クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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前回のあらすじ!

ジルの語った真実。それは己の罪深き過去であった。これにより指揮官はヒルダへと移された。ヒルダはZEUXISと共同戦線の構築を要請した。

ネロ艦長はジル司令を自分と同じと言い、彼女にまだ引き返せる所にいると諭すと、共同戦線を貼る事となった。

そんな中ミスルギ皇国ではサリアの協力もあり、アンジュは皇宮から脱出したが、そこをエルシャ達に発見されてしまう。

その時アンジュの指輪が光り、ヴィルキスが転移してきた。更にサラマンディーネ達龍神器が現れた。

そしてアクセリオンもミスルギ皇国へとたどり着いたのだ。

そんな中地下牢で心を壊されていたメビウスは再び精神世界に来ていた。そこでメビウスはアウラと出会った。そこでアウラからある話を聞かされた。

それでは本編の始まりです!




第9章 始動!リベルタス!
第66話 それぞれの戦い


 

 

アクセリオンの格納庫ではヒルダが今回の作戦におけるそれぞれのポジションを説明していた。

 

因みに彼女の機体はグレイブからアーキバスに格上げされていた。

 

「あたしとロザリーとゾーラとヴィヴィアンと

タスクの五人でアンジュ達の援護をする」

 

「ワイズナー達はメビウスの救出とフェニックスの回収に当たってくれ」

 

「アクセリオンと新兵達は国境付近で待機。アンジュ達が撤退する際の援護を頼む」

 

「イッイエス・マム!」

 

新兵達が緊張しながらも叫ぶ。

 

「なんだ?緊張してるのか?」

 

「いえ!ただ・・・人間達の空を飛ぶなんて初めてですから」

 

「気にするな。私もだ」

 

ロザリーが新兵達を励ます。

 

「全機発進体制完了しました!」

 

アクセリオンのオペレーターから準備が出来たと

合図が来た。目の前のゲートが開かれる。

 

「よし!全機出撃!」

 

ヒルダの掛け声の元、アクセリオンからパラメイルと機動兵器が発進した。

 

ヒルダ達がアンジュの元へと向かう。まだ遠くだがヴィルキスが見える。そこではサラマンディーネ達を加えての戦闘が繰り広げられていた。

 

「アンジュ!」

 

タスクが一気に加速してアンジュに接近した。

 

ヒルダ達もタスクを追いかけ加速させて近づくが、その目の前にある機体が立ち塞がった。

 

その名はテオドーラ。ラグナメイルの一つだ。

 

「ヒルダ。あんた達何しに来たの・・・」

 

クリスがヒルダ達に通信を送った。

 

「クリス!アンジュ達を助けにきたんだよ!」

 

「助けに?・・・私の事は・・・見捨てたくせに!」

 

テオドーラが剣を取り出し斬りかかる。ヒルダのアーキバスとゾーラのレイザーも剣を取り出し受け止める。

 

「クリス。あたしに勝てると思うのか?」

 

「そういうとこ。変わらないね・・・どうせ私の事なんて、役立たずのゴミ人形だと思ってたんでしょ。ゾーラだって、私の事をおもちゃ程度にしか思ってなかったんでしょ」

 

「はあっ?」

 

「私はもう・・・昔の私じゃない!邪魔をするなら・・・殺すよ?」

 

その迫力にロザリーとヴィヴィアンは怯んだ。だがヒルダとゾーラは違っていた。

 

「やってみな」

 

再びヒルダとゾーラの剣とクリスの剣がぶつかり合う。

 

 

 

こちらはアンジュサイド。こちらではヴィルキスと龍神器三機対ザ・ワン・ネクストとラグナメイルの戦闘が繰り広げられていた。

 

アンジュはナオミのザ・ワン・セカンドと戦闘していた。

 

「デスシザー・レイ!シュート!」

 

ヴィルキスめがけて鉤爪から粒子砲が飛んできた。それをギリギリで回避する。しかし回避した先にはガトリングが待っていた。今度は機体に命中した。

 

「くっ!強い!ナオミがこれ程とは!」

 

アンジュはナオミの腕を称賛した。今の彼女はアルゼナルの時以上の操縦技術を持っている。決して機体の性能頼りではない。

 

その腕に加えて有線式ファングにガトリングなど

火力は圧倒的である。鬼に金棒とはこの事だ。

 

