クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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始めに。

執筆中に、そしてこれまでの回を読み直して思った事があります。

この作品、クロスアンジュ 天使と竜の輪舞の要素が消えてないか!?

・・・この作品がこうなってしまったのは私の責任だ。



だが私は謝らない。きっとこれがこの作品の良さとなって、皆に受け入れられると信じているからな。(烏丸所長理論)

よし、これで問題解決だ!
(何一つ解決していません)

前回のあらすじ!

フォートレスにガーナムから通信が入った。

なんとベノムの目的は人間の殲滅である。

そんな事はさせるものかと皆でエグゼキューター基地に殴りこんだメビウス達。

だがそこに、ビーストの群れが現れた。

そしてガーナムは驚くべき事を口にした。

ビーストを作りだしたと・・・

それでは本編の始まりです!


第82話 降臨!最凶最悪のビースト

 

「ビーストを、作り出した・・・」

 

モニターに映し出された大軍のビーストの前でZEUXISの皆が呆然と呟く。

 

「あぁ。そうだぜ」

 

「・・・成る程。ビーストを戦力にしてこの基地を強奪したって訳か」

 

ずっと疑問に思っていた。全面戦争が起きたのなら、どちらとも相当なダメージを受けたはず。それなのにブラック・ドグマは何故、過去への侵略行為に打って出たのか。

 

それはビーストを自軍の戦力にしているからだ。

 

「その通りぃ!いやぁそれにしてもビーストってすげぇなぁ。勝手に敗残兵どもを始末してくれるんだしよ」

 

ミスルギに現れたあのビースト。ビーストの創造主たるエンブリヲが知らない理由が今はっきりした。

 

あのビーストはエンブリヲではなく、ブラック・ドグマが作り出したのだ。

 

「わかっているのか!そいつらは!」

 

「あぁ。理性なんてもんはねぇ。あるのは闘争本能のみ。正に純粋な兵器だ!」

 

「狂っている!貴様らは!もはや語るに不要!!」

 

ビーストの群れはアンジュとメビウス目掛けて攻撃してきた。

 

二人はそれらを避けると、ビーストの群れめがけて反撃を開始した。

 

 

「あれが・・・ビースト・・・」

 

アウローラでは皆が映し出された異形の存在に硬直していた。かつてドラゴン達と戦ってきた時とは違う。

 

皆はこの感覚を一度体験したことがある。

 

恐怖だ。初めてメイルライダーとなり、ドラゴンと対峙した時に身体を襲った感覚。それと同じであった。

 

「無理して戦うな!ビーストの相手は俺たちが専門だ!」

 

既にZEUXISこデルタ・メイル部隊は発進していた。本来彼等の任務はビーストの殲滅である為これらの様な存在には慣れているのだ。

 

「・・・やる。やってやる!今更化け物の1匹や2匹にビビるヒルダ様じゃねぇんだよ!!」

 

「私達は私達の意思で戦うと決めた。なら最後

まで、それを貫き通す!!」

 

身体の震えを掻き消すかの様にヒルダやナオミが叫ぶ。

 

それによって身体の震えも何とか止まった。

 

「よし!パラメイル隊!出るぞ!」

 

ヒルダの掛け声のもと、彼女達の機体は戦場の空へと舞った。

 

レーダーでは前方に赤い点がかなり発生していた。

 

「各機駆逐形態になっておけ!そしていつでも使えるように凍結バレットを装填しておけ!」

 

「イエス!マム!」

 

その時、彼女達に蟲タイプのビーストが突っ込んできた。

 

「こっちくんじゃねぇ!」

 

皆がライフルをビーストめがけて放った。弾が命中し、そのビーストは地面へと落ちていった。

 

「やれる・・・やれる!私達も戦える!」

 

ビーストを倒した。互角に渡り合える。その事実は彼女達に戦う意思をより強く与えた。

 

 

 

異変に気が付いたのはビーストの数が残り半分に近づいてきた時だ。

 

「なんだこいつら・・・何かが変だ」

 

決して外見がおかしいのが異変ではない。問題は

ビーストの能力である。

 

弱い。とにかく弱い。

 

最初はこちらの装備が強いからだと考えていたが、その疑問はパラメイル隊が戦闘に加わると濃くなってきた。

 

