クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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何気なく投票数を見てみたらそれなりに投票が行われていた事に驚きました。(アンケートの方)

正直一桁程度だと勝手に予想していただけにこの途中結果は嬉しいです。

これからも皆様に楽しんでもらえるような作品を作っていきます。

それでは本編の始まりです。



第46話 竜の民 前編

 

 

現在メビウス達はコンテナである場所へと運ばれていた。

 

ドラゴンが突っ込んできた後、メビウス達はあの二人によって拘束に近い状態となっていた。流石に武器を向けられて、しかもパラメイルなしでガレオン級とはやりあえないため大人しく従っているわけだ。

 

コンテナ内では4人が向かい合っていた。

 

「なぁ。どれくらい運ばれてる?」

 

「10時間は超えたんじゃない?」

 

「うおっ!」

 

コンテナが大きく揺れる。皆なんとかその場に踏みとどまる。

 

「こっちには女の子も乗ってるんだ!もっと丁寧に運んでくれ!」

 

タスクが外に聞こえるように叫ぶ。しかしあまり改善されている感じはない。

 

「全く。なんでこうなったんだろうな。もしあのままドラゴン達さえ来なかったら・・・」

 

「なによ。やらなくて要求不満なの?」

 

タスクの言葉にアンジュが反応する。

 

「いっ!そういう訳じゃ!」

 

その言葉は動揺していると皆に伝わった。

 

「本当にあなたって年中発情期なのね」

 

「違うって!うわっと!」

 

またコンテナが揺れた。そしてタスクの顔がアンジュの股間にダイブされた。

 

「どこに顔を埋めてるのよ!」

 

「不可抗力だろ!」

 

「いつまで発情してるのよ!」

 

「だから違うって!」

 

このような会話がコンテナ内に響いていた。しばらくするとコンテナの揺れが収まった。直前に床が何かにぶつかった感覚があったためおそらくコンテナが降ろされたのだろう。コンテナの扉が開かれた。

 

「ついたわ。でなさい」

 

ホテルの時見た二人組がそう言う。

 

(武器を持ってる二人は今後ナーガ。カナメと呼称する)

 

二人の手には相変わらず武器が握られていた。断ったらどうなるかというのがよくわかる絵面だ。

 

四人は外へと出た。するとそこは先程までいた廃墟ではなかった。なんというか、どこが神秘的な場所であった。

 

「大巫女様がお会いになられる。こちらへ」

 

「きゅー」

 

突然ヴィヴィゴンが鳴き始めた。次の瞬間、ヴィヴィゴンはぐったりと倒れた。体には注射器が刺さっていた。

 

「ヴィヴィアン!?ヴィヴィアンに何をしたの!?」

 

三人が問いかけるが、それに対して二人は武器を構えた。答えるつもりはないという事だろう。ヴィヴィゴンには医者らしき人物達がやってきた。彼女達がヴィヴィゴンを何処かへと運んでいった。

 

「あの子に手荒な真似はしません。それは保証します」

 

カナメがそう言う。そして三人は案内され奥へと進んでいった。

 

「連れてまいりました」

 

アンジュ、タスク、メビウスの三人はある場所へと案内された。そこは薄暗かった。だが所々に行灯が置かれており、それがまたなんともいえなかった。

 

「異界の女。それに男。そして・・・謎の来訪者か」

 

仕切りの裏側にいる人物が呟く。

 

「名は何と申す」

 

「人に名前を聞くなら自分から名乗りなさいよ!」

 

「貴様!大巫女様になんたる無礼!」

 

ナーガとカナメが武器をアンジュに向ける。余程偉い地位にいる存在らしい。タスクが小声で嗜める。

 

「特異点は開かれていない。どうやってこの世界に来た」

 

三人は顔を見合わせて黙り込んだ。

 

「大巫女様の御前なるぞ!答えよ!」

 

「あの機体。あれはお前が乗ってきたのか?あの黒き機体についてもだ。そこにいる二人は本物の男か?なぜシルフィスの娘と一緒にいた・・・」

 

「うるさい!聞くなら一つずつにして!第一ここはどこなのよ!?今はいつ!?あなた達は何者なの!?」

 

アンジュがそう怒鳴る。

 

「貴様!!なんたる無礼!」

 

ナーガとカナメがまた武器を抜いた。メビウスは後ろを見た。いざとなったら彼女達の持ってる武器のどちらかを奪いとって戦う覚悟をした。

 

「威勢の良いことで」

 

仕切りの後ろからある人物が姿を現した。

 

「真祖アウラの一族にしてフレイヤが姫。近衛中将サラマンディーネ。ようこそ、誠なる地球へ。偽りの星の者達」

 