だが何より凄いのが彼女の攻撃箇所だ。武器やスラスターなど、機体を止める事だけを狙って攻撃している。パイロットを殺さない様にしている事だ。

 

「ナーガ!カナメ!三機の龍神器であの機体に攻撃を仕掛けます!」

 

それはかつてフェニックス第一形態を追い詰めたあのコンビネーションであった。

 

だがそれはザ・ワン・ネクストには通じなかった。右腕の鉤爪が伸び、蒼龍號を掴んだかと思うと碧流號目掛けて投げつけた。

 

二機ともなんとか衝突は避けれた。

 

「いって!ファング!」

 

機体の脚部からファングが展開した。それらはヴィルキス目掛けて飛んで行った。幾らかのファングを避けていくがその内の一本が突き刺さった。次の瞬間には高圧電流がアンジュとモモカさんを襲った。

 

さらにヴィルキスのモニターなどが電流によって死んだ。ヴィルキスは動きを止め、川へと落下して行った。

 

「アンジュ!」

 

サラマンディーネが助けに行こうとするがその前にビクトリアとエイレーネとレイジアが立ち塞がる。

 

「サラマンディーネさん!アンジュは俺に任せてくれ!」

 

そこにタスクが駆けつけてきた。

 

「お願いします!タスク殿!」

 

タスクはアーキバスをヴィルキスの落ちた方へと向けて飛ばした。

 

「さて。ここを通らせて、アウラの元に行かせてもらいますよ!」

 

三機の龍神器はザ・ワン・セカンドとラグナメイル三機に再び戦いを挑んだ。

 

 

 

その頃、皇宮のエンブリヲ幼稚園では子供達が木に隠れて震えていた。

 

「みんな!エルシャママが帰ってくるまでの辛抱だからね!」

 

一人がみんなを励ました。木の遠くでは流れ弾が偶に降っていた。

 

 

 

こちらは墜落したアンジュとモモカさん。

 

現在モモカさんはアンジュに人工呼吸をしていた。

 

「うっ・・・うう」

 

人工呼吸によって、アンジュは目を覚ました。

 

「モモカ・・・はっ!ヴィルキスが!」

 

モモカさんの後ろの川ではヴィルキスが沈んでいくのが見えた。だが今の彼女には回収する方法はなかった。

 

「・・・モモカ。行くわよ」

 

「どちらへ?」

 

「アクセリオンが見えた。それにヒルダ達もいるって事はアウローラだって近くにいるはず。なんとかしてみんなと合流しないと」

 

アンジュは歩き出した。それにモモカさんもついていった。

 

暫く歩いていると街へと出た。モモカさんはアンジュを裏路地に休ませた。

 

「ここで待っていてください。車を探してきますね!」

 

「ごめんねモモカ。また世話をかけるわね」

 

「いえ。私、モモカ荻野目はアンジュリーゼ様の

筆頭侍女ですから」

 

そう言いモモカさんは車を探しに表路地へと走っていった。

 

アンジュは一人となった。少し休もうと思い目を閉じた。

 

するとそこに誰かの足音が聞こえた。最初はモモカさんが戻ってきたと考えたが何やら違っていた。

 

目を開けて音の方を見てみる。するとそこにはぬいぐるみを抱えた女の子がいた。こんな幼い子が裏路地に一人いる事も変だがそれ以上に変なのがその子の目だった。まるで生気を感じない。

 

その子が口を開いた。

 

「疲れたろうアンジュ?さぁ帰ってきておいで?」

 

「!エンブリヲ!」

 

その子の声はエンブリヲであった。その子の隣にはエンブリヲが映し出された。

 

そこにモモカさんが戻ってきた。

 

「アンジュリーゼ様。お車の用意が・・・」

 

アンジュは車の中に駆け込んだ。モモカさんも慌てて運転席に乗り込む。そして車を急発進させた。

 

その頃タスクはアンジュ達を探しに川辺にいた。そこで見たものは川に沈んだヴィルキスだけだった。

 

そしてそこでモモカさんのリボンと街へと向かう

足跡を見つけ、その跡を辿り始めた。

 

 

 

 

 

ミスルギ上空ではヒルダ達とクリスの戦闘が続いていた。

 

「止めろクリス!なんで仲間同士で殺し合わなきゃいけないんだ!」

 

ロザリーが必死にクリスを説得する。

 

「・・・メビウスと違ってアンタが言っても全く説得力がないね。私のことなんて友達とも仲間とも

思ってなかったんでしょ」

 

