クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
今回から第8章です!本編はアニメシナリオに戻ります!
なお今回からメビウスを含めたメイルライダー部隊はパイロットスーツではなくライダースーツに変更します!ZEUXISメンバーに関してはパイロットスーツで通します。
前回のあらすじ!
遂にメビウスが目覚めた!それに応えるかの様にフェニックスは進化。その背中に翼を宿した。これによりエンブリヲのヒステリカを撃退!さらに時間跳躍を使いアンジュ達のいる過去の世界へと戻ってきた!
そしてその夜。ZEUXISのメンバーがメビウスを受け入れた頃。海からウェットスーツに身を包んだ三人組と遭遇した。
その三人の正体はなんとモモカさんとヒルダとロザリーであった!
そしてメビウス達はアルゼナルを脱出した彼女達の艦。アウローラへと来ていた。
それでは本編の始まりです!
第60話 海底の反逆者達
海底深くを進む【アウローラ】そのブリッジでは
オペレーター三人娘が会話をしていた。
「第一警戒ライン。突破しました」
「まさか生きてたとは・・・」
「ヴィヴィアンもアンジュもメビウスも、てっきりロストしたと思ってた」
「今までどこ行ってたんだ?」
「・・・シンギュラーの向こう。更に未来世界だって」
「・・・嘘っ!?」
ここはアウローラの作戦室。ここではアンジュ達が集まっていた。ZEUXISメンバーからはネロ艦長と機動兵器部隊の皆がいた。
「私がアクセリオンの艦長。ネロだ。まずメビウスを保護してくれた事にZEUXISを代表して礼を述べさてていただく」
そう言うとネロ艦長は頭を深く下げた。それにワイズナー達も続く。なお作戦室内ではネロ艦長自前のコーヒーが振舞われていたため、部屋の中はコーヒー臭かった。
ジル司令達はアンジュやメビウスの語る話に皆驚いていた。
「なるほど。平行宇宙の地球。ドラゴン・・・
いや、遺伝子改造した人類の世界」
「そしてマナが消えて滅びを迎えようとしている100年後の未来世界か・・・」
ジル司令はタバコを取り出し、一服した。
「彼女達は話し合いができる相手よ。少なくてもこの世界の人間よりは・・・」
「手を組むべきじゃないかしら?ドラゴン達と・・・そしてZEUXIS達と」
アンジュの提案に皆直ぐに意見を示せなかった。
アンジュは続けた。
「ドラゴン達の目的はアウラの奪還よ。それがなくなればマナの光はこの世界から消える。そうすればシンギュラーも開かれなくなるし、パラメイルもいずれ要らなくなる」
「何よりマナの光を維持するためにドラゴン達と
戦うなんて馬鹿げた事をする理由がなくなるわ」
「無論エンブリヲが妨害をするでしょうけど、そのエンブリヲも倒せさえすれば、メビウス達の世界は・・・未来は最悪の道を辿ることはなくなるんじゃないかしら」
「敵の敵は味方か・・・なるほどね」
ジャスミンが何処か納得した風に言う。しかしそれにロザリーが喰いかかる。
「冗談だろ!?奴らとはこれまで何度も仲間の命を奪ったんだぞ!そんな奴らと協力!?出来るわけねぇ!」
ヴィヴィアンは何処か不服そうであったが、ロザリーの言い分は最もだ。
敵の敵は味方。その理由だけでこれまでの事を忘れて簡単に協力関係を結べるほど、人間は簡単な存在ではない。
「話して見れば分かるわよ!」.
アンジュ達としてもドラゴン達のいた世界に少し
滞在していたのだ。それ故彼女達が信頼できると言える。
しかしジル司令ははっきりと否定した。
「無駄だ。奴らは信用するに値せん。アウラだか何だか知らんが、ドラゴン一体助けた程度でリベルタスは終わらん。そして信じるに値しないのは貴様達もだ」
ジル司令がネロ艦長達の方を見る。ネロ艦長は黙っていた。
「我々の目的は神様気取りのエンブリヲを抹殺しこの世界を壊す事。それだけがノーマを解放できる唯一の方法だ。その大事な作戦にこれまで戦ってきたドラゴンや突然現れたこいつらと手を組むだと?