パラメイルのライフルでも、数発浴びるとビーストは息絶えたりする。

 

この時彼女達は無我夢中に近い、尚且つビーストと戦える事に集中しすぎて気づいていないようだが、ビーストとそれなりに戦ってきたメンバーからは

その異変が感じ取れた。

 

あまりにもビースト脆すぎる。

 

そして遂に疑問が確信へと変わる事態が判明した。

 

ビーストの群にはゴルゴレムやメガフラシなど、かなりの強さのビーストがいた。だが、それらが持っている、固有能力をそいつら使ったいなかった。

 

完全に不自然であった。この瞬間に疑問は確実なものへと変化した。

 

「ネロ艦長。ビーストの能力値を調べてください。何かが怪しい・・・もしかしたら我々は罠に誘われているのかもしれません」

 

「なんだと・・・過去のビーストデータをこちらに」

 

「少し待ってください。今引き出します!」

 

アクセリオンが複数のビーストの死骸に赤外線を照射した。

 

調べるのには少し時間がかかる。

 

だがそれまで何もせずぼーっとしているわけにもいかない。アクセリオンはビーストとの交戦を続けた。それは皆同じであった。

 

「こいつで氷漬けだ!」

 

「数だけの虚仮威しなど!」

 

凍結バレットやマイクロミサイルなど、それらの武装でビーストはバタバタと倒れていく。

 

これによって皆が勢いに乗った。

 

地面にはビーストの死体が散らかっていた。遂に残りのビーストは三体だけどなった。ガルベロスとノスフェル。そしてリザリアスだ。

 

その三体目掛けてフェニックスとヴィルキスが挑む。

 

リザリアスが火炎弾を放ったがそんなもの脅威ではない。すれ違いざまにリザリアスの胸部にサーベルを差し込まれた。

 

フェニックスはガトリングをノスフェルに、ヴィルキスはライフルをガルベロスへと向けた。機体の

指が引き金へと伸びる。

 

その時である。アクセリオンでビーストの解析が終わった。

 

「ネロ艦長!あのビーストは、我々の所有する

ビーストのデータと、何ら変わりが有りません!」

 

「何だと!?本当なのか!?」

 

解析班は首を縦に振った。その結果に皆が驚愕した。

 

(どうなっている・・・ビーストのデータ個体値は同じ。なのにこのやられよう。何故だ・・・一体何故・・・)

 

これまでのビーストと同じ能力値。なのに能力は抑えられている。

 

ビーストを使うブラック・ドグマがそのビーストの能力を抑制し、ワザと倒させている事になる。勿論そんな行為は全くの無意味である。

 

だが現実にそれは行われている。

 

ならば我々には無くとも、ブラック・ドグマは何らかの目的があり、ビーストの力を抑制させている事になる。

 

(・・・まさか、我々にワザと倒させているのか!?だとしたら何故・・・)

 

「!!メビウス!アンジュ!攻撃を中止しろ!!」

 

ネロ艦長が命令した瞬間、紙一重の差で、二つの機体の銃から粒子砲が放たれた。それらはそれぞれのビーストの喉を貫通していた。

 

ビーストは項垂れる様に倒れこんだ。

 

全てのビーストの亡骸が一箇所に集まっていた。

 

「ビーストの群れは殲滅できたか・・・」

 

するとそこにある機体が現れた。

 

「あーあ。ビースト、みーんなやられちまったよ」

 

「ガーナム!」

 

メビウス達の目の前に、ジュダに乗ったガーナムが現れた。

 

「困ったなぁ。こっちの戦力はビースト任せが多かったから、もう楽に無人兵器なんて開発してねぇよ」

 

「次はお前が相手か」

 

皆が武器を構える。直ぐにでも戦闘態勢に入れるように準備をしている。

 

「まぁ落ち着け。ここで一つ話をしてやるよ。

エンブリヲの旦那から聞いた話だけどな」

 

そしてガーナムは語り始めた。

 

「実はビーストってのは、本来は一つの大きな塊だったとされてやがる」

 

「その塊から崩れ落ちた存在。それがノスフェルやガルベロス。ゴルゴレムやクトゥーラ。つまりはテメェらが戦ってきたビースト達だ」

 

「・・・あのビースト達は所謂、塊の子供ということか・・・」

 

