クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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前回のあらすじ!

アンジュは遂に本物のアウラを見た。その場でアンジュはエンブリヲを殺したがエンブリヲは直ぐに再生した。

さらにエンブリヲはアンジュも抱きこもうとする。だがドラゴン達の世界でしたタスクとのキスにより正気を取り戻すのだ!

一方アウローラではヒルダ。ロザリー。ゾーラの三人がジル司令の寝言を聞いたのだ。

ごめんなさい・・・エンブリヲ様と・・・

これは一体どういう事なのか!?

それでは本編の始まりです!




第64話 神の求魂 前編

 

 

アウローラ。この艦の独房の一室に皆が集まっていた。

 

「よく救助要請など出せたものだ!お前のせいで

アンジュ達は脱走し、我々はヴィルキスを失った!」

 

「お前が終わらせたんだ!リベルタスを!

ヴィルキスの騎士であるお前が!」

 

「アンジュは君の道具じゃない!」

 

独房で現在ジル司令はタスクに暴行を加えていた。あの後撃墜された二人はアウローラに救助された様だ。

 

ヴィヴィアンは無断出撃の件で隣の独房に送還されていた。

 

「ヴィルキスが無ければエンブリヲを倒す事は出来ない。そう教えてくれたのはお前の父だったな!

それを台無しにするとは・・・

全く!大した孝行息子じゃないか!」

 

ジル司令の行為は半ば八つ当たりに近かった。だが誰もそれを止めようとはしなかった。

 

「リベルタス。まだ終わっていませんよ」

 

ヒルダが話を切り出した。

 

「アンジュ達を助けに行くべきです。そうすれば

リベルタスは・・・」

 

「逃げ回るので精一杯のこの戦力でか?それともZEUXISの奴等と手を組むのか?」

 

実はあの後。アウローラの元に再びZEUXIS達が訪れたのだ。そしてジル司令に詰め寄った。理由は簡単。例の毒の件だ。

 

だがジル司令はそれには何も答えなかった。それどころかメビウス達が捕まったのはZEUXISメンバーの不手際とまで言い切った、

 

向こうは関係修復を望んではいるが最早それは絶望的であった。

 

「それに無駄だ。助けたところで奴等はもう私の命令など聞かん。進路をアルゼナルへ向けろ。今後の作戦は補給物資を搬入してから伝達する」

 

「イエス・マム」

 

そう言い皆が独房を後にした。

 

ヒルダとロザリーとゾーラの三人は昨夜の一件を

考えていた。

 

「ごめんなさい・・・エンブリヲ様・・・」

 

ジル司令の呟いた一言。あの後、その言葉がずっと気になっていた。

 

 

 

 

 

そんな中ミスルギ皇国ではアンジュはエンブリヲに呼ばれてある部屋へと来ていた。

 

その側にはモモカさんが。そして部屋の外の窓ではサリアが聞き耳を立てていた。

 

「さてアンジュ。君を呼んだのは他でもない。

君を私の妻にしたい」

 

「はあっ!?」

 

またこの人は何を言いだしているのだろうか?その言葉に外で聞いていた。サリアは何処か悔しそうにしていた。

 

「私は妻の願いを叶え様と考えている」

 

「願い・・・」

 

「この世界を壊すだよ」

 

その言葉にアンジュは驚いた。

 

「旧時代の人間は野蛮で暴力的でね。足りなければ奪い合い、満たされなければ怒る。まさに獣と呼ぶに相応しかった 」

 

「あのままでは人類は滅亡していた。だから私は人類が滅亡しない様に人間を作り替えた。高度情報ネットワークのマナ。そして光り輝き、物に溢れるこの世界を・・・」

 

「だが人類は今度は堕落した。与えられる事が当たり前となったため、自ら考える事を放棄したのだ」

 

「君も見ただろう?命令されれば簡単に差別や虐殺を行う腐った人間達を」

 

ミスルギ皇国の国民を思い出す。アルゼナルを襲撃した人間達を思い出す。どう見ても正常とは言えなかった。

 

「だから私はこの世界も捨てようとした」

 

「その結果が未来がメビウス達のいた100年後の

未来ってわけね」

 

「その通り。彼等は私が管理を手放した人類だ。どうなろうと知った事ではなかった。あれが発見されるまでは・・・」

 

「フェニックスね」

 

「旧人類のオーパーツ。私はあの力を手に入れようとしたさ。だがそれをフェニックスが拒んだ。だから私はあの力が介入出来ない様にしていた。だがそれは間違いだった。何故あの力を利用しようと考えなかったんだ」

