クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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今回から本編に戻ります。

前回のあらすじ!

少年の目に映った光景。それはビーストによって仲間達が皆死んでいる姿であった。

唯一生きていたミィも目の前でノスフェルに殺された。

少年は怒りに任せノスフェルとガルベロスに戦闘を挑んだ。

復讐の先に残ったもの。それは虚しさであった。

少年はZEUXISに保護された。だがその時は少年は少年ではなくなっていた。

それでは本編の始まりです!



第74話 戦場に架かる謎の虹

 

ミスルギ皇国。ヒルダ達とクリスが戦闘を繰り広げていた。

 

「このっ!」

 

ロザリーの二連装砲とAWSのマイクロミサイルを

テオドーラに放つ。

 

それらはシールドで塞がれた。そしてシールドを構えながらビームライフルを放つ。

 

それはヒルダのアーキバスに命中した。だがAWSのビームコーティングの影響で、ダメージは軽減された。

 

「その程度の腕で私を殺しにきたの?笑わせないでよ!」

 

「テメェを殺さなきゃ!マリカも浮かばれねぇんだよ!」

 

「殺される方が悪いんでしょ!弱いから虐げられて利用されて・・・バカを見るんでしょ!」

 

その言葉に二人が動揺する。

 

「だからエンブリヲ君は!私を強くしてくれたの!」

 

そう言いクリスはヒルダとロザリーの機体を蹴散らした。

 

 

 

一方アンジュとジルはサリアと戦闘を繰り広げていた。

 

「アンジュ!ここは私に任せろ!お前は暁ノ御柱に行け!」

 

ジルがアンジュに通信を送る。

 

「わかったわ!気をつけなさい!アレクトラ!」

 

ヴィルキスを暁ノ御柱へと突入させた。

 

「待ちなさい!アンジュ!」

 

「おっと。お前の相手は私だ。いい機会だ。エンブリヲと出会う前に軽く体慣らしでもしておくか」

 

「なっ!?どういう事!」

 

サリアが動揺する。

 

「聞かなかったのか?私はかつて、エンブリヲの

愛人だったんだよ」

 

「なっ!?・・・信じない!貴女の言うことなんて信じないわ!」

 

「私はエンブリヲ様の騎士。ダイヤモンドローズ

騎士団の団長!サリアよ!」

 

そういいクレオパトラでレイジアに斬りかかった。

 

「ふん。ラグナメイルに騎士の紋章。それで強くなったつもりか?」

 

ジルは鼻で笑った。

 

「エンブリヲ様は私に与えてくれた!強さも!愛も!全てね!!」

 

「愛?奴は誰も愛さん。利用する為に餌を与えて

可愛がるだけだ」

 

「そうやって私も全てを失った。目を覚ませ!サリア!」

 

「言ったでしょ!貴女の言う事なんて信じない!」

 

クレオパトラの猛撃がレイジアを襲う。ジルはそれを防ぐので手一杯の様だ。

 

「利用してたのは、貴女の方でしょ!!」

 

サリアが叫んだ。

 

 

 

タスクとエンブリヲは、アーバトレスとヒステリカで激闘を繰り広げていた。

 

「全く無駄な事をする!世界の破壊はもう誰にも止められない!」

 

「止めてみせる!アンジュと約束したからな!」

 

「憐れな男だ!アンジュは!私と共に新世界に行くのだよ!」

 

ヒステリカのビームサーベルを、アーバトレスの

ビームサーベルで受け止める。

 

「決して汚されることのない美しさ!しなやかな野獣の様な気高さ!実に飼い慣らしがいがある」

 

その言葉にタスクは少し動揺する。

 

「お前は知るまい。アンジュの乱れる姿を。彼女の生まれたままの姿を」

 

エンブリヲはミスルギでアンジュにした事を思い出していた。

 

「・・・知ってるよ。アンジュの内腿のほくろの数までな」

 

タスクの返答にエンブリヲの顔色が変わる。

 

「なに?」

 

「お前は何にも知らないんだな。アンジュの事を! 」

 

「アンジュは乱暴で気まぐれだけど、よく笑って、すぐ怒って、思いきり泣く! 最高に可愛い女の子だよ!」

 

これまでのアンジュとの思い出を思い出す。

 

「彼女を飼い馴らすだって? 寂しい男だな、お前は!」

 

タスクがビームサーベルで斬りかかる。だがそれはシールドによって防がれた。

 

「ほう。以前とは違うらしいな・・・ん?」

 

エンブリヲはタスクの言葉に違和感を覚えた。そして直ぐに違和感の正体が突き止められた。

 

内腿。うちもものホクロの数まで知ってる。なぜだ?