テオドーラがフライトモードに変形した。クリスが髪を掴む。

 

「これ。覚えてる?7年前のフェスタの時」

 

 

 

7年前に遡る。三人でプレゼント交換の時クリスの元に一つの髪留めが贈られた。

 

「可愛いい。でもどうしよう。一つしかないよ」

 

当時まだクリスのおさげは二つ存在していた。所謂ツインテールというやつだ。

 

「一つにすればいいじゃん。おさげ。二つだとあたしと被るし」

 

「おっ。いいじゃねぇかそれ」

 

ヒルダがそう答えた。ロザリーもそれに同調した。

 

「・・・うっうん。そうだね」

 

クリスはそれを承認した。本心では嫌だった様だが。

 

「酷いよね。あの髪型、気に入ってたのに。それだけじゃない。これまでずっと我慢してきたんだよ。二人の事、友達だと思ってたから・・・」

 

「ゾーラだって・・・仲間だと思ってたのに・・・」

 

アルゼナルが襲撃された日。クリスが一度死んだ時だ。エンブリヲがクリスの元に歩み寄った。

 

「可哀想なクリス。裏切られ、踏み躙られ友達と思っていたのは君だけだったとは」

 

エンブリヲがクリスを生き返らせた。

 

「クリス。私と友達になってくれないか?これが

永遠の友情の証だ」

 

そう言いエンブリヲはクリスに手渡した。ラグナメイル起動のための指輪を。

 

「私の友達はエンブリヲ君だけ!あんたらなんか!

友達でも仲間でもない!」

 

そう言いクリスは髪留めを投げ捨てた。

 

「エンブリヲ君のために!私はあんたらを倒す!」

 

「クリス!話を聞いてくれ!」

 

ロザリーの制止も聞かずにクリスはライフルを放った。

 

その通信を新兵の三人は聞いていた。

 

「ロザリーお姉様!」

 

「お姉様を助けなきゃ!」

 

「マリカ!私達は待機だよ!」

 

「でも!お姉様が危ない!」

 

マリカはそういい機体をロザリー達の元へと飛ばした。

 

 

 

その頃アンジュはモモカさんの運転している車で

走っていた。

 

「さっきの女の子がエンブリヲさん!?どういう事ですか!?」

 

モモカさんはアンジュから先程の説明を聞いていた。そしてそれに驚きを隠せなかった。

 

「私も分からない・・・でも、操られてる風に見えた」

 

「忘れたのかね?」

 

車の中にエンブリヲの声が聞こえた。

 

慌てて前を見る。するとモモカさんがこちらを向いていた。その目はさっきの女の子と同じ風に生気を感じなかった。

 

そして隣にはエンブリヲの写っているモニターが映し出された。

 

「この人間達を作ったのが誰なのかを」

 

「!モモカ!」

 

アンジュはモニターを拳で破壊した。するとモニターは砕け散った。どうやらマナ製らしく、ノーマであるアンジュが触れた事により粉々に砕け散った様だ。

 

モモカさんの意識も戻った。

 

「アンジュリーゼ様・・・私・・・何を?」

 

「!モモカ!前!」

 

慌てて前を向く。先程までハンドル操作は行われていなかった。車は道をそれて電柱へと衝突した。

 

アンジュが車から出てモモカさんを運転席から助け出す。彼女は半ば意識が朦朧としていた。

 

「怪我はないかい?アンジュ」

 

またエンブリヲの声がした。

 

見ると前からはエンブリヲに操られているミスルギ皇国の国民達がやって来ていた。そしてそれは後ろからも来ていた。

 

皆エンブリヲの声で帰っておいでと言っている。

最早ホラーだ。

 

「こっちよ!モモカ!」

 

アンジュは側にあった建物内へと入っていった。

 

 

 

一方ワイズナー達はアンジュから送られたメビウスの最後にいたとされる地点へと来ていた。

 

しかしそこに既にメビウスはいなかった。

 

「ちいっ!ここにはいねぇ」

 

「みんな!こっちに来て!」

 

アンリから通信が入った。現在いる地下牢からは多少離れていた。三人は外へ出て機体を飛ばし、ある入口へと着陸した。

 

中に入るとアンリがいた。そしてその目の前にはフェニックスがあった。

 

「フェニックス・・・」

 

「機体はロックがかかっているけど。特に爆発物とかの設置の危険はないよ」

 