 

「やり直せばいいのだ。メビウスが未来を変えようとしている様に」

 

「・・・どういう事?」

 

「単純に言えば今の世界をリセットするのだよ。

より良き未来の為に」

 

「・・・ふーん。その自信を見るに既に方法はあるらしいわね」

 

「あぁ。統一理論を使うのさ」

 

エンブリヲは永遠語りを歌い出した。

 

「永遠語り・・・」

 

永遠語り。アンジュの母ソフィアから伝えられた歌。そしてラグナメイル覚醒の鍵。

 

歌い終わるとエンブリヲはマナの力で両手に地球を出した。

 

「この二つ存在している地球を融合させる。その為のテストは終わった既に行われている。アンジュ。君もドラゴン達の世界で見たはずだよ?」

 

アンジュには心当たりがあった。あの時、突然発生した竜巻。物理法則もクソもあったものではないあの現象。

 

「あれで二つの地球を融合するのだよ。そこで再び人類を作り直せばいい」

 

「その時空融合のせいで、一体何人が犠牲になったと思ってるの・・・」

 

アンジュは見ていた。竜巻に飲み込まれたの者は皆死んでいった事を・・・

 

「そしてそれにはフェニックスが必要になるのだよ」

 

「フェニックスの持つ時間跳躍システム。あれで地球全土を覆い尽くす。そうすれば融合した地球環境は再生し人類は再び栄えるだろう。ドラグニウムの汚染を気にする必要はない」

 

「成る程ね。メビウスを捕まえた理由はそのシステムを使おうとする事が理由ね」

 

「こちらもザ・ワンを持ってはいるが、まだあれはフェニックス程進化していないのだ。だから予防策を練っておいたのさ」

 

「更にフェニックスが協力すればアウラも必要なくなる。ネオマキシマエンジンの仕組みを理解すれば、それがマナの代わりにもなるのだから」

 

「そしてその世界で私達の作る人間達なら、同じ過ちを繰り返さないとは思わないかね?」

 

エンブリヲの話は一通り終わった様だ。アンジュは紅茶を一杯飲んだ。

 

「モモカが淹れる紅茶の方が美味しいわね」

 

一言愚痴をこぼした。

 

「さてと。話はよくわかったわ。私の答えはこれよ!」

 

次の瞬間、アンジュはエンブリヲの手を机に叩きつけた。そして隠し持っていたナイフで手の甲を突き刺した。見事に貫通した。

 

「ぐおぉぉおっ!!」

 

「アンジュリーゼ様!?」

 

「この世界に未練はないわ。でもね!貴方の妻になるなんて御免なのよ!調律者さん!」

 

アンジュはもう一本ナイフを取り出した。

 

「一つだけ教えてあげるわ。貴方はメビウスと同じ事をしようとしてるけど、その本質は全く違うのよ!」

 

「メビウスは本気で世界を変えようとしている。それこそ未来をよりよくしようとな!貴方はつまらない自己満足の為に世界を変えようとしているの。

一緒にするのはやめなさい!」

 

「最後に一つ。フェニックスに関して貴方のしてる事はね。貴方の言う愚かな旧人類そのものよ!

強い力だから欲しがる。まさに獣ね!」

 

「待て、アンジュ!」

 

次の瞬間、エンブリヲの喉元にはナイフが突き刺さった。エンブリヲは動かなくなった。そこには死体だけが残された。

 

後ろから拍手が聞こえた。

 

「血の気の多い事だ。だがその分妻にしがいがあるというものだ」

 

そこにはエンブリヲがいた。まただ。殺したはずなのに何故か平然と現れる。

 

既に死体のあった場所には血の跡すらなかった。ただナイフが二つあっただけだ。一つは机に突き刺さりもう一つは床へと落ちた。

 

どちらのナイフも血の跡は見当たらない。

 

「くっ!なら!」

 

アンジュは机に刺さったナイフを引っこ抜いた。しかし次の瞬間にはエンブリヲによって腕をロックされた。

 

「でも。いきなり殺すなんて酷いじゃないか。これはお仕置きが必要だね」

 

エンブリヲの指がアンジュの体に触れる。次の瞬間にはアンジュは地面にへたり込んだ。

 

「アンジュリーゼ様!?」

 

モモカさんが側に駆け寄る。

 

「はあっ。はあっ」

 