 

「貴様!アンジュに何をした!?」

 

エンブリヲが珍しく感情的になった。

 

タスクは言った。

 

「アンジュとしたんだよ! 最後まで! 触れて、

キスして、抱きまくったんだ! 三日三晩!」

 

エンブリヲの顔が絶望に染まる。

 

「貴様!下らんホラ話で我が妻を愚弄するか!」

 

「真実だ! アンジュは俺の全てを受け止めてくれたんだ。 柔らかくて温かい、彼女の一番深いところで!」

 

あの島での出来事を思い返す。

 

「俺はもう、何も怖くない!!」

 

アーバトレスでヒステリカに蹴りを入れる。直撃をもらったヒステリカは大きく揺れた。

 

「ぐっ!なんたる卑猥で破廉恥な真似を!許さん!我妻を陵辱しただと!?」

 

「貴様の存在・・・全ての宇宙から消し去さってやる!!」

 

「やってみろよ!エンブリヲ!」

 

二つの機体がぶつかり合おうとした。

 

互いのビームサーベルが斬り合った。

 

 

 

 

 

一方、アウローラとアクセリオンはミスルギ皇国の上を飛んでいた。

 

ピレスロイドや無人機などを弾幕を展開してはたき落としていく。

 

「倒しても倒しても湧いてくるなぁ」

 

ヴィヴィアンが愚痴を言う。

 

そんな時だった。アウローラである事態が発生した。

 

「量子フィールド消失!突破されます!」

 

「なんだって!?」

 

実はピレスロイドの数体がアウローラのフィールドを突破していたのだ。それらは皆アウローラのエンジンを破壊した。

 

フィールドがなくなってからはアウローラは集中砲火を浴びていた。

 

「なんとか立て直せないか!?」

 

「ダメです!アウローラ、高度を維持できません!」

 

アウローラが少しずつだが落ちていく。

 

「ジャスミン。アウローラは不時着し緊急修理を!その間はアクセリオンで防ぐ!」

 

ネロ艦長からの通信が入る。

 

「すまないねぇ。総員!衝撃に備えよ!」

 

皆が近くのものに捕まった。次の瞬間、アウローラは地面に不時着した。皆の体が大きく揺れる。

 

レーダーには敵影が映されていた。

 

「10時の方向から敵影多数接近!」

 

「皆!少し時間を稼いでくれ!マキシマ砲で敵を蹴散らす!」

 

ワイズナーがメガランチャーのアタッチメントを切り替えた。

 

「カイ!」

 

「あぁ!わかってる。フルウェポンで蹴散らしてやるよ!」

 

クレセントは銃などを乱射した。

 

それらによってピレスロイドを撃ち落とす。

 

「なぁ、ネロ艦長!支援機体送ってくれねぇか!?」

 

カイがネロ艦長に頼む。こちらは手数が少ない。

逆に考えれば一機増えるだけでも出来ることも増えるのだ。

 

ネロ艦長はアウローラに通信を開いた。

 

「アウローラ!そちらに予備のパイロットはいないか!?」

 

「一人いる!」

 

エルシャの事だ。

 

「手数が欲しい。今からアウローラにこちらの機体を送る。それを迎撃に出してくれたまえ。

マニュアルもコックピット内に同伴されている!」

 

「エルシャ!」

 

「了解。直ぐに向かいます!」

 

そう言いエルシャはブリッジを出た。

 

ライダースーツに着替えて発着デッキに着くと既にその機体は存在していた。

 

「これが送られてきた機体ね」

 

コックピットに乗り込む。性能的にはハウザーと

似ていた。遠距離砲撃型の機体であった。

 

モニターには機体の名【スペリオル】と表示されていた。

 

エルシャは一通りの装備と機体の操縦方法を頭に叩き込んだ。

 

「エルシャ!出ます!」

 

発着デッキから外へとでた。出て直ぐにヴィヴィアン達の援護に入った。

 

「エルシャ!」

 

「ヴィヴィちゃん。大丈夫!?」

 

「なんとか!でも弾薬が・・・」

 

するとパラメイル達の元にデルタメイル達がやってきた。

 

「嬢ちゃん達!一度弾薬補給に戻るんだ!ここは

俺達が引き受ける!」

 

「わかった!ワイズナー、頑張って!」

 