「ならばまずはフェニックスを運び出す!」

 

その時だった。入ってきた入り口から人の気配を感じた。一人二人などの生易しい数ではない。

 

振り返るとそこには兵士達がいた。皆かエンブリヲに操られていた。

 

「君達には悪いが御退場願おうか」

 

四人がフェニックスを背にする。

 

「どうします?」

 

「操られているだけだ。殺す必要はない」

 

「敵の数も恐らく有限でしょう」

 

「要は根比べってやつか。おもしれぇ!」

 

そう言い四人はエンブリヲに操られた兵士達に戦いを挑んだ。

 

 

 

そして暁ノ御柱では、サラマンディーネがある決断を下した。

 

「やはり今の戦力ではアウラ奪還は難しいですか。致し方ありません!ナーガ!カナメ!撤退します!」

 

「ええっ!?」

 

「現有戦力ではアウラ奪還は不可能です。一度引いて態勢を立て直します」

 

「了解!」

 

「リィザ。聞こえますか?貴女も我々と合流しなさい」

 

「貴女に何があったのか、今は問いません」

 

「もし多くの仲間を殺した事を悔やんでいるのなら、

より多くの仲間を救う為に協力しなさい!」

 

リィザはそれを聞いていた。

 

するとそこにシルヴィアが現れた。手には銃剣が握られていた。

 

「何故ここにいるのです!早く地下牢に戻りなさい!さもないとエンブリヲおじ様に頼んで、貴女を殺してもらいますよ!」

 

「・・・可哀想な子。貴女の兄は・・・ジュリオを殺したのはエンブリヲだと言うのに・・・」

 

リィザの放った一言はシルヴィアを動揺させるのには十分であった。

 

「なっ・・・なにを・・・」

 

リィザはシルヴィアが動揺している隙に飛び立った。碧流號の先端に乗っかる。リィザの回収を確認し、三機の龍神器はその場から撤退していった。

 

ミランダが銃を向けるがそれをエルシャが降ろされる。

 

「深追いする必要はないわ」

 

その時エルシャの視界にあるものが映った。

 

それはミスルギ皇宮であった。ある場所から煙が出ている。エンブリヲ幼稚園から・・・

 

「まさか・・・」

 

エルシャはその場に急行した。

 

そしてナオミの目にもある人物が映っていた。

 

「あれ・・・メビウス」

 

ナオミ達はメビウスの元に急行した。

 

 

 

エルシャはエンブリヲ幼稚園に辿り着いた。そこで見たもの。それは幼年部の子供達の無残な死体であった。

 

あの後、誰が放ったかは判らないが流れ弾が子供達を直撃したのだ。

 

「そんな・・・皆んな・・・」

 

エルシャはその光景をただ呆然と眺めていた。目の前の光景が悪い夢である事を願った。

 

だがこれは紛れも無い現実である。

 

 

 

メビウスは走っていた。

 

すると目の前に機体が3機降りてきた。3人が降りてきた。

 

それはナオミ。ココ。ミランダであった。

 

「メビウス。やっぱり出て来ちゃったんだ・・・」

 

「ナオミ・・・」

 

メビウスは黙ってナオミ達に向かって歩いている。

 

ココとミランダが銃でメビウスを撃った。右肩と左脇に弾が命中した。激しい痛みがメビウスを襲った。撃たれた部分が赤く染まる。だがメビウスは顔色も変えずに、歩みを続けた。

 

「ココ!ミランダ!駄目だよ!やめて!」

 

もう一発撃とうとするココとミランダをナオミが止めた。

 

メビウスはナオミの横を通り過ぎるとココとミランダの前に来た。

 

「本当に・・・ココとミランダなんだな・・・」

 

メビウスは二人の顔を見た。やがて二人に抱きつき、泣き始めた。

 

「ごめんな。あの時、守ってやれなくて・・・ごめんな。あの時、助けてやれなくて・・・でも・・・二人とも生きてる・・・ここにいる・・・良かった・・・本当に良かった・・・」

 

二人とも顔色一つ変えなかったが困惑していた。目の前にいるのは敵のはず。なのに何故こいつはこの様な事を言っているのだろうか。

 

記憶を無くしている二人には理解が出来なかった。

 

暫くしてメビウスは泣き止んだ。

 

「メビウス・・・戦うんだね。これからも」

 

ナオミがメビウスに尋ねる。

 

「あぁ。俺は戦う。未来の為・・・自分の信じる事の為に・・・」

 