息が荒い。身体も熱くなっている。何より片手で胸を。もう片手は秘部を触っていた。

 

自分の事を慰めていた。

 

「貴方!アンジュリーゼ様に何をしたのです!」

 

「ちょっと彼女の快楽神経を50倍にしただけだよ」

 

「元に戻してください!今直ぐに!」

 

モモカさんがエンブリヲを睨みつけた。だが次の瞬間にはエンブリヲがその場から消えた。更にアンジュの姿もなかった。その場にはモモカさんだけが残された。サリアは途中からその場を離れていた。

 

 

 

 

 

 

 

アンジュが連れ去られた頃、地下牢ではメビウスがいた。目には多少の光が戻っていた。

 

目の前にエンブリヲが現れた。

 

「よおエンブリヲ。お前は相変わらず暇そうだな」

 

いつも通りの虚勢張りである。少なくても今弱さを見せるのは負けだと判断しているらしい。

 

「メビウス。これは最期のチャンスなんだよ。

 

メビウス。君は選ばれた存在だ。その力は世界のために相応しい使い方をするべきなんだ」

 

「なんの為の世界だ。テメェにとって都合のいい

世界の事か?」

 

「人類の為の世界だ。そこは血の匂いもしない綺麗な世界だ」

 

「・・・同じだな」

 

「なに?」

 

「まだ俺が孤児だったころ。ブラック・ドグマの連中が俺を少年兵として使おうとした時の言葉。奴らの言った言葉と全く同じだな」

 

「人類の為や未来の為。そんな綺麗事は好きじゃねぇ」

 

「ふう。では建前なく少し本音で話すとするか。

メビウス。フェニックスの解除コードを教えたまえ」

 

「断る」

 

即答であった。

 

「好きじゃねぇんだよ。何かで人を従わせ様とする奴が」

 

「・・・全く。君はサリア達とは大違いだな」

 

その言葉にメビウスの眉が少し動いた。

 

「彼女達は実に弱い。信頼を裏切られたり、自分の力の限界を知った。リベルタスの為に、無駄な努力を・・・だから私は彼女達にそれらを満たすものを与えてあげた。

 

「・・・」

 

「皆心にある古傷を刺激すれば簡単に籠絡できた。可哀想だったよ」

 

「・・・エンブリヲ。泥とキスした事あるか?」

 

「なに?」

 

メビウスの目に強い光が蘇った。その目は目の前の存在に隠す事なく怒りを表していた。

 

「仲間や尊敬する人の為ににひたすら努力する人を俺は知っている。それを無駄だと?・・・

挫折をボロクソ言うのも大概にしろ!」

 

「覚えてろ!絶対にテメェにも味あわせてやるよ。地べたを這いずる人の気持ちをな!」

 

「そこまでして私を怒らせたいのか?」

 

エンブリヲの声色が少し変わった。

 

「そうそうそれだよ。やっと感情ってのを出した

じゃねえか」

 

メビウスは尚も煽る。

 

「仕方ない。ザ・ワンに期待するか。メビウス。

君に最早役目はない。さらばだ」

 

エンブリヲがメビウスの体に触れる。次の瞬間にはメビウスの目は赤くなり再び虚空を見つめていた。

 

「覚めない夢に落ちるがいい。さて。アンジュの所に戻るか・・・」

 

【バァン】

 

弾丸がエンブリヲ目掛けて飛んできた。それはエンブリヲには当たらなかった。見て見るとガーナムがそこにいた。

 

「おいおいエンブリヲ。お前なに人の楽しみを奪ってんだ?」

 

ガーナムは普段と変わらない口調で、だが何処か

殺意を放っていた。

 

「君か。すまないがこちらにも用事というものがあるのでね。彼には退場願っただけさ」

 

「知らないと思ったか?テメェがシグを殺そうとしたんだよな?」

 

「調律者としてこれ以上の乱れは許されないんだよ。勿論君達も私の奏でる調律を乱すのなら・・・ね」

 

「やれやれ。人の楽しみを奪いやがって。どうやらあんたらとの協力関係もこれまでだな」

 

「ほう?」

 

「ちょっとな。こっちの世界が少しめんどくせぇ事になりやがった。あんたらの所に軍勢を送る余裕がなくなっちまった」

 

「君達を見ていると本当に旧人類を思い出すよ。

まさに野蛮な獣だ」

 

