クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
時空融合の準備の進むなか、エルシャはエンブリヲの本性を知った。
そんな中アンジュはかつてタスクと出会った島へと辿り着いていた。一人寂しく震えていたアンジュはタスクの日記を見つける。
ずっと守ってもらってた。アンジュはその事を思い自殺を図ろうとまでした。
だがタスク達のかつての言った言葉にやり踏みとどまった。
そんな中マナの光が世界から消えた。遂に時空融合の用意が整ったのだ!
世界からマナの光が消えた。これにより破滅の未来の片足を突っ込んでいる。いや、本来ならこれで
破滅の未来へ直行なのかもしれない。
アウローラの医務室ではエマさんもマナが使えなくなっていた。
「マナの光が・・・」
驚くエマさんにリィザが伝える。マナを使う人間。そしてノーマの意味を
「ドラゴンの声はマナを持つ人間に干渉する。だからマナを持たない人間しかドラゴンと戦えなかった」
エマさんには心当たりが一つあった。かつてアルゼナルがドラゴンに襲撃された時、ドラゴンの声を聞いた瞬間、意識が遠のいたのだ。恐怖などではなかった。別の感覚であった。
「でも!そんな情報・・・マナには・・・」
「この世界は嘘に塗れている。だがノーマはその嘘を暴く存在でもある」
「成る程。だから差別され、隔離されるんだね」
マギーが何処か納得した風に言う。なぜノーマがここまで迫害されるのか、その理由がわかった気がした。
「あぁ。人間達には本能的にノーマを憎む様に
プログラムされた」
「それじゃあただの操り人形じゃないです!
私達!」
「そうだ。マナを使える人間はいわばエンブリヲの操り人形だ。マナを使えないノーマこそが純粋な人間と言える」
リィザの語った内容。それはマナの使える普通の人間こそ異常で、マナを使えないノーマこそが普通の人間であるという事実であった。
その答えにエマさんは呆然とした。
アクセリオン内ではネロ艦長が機体デッキに来ていた。
「ネロ艦長」
ワイズナー達がネロ艦長に気づき話しかける。
「彼女達のパラメイルの強化装備が製作できました。他にも武装パックなど様々なものも完成しています」
「・・・そうか」
ネロ艦長は何処か朧げであった。
「やはり驚いていられるのですね。マナの光の真実について」
「・・・驚いてないと言えば嘘になる」
マナの光。その正体はアウラというドラゴンから
成り立っていた。
「・・・どうすりゃいいんだよ。俺達・・・」
ZEUXISのメンバーは本来ならマナの光喪失を調査する為に未来か来たのだ。過去を変える為に。
だがマナの光が溢れる世界は即ち偽りの世界でもある。
「・・・今は彼女達と協力するべきだ。このままいけば我々の世界だけでなくこの世界までも破壊されてしまう」
「俺達も同じ意見です」
「ならば今出来る最善の事を尽くすのだ。それが
未来のためになる」
ネロ艦長はそう言うと機体デッキを後にした。今するべき事を間違えない為に・・・
アンジュは現在夕日を眺めていた。
「無様ね。一人じゃ死ぬ事も出来ないなんて・・・」
目の前の夕日はとても綺麗であった。
「綺麗」
(君の方が綺麗だよ)
以前タスクが島でアンジュに言った事を思い出す。
「なんで私なんかのために・・・」
(俺はアンジュの騎士だから)
再びタスクの言葉が蘇る。
「貴方は・・・それでいいの?使命のために全てを捨てて、それで臨んだのはどんな世界・・・」
(穏やかな日々が来ればいい。ただそう思っているだけさ)
どんどんタスクの言葉が蘇る。
「大丈夫。必ず君の元に帰る」
タスクとした最後の会話を思い出した。
「タスク。私は貴方が好きよ」
