クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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前回のあらすじ!

ついにヒルダ達と合流したメビウス達。時空融合を止める為に皆はミスルギ皇国を目指していた。

そんななか、アンジュは腑抜けたジルに喝を入れた。

メビウスはエルシャに道を示した。

そしてタスクはアンジュからお守りをもらった。

皆それぞれが嵐の前の静けさを楽しんでいた。

そして遂に事態が動いた。人間達の艦隊が現れた。

アンジュとネロ艦長は皆に言った。必ず生きて帰ってこいと。

そして遂に生き残る為の戦い。ラスト・リベルタスが開始された!

それでは本編の始まりです!




第71話 歪む世界

 

 

エンデランド連合。その空は時空融合の影響で空も黒く曇っていた。

 

そしてここでも例外なくここでもマナは使えなくなっていた。

 

「マナが・・・使えない・・・」

 

二代目ヒルダ事ヒルデガルト・シュリフォークトもマナは使えない事に唖然としていた。手に持っていたリンゴを床に落とす。

 

マナが使えないのは母インゲも同じであった。

 

「ママ。私、あの化け物と同じになっちゃった・・・」

 

「!そんな事はないわ!ヒルダはヒルダよ!あんな化け物とは違うわ!」

 

落ち込むヒルデを母インゲは抱きしめ励ます。

 

11年前の時の事を思い出す。

 

「やっと忘れられたのに・・・今度こそ絶対に手放さない・・・」

 

インゲがボソッと呟いた。

 

その時外が騒がしい事に気がついた。

 

「ねぇ。あれ・・・なに?」

 

「おい!なんだあれは!?」

 

外では何かが起きているらしい。

 

「ヒルダ。ちょっと外を見てくるわ。ヒルダは家で待ってなさい」

 

「うん。ママ」

 

そう言いインゲは外へと出た。

 

次の瞬間。曇り空が眩しいくらいに光った。

 

一体何が起きたのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあぁぁぁぁ!」

 

現在メビウス達はミスルギ皇国付近の海上に来ていた。アウローラの進路確保の為、戦闘中だ。

 

フェニックス。HHWSの新装備の一つ。【デスカリバー】その巨大な剣は望めば粒子を纏う。その剣が大型艦を次々と斬り落としていった。

 

一方、パラメイル隊はASW。アサルト・ウェポン・システムを、使い敵を蹴散らしていた。

 

「これが新装備。悪くねぇじゃねぇか!」

 

ゾーラはご機嫌な様子であった。機体のアーマー部分からはマイクロミサイルなどが放たれる。それらは密集しているピレスロイドに命中し爆発していった。

 

そしてZEUXSI達もMWS。メガ・ウェポン・システムを使っいた。

 

「リフレクター展開!」

 

ガローラはリフレクターを展開した。

 

「よし!各機!リフレクターを狙え!反射で敵の死角をつく!」

 

皆が【メガランチャー】でリフレクターに攻撃をする。粒子兵器のそれらはリフレクターに当たると広く乱反射を起こした。

 

それらは増援に来た艦隊を蹴散らすのに十分であった。

 

ヴィルキスも戦っていた。

 

アンジュの指輪が光り、ヴィルキスが紅く輝く。フライトモードに変更し人間達の艦隊目掛けて突っ込んだ。

 

艦の土手っ腹には大穴が空き、次の瞬間には爆発した。更に粒子サーベルが長く伸び、艦を切り裂いた。

 

「周囲に敵艦隊なし!」

 

エマさんが現状を報告する。

 

「よし!アウローラ、上昇!」

 

するとアウローラが上昇した。次の瞬間にはアウローラは空中に浮かんでいた。

 

「アウローラって飛べたのか!」

 

その事に皆が驚き口にする。

 

「量子フィールド!展開!」

 

するとアウローラの周りにフィールドが貼られた。アイ・フィールドに似ていた。

 

「暁ノ御柱。まもなく射程圏内に入ります!」

 

「冷静破壊砲、発射用意!アクセリオンにもマキシマ砲の発射の準備を!」

 

その時メビウスは何かを感じ取った。身体に悪寒が走る。

 

本能だ。本能で危険を感じ取った。

 

「全機上昇しろ!何かヤベェのがくる!」

 

「メビウス!一体何が来るのよ!?」

 

次の瞬間だった。

 

「!暁ノ御柱前方から高エネルギー反応!」

 

「なんだって!?」

 

モニターに映し出されたもの。

 

「!あれは!?」

 