そう言いヴィヴィアン達はアウローラに戻っていった。

 

「スペリオルのパイロット!機体の調子はどうだ」

 

「問題ありません」

 

「安心しろ。照準はオートでつけてくれる。だから周りを見ながら、引き金を引くんだ」

 

「了解!」

 

エルシャはライフルを構えて、ピレスロイドなどを蹴散らして言った。

 

アウローラでは既にメイ達がエンジンの修理に取り掛かっていた。

 

「よし!アウローラが飛べる様になるまでは我々で援護する!」

 

ネロ艦長がそう言った次の瞬間であった。

 

モニターにある反応が計測された。

 

「!この反応は!?」

 

 

 

 

アクセリオンが反応する少し前、メビウスはナオミに過去を語り終えたところだ。

 

「ナオミ!俺はかつて仲間の死から逃げた!自分の心を封印する事で!仲間が死んでも悲しもうとしなかった!」

 

ココとミランダが死んだ時、悲しみが起きなかったのはこれが原因であった。

 

「でもそれじゃダメなんだ!仲間を思ってやれるのは!仲間にしか出来ねぇことだからな!」

 

「仲間なら!一緒に飯食って!一緒に夢とか話して!最後まで側にいてやらなきゃダメなんだ!」

 

「何より、もう嫌なんだ!仲間を助けられない事が!仲間を見殺しにしてしまう事と!そして仲間を助けれるのに助けられない事は!」

 

「だからナオミ!俺はお前を絶対に助ける!仲間として!そして!俺にとって大切な存在として!」

 

「・・・」

 

ナオミは黙っていたが、やがて鉤爪から粒子砲を

放った。

 

フェニックスもそれを相殺する程度の粒子砲を放つ

 

「ナオミ!俺は絶対諦めない!何度だってぶつかってやる!お前が俺達の所に帰ってくるまで!」

 

フェニックスがザ・ワン・ネクストに組みつこうと接近する。

 

「ぐうっ」

 

次の瞬間、メビウスに頭痛が襲いかかった。

 

「なんだよ・・・これ・・・」

 

そして、メビウスはなにかを感じ取った。

 

「ナオミ!直ぐに戻る!待ってろよ!」

 

そう言いフェニックスは去っていった。

 

ナオミは追いかけずにただ黙ってその場に留まっていた。

 

「・・・・・・メビウス」

 

そしてナオミは一言呟いた。

 

 

 

 

そしてその頃、サラマンディーネはメインシャフトを降りていた。行く手に立ち塞がるピレスロイドを撃ち落とし、薙ぎ払う。

 

そして遂にアウラの元に辿り着いたのだ。

 

「アウラ!アウラなのですね!」

 

焔龍號が崩壊粒子収束砲「晴嵐」でアウラが囚われているフィールドを破壊しようとする。

 

だがそれは破壊できなかった。接近して破壊しようとするが、それでも壊せなかった。

 

さらにその場にピレスロイドの大群がやってきた。

 

「邪魔をするなぁ!」

 

粒子砲で蹴散らしていく。そこにアンジュもやってきた。

 

「サラ子!こんな玩具になに手こずってんのよ!」

 

「アンジュ!遅いですよ!玩具の相手は任せます!」

 

そう言い㷔龍號は宙に浮かんだ。

 

「まさか!あれを撃つつもり!?」

 

収斂時空砲。㷔龍號の持つ切り札である。

 

「あんなの撃って大丈夫なの!?」

 

あれはかつてアルゼナルの半分を消し去ったのだ。下手すればアウラ諸共消し飛んでしまう事をアンジュは危惧していた、

 

「ちゃんと3割引で撃てるようになったので」

 

サラマンディーネが得意げに答える。どうやら真実の地球であの後調整された様だ。

 

「風に飛ばん el ragna 運命と契り交わして」

 

「風に行かん el ragna 轟きし翼」

 

額の宝石が輝いた。㷔龍號が金色に光り輝く。

 

そして両肩が開かれた。

 

 

 

彼女のその歌は戦場に響いた。

 

「この歌・・・サラマンディーネさんだ」

 

皆がその歌を聞いていた。

 

 

 

そして歌を聞きながら、サリアとジルは激しく戦いあっていた。

 

「私にはなにもなかった!皇女でもない!歌も知らない!!指輪だってない!!」

 

「どんなに頑張っても、選ばれないわけよ!!」

 

サリアの目には涙が溜まっていた。

 

「そんな私を!エンブリヲ様は選んでくれた!」

 