この時アンジュは自分の気持ちに素直になれた。
「・・・こんな事なら・・・最後までさせれば良かった・・・」
泣きながら後悔をしていた。その時だった。
「・・・本当に?」
背後から声が聞こえた。その声はアンジュが一番聞きたい声でもあった。
「・・・うそ・・・」
「言ったろ?必ず君の元に帰るって」
その存在は後ろからアンジュを優しく抱きしめた。アンジュは振り返った。その存在を確かめる為に・・・
「・・・タスク?」
そこにはタスクがいた。
「あぁ。アンジュの騎士。タスクだ」
【パチン!】
「イッテェェェ!!」
アンジュはタスクにビンタをした。
「うそよ・・・タスクは死んだのよ!」
【パチン!】
もう一度ビンタした。
「これはエンブリヲの見せてる幻よ!」
「違う!俺は生きてるよ!」
「だって!爆発の傷も!銃で撃たれた傷もないじゃない!」
「違う違う!生きてる!俺は生きてる!」
「信じない!タスクは死んだのよ!!」
「ええっ!?」
ここまではっきり自分が死んだと言われれば流石に動揺するだろう。
「信じない!信じない!」
「・・・ごめん」
タスクは謝罪した。謝らずにはいられなかったのだ。
アンジュはタスクの首元を掴んだ。次の瞬間には砂浜に叩きつけた。そしてタスクの服を脱がし始めた。
「なっ!?何を!?」
「じっとしてて。確かめるから・・・」
そう言うとアンジュも服を脱ぎ始めた。現在アンジュの服はワイシャツ一枚だけであった。
「確かめるって・・・んっ!?」
次の瞬間アンジュはタスクとキスをした。
「黙ってて。お願い」
・・・アンジュは深くキスを続けた。静かに涙を流しながら・・・
夜となった。アンジュとタスクはあの時と同じ様に星空を見ていた。
「綺麗ね・・・」
「君の方が綺麗だよ。あの時よりも」
かつて島でした会話を二人は思い出していた。
「・・・ねぇタスク。実は私。死のうとしてたの」
「えっ?」
タスクは驚いた。アンジュはタスクに話した。自分が死のうとしていた事を。
「人は・・・一人では生きていけないのね」
「日記。見たんだ」
「何も出来ないのね。一人って・・・罵り合う事も・・・抱き合う事も・・・」
「・・・ねぇタスク。本当に生き返らせてもらったりしてないわよね?」
「ああ。俺は生きて帰ってきたよ」
タスクはアンジュの手を握った。タスクがいる。
その事はアンジュを安心させた。
「ねぇ。満足した・・・?」
「あぁ。もう思い残す事もないよ」
先程までアンジュとしていた事
「だめよ。これからなのに・・・」
やがて太陽が昇り始めた。
「不思議ね。何もかも輝いている・・・」
山の陰から姿を現した太陽は何処か新鮮であった。
「私ね。あの変態ストーカー男に言われたの。世界を壊して創り直そうって」
「でも私。この世界が好き。どんなに不完全でも。どんなに愚かでも。この世界が・・・」
「俺も同じだ」
「私の、騎士だから?」
「君が好きだからだ」
「・・・守らなくちゃね。この世界。生きなくちゃ。モモカとメビウスが残してくれたこの命で」
するとタスクの顔が気まずくなった。まるで何かを伝え忘れたみたいな顔であった。
「タスク?どうしたの?」
「おいおい。勝手に人を殺すんじゃねぇよ」
後ろから声がした。アンジュは驚いて振り返るとそこにはある人物がいた。
「メビウス!?貴方・・・どうしてここに・・・」
メビウスだ。メビウスがいたのだ。
「そんな事より早く来い。モモカさんが飯作って
待ってるぜ」
驚くアンジュを他所にメビウスは話を続けた。
アンジュはその会話の中の内容に驚いていた。
「え?・・・モモカが・・・モモカ!」
アンジュはその場から走り出した。小屋へと戻るとそこにはモモカさんがいた。