あんな化け物の親玉など想像したくもない。

 

「そこでだ・・・エンブリヲが作ったビーストにうちらのビーストを配合。元のひとつの塊に戻そうってわけよ!」

 

「!!?」

 

次の瞬間、空間に穴が開かれた。そしてその穴目掛けてビーストの死体が吸い込まれていった。

 

「なっ何が起きてんだ・・・」

 

空間からは何やら怪しげな雰囲気が漂い出してきた。少なくてもメビウス達にとって楽しい事ではないらしい。

 

「そんじゃ、こいつの相手をしてもらうか。もしこいつに勝てたら相手してやるよ」

 

そう言いガーナムは去っていった。

 

そして次の瞬間、禍々しい光とともにそいつは穴から現れた。

 

見た目を言うならば不気味、否、キメラと言ったほうが正しい。そいつの身体の各部に顔が浮かんでいた。

 

その顔はこれまで戦ってきたビーストの顔である。

 

「な・・・なんだよ・・・あれ・・・」

 

皆が目の前の存在に呆然としていた。それと同時に身体が再び震えました。しかも緊張や恐怖だけではない。

 

圧倒的な威圧感が襲いかかってきた。

 

まるで身体全体を貫くかの如く放たれている冷たい殺気。その前には、抵抗する気力すら起こせない。

 

幼子が親に叱られる時と同じ感覚だ。圧倒的な力の前に、抵抗する気力さえ起こせない。出来る事と言えば精々許しを請う程度だ。

 

それと同じ感覚が襲ってきた。目の前の存在が放つ威圧感に押し潰されそうになる。

 

「なっ!?」

 

次の瞬間、そいつの前面からレーザーなどが飛ばされた。それらはZEUXISの機体に直撃した。フェニックス以外の機体のアイ・フィールドを貫通して。

 

何より、この場にいた全員がそれに反応する事が

出来なかった。

 

機体は地面へと落下した。不幸中の幸いか4機とも爆発だけは免れたようだ。

 

「艦を寄せろ!!回収アンカー射出!医療班、パイロットの緊急手当の用意を!整備班は機体の修理に取りかかれ!」

 

「・・・」

 

ネロ艦長の指示も、今のオペレーター達には届いていなかった。

 

「返事はどうした!?」

 

「はっはい!了解!!」

 

ネロ艦長の指示の元、直ぐに回収アンカーが放たれ、ビショップ達を捉えた。直ぐに艦へと引き戻す。

 

「そんな・・・デルタメイルが・・・」

 

アンジュ達は目の前の光景が直ぐには理解できなかった。あのデルタ・メイルが。能力的にはパラメイル以上の性能を持っている機体が簡単に堕とされた。しかも4機も。

 

「ねぇ。エルシャ。なんだろう。震えが止まらないよ・・・」

 

「ヴィヴィちゃん・・・」

 

あのヴィヴィアンが本気で怯えている。彼女と付き合いの長いエルシャはこれで事態の異常性に気がついた。

 

先程まで高揚していた戦意が完全に消えかけている。

 

あのアンジュでさえ、闘志がへし折られていた。

 

「無理よ・・・こんな化け物に、勝てるわけ・・・」

 

「アンジュ!思い出しなさい!ドラゴンと戦ってきた事を!」

 

「サラ子?」

 

「あの時の貴女は、勇猛果敢にドラゴンと戦ってきたではありませんか!それと同じです!」

 

「皆も同じです!あの時の感覚を思い出しなさい!」

 

サラマンディーネが震える声で激励の言葉をかける。

 

既に皆の戦意は目の前のたった一体のビーストの

存在によって風前の灯火となっていた。

 

だが間違いなく背中を向ければ待っているのは死だ。

 

死にたくなければ戦うしかない。その為にも戦意を絞り出さねばならない。

 

「メビウス!変われ!俺が殺る!」

 

メビウスの主人格がシグへと入れ替わった。

 

シグはフェニックスを最終形態に変形させた。

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

怯える自分の身体と心に鞭を打ち、必死にビーストと交戦状態に入る。

 

「相手は1機・・・数で押せば!」

 

アンジュ達も必死に戦意を絞り出し、交戦状態へと入った。

 

 

 

「ファング!」

 