「だからアレクトラ!もう貴女なんて必要ないのよ!」

 

クレオパトラの剣がレイジアの腕を盾ごと斬り落とす。更にレイジアに斬りかかる。

 

「ふん!強くなったじゃないか!サリア!」

 

クレオパトラの剣がレイジア目掛けて突き刺さろうとしていた。

 

「危ねぇ!」

 

フェニックスがそこに割り込む。剣はアイ・フィールドに防がれた。

 

「メビウス!?」

 

「やめろサリア!これ以上はやめろ!」

 

「邪魔しないで!貴方には関係ない事よ!」

 

「仲間同士の殺し合いを放っておけるかよ!!」

 

クレオパトラのライフルをアイ・フィールドで防ぐ。

 

「言ったはずよ!もう私はあなた達は仲間じゃないって!」

 

「私は!ダイヤモンドローズ騎士団の団長

サリア!」

 

「エンブリヲ様からの愛に!私は応えなければならない!!」

 

「いい加減にしろサリア!!お前は誰かに愛されたくてこれまで戦ってきたのかよ!」

 

メビウスの言葉にサリアが動揺した。

 

「何が愛に応えなければならないだ!愛ってのは

そんなもんじゃねぇだろ!!」

 

「貴方に・・・貴方に一体何がわかるのよ!!!」

 

クレオパトラの剣がフェニックスに斬りかかる。

 

「メビウス!」

 

レイジアが剣でそれを受け止めた。

 

お互いが距離をとった。その真ん中にフェニックスがいる。

 

「メビウス!何をしに来た?」

 

ジルが通信でメビウスに尋ねる。

 

「ジル!感じないのか!?何かヤベェのが迫ってきてる!」

 

「なんだと!?」

 

次の瞬間であった。ジルとサリアの目の前を何かが高速で横切った。

 

それはフェニックスを巻き込むとメインシャフトへと落ちていった。

 

「なんだ今のは!?」

 

「アレクトラ!今度こそ!」

 

ジルとは違い、メビウスの事などお構いなしにサリアはクレオパトラのライフルをレイジアに向けた。

 

「・・・!?なんで!?」

 

ライフルからは何も出なかった。

 

「なんで出ないの!?」

 

この時の二人は気づいていなかった。空に不自然に虹がかかっていた事に。

 

 

 

その異変は戦場全体に及んでいた。

 

「なんで!?なんでなの!?」

 

「何故だ!?マキシマのチャージは完了したはずなのに!?」

 

敵味方問わず粒子兵器、そしてビーム兵器が使えなくなっていたのだ。

 

アウラの手前でも異変が起きていた。

 

「そんな!収斂時空砲が・・・」

 

サラマンディーネが動揺している。なんと収斂時空砲までもが撃てなかったのだ。機体の色も元に戻っていた。

 

「どういう事!?一体!?」

 

次の瞬間、天井が崩れ、そこからなにかが降ってきた。

 

「なっ!?フェニックス!それに・・・」

 

フェニックスの上には謎の塊がのしかかっていた。

 

「あれは!?」

 

すると謎の物体が浮かび出した。少し浮かんだそれは、貝の様な見た目であった。

 

「なに・・・あれ?」

 

アンジュとサラマンディーネは目の前のそれにただ唖然としていた。

 

 

 

その物体はタスク達のモニターにも映し出されていた。

 

「エンブリヲ!あれもお前の差し金か!?」

 

タスクが驚きながらエンブリヲに聞く。

 

だがエンブリヲの口からは驚くべき言葉が返された。

 

「なんだあれは・・・私はあの様なものは知らないぞ」

 

エンブリヲがモニター越しに驚いている。

 

「なに!?じゃああれは・・・一体なんなんだ!?」

 

 

 

暁ノ御柱最深部。

 

宙に浮かんだそれからは顔の様なものが出てきた。その見た目の歪さから、あるものが想像できた。

 

「これ・・・まさか!」

 

アンジュの中にある予想が浮かんだ。

 

その予想に答えるかの様にメビウスが答える。

 

「間違いない・・・こいつは・・・ビーストだ!」

 




遂にアンジュ達のいた世界にビーストが登場しました!

流石に直ぐにアウラ奪還では少し面白味がないので手を加えました。

まぁ元ネタ知ってる人なら今回のビースト多分予想つくでしょうね。

皆さんはジルには幸せになってほしいですか?

  • 幸せに生きてほしい。
  • 不幸せになってほしい。
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