無理な話だな」
「・・・やなやつ」
「しっ!」
アクロが小声で呟いた。直ぐにアンリが注意した。
「信じるに値するぜ。ドラゴン達もZEUXISのみんなも」
メビウスが擁護する様に言う。しかしジル司令はそれを無視してアンジュの方を向いた。
「忘れた訳ではあるまい。アンジュ。祖国や兄妹。民衆に裏切られてきた過去を。こんな世界を壊す。それがお前の生きる理由じゃないのか?」
その言葉にアンジュはミスルギ皇国での出来事を思い出す。
「腑抜けたものだな。ドラゴンやこいつらに洗脳でもされたか?それとも・・・女にでもなったのか?」
アンジュとタスクが目に見える動揺をした。メビウス自身はジル司令に掴みかかりそうになったがネロ艦長がそれを制した。
「ピンクの花園で男と乳繰り合いたいなら!全てを終わらせてからにしろ!」
ジル司令のきつい一言に場は静まった。少しの間
静寂が続いた。
その静寂を破ったのはジャスミンとマギーだ。
「だけど私らの戦力が心物無いのは事実だね」
「サリア達が寝返っちまうし・・・」
その言葉に四人は思い出す。ドラゴン達の世界から帰ってきた時に現れたラグナメイルに乗ったサリア達を。謎の機体・・・いや、ザ・ワンに乗って現れたナオミの事を・・・
そして未来世界で現れた二機のラグナメイルのパイロットであるココとミランダの事を・・・
「あいつらはエンブリヲに騙されてんだよ!きっとそうに違いねぇ!」
メビウスが多少声を荒げて言う。それはメビウス
自身の願いでもあった。
「まぁ今はサリア達の事は置いといて。アンジュ。ドラゴン達とコンタクトはとれるのかい?」
「ヴィルキスなら、シンギュラーが開かなくても向こうの世界に行けるわ。多分」
ジャスミンの質問にアンジュは希望を提示した。
一度できた以上同じ事は出来るという
可能性という名の希望だ。
「そいつは頼もしいねぇ。ドラゴンや彼等との共闘。考えてもいいんじゃないかい?・・・ジル」
ジル司令は黙っていたがやがて腰を浮かせた。
「・・・よかろう。情報の精査の後、今後の作戦を伝える。貴様達はここで食事でもとったら、とっとと自分達の艦に帰るのだな」
そう言いジル司令は作戦室を後にした。
「悪いねぇあんた達。ジルは不器用だから、素直に感謝が伝えられないのさ。アンジュ達を保護してくれてありがとうね」
ジャスミンがネロ艦長達に頭を下げた。
「いえ。こちらこそメビウスを保護していただき、感謝しきれません」
ネロ艦長も頭を下げた。
「ジルの奴は嬉しいんだよ。あんた達が無事に帰ってきて。今夜はゆっくり休みな。後メビウス。あんた、記憶が戻ってよかったねぇ」
ジャスミンがアンジュとメビウスの肩に手をのせた。
アウローラの食堂ではモモカ飯が振舞われていた。それはアンジュやメビウスなどにとってはノーマ飯より美味しい普通の食事だった。
だがZEUXISのメンバー達にとっては最早御馳走に等しかった。
「メビウス!お前こんな美味いもの食えてしかも
女の子達に囲まれて!なんて羨ましい奴だ!」
「たしかにこの料理はかなりの味だ。いつかはこの料理が食べれる様になるのだな・・・」
「ウマァァァァァァァイ!!!」
「この料理!どの様に作られたんです!?」
「・・・美味いな。この料理はコーヒーがよく似合う」
メビウス以外の五人は初めて食べたこの世界での料理に皆声高らかに感動していた。それはアンジュ達も同じである。
未来世界での食事はあくまで栄養補給が目的であったため、ろくな味などなかった。
するとカレーを食べていたヴィヴィアンの身体をマギーがペタペタ触り始めた。
「にゃははは!一体何!?」
「本当にキャンディー無しでもドラゴン化しないのかい?すごい技術だねぇ・・・」
「そういえば向こうのみんなは羽と尻尾が生えてたよ!なんで私にはないの?」
「バレるから斬ったのさ」
「うわっ!ひっでぇ!」
さらっと言った一言に皆は苦笑していた。
「それにしても。アウローラがまだ動けたとは・・・」
タスクが何処か懐かしそうに言う
「知ってるの?」
疑問に思いアンジュが尋ねた。
「あぁ。かつて古の民がリベルタスの旗艦として使っていたんだ。俺達はこの艦でエンブリヲと戦っていたんだ」
「そういえばフェニックスだけど。あれ古の民。つまりこの地球がエンブリヲに介入される前に作られた兵器らしいぜ。所謂ロストテクノロジーの塊って奴だ。俺はそれを偶然遺跡で見つけたんだけど・・・タスク達はこの機体の事を何か知らないのか?」
フェニックス。元々偽りの地球に住んでいた人類がが作り上げた機体。これが未来世界で封印されていた事を見ると古の民はこの機体の存在を知らなかったのだろうか?