フェニックスの翼から、羽となったファンクがビースト目掛けて襲いかかる。だがそいつはそれら火球を使い、全て叩き落とした。

 

デスカリバーに手を伸ばし、構えた。

 

次の瞬間には、ビーストの胸めがけて剣を突き刺そうとした。

 

だがそれは尻尾の口によって防がれた。

 

そしてもう片方の尻尾からレーザーが放たれた。

 

アイ・フィールドで塞げたとはいえ、機体は大きく揺れた。

 

「ぐううっっ!」

 

「休んでろシグ!俺が戦う!」

 

シグの意識が朦朧となっている事に気付いたメビウスは無理矢理主人格を変更させた。

 

「メビウス!」

 

アンジュ達がライフルで尻尾を狙った。次の瞬間、弾は尻尾に命中した。それによって尻尾の口は離され、デスカリバーも再び使えるようになった。

 

するとビーストは触手をこちらめがけて放ってきた。それらを皆で斬り落としていく。

 

「N式冷静破壊砲!撃てぇ!!」

 

アウローラが誇る御自慢の主砲を、ビーストへ放つ。だがイズマエルは簡単にそれと同火力の光線を口から放った。

 

二つの光は空中でぶつかり合った。

 

「アクセリオン。あのビーストのデータはとれないかい!?」

 

「現在収集中だ!そしてデルタ・メイル部隊は可能な限り戦線復帰を望んでいる」

 

「パイロットの方は何とか無事だ。だが機体の損傷は激しい。応急手当てするにしてもそれなりにかかる!」

 

ジャスミンの問いかけにネロ艦長が答えた。

 

ヴィルキスが紅く輝く。ミカエル・モードを起動させた。サーベルが伸び、ビースト目掛けて突き進む。

 

だが、それは右手の巨大な爪であっさりと受け止められた。

 

次の瞬間には、それはへし折られた。

 

右腕部分から、赤い何かが噴出された。

 

それらはヴィルキスの外装に触れた途端、大爆発を起こした。

 

「燃える花粉!?でもあれは!」

 

燃える花粉。それはフレラシアのビーストが所有している能力だ。

 

「全機退避しろ!あれに巻き込まれたらひとたまりもないぞ!」

 

皆が花粉との距離をとった。すると再び尻尾が機体めがけて飛んできた。

 

よく見るとその尻尾はゴルゴレムの尻尾であった。

 

「どうなってんだよ!なんであいつがゴルゴレムやフレラシアの能力が使えるんだ!?」

 

その時アクセリオンから通信が入った。

 

内容は目の前のビーストに関する報告であらさ。

 

「あのビーストは、これまで出現した全てのビーストの能力を備えていると判断された。正に最強のビーストだ」

 

「最強のビースト、コードネーム。イズマエル」

 

「イズマエル・・・」

 

目の前のビーストは完全にこちらを標的としている。

 

こいつを倒さなければ恐らくエグゼキューターにはたどり着けないだろう。

 

だが、皆の心の奥深くで悪い考えが浮かび上がった。

 

(勝てるのか、こいつに・・・)





みんな大好きイズマエルを登場させました。

あのビーストのカッコよさは、実際に実物を見た方がわかります。

ここで、良い子悪い子元気な子の為のウルトラマンネクサスにおけるイズマエルの部位紹介時間です!

(この作品で、名前が挙げられていないビーストは本編中の群れにいるものとする)

(また、本編中では一部ビーストの名前が変更されている事もお忘れなく)

頭部 ザ・ワン+ガルベロスの中央の首

左肩 グランテラ・リザリアスグローラーの頭部

右肩 ノスフェル・メガフラシの頭部

胸 バンピーラの顔

背中 ガルベロスの肩から背中全般、ザ・ワンの背中の突起物

腹部 クトゥーラの顔

右腕 ノスフェルの腕・ラフレイアの花弁

左腕 ゴルゴレムの頭部

尻尾 グランテラの尻尾の先端

右足 ペドレオンの頭

左足 バグバズンの頭

(フログロスとアラクネラも恐らく細胞レベルでは
構成されている)

これらがイズマエルを構成しているんDA。

・・・なんかこの作品がどんどんネクサス化してないか!?

あぁ、この作品は何処へ向かって行くのか・・・
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