「あなた・・・あの時の!」

 

アンジュは思い出していた。あの時、アルゼナルがドラゴンの大襲撃にあった際、謎の空間で出会った女の事を。目の前の人物はその時の女であった。

 

「知っておるのか?このもの達を?」

 

仕切り越しに大巫女がサラマンディーネに尋ねる。

 

「ええ。先の戦闘で、我が機体と互角に渡り合えたビルキスの乗り手は。そして恐らく、あの黒き機体の乗りてもこちらの方だと思います」

 

そう言いサラマンディーネはメビウスを指差した。

 

「ビルキスの・・・乗り手」

 

「この者は危険です!生かしておいてはなりません!」

 

「処分しなさい!今すぐに!」

 

仕切りの後ろから物騒な発言が聞こえる。

 

「やれば?死刑にされる事には慣れてるわ」

 

「でもね・・・ただで済むとは思わないことね・・・」

 

アンジュは臨戦態勢に入っていた。既にメビウスも武器を奪い取る機会を狙っていた。

 

「お待ちください皆さま。この者はビルキスを動かせる特別な存在です。あの機体の秘密を聞き出すまで生かしておく方が得策かと存じます」

 

「それにあの黒き機体の謎も残っております。どうかこの者達の命、私にお預けください」

 

仕切りの後ろでざわめきが聞こえる。恐らく相談でもしているのだろう。

 

「よかろう。だがその前に謎の来訪者よ。お前はこの場に残れ」

 

仕切りに写し出された影はメビウスを指差していた。

 

「ではこの二人の命は私が預からせて頂きます。あなた達、付いて来てください」

 

そう言いアンジュとタスクを連れてサラマンディーネは部屋を後にした。その後ろからはナーガが付いていった。

 

この場にはメビウスとカナメ。そして大巫女様が残された。

 

「いいですかあなた。あの女の用に大巫女様に無礼な態度をとったら承知しませんよ!」

 

カナメが薙刀をメビウスに向ける。

 

「さてと、謎の来訪者よ。お前には聞きたいことがある。まず謎の来訪者よ。その名をなんと申す」

 

「メビウスだ」

 

「メビウス・・・そなたが黒き機体の乗り手なのか?」

 

「ああ。俺が黒き機体。フェニックスのパイロットだ」

 

大巫女達がざわつき始めたが、やがて静かになった。

 

「あの機体は本当にあの者達のいた世界のものか?」

 

「違う。俺がここに飛ばされる前に居た世界。その世界自体が俺のいた世界ではない。あの機体はその時俺が乗っていた機体だ」

 

「俺は・・・そもそもあいつらのいた世界の人間じゃない」

 

「・・・なるほど・・・この者もサラマンディーネに預けるとする」

 

「かしこまりました。あなた。付いて来なさい」

 

そう言われてメビウスはカナメの後についていった。

 

部屋には大巫女が残された。

 

「あの二人と何か違っていたがまさかそう言う事だは・・・あの者の機体・・・おそらく映像の機体と同じはず。だとしたらあの機体は何百年も前から存在したのか?この世界には無い技術がふんだんに使われている。・・・敵に回すのは危険か・・・」

 

大巫女がボソッと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

メビウスはある部屋へと招かれた。その部屋は和室の用なものであった。そしてそこにはアンジュとタスクもいた。

 

「ご苦労。二人はお下がりください」

 

そう言われると、ナーガとカナメは部屋の外で待機した。

 

「まず言っておきます。あなた方を捕虜として扱うつもりはありません。シルフィスの娘も、治療が終われば直ぐにでも会えますよ。あなた方の機体も、我々が責任を持って修理します。とりあえずこちらへどうぞ」

 

そう言われて三人は部屋のある場所へと来た。そこは茶室であった。サラマンディーネが茶道で茶を淹れる。そしてそれを三人の前にだす。

 

「なんのつもりよ」

 

「長旅でお疲れでしょう。まずは一息つきませんか?」

 

そう言われて三人は出されたお茶を飲んだ。特に毒が入っているとかそういう考えはなかった。

 

「俺はタスク。アンジュの騎士だ。質問してもいいかな?サラマンディーネさん」

 

「なんなりと。タスク殿」

 

「ここは・・・本当に地球なのか?」

 

「ええ」

 

タスクの質問にサラマンディーネは当たり前の様に答える。

 

「じゃあ君達は・・・」

 

「人間です」

 

こちらも当たり前の様に答える。

 

「だけど、地球は俺たちの星で、人間は俺たちだ。だとしたらここは・・・」

 

「まさかドラゴン達って未来から来てたのか!」

 