それは胸部が開いたザ・ワン・ネクストであった。既に砲身からは赤い粒子が見られる。

 

「!全機急上昇!!」

 

次の瞬間、ザ・ワン・ネクストからはネオマキシマ砲が放たれた。事前にメビウスが察したため味方に被害は及ばなかった。

 

その砲撃は海を割いた。

 

「ふぅ。なんとか避けれたね。主砲のエネルギーチャージは!?」

 

「98%です!」

 

「アクセリオンから入電!マキシマ砲。発射可能であると!」

 

「よし!N式冷静破壊砲、発射!」

 

「了解。N式冷静破壊砲、撃ちます!」

 

次の瞬間、アウローラからは光が放たれた。それはマキシマ砲と混ざり合い、次の瞬間にはネクスト共々暁ノ御柱へ直撃した。

 

煙が引いたころ。そこにはネクストは無事だった。アイ・フィールドのおかげだろう。だがその背後の暁ノ御柱は粉々に砕かれていた。

 

暁ノ御柱跡地に地下へと続く空洞が見えた。

 

「あれです!あれがアウラへ続くメインシャフトです!」

 

リィザが立ち上がり言う。あれに入ればアウラの元にたどり着ける。

 

「全機!我に続け!」

 

アンジュ達がシャフトへの道をとる。

 

そこに通信が入ってきた。

 

「暁ノ御柱跡地に敵の増援を確認!」

 

モニターに映し出されたもの。それは5機のラグナメイルであった。ジャスミンは憎々しげにそのリーダーの名を呟いた。

 

「エンブリヲ・・・」

 

「邪魔はさせない。沈みたまえ。古き世界と共に」

 

エンブリヲは歌い出した。永遠語りを。

 

ヒステリカの両肩が開かれた。そして【ディスコードフェザー】が放たれた。

 

ヴィルキスが割り込む。ヴィルキスの両肩も開かれ、ディスコードフェザーを撃ち込む。

 

両者の攻撃は空中でぶつかり合った。爆発が起きる。

 

するとそこにピレスロイドの大群が出現した。更にグレイブとハウザーの大群も現れた。全部無人機である。

 

それらはアウローラとアクセリオン目掛けて飛んで行った。

 

母艦は弾幕を張る事でそれらを落としていく。

 

「編成を送る!アンジュ、メビウス、ヒルダ、ロザリー、サラマンディーネ、ナーガ、カナメ!君達はラグナメイルと交戦!」

 

「残りのメンバーはアウローラとアクセリオンの援護を!」

 

「了解!」

 

ネロ艦長の指示の元、部隊は二つに別れた。

 

「各機迎撃!」

 

サリアの指示のもと、ラグナメイルは散会する。

 

街ではロザリー達とクリスの戦闘が繰り広げられていた。

 

「クリス!テメェだけは!」

 

「ちぃ!」

 

ロザリーはクリスのテオドーラに掴みかかった。

ヒルダもそれを援護する。

 

新装備のおかげか、以前は手も足も出なかったテオドーラ相手に2機掛りなら何とか互角にやりあえる様になっていた。

 

 

 

ミスルギ上空ではメビウス達がいた。

 

「エンブリヲ!!」

 

フェニックスを第ニ形態に変形させる。その鉤爪から粒子砲をヒステリカめがけて放とうとした。

 

次の瞬間、フェニックス達に何かがやってきた。

 

それらはファングだった。しかも有線ではなく無線式である。

 

「ファング!?しかも無線タイプ!?」

 

みるとそこにはザ・ワン・ネクストが、ナオミがいた。

 

「ナオミ!なんでお前が戦うんだ!?」

 

「私の戦う理由。・・・それはメビウスを殺す事」

 

「なっ!?ナオミ・・・何言って・・・」

 

「驚いたかいメビウス」

 

驚くメビウスの前にヒステリカがやってきた。

 

「エンブリヲ!テメェナオミになにしやがった!」

 

「なに。彼女を解放して、尚且つ与えたのさ。力を」

 

力。無線式ファング。メビウスの中で一つの答えが出た。

 

「まさか!お前俺から抜いたガスを!」

 

「あぁ。彼女に与えたよ。すると見事に適応した。これも彼女が持つ君への好意ゆえかな?おかげで

今は有線ではなく無線のファングも使えこなせてる」

 

「貴様!!何処まで人をバカににしやがる!」

 

「何故、人が自分の想いを他人に伝えられないかわかるかい?それはね。恐るからさ。その想いを拒絶される事に。だから人はその想いを心にしまいこむ。なんと健気な事だとは思わないかい?」

 

「きっさまぁぁぁ!!!」

 

激昂するメビウスにアンジュから通信が入る、

 

「落ち着きなさいメビウス!あいつの挑発に乗っちゃダメよ!」

 

「わかってる!わかってるけど!」

 

メビウスにとっては悲しい現実。エンブリヲの本性を知ったナオミは戦わないと信じていた。

 

だがナオミはこの様にされてまで戦わされている。

 

「メビウス!貴方は一体どうしたいの!?」

 

アンジュの一言にメビウスの目が変わる。

 

(俺は一体どうしたい?なにを悩む。そんなもの既に決まっている!)

