クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
前回のあらすじ!
ミスルギ皇国。皆がそれぞれの想いを胸に激闘を繰り広げていた。
エルシャに新たな機体。スペリオルでヴィヴィアン達の援護を。
そんな中アクセリオンはある反応を感知した。
その反応はナオミを説得中のメビウスも感じ取った。
その正体を確かめるべくそこへ向かうメビウス。
その途中サリアとジルの戦闘に介入する。
だが次の瞬間、ある物体がフェニックス諸共暁ノ御柱最深部へと降下していった。
メビウスの感じた気配。その正体はなんとビーストであった!
それでは本編の始まりです!
「ビーストですって!?」
暁ノ御柱最深部。アンジュは目の前の巻貝の様な存在に驚いていた。
「あぁ!しかも、見たことのないタイプだ!」
メビウスはシグの記憶も共有している。シグはこれまで様々なビーストと戦ってきた。その記憶のどれにも当てはまるものがなかった。
宙に浮かんでいたビーストは電撃を放ってきた。それらは無差別に放たれた。
アンジュ達はそれを避ける。ピレスロイドなどはそれらに当たると無抵抗に床へと落ちていった。
「こいつ!」
鉤爪から粒子砲を放とうとするが、粒子砲は出なかった。
「なんで出ないんだよ!?」
するとネロ艦長からの通信が入った。
「メビウス!新種のビーストが現れた!そいつの
コードネームをメガフラシと呼称する!
現状で分かっているメガフラシの情報を送る!」
その情報はアンジュとサラマンディーネにも送られた。
簡単に纏めるとこのビーストはビームなどの粒子兵器を無効にする特殊なフィールドを展開できるらしい。現在ミスルギ皇国はそれに包まれているようだ。
「つまり奴には実弾兵器で戦えって事か!?」
こうなると厳しいものである。
なぜならフェニックスはHHWSなどは粒子兵器を
基準に作られている。実弾兵器が
多いバーグラーセットは現在ない。
こうなるとまともな武器はデスカリバーを実態剣として扱うか、マイクロミサイルである。
ヴィルキスに関してはライフルとブレードくらいである。
粒子兵器を基本装備としている龍神器などもはや
使い物にならない状態であった。
「このっ!落ちなさい!」
ヴィルキスが実弾を撃ち込む。だがそれは硬い殻の前にはまさに蚊ほどにも効かない状態であった。
メガフラシが三機に気がついた。電撃を放つ。それらを皆バラバラになり避ける。
更にフェニックスには問題が起きていた。
(ヤベェ。さっきの落下でアイ・フィールド発生装置が壊れた)
あの落下でフェニックス内のその装置が壊れたのだ。これでアイ・フィールドは使えない。敵の攻撃を見るに当たればかなりの損傷を受けるのは見えていた。
今の三人には避けるしかない。
メガフラシの放つ虹。その異変は外でも起きていた。
「粒子兵器が使えない!?」
ZEUXIS達の装備は基本ビームなど粒子兵器である。
それらが使えない時点でかなりの不利となっている。
これはサリア達もそうであった。装備が二つしかないラグナメイルのうち、ビームライフルが潰された。これで現在使える武装は剣だけである。
それはエンブリヲも同じであった。
「どうやら少し調べなければならないようだな」
そう言いエンブリヲはヒステリカと共にその場から姿を消した。
その場にはタスクとアーバトレスが残された。
「待ってろアンジュ!今行く!」
そう言い、タスクのアーバトレスはメインシャフトを下っていった。
アウラの手前。ここではメガフラシが目の前のメビウス達に攻撃を繰り広げていた。
「いけ!ファング!」
脚部から8つの牙を展開する。それらはメガフラシ目掛けて突っ込んでいった。
唯一効くと思われる頭部めがけて突っ込んでいった。だがそれは謎のフィールドに防がれてしまった。
「なっ!ファングが!」
強度で考えればかなり固い様だ。
するとアクセリオンから通信が入った
「3人とも!粒子兵器を無効にするフィールドは奴を包んでいる殻から出されていると判明した!」
「ならその殻を破壊すれば!」
「おそらく粒子兵器も使用可能になる!だが奴の殻の強度はかなりある。恐らく一点突破でと難しいだろう!」
「結局あいつを倒さなきゃビーム兵器は使えないって事じゃない!」
「アンジュ!メビウス!メガフラシが!」
メガフラシが体当たりをしてきた。それをなんとか避ける。巨体に似合わぬ速さとはこの事だ。
「アンジュ!無事か!?」
その時タスクのアーバトレスが降りてきた。
「タスク!気をつけて!ビーストよ!」
アンジュがタスクに警告した直後にメガフラシがアーバトレスに気がついた。
直ぐに電撃を放つ。それはアーバトレスに直撃した、
「うわぁぁぁっ!」
アーバトレスが地面に落下する。
「タスク!よくもタスクを!」
アンジュがブレードをメガフラシ本体目掛けて突き刺す。メガフラシの顔部分からは血が流れ出た。
メガフラシが痛みからか鳴き声をあげた。
するとメガフラシはヴィルキス目掛けて電撃を放つ。直撃した。更に焔龍號もそれらの巻き添えを受けた。
アンジュ!サラマンディーネ!