「けっ!なんとでも言えよ。まぁ別れの挨拶ってやつで今日は来たつもりだ。まぁお互いに頑張ろうな。そちらさんにはザ・ワンを送りつけたんだ。ジュダは貰っていくぜ。んじゃグッバイ。エンブリヲ」

 

そう言うとガーナムは地下牢を後にした。

 

「全く。トップではなく、あの様な獣を送りつけるとは。所詮は私の管理下から離れた人類か・・・」

 

「さて。アンジュの所に戻るか・・・」

 

そう言いエンブリヲは姿を消した。その場には既に意識のないメビウスだけが残された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話の舞台はアウローラに移る。

 

自室のベッドで横になっていたヒルダ。そのベットにロザリーが入り込んできた。

 

「ごめんロザリー。そういう気分じゃないんだ」

 

「あっ・・・ごめん」

 

二人はベットに腰かけた。

 

「・・・なぁ。また出て行くのか?」

 

ロザリーがヒルダに聞いた。以前ヒルダは脱走の前科があるのだ。

 

「司令が助けないなら・・・私だけでも二人を助けねぇとな」

 

「ヒルダ・・・」

 

「アンジュとは約束したんだ。この世界をぶち壊すってな」

 

「・・・好きなんだな。アンジュの事」

 

その一言にヒルダは驚く。

 

「分かるよ。長い付き合いじゃねえか」

 

「それに、私も似たようなもんだしな・・・」

 

「ロザリー?」

 

「私もさ・・・クリスがいないとダメみたいだな・・・

 

「あいつ。いっつもビクビクしてて、私が守ってやんないとダメだなって考えてた・・・だけど、実際は私なんていなくても強かったんだな。なのに私は相変わらずのヘタレでさ・・・クリスがいないとダメなのは・・・私だったんだよ」

 

ロザリーの瞳から涙が溢れた。

 

「ハッハッハッハッハ!」

 

次の瞬間ヒルダは突然笑い出した。

 

「なにやってだろ、うちら。こんなウジウジ考えて、くそダセェなぁ」

 

「ヒルダ?」

 

「メビウスだったら間違いなくこう言ってたろうな。以前アンジュにメビウスが言った言葉だ」

 

「【後悔する生き方だけはするな】ってさ。なのにあたしらは相変わらずつまらない事で悩んでる。悩む必要なんてない。するべき事は一つなのによ・・・」

 

「・・・なぁロザリー。一つ聞いてくれないか?以前脱走した時、あたし、メビウスに助けられたんだ」

 

ヒルダは語り始めた。かつて脱走した際にヒルダの身に何が起きたのかを。

 

「そうか。そんな事があったのか・・・」

 

「あの時メビウスがいなかったら、間違いなくあたしは死んでたね。あの時のメビウスは本気であたしを心配してくれたよ。下心とかなく。純粋に仲間として心配してくれてた。

脱走なんかしたあたしをね・・・」

 

ヒルダはメビウスの胸で泣いた事を思い出す。

 

「・・・考えれてみれば、あたし達っていっつも

メビウスに助けられてんな」

 

ロザリーが懐かしそうに呟く。

 

思えばブラック・ドグマとの初戦。メビウスがいなければ皆間違いなく死んでいた。

 

ドラゴンの大襲撃の際もメビウスは自分の正しいと感じた事をした。その結果アルゼナルの全滅は免れた。

 

アルゼナルが人間に襲われた際、メビウスはアルゼナルの仲間を助けていた。後でその子達から話を聞いた所、命の危険があったにも関わらず、メビウスはその子達を見捨てなかった。

 

「本当にあいつは凄い奴だ。あいつのおかげで

あたしらはここまで来れたのかもな」

 

「あいつの言動や行動はまるであたしらを導く篝火だな」

 

「二人とも。入るぞ」

 

二人がメビウスの事を評価していた。するとゾーラ隊長が部屋へと入ってきた。

 

「その様子だと腹は決めた様だな」

 

ゾーラは二人の顔を見た。二人とも覚悟を決めた様だ。

 

ゾーラが右手を出した。その手の甲の上に二人とも手をのせた。

 

「あぁ。もちろんさゾーラ。取り戻しに行くよ。

仲間達を・・・」

 

三人はある場所へと辿り着いた。そこは独房であった。

 

ロザリーはヴィヴィアンを出していた。ヒルダは寝ていたタスクの上に跨った。タスクの耳に息を吹きかけるとタスクは直ぐに目を覚ました。

 

「え?・・・ええええっっ!?」

 

タスクは驚いた。無理はない。目の前には下着姿の少女が自分に跨っている。他人が見たら間違いなくそれにしか見えない。

 

「なぁ。出してやろうか?ここから」

 

「いや!ダメだ!俺はアンジュの騎士だ!初めてはアンジュと・・・」

 

この男は何を言っているのだろうか?