メビウスが驚いた声で言う。その言葉にサラマンディーネは笑う。

 

「面白い発想ですね。でも違いますよ」

 

「じゃあ一体・・・」

 

「・・・地球が二つあるとしたら?」

 

その言葉に三人が驚く。

 

「並行世界に存在したもう一つの地球。一部の人間達がこの星を捨てて移り住んだ、それがあなた達の地球です」

 

「地球を捨てた・・・なんのために?」

 

タスクが疑問に思う。しかしその答えはタスクやメビウス。そしてアンジュも予想がついていた。

 

「あなた方もあの廃墟で見たのではないのですか?この地球に何が起きたのか・・・」

 

「戦争と汚染・・・そして文明の崩壊・・・」

 

その言葉にタスクとメビウスの顔が曇る。タスクはその言葉の重さに、メビウスはあの映像に映っていたフェニックス。自分の乗っている機体のとっていた行動に。

 

「つまりこういう事でしょ?あんたがいて、地球が二つあるってことは・・・」

 

次の瞬間、アンジュは飲んでいた湯呑みを割った。湯呑みは砕けた。その中の破片を一つ取りサラマンディーネの背後に回り込む。サラマンディーネの首に破片を突きつける。

 

「おいアンジュ!」

 

タスクとメビウスが止めようとする。

 

「私達を元の世界に戻す事も出来るのよね!?」

 

「サラマンディーネ様!」

 

外で待機していたナーガとカナメが駆けつけた。

 

「近づいたら殺すわよ!」

 

「野蛮人め!やはり早々に処分するべきだったか!」

 

「姫様を解放しろ!さもなくばこの者達の命はないぞ!」

 

カナメがタスクを人質に取る。例の薙刀で今アンジュがサラマンディーネにしている事と同じ事をする。人質の取り合いという事だ。

 

メビウスにもナーガが二刀流を向ける。メビウス自身は大人しくしていた。下手に暴れるとタスクの身が危ないからだ。

 

「タスクなら殺しても構わないわ!」

 

「ええっ!?」

 

「タスクは、私の騎士だもの!私を守る為なら喜んで死んでくれるわ!」

 

アンジュがとんでもないことを言い始めた。

 

「・・・帰ってどうするのですか?待っているのは機械に乗って私達を殺す日々。それがそんなに恋しいのですか?」

 

「・・・黙りなさい!」

 

「偽りの地球。偽りの世界。偽りの戦い。あなたは知らなさすぎる。付いて来なさい。貴方に真実をお見せします」

 

そう言うとサラマンディーネは近くに置いてあった刀を取ると立ち上がった。そうして出口へと向かった。その態度は人質にされている感じを全く出していない。

 

「ちょ、ちょっと!人質にしてるのは私よ!」

 

アンジュが慌てて後を追いかける。

 

「それと黒き機体の乗り手。あなたも来てください」

 

「えっ?俺も?」

 

「そうです。ナーガ。カナメ。留守を頼みますよ」

 

「姫様!?」

 

そうしてサラマンディーネとアンジュは部屋を出た。この部屋にはタスク。ナーガとカナメが残された。

 

 

 

部屋を出たアンジュとメビウスとサラマンディーネはドラゴンに乗りある場所へと目指していた。相変わらずアンジュは破片を向けて人質扱いの様にしているがサラマンディーネの方は全く気にしていないらしい。

 

やがてある場所へとたどり着いた。そこは、アンジュとメビウスが外で見た暁ノ御柱に酷似していた。

 

「ここにも・・・暁ノ御柱が」

 

「あなたはここで少し待っていてください」

 

そう言うとサラマンディーネはアンジュを連れて、柱の中へと入っていった。柱の中は外見と同じでボロボロであった。

 

「我々はアウラの塔と呼んでいます。かつてはドラグニウムの制御装置でした」

 

「ドラグニウム?」

 

「ドラグニウム。22世紀末に発見された、大なエネルギーを持つ、超

対象整流子の一種」

 

サラマンディーネは何かを操作していた。それはエレベーターらしくアンジュを乗せてエレベーターは降りていった。

 

「世界を照らすはずだったその光は、直ぐに戦争に投入されました。その結果、環境汚染や民族対立。貧困や格差。どれ一つ解決することなく人類社会は滅んでいきました」

 

「そんな地球に見切りをつけた一部の人間は、新天地を求めて旅だって行きました。そして残された人類は環境汚染された地球で生きていくために、ある一つの決断を下しました」

 

エレベーターが目的地にたどり着く。そこから降りる二人。

 

「自らの体を作り替え、環境に適応すること」

 