タスクも含めた三人の機体は上昇した。
「メビウス!メガフラシの新たな情報だ。メガフラシはヤドカリの様な寄生生物だ。そして本体が殻にエネルギーを与えている様だ」
殻の強度は硬い。少なくても今の装備では破壊は不可能だ。ならば殻を無力化するにはもう一つの手段しかない。
「・・・やるしかねえ」
メビウスがフェニックスのハンドルを強く握る。
フ機体をを加速させる。右腕の鉤爪をメガフラシの本体にぶつかる様に調整する。
メガフラシはフェニックスに電撃を放った。それらは全て機体に直撃した。だがフェニックスは怯まずに加速し続けた。
「・・・まさか!メビウス!」
「そこだぁ!」
次の瞬間、鉤爪が伸びた。それはメガフラシの唯一出ていた本体の顔の一部に刺さった。鉤爪の長さを戻す。
一気にフェニックスはメガフラシの目前に辿り着いた。
メガフラシが鳴き声をあげた。まるでその行為に驚いているかの様に。
「抜けろぉぉぉぉぉぉ!!!」
次の瞬間、フェニックスはメガフラシの本体を思いっきり引っ張った。メガフラシが痛みで悲鳴を上げている様だ。
殻から電撃がフェニックスめがけて放たれる。それらは全て直撃した。だがフェニックスは力を緩めず、ただただ引っ張っていた。
それは以前。未来世界でゴルゴレムを別位相から出した時と同じであった。
「あの時と同じ事をする気なの!?」
アンジュとタスクが驚いている
メガフラシは尚も電撃を放っていた。
電撃が関節部に命中した。フェニックスの左腕のガトリングが破壊された。だがそれでも引っ張り続けていた。
やがてアンジュがサラマンディーネとタスクに通信を送る。
「サラ子!タスク!私達も手伝うわよ!」
「手伝うって・・・どうやるのですか!?」
「フェニックスを引っ張るのよ!」
そう言いヴィルキスはフェニックスの真後ろに来た。ヴィルキスの腕がフェニックスの腰辺りを掴む。
「どうメビウス!手応えある!?」
「わからねぇ!でも殻が壊せないんだ!こうするしかねぇ!」
「タスク!サラ子!早く来て!」
やがてタスクとサラマンディーネも腹を括った様だ。
「わかりました!二人には時空融合の時の借りが
残っていますし。お手伝いしますよ!」
「俺だって!やってみせる!」
焔龍號とアーバトレスも機体を引っ張る。
全ての機体がバックエンジンをフルパワーにする。少しずつだが何かが動いている感じがした。
メガフラシは尚も電撃をこちらに放つ。
するとメガフラシ目掛けてミサイルが飛んできた。不意の出来事なのか、これにメガフラシは怯んだ。
「なっ!援護攻撃!?どこから!?」
アンジュ達が驚いて周りを見る。だがその姿は何処にも見えなかった。
次の瞬間、四機が後ろへと倒れ込んだ。アーバトレスの上に焔龍號、ヴィルキス。そしてフェニックスが倒れこむ。
目の前にはピチピチ跳ねるメガフラシがいた。
どうやら先程の攻撃に怯んでメガフラシの力が緩んでしまった様だ。
メガフラシ本体を包んでいた殻は空中に留まっていたが、エネルギー源を失ったのか徐々に砂となって宙に散っていった。
そしてミスルギ上空では虹が消えていた。
「虹が・・・消えた!」
空いた穴からは虹の消失が確認できた。粒子兵器が使える様になったのだ。
メガフラシ本体はその場でただ跳ねていた。これまで殻を使った攻撃しかしていなかったのは、それしか攻撃手段がないからであった。
「散々やってくれたわね!覚悟しなさい!」
四人が粒子兵器をメガフラシめがけて放った。