「多分俺達の先祖も以前争いがあったんだと思う。そしてそれが終わった際にもう争わなくていいと
判断してその機体を封印したんじゃないのかな?」
「そうか・・・」
メビウスは何処か悲しそうであった。
今争うためにこうして封印された機体が使われている現状に悲しくなったのだろう。
「因みにベットは少し狭いですが快適なのでご安心ください」
モモカはアンジュにアウローラの説明をしていた。
「そう。それは良かったわ」
「ちっともよくねぇよ」
ヒルダが割って入ってきた。
「戦場からロストしたと思ったら急に帰ってきやがって。しかも団体さんをお連れして。しかも未来人って一体どうなってんだ!?」
「おおっ!ヒルダちゃん!俺達に興味あるの!?
俺達はな・・・ごぶっ!」
ナンパ師カイの悪い癖が発動した。すぐさまワイズナーによってその口を閉ざされた。
「失礼した。話を続けてくれ」
「アタタタタ。ワイズナー!殴る事ないだろ!?」
カイを気にせずヒルダが話を戻そうとする。
「でも。あんたらが消えた後。色々な事があったよ」
「そうそう。アルゼナルはぶっ壊れるわ。仲間は
大勢の殺されるわ。・・・クリス達は敵になるわ・・・」
その言葉に四人の手が止まる。
「・・・なぁ。一体みんなに何があったんだ?」
メビウスが疑問に聞いてみる。
「こっちが知りてぇよ!」
ロザリーの答えは最もである。
「それだけじゃないわ・・・ココとミランダが・・・敵になった・・・」
アンジュの言葉にヒルダ達が驚く。
「ココとミランダって!あの二人か!?」
「でも!あいつらはもう死んじまったんだろ!?
生きてるわけねぇよ!」
ヒルダとロザリーが驚きながら言う。
「この目で見たわ。あれはココとミランダだった。間違いないわ・・・」
「そうか・・・」
ヒルダ達は直ぐに冗談ではない事を理解した。少し場が静まった。
「そう言えばこの艦。貴方達二人だけでよく沈まなかったわね」
アンジュが話題を変えようと話を変える。
「喧嘩売ってんのかテメェ!?」
ロザリーが食いかかる。
「それは、私らがいたからでもあるよ」
背後から声がした。振り返るとそこにはゾーラ隊長がいた。更に見た事のない三人の少女もいた。
「私が戦線に復帰した事とこの三人が頑張ってくれたからだよ。なぁ?ノンナ。マリカ。メアリー?」
ゾーラ隊長が背後にいた三人の名前を呼ぶ。三人は軽く会釈をした。
因みにゾーラ隊長のパラメイルはヴィヴィアンのレイザーを自分用にチューンしたらしい。
「私がきっちり仕込んでおいた。即戦力として心強い強い存在だ」
「私も手伝ったんだぜ!」
ロザリーが付け加えた。すると三人はヴィヴィアンの元に向かった。
「お会いできて光栄です!」
「第一中隊のエース。ヴィヴィアンお姉さまですよね?」
「大ファンです!」
「おっおい!あんたら私にそんな事一言も・・・」
「はっはっは!残念だったなロザリー!」
ゾーラ隊長が笑いながらロザリーの肩をポンポン
叩いた。
アンジュ達も苦笑いというか呆れ笑いをしていた。
そんな中タスクが妙に浮かない顔をしていた。
「どうしたの?タスク?」
「いや、アレク・・・じゃなくてジルの様子が少し気になって・・・」
「アレクトラ・マリア・フォン・レーヴェンヘルツだろ?」
ヒルダの言った言葉にアンジュとタスク。そしてメビウスが驚く。なぜヒルダがジルの本名を知っているのか・・・
「みんな知ってるよ。司令のやつ全部ぶちまけたから」
話はアンジュ達がドラゴンの世界に飛ばされた直後に遡る。ヒルダとロザリーをアウローラに格納した時。そこにはボロボロに傷ついた彼女達がいた。
そんな彼女達にジル司令は言った。