「作り替える・・・?」

 

「そうです。遺伝子操作によって、生態系ごと作り替えたのです」

 

二人は立ち止まった。目の前には巨大な空洞が空いていた。

 

「なに・・・ここ?」

 

「ここはかつて、アウラがいた場所です」

 

「アウラ?」

 

「アウラ。汚染された世界に適応するために、自らの体を遺伝子操作した偉大なる祖先。あなた達の言葉で言うなら、最初のドラゴンです」

 

目の前には映像が出されていた。これまでアンジュが戦ってきたどのドラゴンでもなかった。その姿はアンジュにも神々しいと感じ取れた。映像が切り替わった。そこにはドラゴン達が現れた。

 

「私達は、罪深き人類の歴史を受け入れ、贖罪と浄化の為に生きていくことを決めたのです。アウラとともに」

 

サラマンディーネが翼を広げる。そしてアンジュの腕を掴むと空中へと飛び上がった。そこからは様々なものが見えた。

 

「男達はその身を巨大なドラゴンへと変え、その身を世界の浄化の為に捧げました」

 

「浄化?」

 

「ドラグニウムを取り込み、体内で安定化した結晶にしているのです」

 

映像には巨大なドラゴンが何かを取り込んでいるシーンが映し出された。

 

「女達は時に姿を変えて男達と働き、時が来れば子を宿し、育てる。アウラとともに、私達は浄化と再生の道を歩み始めたのです」

 

「そんな事があったのか・・・」

 

「驚かれるのも無理はないでしょう。ですが・・・アウラはもういません」

 

「どうして?」

 

「連れていかれたのです。ドラグニウムを見つけ、ラグナメイルを創り出し、世界を破壊し、そして捨てたエンブリヲによって・・・」

 

「エンブリヲですって!?」

 

「あなた達の世界は、どんな力で動いているか知っていますか?」

 

「マナの力よ」

 

「そのエネルギー源は?」

 

「マナの光は無限に生み出されるものよ・・・まさか!?」

 

アンジュが嫌な予想をする。

 

「そうです。マナの光。理想郷。魔法の世界。それらの全てを支えているのはアウラの持つドラグニウムなのです」

 

「しかしエネルギーはいつかなくなります。補充する必要がある。一体どうやってアウラはドラグニウムを補給していたと思いますか?」

 

「・・・まさか!」

 

再び嫌な予想がついた。

 

「ドラゴンを殺し、体内にある結晶化したドラグニウムを取り出し、アウラに与える。それがあなた達が命懸けでしてきた戦いの本当の意味なのです」

 

「エネルギーを維持するために、私達の仲間は殺されて、その心臓をえぐられ、結晶化したドラグニウムを取り出された」

 

「わかっていただけましたか?偽りの地球。偽りの世界。そして偽りの戦い。その言葉の意味が。それでも、偽りの世界へ帰りますか?」

 

「当然でしょ。あなたの言った話が全て本当だったとしても、私の世界はあったよ!」

 

アンジュは即答した。

 

「仕方ありませんね。あなたを拘束させてもらいます。これ以上私達の仲間を殺させる訳にはまいりません」

 

次の瞬間、サラマンディーネは尻尾を使い、アンジュの持っていた破片を叩き落とした。これでアンジュは丸腰だ。

 

「私としてもあまり暴力的な事はしたくありません。皇女アンジュリーゼ」

 

「なぜ私の名前を!?」

 

「そちらの世界に、私達アウラの民に情報を与えている内通者がいるのです。その名はリィザ・ランドッグ」

 

アンジュは思い出す。ジュリアの近衛長官を務めている女を。

 

「心当たりがあるみたいですね。あなたが考えているその人物も私達と同じアウラの民です。さて・・・」

 

サラマンディーネはアンジュに固め技を放つ。

 

「ご安心を。殺しはしませんよ。あなた方と違って残虐で暴力的ではありませんから」

 

アンジュは意識を失った。

 

「さて。外で待っているもう一人にも話さねばなりませんね。そして聞かねばならぬ事もありますね」

 

サラマンディーネはアンジュを担ぐと外へと目指して行った。

 






サラマンディーネさんが遂に登場です。

最初見た時はなんで翼小さいんだろって疑問に思ってましたけど考えてみればドアとかに引っかかるからとか色々理由は考えられますね。

あとあの娘達みんな露出的な服ですよね。(演出問題ですね)

お気に入り!ご感想!お待ちしております!

練習用アンケート 皆様はラグナメイルは全て出して欲しいですか?

  • ①全部出せ。
  • ②そんなものよりオリジナル機体出せ。
  • ③既存作品から機体を出せ。
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