メガフラシの体は燃え始めたが、やがて灰となった。
「エンブリヲのやつ。こんなもんまで出しやがって」
「でもメビウス。さっきのビーストだけど、エンブリヲの口振りから考えるに、エンブリヲも知らないみたいだよ」
タスクの言葉にメビウスが驚く。
「何言ってんだ?ビーストはあいつが作り出してるんじゃねぇか」
未来世界でエンブリヲが言っていた内容。ビーストはメビウスを殺す為にエンブリヲが放った存在。そう聞いていたのでこれもエンブリヲの仕業だと考えていた。
だがやがて四人は目の前の目的を思い出した。
四人がアウラの方を向く。
「さて。サラ子。ちゃっちゃと済ませちゃちゃましょう?」
「ええ。3人とも下がっていてください」
三人の機体は少し距離を取る。
焔龍號は上昇した。そして歌を唄い出した。
「風に飛ばん el ragna 運命と契り交わして」
サラマンディーネの額の宝石が光り出した。
「風に行かん el ragna 轟きし翼」
機体が金色に輝きだす。両肩が開かれた。
次の瞬間、収斂時空砲が放たれた。それはアウラを包み込んでいたフィールドに直撃する。
次の瞬間、辺りが光り輝いた。
反射的に四人は目を瞑った。
再び目を開けるとそこは先程までいた場所ではなくなっていた。
「ここは?」
メビウスとタスクは現状が理解できないでいた。そこにはアンジュとサラマンディーネもいた。機体越しではなく生身で四人向かい合っていた。
「サラ子。ここって」
「ええ。初めて私達が出会った場所ですね」
そう。ここはヴィルキスと焔龍號の初戦の際、お互いの機体が金色に光り、両肩からの光がぶつかり合い、たどり着いた場所であった、
ふると突然上空が光り出した。上を向くとそこには光があった。
「アウラ・・・アウラなのですね!」
「そうだ。サラマンディーネ」
「アウラ・・・」
アンジュとタスクは目の前のドラゴンに驚いていた。
「お久しぶりですね・・・とは少し違いますかね?」
以前メビウスは精神世界でアウラと出会っていた。
アウラが四人に語りかけた。
「見ていました。貴女達の戦いを。こうして現れたのは貴女達に警告をしに来たのです。
「警告?どういう事だ?」
メビウスが疑問に尋ねる。するとアウラはメビウスの方を向いた。
「今回現れたビースト。あれにはこれまで感じたとの無い邪悪な気配を感じました」
「邪悪な気配・・・」
その言葉に四人が緊張する。果たしてそれがどの様な事を意味するのか、この時の四人はまだ知らない。
すると突然空間が揺れた。
「これは!?」
「おそらく私が解放された事により特異点が開かれたのでしょう。行きなさい。仲間達の元へ!」
次の瞬間、四人は元いた暁ノ御柱の最深部に戻っていた。
目の前にはアウラがいた。眠っている様だ。
「さっきのは?」
タスクが疑問に思う。
「おそらく、アウラが私達の精神に語りかけたのでしょう」
焔龍號がアウラの前に佇む。
「私はここでアウラが目覚めるのを待ちます。皆さんは仲間達の所へ行きなさい」
「わかった。アウラの事、任せたぞ」
そう言いメビウスとアンジュとタスクはメガフラシが開けた穴から上昇していった。
そろそろ第9章も終わりに近づいてきました!
第10章はオリジナルシナリオです。
この調子なら今年中に終わるかな?
皆さんはジルには幸せになってほしいですか?
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幸せに生きてほしい。
-
不幸せになってほしい。