「諸君!人間の残虐さ。冷酷さは嫌と言うほど知ったはずだ。私は必ずやエンブリヲを倒し、ノーマをこの呪われた運命から解放する!」
「その日まで・・・諸君の命、私が預かる!」
その言葉は人間達によつては傷ついていた彼女達、ノーマ達にとってはまさに救いの一言であった。
「あのアレクトラがそんな事を・・・」
「意気込みは分かるんだけど。あそこまでガチだと少し引くわ・・・」
その時だった。不意に声が響いた。
「あなたにあの人の何がわかるのよぉ!?」
皆が驚いてその声の方を向いていた。その声の主はカウンターテーブルの様な所から現れた。
それは泥酔していたエマ監察官であった。手には
酒瓶を握ってラッパ飲みをしていた。
「エマ監察官!?」
「エマさんでいいわエマさんで・・・」
「酒クセェ!」
アンジュとメビウスが同時に言った。
「この艦に乗られてから、ずっとこの調子なのです」
モモカがエマ監察官の・・・いや、エマさんの現状を説明した。
「しょーがないでしょ!私・・・同じ人間に殺されかけたのよぉ〜!なのに・・・なのに・・・司令は・・・私をこの艦に乗せてくれたのよ・・・これまでノーマに酷いことをしてきた私を・・・」
お酒のせいなのか多少情緒が不安定となっていた。
しかしもし管理委員会に戻れば間違いなく口封じを目的に殺されていただろう。あの惨状を見れば幾らエマ監察官とはいえノーマ管理委員会のやり方に
疑問の一つも持つだろう。
その点では彼女がここにいる事は彼女にとっては正に幸運な事と言えるだろう。
「あの人だけヨォ!この世界で信じられるのは!
そう思うわよねぇ!?ペロリーナァ!!」
「はいはい。その辺にしときな」
エマさんがペロリーナ人形を頬ずる。そのエマさんをマギーが外へと連れ出す。
「何あれかわいい・・・」
因みにZEUXISメンバーのアンリはエマさんの持っていたペロリーナに興味を示していた。
「でも・・・監察官の言う通りだぜ。私らが信じられるのは司令だけだ・・・この世界で・・・」
ロザリーが重たい口調でそう言う。
少しの沈黙が続いた。
「では。我々はそろそろアクセリオンに戻る」
一通りの食事が終わり、ネロ艦長達が立ち上がる。アクセリオンはアウローラの真上を偽装を展開しながら飛んでいる。
これからアウローラは浮上してアクセリオンに回収してもらうのだ。
「メビウス。君はアウローラに残りたまえ。この
世界での仲間達と少しでもいられた方が良かろう。通信機を渡しておく。何かあったらこれで連絡を取りたまえ」
「ありがとうございます。ネロ艦長」
「メビウス。好きな子がいるからって夜襲うなよ!」
去り際にカイの軽口が聞こえた。その後直ぐに悲鳴も聞こえた。
「・・・あんたのお仲間。とても個性的な奴だな」
ヒルダが感心した様に言う。
アンジュ達も食事が終わると食堂を後にした。
アンジュとヒルダはシャワー室でシャワーを浴びていた。
「なんか少し沁みるわね」
「海水が混ざってるからな。そのせいだろ」
するとヒルダはアンジュに抱きついた。
「なっ!ヒルダ!?」
「あんた・・・少し太った?」
「なっ!?どこ!?」
「ここら辺」
「あんっ」
ヒルダがアンジュの腹を摘む。アンジュが軽く喘ぎ声を出した。
「ったく。お前が居なくなって、心配してたんだぞ。それなのにお前はあの男ばかりか団体さんまで連れてきて・・・ねぇ。タスクって言ったっけ。
ミスルギ皇国で出会った男」
「ええ。そうよ」
「・・・したの?」
「はい!?」
ヒルダの一言にアンジュが困惑する。
「タスクかメビウスと・・・したの?」
「してないしてない!」
アンジュは必至に否定する。タスクとはキスはしたが本番には突入していない。
「・・・そう」
ヒルダがアンジュの肩にキスをした。
「お帰り。アンジュ」
