平和的にに事を進めたかったというのに」

 

ジュリオが残念そうに、だけどどこかでは予定通りとも取れる笑みを浮かべた。

 

「旗艦エンペラージュリオ一世より全艦隊へ。たった今ノーマ達はこちらの救援を拒んだ!これは我々、嫌、全人類に対する明確な叛意である!断じて見過ごすわけにはいかん!」

 

「これよりアルゼナルに対する総攻撃。並びに穢らわしいノーマどもの殲滅作戦を開始する!

奏でてやるのだ!ノーマどもに死の鎮魂歌を!」

 

その言葉とともにアルゼナルに向けてミサイルが放たれた。

 

遂に戦火が開かれた。

 

 






遂に次回からアニメで言う第13話に話が突入します。

アニメを見た人ならあの回の酷さがよくわかるはずです。ぶっちゃけるとあの回が一番胸糞悪くなりましたね。

果たしてアルゼナルの!
メビウスや彼女達の運命は如何に!!

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