「お待ちしておりました。本日の朝食は、川魚の燻製。きのみとキノコのポタージュ。猪のジビエに山葡萄のソースをのせてみました」
「オススメはこちらのポタージュです。12時間ほど煮込みました」
そこには普段となんら変わりのないモモカさんがいた。
「12時間・・・」
タスクが顔を赤らめた。自分達がいかに長くお楽しみをしていたのかがよく理解できた。
そんななかアンジュは呆然としていた。
「なんで・・・モモカが・・・それにメビウスも・・・てかタスク。貴方どうやってここに・・・てか、どうやってあの状況から生き延びたの!?」
アンジュは冷静になった途端混乱し始めた。
考えてみればここは海に浮かぶ孤島である。何故ここに三人がいるのか。まさか海でも泳いできたのか。それらの質問に順番に答え出す、
「このフライパンのおかげです!」
モモカさんは胸からフライパンを取り出した。そこにはエンブリヲが撃った弾丸がめり込んでいた。
「俺はあの後、モモカさんを探した。少し離れた所にモモカさんはいたよ。上昇しようとした時、不意に上から瓦礫が降ってきた。それの一つにもろ命中しちまってよ。そこで暫く意識を失ってた。
目が覚めた時にはタスクに助けられてた」
どうやらメビウスはタスクの起こした自爆の際の
瓦礫に命中したらしい。
「俺はあの時、爆発の直前に忍術を使って脱出してたのさ。そしてメビウス達を見つけて暫く待機してた。メビウスが目を覚ましたら俺とモモカさんはメビウスに乗ってここまで飛んできたのさ」
さらっと驚きの発言をした。彼は忍者だったのか。
「・・・・・・・・・」
アンジュは呆然とその話を聞いていたがやがて笑い出した。
「ははっ!なにそれ!凄い御都合主義ね!!」
そう言うとアンジュは二人を抱きしめた。
「よかった。二人とも生きてて・・・」
するとモモカさんが思い出した風に慌てて言い始めた。
「はっ!大変です姫様。私、マナが使えなくなったんです!」
「何ですって!?」
すると突然空色が悪くなった。先程までの快晴が嘘の様に思えた。
「あれは・・・」
遠目で見えた空の向こうでは落雷まで見えていた。
「ついに始めたのね。エンブリヲは。世界の破壊と再生を・・・」
アンジュの呟いた言葉に三人は息を飲む。
アンジュとタスクはライダースーツに着替えた。
アンジュはタスクの母バネッサの着ていたライダースーツを。タスクは古の民が戦いの際に来ていた服へ。
「このライダースーツ。ちょっときついわね」
アンジュがお腹周りを触りながら言った。
「三人とも乗れ」
メビウスが翼と尻尾を生やす。
「悪いけどメビウス。その必要はないわ」
アンジュは自分の指輪を空高くあげた。
「おいで。ヴィルキス!」
指輪が光り出した。するとヴィルキスがこの場に転送されてきた。
「タスクとモモカは後ろに乗りなさい。メビウスは飛んで来て」
「わかった。まずアクセリオンと合流するぞ。
大体の場所は掴んである」
そう言いヴィルキスとメビウスは飛び立った。
そしてその頃アウローラではある事が起きていた。
「アウローラ。聞こえますか?こちらエルシャ」
エルシャから通信が送られてきたのだ。モニターにはレイジアが映し出されていた。機体の先端には
白ブラがつけられていた。
「これより、そちらに投降します」
投降。その言葉に皆が驚く。ラグナメイルのレイジアに乗ってエルシャが投降。
いや、帰ってきたのだ。
今回は多少短めでしたね。以前63話がああなったのは実はこの回でアンジュとタスクの乳繰り合いを描こうと思ったからです。
今にして思えばあの時チャレンジしなければこの回があのような表現まみれだったのかと思うと少し怖いな。
アニメ本編では白ブラの件は笑いました。