そう言うとヒルダはシャワー室を後にした。
メビウスは部屋に来ていた。アルゼナルに帰ってきてからはアルゼナルでの制服に着替えた。
最も、未来世界での服は身長が再び縮んだ事により使い物にならなくなっていた。
ライダースーツも再び同じサイズのものをジャスミンに頼んだ。
ベットに横になる。ふと横を見ると隣にもベットがあった。しかしそこには側にいてほしい人物はいない。
「・・・ナオミ・・・なんでだよ」
無意識にナオミの名前を呟いた。
何故エンブリヲに着いたのか。なぜ敵になってしまったのか。その事を考えていた。
考えたところで答えなどでない疑問を。だが考えずにはいられなかった。
「・・・信じてるぜナオミ。また昔みたいに戻れるって事を・・・」
それはかつてナオミが反省房送りとなったアンジュとヒルダとメビウスの三人に言った言葉であった。
メビウスは信じている。またナオミと一緒に居られる事を・・・
こちらはタスク側。現在ヴィルキスの近くに来ていた。まだ子供だった頃、10年前のリベルタスの時のジル司令の言葉を思い出す。
(私はこの歪んだ世界を正し、ノーマを解放する。
差別のない平等な、貴方達が笑って過ごせる世界を
創ってみせるわ・・・タスク)
「アレクトラ・・・」
「誰?」
タスクが呟くと不意に声がした。その方を見るとメイがいた。
「あっ。いや。この艦さ、女の子達が多くて居場所がないから・・・機体のコックピットで寝ようと思って・・・」
最初はメビウスの部屋に転がり込む事を考えたが扉を開けた時、メビウスはタスクに気づかなかった。そしてタスクはメビウスがある人物と昔みたいに
戻れる事を願っているのを聞き部屋を後にした。
あの部屋にはいつか帰ってくる人がいる。その人の帰る場所を一時的とはいえ、とるわけにはいかないと思い部屋を後にしたのだ。
「君はこんな時間まで整備を?」
「うん。やっと帰ってきたし、念には念を入れておかないとね・・・よし!整備も終わった!」
そう言うとメイはヴィルキスから降りた。
「・・・ねぇ。あなただよね?以前ヴィルキスが
堕ちた時に直したのは」
メイがタスクに尋ねる。それはアンジュが喪失して島に流れ着いた時の事だ。
「そういえばそんな事もあったな」
「いつかお礼を言おうと思ってたの。ありがとう。ヴィルキスの騎士さん。それじゃ私はこれで」
そう言うとメイは格納庫を後にした。タスクは
アーキバスのコックピットに座る。暫くぼーっとしていたがやがてボックスからある物を取り出した。そしてそれを持って上を見上げた。
「念には念を・・・か・・・」
タスクは一言呟いた。
一方司令室ではジル司令がタバコを吸っていた。
十年前のリベルタスの時の出来事を思い出していた。
「そう。おかしくなっていいんだよ。
アレクトラ・・・」
「・・・エンブリヲ!!!」
吸っていたタバコを忌々しそうに義手で握りつぶした。
「・・・今度こそ成功させる・・・リベルタスを・・・」
ジル司令は一言呟いた。
それぞれが思いに耽るなか、こうして一晩が明けた。
アウローラの作戦室にはメビウスとアンジュとタスクが来ていた。その向かいにジル司令とマギーとジャスミン。メイとゾーラ隊長。そしてバルカンが座っていた。
三人は向かい側に腰をかけた。
「昨晩はよく眠れたか?」
「あぁ」
「それは結構。さて、アンジュ、そしてメビウス。お前達に任務を与える」
ジル司令の言葉に三人は息を飲んだ。
「アンジュはドラゴンと。メビウスはZEUXISと接触。交渉し、共同戦線の構築を要請しろ」
今回久しぶりにジル司令やゾーラ隊長を出せました。
潜水艦とかは寝心地とか実際どうなんだろ。揺れるのかな?
自分は乗り物酔いするからアウローラで生活できないなぁ。