 

やがてメビウスはある決断をした。いや、本来答えなど最初から出ていたのだ。

 

「ナオミ。待ってろ!絶対に助ける!絶対に助け出す!!」

 

助ける。最後の最後まで、手を差し伸べる事を諦めない。それがたとえどんなに困難な道でも、

メビウスはその道をとることにした。

 

「・・・」

 

ナオミは黙っていた。

 

「ナオミ。相手をしてやれ」

 

「・・・はい。エンブリヲ様」

 

そう言うとネクストはフェニックスにサーベルで斬りかかった。ココとミランダもナオミの手助けに加わろうとする。

 

「ココ。ミランダ。私一人で充分」

 

ナオミは二人の援護を拒否した。そうすると二人は他の機体の迎撃に向かった。

 

メビウスとナオミはその場から離れた。その場にはアンジュとタスクとエンブリヲが残された。

 

「メビウスの始末はナオミがつけてくれるだろう。それより・・・」

 

エンブリヲはヴィルキスの方を向いた。

 

「お帰りアンジュ。やはり私達は再開する運命にある様だ」

 

「アンジュ。ここは俺に任せてくれ」

 

タスクのアーバトレスが前に出る。

 

「わかったわ」

 

アンジュはヴィルキスを加速させ、その場を離れる。

 

追いかけようとするエンブリヲの前にタスクが立ち塞がる。エンブリヲは不機嫌な顔をする。

 

「まさか生きていたとは」

 

「アンジュの騎士は不死身なんだよ!」

 

「ならば今ここで殺してやろう」

 

アーバトレスとヒステリカはぶつかり合った。

 

 

 

アンジュはメインシャフトに向かっていた。そこでは先に向かっていたサラマンディーネとナーガとカナメの龍神器がココとミランダのラグナメイル2機の戦闘が繰り広げられていた。

 

「姫様はアウラの元へ!」

 

ナーガとカナメが通信で送る,

 

「わかりました。ここは任せますよ!」

 

そう言いサラマンディーネはシャフトへと入っていった。ビクトリアとエイレーネも後を追いかけようとするがその前に龍神器が立ち塞がる。

 

「サラ子!私も行くわ!」

 

ヴィルキスをシャフトへと加速させる。

 

するとヴィルキスめがけて粒子兵器が飛んできた。緊急回避する。すると攻撃の主が現れた。

 

「待ってたわよ。アンジュ」

 

「サリア」

 

互いの剣がぶつかりあった。

 

「ねぇアンジュ。新しい世界ってどんなとこだと思う?」

 

「はぁっ?」

 

サリアはクレオパトラで距離をとった。ライフルをヴィルキスめがけて放つ。

 

「それはね。貴女のいない世界よ!!」

 

再び接近して剣で斬りつけようとする。

 

その時だった。二人の間にある機体が割って入ってきた。

 

「なっ!?この機体!」

 

「レイジア・・・エルシャなの?」

 

エルシャが持ってきたラグナメイル。コックピットが開かれ、ある人物が顔を出した。

 

そのパイロットはアンジュもサリアも知っている人物だった。

 

「エンブリヲの騎士と聞いて、どれ程腕を上げたか見にきたが、この程度とは、がっかりだよ。

サリア」

 

 

 

 

 

「ジル・・・」

 

そう。レイジアのパイロットはジルであった。

 

話を少し前に遡らせる。

 

アウローラとアクセリオンでは、残ったメンバー達で無人機のグレイブとハウザー。そしてピレスロイドを蹴散らしていた。

 

だが倒しても倒してもそいつらは湧いてくる。根比べという訳だ。

 

だがその内一機がアウローラへと突っ込んだ。

 

量子フィールドも決して万能ではない。そのピレスロイドは量子フィールドを貫通した。その貫通場所が発着デッキだったのだ。

 

更に爆発する箇所には偶然メイがいた。

 

