クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
今回は短めで会話パートがメインです。
初めに言っておきます。作者はファンタジーという言葉を使えば何でも解決できると考えているアンポンタンです。
前回のあらすじ!
エンブリヲによって語られた真実。それは想像を絶するものだった。シグはエンブリヲに戦いを挑むが、エンブリヲの能力により倒されてしまう!
そんな中シグはとある場所でメビウスと出会った!
前回のあらすじも短いな。
それでは本編の始まりです!
「・・・メビウス・・・?」
シグは目の前の自分と同じ顔の存在に戸惑っていた。
「ここで話すのはこれで二度目だな」
「その声・・・お前か、時々俺に語りかけてきたのは」
「おあいこだろ?フェニックスが跳んだ。あれはお前の仕業だろ。
それだけじゃない。あのおかしなシステム。
勝手に機体が動いた時。あれだってお前の介入だろ」
お互いがそれぞれに干渉していたことを明かす。しばらくお互い黙っていたが、やがてシグが話し始めた。
「今ならわかる・・・お前は俺なんだな」
「俺が捨てた優しさ。それを受け継いだのがお前なんだな」
「あぁ。その通りだ」
メビウスはその発言を肯定した。
「何のために現れた。俺を笑いにきたのか?お前を捨てた俺を・・・」
メビウスが最初に見た悪夢。誰かを見殺しにした夢。あれはシグがメビウスを・・・
自分の中の優しさを捨てた事を意味していたのだ。
「そんなんじゃねぇ。因みにここは精神世界だ。ついでにお前はまだ生きてる」
メビウスがファンタジーな事を言い始めた。
「・・・生きててどうなる?・・・ラグナメイルの破壊。それが俺の生きる理由だった。だが・・・全て嘘だった。世界は俺が滅ぼしたんだ・・・」
メビウスは黙ってシグに近づいた。
「・・・歯ぁ食いしばれぇ!」
次の瞬間、メビウスはシグを殴りつけた。
「・・・殴って気は済んだか?」
「別に恨んで殴ったんじゃない。それより目が覚めたか?」
「えっ?」
「お前には聞こえないのか?生きる為に戦おうとしている人達の声が」
するとシグの脳に謎のビジョンが浮かび上がる。それは戦闘風景である。
「こいつー!うじゃうじゃ沸いてきて!」
「倒してもキリがないぞ!」
「二人とも泣き言を言わない!」
ヴィヴィアンとタスクをアンジュが励ましている。ボマーの数は一向に減らない。
(アンジュ・・・タスク・・・ヴィヴィアン・・・)
「面倒だ!全部斬り落とす!」
「フィールドに頼るな!エネルギーの無駄遣いだ!」
「リフレクターで乱射するわ!カイ!早く!」
「狙撃専門だが仕方ねぇ。フルウェポンで相手してやるよ!」
(アクロ・・・ワイズナー・・・アンリ・・・カイ・・・)
「敵を近づかせるな!ボマーの爆発に周りのボマーを巻き込め!」
ネロ艦長が指示をとばす。アクセリオンは必死に弾幕を張っている。
(ネロ艦長・・・)
「・・・みんな・・・戦ってるのか・・・」
「ああ。あのクソ野郎を倒す為に。何より生きる為にな」
やがてメビウスは語り始めた。
「・・・なぁ。覚えてるか?お前が一番最初にここで俺に言った言葉を。俺はお前に託したんだぜ。【望みを叶える剣】を。俺は思い出したぜ」
「・・・思い出したよ。だけどあの時とは立場が
逆転したな・・・」
シグは以前の事を思い出した。話は第1話冒頭に遡る。あの時。メビウスが聞いたあの声。あれの一つはシグなのだ。
「俺はフェニックスを・・・力をお前に託された。たとえそれが神の悪戯でも、俺はその事を後悔していないぜ」
「そしてフェニックスがこの世界に跳んだ時、俺はシグの心に触れた。その・・・悪かったよ」
メビウスが頭を下げた。それにシグが驚く。
「お前がこれまで、どれだけ苦しい思いをしてきたのか・・・その事に気付いてやれなくてよ・・・」
シグはメビウスの話を黙って聞いていた。
「さて。本題を話すか。お前はこのままでいいのかよ」
「・・・どういう事だ?」
「いいように利用されて、いいように捨てられて、それでいいのかよ!」
「・・・」
シグの中で何かが動いた。
「お前。この未来を変えたいんだよな!それが生きる理由だって!あれは嘘なのか!?」
「違う・・・」
シグの中で先程より何かが動いた。