 

「戦いが終わるまでエロスは御法度と言うか・・・色仕掛けには屈しないというか・・・」

 

・・・何故だろう。自分がとても

浅ましい存在に感じてきた。

 

タスクはしどろもどろしていた。

 

「そうなのか?アンジュの股間にいっつも顔を埋めてるって聞いたけど」

 

「ごっ!誤解だ!あれはわざとじゃない!事故なんだ!」

 

意図的ではなくとも過失ではそれなりの数を重ねている。

 

「要はヘタレってわけか」

 

ヒルダの言葉にタスクは何も言い返せなくなった。

 

「・・・タスク。協力してほしい。アンジュ達を助ける為に」

 

「うちらの司令。ちょっと怪しいんだ。信用できないっていうか・・・何か隠してるっていうか・・・」

 

「アレクトラが?」

 

すると突然アウローラの隔壁が降りた。さらに

アウローラが浮上を始めたのだ。

 

「メイ。一体何が起きたんだい?」

 

「聞いてマギー。隔壁が降りてきて、居住区から出られないんだ」

 

皆が隔壁に驚いている数分後。パラメイルの発着デッキ。そこではある人物がライダースーツを着込み、パラメイルを目指し足を運んでいた。

 

「あーら。何処へ行かれるんですか?司令?」

 

ジル司令の前にヒルダが現れた。更に物陰からゾーラやロザリー。タスクとヴィヴィアンも現れた。

 

「お前達・・・」

 

「気合い入れておめかししちゃって。エンブリヲ様の所にでも行くんですか?」

 

ヒルダの一言でジル司令の顔色が変わった。

 

「聞かせてもらいました。ジル司令。あの寝言・・・一体どういう事なのか説明してください」

 

ゾーラがジル司令に尋ねた。一体司令はなにを隠しているのか。その答えを知りたいのだ。

 

そしてその答えが返ってきた。

 

ジル司令は銃を取り出すと五人めがけて発砲した。咄嗟に五人は物陰に隠れた。

 

「ビンゴって事か!やるよみんな!」

 

ヒルダの掛け声のもと、皆が行動に移った。

 

「司令!大人しくしてください!」

 

「今がちゃーんす!」

 

暫くはジル司令が銃撃していたが、弾切れなのかそれが途絶えた。今がチャンスとヴィヴィアンとゾーラで飛びかかった。

 

その時だった。ジルの乗っていたパラメイルが上昇した。それにより二人はぶつかり合った。

 

ジル司令は外部ハッチを自動で開く様に細工をしていた。アウローラの天井が開いた。

 

「不味い!逃げられるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫だ!」

 

天井が開いた瞬間、そこから何かが四つ降ってきた。それらジル司令の乗ったパラメイルを捕獲した。

 

「なっ!?ZEUXISの連中か!」

 

「悪りぃな司令さんよ。ヒルダちゃんからもしもの時の予防策として待機してたんだよ」

 

「離せ貴様ら!私はエンブリヲを殺しに行かねば

ならんのだ!」

 

「無駄な抵抗はやめてください。私達は貴女を殺すつもりも危害を加えるつもりもありません」

 

「悪いけどこっちはあんたへの怒りも募ってんだ。少し手荒な真似をしてやりたいんだぞ」

 

「抑えろアクロ。ジル司令。何が貴女をそこまで

苦しめるのですか?」

 

するとそこに隔壁を突破してメイ。マギー。

ジャスミンの三人がやってきた。

 

「一体何事だいこれは!?」

 

ジャスミンが驚きながら尋ねる。

 

「とりあえず医務室に運ぶべきだ。こちらとしても無理な止め方をしてしまったしな。そちらへの乗船許可を頂きたい。よろしいですか?ジル司令」

 

ビショップの手の上にいるネロ艦長がジル司令に尋ねた。

 

「・・・好きにしろ」

 

ジル司令はただ一言。力なく呟いた。

 

 






指先一つで相手を苦しめるって最早北斗の拳の世界じゃないですか。

俺も【アタタタタタタタタタタタタ】とかしてみたい。

経絡秘孔の一つを突いた。

お前はもう。死んでいる。

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