「キャァァァァ!」

 

その時誰かがメイの身体を押した。そのおかげで何とか爆風を避けられた。

 

「怪我はないか?」

 

「ジル!」

 

その人物はジルであった。

 

「すまなかったな。腑抜けた所を見せてしまって」

 

ジルはライダースーツに着替えていた。指にはエルシャから譲り受けた指輪もしている。

 

「ジル・・・」

 

「行ってくる。私達のリベルタスを終わらせる為に」

 

そう言うとジルはレイジアへと乗り込んだ。

 

「ジャスミン。発着デッキを開けてくれ」

 

「ジル・・・行くんだね」

 

ブリッジでジャスミンは機体の発進準備を進めた。

 

「私はまだあんたの事を許してないからな!」

 

マギーがジルに聞こえる様に叫ぶ。

 

「だから帰ったら愚痴に付き合ってもらうからな!」

 

昔の様に戻りたい。マギーなりの不器用な励ましの言葉なのだろう。

 

そうしている間に発進準備が整った。

 

「ジル機。発進どうぞ!」

 

「アレクトラ!レイジア!出る!」

 

アウローラからレイジアが飛び立った。

 

エンジンを温める為にピレスロイドやグレイブに

ハウザーを蹴散らす。

 

「すげぇ。あれがジル司令の腕前なのか・・・」

 

ゾーラはその光景に驚いていた。

 

ヴィヴィアン達やワイズナー達も同じ様なリアクションをしていた。こうしている間に母艦の近くにいた敵機体は掃討された。

 

そしてジルは暁ノ御柱へと向かった。

 

「よし!アクセリオンも暁ノ御柱へと向かう!」

 

「アウローラもそうさせてもらうよ!」

 

「ワイズナー達。君達は先に暁ノ御柱へと向かいたまえ!」

 

「了解!デルタメイル部隊!そしてパラメイル各機!暁ノ御柱へ向かうぞ!」

 

機体をフライトモードへと変更させて、ワイズナー達は暁ノ御柱跡地を目指した。

 

そして上記に至るわけだ。

 

「ジル。貴女に要はないわ。邪魔しないで」

 

「私の方は用があるんだ。悪いが付き合ってもらうぞ」

 

「・・・いいわよ。今の私なら、貴女に負ける事なんてありえないもの」

 

クレオパトラとレイジアの剣がぶつかり合った、

 

 

 

 

その頃メビウスはナオミと戦っていた。

 

ガトリングがフェニックス目掛けて放たれる。今度は武器などではなくコックピットを、パイロットの命を狙っているかの様に戦う。

メビウスは必死にそれらを避けていた。

 

ザ・ワン・ネクストは鉤爪を伸ばした。それらはフェニックスのコックピットへと向かっていた。すんでの所でメビウスはそれを避けるが、機体には命中した。機体が大きく揺れる。

 

「メビウス。貴方を殺す」

 

感情のない声でナオミは告げる。

 

「強くなったじゃねぇか、ナオミ。見違える程によ」

 

「・・・でもお前の本当の強さは。こんな薄っぺらいものじゃねぇ。仲間思いで・・・仲間を守る為の強さのはずだ!」

 

「・・・」

 

「俺はそう思ってる。いや、信じてる!だからよ、帰ってこいよ。ナオミ!!」

 

「さよなら」

 

「!」

 

ザ・ワン・ネクストからファングが展開された。

それらはフェニックス目掛けて飛びかかってきた。

 

「ファング!」

 

フェニックスもファングを展開した。牙同士が互いにぶつかり合う。

 

互角のファング勝負が続いた。やがてそれぞれがファングを収納した。

 

「やるなら今しかねぇ!」

 

メビウスはザ・ワン・ネクストに通信を送る。

 

「聞いてくれナオミ!かつての俺はガーナムの

言う様な最低の人間だった!」

 

突然メビウスは話し出した。

 

「お前に話す!俺の過去を!俺の罪を!」

 






次回から二話を予定としていますがメビウスが過去を明かします。

本編ではまだあまり語られていない孤児グループ時代の事です。

何故今かって?

どっかの世界では相手のコックピットに乗り込んで家庭事情と自分の爪を噛む癖を相手に打ち明ける事をした素晴らしいお方がいるらしいので。

あと主人公と主人公が好きなキャラとの戦いは観てきましたよ。

主にフォウやロザミアやステラですね。

皆さんはジルには幸せになってほしいですか?

  • 幸せに生きてほしい。
  • 不幸せになってほしい。
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