「過去の罪をただ受け入れて隅っこでうじうじする!それで満足なのかよ!」
「違う」
シグの中で何かが大きく動いた。
「優しさを捨てたのはこうなる事を望んでいたからなのかよ!?」
「違う!俺は!未来を変えたい!それが俺の生きる理由だ!」
シグの中の何かが動き、そして吹っ切れた様だ。
「なら簡単だ。俺の命をやるよ」
「・・・命を!?」
「忘れたのか?俺とお前は正真正銘の一心同体。
命の共有くらい可能なんだぜ」
「えらくファンタジーだな」
「うるせぇ。そのかわり一つ頼みがある」
「ナオミを・・・みんなを助けろよ・・・」
命の共有。それはシグに自分の命を与えるという事だ。無論そんな事をすればメビウスという人格はシグの人格に融合され、そして消えるだろう。
ナレーターとしてもえらくファンタジーな設定だと思う。
「・・・断る」
「はっ?」
メビウスはシグの発言が理解できないでいた。
「知っているぞ。そいつは敵なんだろ?敵を助けるなんて俺にはできない」
「テメェ・・・!」
「だから・・・お前が助けろ」
「えっ!?」
シグの言葉にメビウスが驚く。
「俺はお前の半身なんだろ?なら簡単だ。俺がお前の体に戻る。そうすればお前は消えずに命の共有ができるんだろ?」
「またファンタジー的な事をいいだして・・・」
「お前と俺は元々一つなんだろ?なら出来るはずだ。それにここは精神世界なんだろ?ならそれくらい簡単だろ」
「・・・わかった。そうするか」
メビウスとシグが目を閉じあった。するとメビウスの体の中に何か入ってくる感覚がした。それには懐かしさが感じられた。
目を開ける。目の前にシグはいなくなっていない。シグがどこにいるのか。メビウスはその場所がわかっていた。
「・・・懐かしいな。この感覚。昔無くした何かが戻ってきたみたいだ・・・」
「それより早く戦線に戻るぞ。アンジュ達もそろそろ限界だろう」
「だがその前にメビウス。お前に頼みがある」
「なんだ?」
「主人格にはお前がなれ。だがそのかわり一つだけ約束しろ」
「・・・この世界を・・・未来を救ってくれ・・・」
「分かった」
(ありがとう。お前のおかげで、最後に少しだけ先に進める事が出来た。だから・・・おやすみ・・・)
「・・・シグ?・・・!」
メビウスは理解した。シグの現状を・・・
「・・・シグ。お前との約束。絶対叶えてやる。
だから今はゆっくり休め・・・」
メビウスはある事を考え、そして結論を出していた。
(あの時・・・初めてここに現れた時、俺に語りかけた存在は二人いた。もう一人はお前なんだろ?待ってろよ・・・フェニックス!)
そう思いながらメビウスは光へと歩き始めた。シグの意思を受け継ぎ、実行するために。
何より仲間の待つ場所へ・・・
遂に光の前にやってきた。自分を奮い立たせるため
高らかに宣言する。
「俺はメビウス・・・未来を変える者だ!!」
そしてある言葉を無意識に呟いた。
「The future is endless・・・未来は無限だ」
それはかつてフェニックスのコックピットで拾った色褪せた紙に書かれていた文字だ。
そして下に書かれていた色褪せたメビウスの輪。
あれもシグと同じく何百年もの時を過ごしたのだろうか・・・
「・・・メビウスとして俺は生きる!そして未来を変える!」
遂にメビウスが復活しました!
次回で第7章は最終話です!アンケートなどはお忘れなく!
今回の話の為にファンタジータグが存在している様なものですw
次回はもう少しまともになると思います。
参考に聞きます。もし好きな人が敵になったらみなさんはどうします?
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①必死に説得
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②敵になったのなら容赦はしない
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③敵に寝返る
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④お前を殺して俺も死ぬ!
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⑤好きダァァァ!!!と告白する