メビウスは真っ直ぐナオミを見ながら答えた。

 

「・・・ちょっと待ってて。今手当するから」

 

ナオミが機体のボックスから医療キッドを取り出し、メビウスの手当てをし始めた。

 

「・・・私は・・・メビウスと戦いたくない」

 

手当中にナオミが呟いた。

 

「メビウスだけじゃない。アンジュにヒルダ。ロザリーにヴィヴィアン。本当は皆んな戦いたくなんてない」

 

「なら帰ってこいよ」

 

「もうだめだよ。きっとみんな私の事なんて敵として見てない。帰っても拒絶されちゃうよ。だから・・・」

 

「・・・待ってるぜ」

 

「えっ?」

 

メビウスの言った一言にナオミは驚いた。

 

「例え皆んなが敵と言っても、例え皆んなが拒絶しても、たとえ一人になろうとも、俺は待ってる。

ナオミ達が帰ってくるのを」

 

「メビウス・・・」

 

「・・・手当をしてくれてありがとよ。俺は行く。行かなきゃならねぇ」

 

メビウスは立ち上がり、走り始めた。その後ろ姿が見えなくなるまで、三人はただただ見届けていた。

 

 

 

アンジュとモモカさんは階段を上へと上がっていった。

 

「姫様。先程私・・・」

 

「私は知らない!」

 

モモカさんはアンジュに先程、車の運転中に意識がなくなった時の事を尋ねようとした。だがアンジュは質問も聞かずにそう答えた。

 

踊り場付近の扉からエンブリヲに操られた人達が現れた。さらに上ってきた階段からもそれらは迫ってきていた。

 

「逃げられないよアンジュ。賢明な君の事だ。薄々気が付いているんだろ?マナを使う人間達は、全て私の支配下にある」

 

「その侍女が近くにいる限り・・・」

 

「知らないって言ってるでしょ!」

 

アンジュは前方に迫ってきていた人間を殴りつけた。そうして階段への道を切り開いていった。

 

そして屋上に辿り着いた。そこにはある人物がいた。そいつは本を読んでいた。

 

「やれやれ。強情な花嫁だ」

 

そいつは本を閉じ立ち上がった。そいつはエンブリヲであった。

 

「またお仕置きが必要かな?」

 

エンブリヲが指先をアンジュに向けた時だ。

 

エンブリヲの体に弾丸が命中した。エンブリヲは死んだ。上を見るとそこにはタスクのアーキバスがいた。

 

「タスク!」

 

「遅くなってごめん。二人はこれで逃げるんだ」

 

「貴方は!?」

 

「あいつに様がある」

 

タスクの視線の先には何事もなかったかな様にエンブリヲが生きていた。エンブリヲはこちらにゆっくりと歩みを進めている。

 

「急げ!」

 

「モモカ!しっかり掴まって!」

 

「はい!」

 

アンジュとモモカさんを乗せたアーキバスは飛んで行った。タスクはナイフを取り出した。

 

「私達を引き離すとは・・・覚悟は出来ているだろうな。蛆虫が」

 

エンブリヲは冷静ながらも不快感を剥き出しにしていた。

 

「ヴィルキスの騎士、イシュトバーン。メイルライダーバネッサの子、タスク!」

 

「最後の古の民にして、アンジュの騎士た!」

 

タスクはエンブリヲに接近した。その途中で閃光弾を投げつけた。エンブリヲはそれに怯んだ。

 

「そうか。貴様が・・・」

 

次の瞬間にはエンブリヲの背後に回っていたタスクはナイフを突き刺した。そしてエンブリヲは死んだ。

 

だが次の瞬間にはエンブリヲは何事もなかったかの様に生き返っていた。

 

タスクは手裏剣を投げつけた。それはエンブリヲの持っていたサーベルで斬り払われた。

 

だが次の瞬間、タスクはエンブリヲの手元にワイヤーガンを撃ち込んだ。ワイヤーガンによりエンブリヲの行動は制限された。

 

「ほう。私と戦うつもりか」

 

「アンジュの元には行かせない!お前は俺が相手をする!」

 

タスクはナイフを構え直した。

 

古の民として、アンジュの騎士として。

 

エンブリヲと戦う為に。

 

 






最近アニメの1話をこの作品では2話で収められている気がするなぁ。

いつかクロスアンジュの新作で、ナオミがアニメで出る事を願っています。

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