クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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前回のあらすじ!

ビーストの群れと戦うアンジュ達。だがそれは
ガーナムが仕掛けた罠であった。

ビーストの死骸が一つに集まり、そこから最強の
ビーストが降臨した。

その名はイズマエル。

その圧倒的な力の前に、皆の心の中にある可能性が燻った。

(こいつに勝てるのか・・・)

果たしてメビウス達はイズマエルを倒せるのでしょうか!?

それでは本編の始まりです!



第83話 天使の覚醒/悪魔の復活

 

「ファング!」

 

フェニックスとヘリオスの翼から無数のファングが放たれた。それらは目の前のイズマエル目掛けて

突き進んでいった。

 

だがそれらは、全て火球などではたき落とされた。

 

直ぐに火球やレーザーなどの反撃が襲ってきた。

アイ・フィールドにあまり頼れない以上、それらは

避けるしかない。

 

イズマエル。これまでのビーストの選りすぐれた各部を集めた最強のビースト。その強さは最強の名に相応しいと言える。

 

ビーストの身体全体からフルバーストの如く様々な攻撃が繰り出された。

 

「危なっ!」

 

「ちっ!厄介なもん使いやがって!」

 

それらをされるとこちらとしては避けるしかない。

 

仮に接近戦に持ち込もうにも厄介なのは鉤爪だ。

フェニックス第二形態などとは違い、引っ掻く用の本当の鉤爪だ。

 

遠距離なら光線や光弾が、近距離なら鉤爪が迫ってくる。付け入る隙がない、まさに最強である。

 

既に何機かのパラメイルはそれの被害を受けている。

 

そしてアクセリオンでは、機体の応急手当と弾薬の補充などが急がれていた。

 

「デルタメイル機。応急整備完了!」

 

「よし!援護に向かうぞ!!」

 

アクセリオンから再びデルタメイル4機が発進した。四人の見た光景。それはイズマエルを中心とした、あたり一帯は焼け野原と化していた。

 

「マキシマ砲!チャージ!」

 

ビショップのライフルアタッチメントが変わった。先端から赤い粒子が見える。

 

時を同じくして、アンジュとサラマンディーネが永遠語りを歌い出す。

 

それに共鳴するようにヴィルキスと焔龍號が金色に輝く。そして両肩が開かれた。

 

次の瞬間、それらは同時に放たれた。イズマエルはディスコードフェザーの方を対応した。

 

口から火球が放たれ、光とぶつかった。

 

ディスコードフェザーは打ち消された。だが背後からマキシマ砲の直撃を浴びた。

 

「やったか!?」

 

煙が辺り一帯に立ち込めている為、目視による確認はできない。やがて煙が引いてきた。

 

「・・・そんな・・・」

 

イズマエルは健在であった。こいつにとってマキシマ砲など、精々ちょっと痛い程度なのだろう。

 

こうなると現段階でイズマエルに有効な武装はネオマキシマ砲だけである。

 

「ネオマキシマ砲。スタンバイ!」

 

ヘリオスの胸部が開かれた。そこからは砲身が顔を出す。

 

【ピピピピピピピピピピピピピピピピ】

 

チャージ音が戦場に響いた。完全に消し去る為に最大までチャージをする。

 

「危ない!!」

 

次の瞬間、イズマエルは鉤爪で砲身を握ってきた。そしてそれを軽く握りつぶした。

 

「まずい!!」

 

ヘリオスで蹴りを入れると、ナオミは慌ててイズマエルとの距離を取った。破壊されたのは砲身だけの様で、機体そのものはなんとか無事である。

 

だがこれで切り札の一つを失った。

 

「メビウス!!フェニックスのネオマキシマ砲は使えるか!?」

 

「やってみる!!」

 

フェニックスの胸部が開かれ、砲身が現れる。時間跳躍により、次の瞬間にはチャージは最大まで完了した。

 

「ネオマキシマ砲!シューート!!」

 

イズマエル目掛けてネオマキシマ砲が放たれた。

 

不意打ちに近いそれはイズマエルへの直撃コースを辿った。次の瞬間には爆発が発生した。

 

「やったか!?」

 

やがて煙がひきてきた。

 

「嘘だろ・・・」

 

なんとイズマエルは健在であった。先程よりもダメージを負ってはいたが、まだ生きていた。

 

直ぐにフルバーストがフェニックス目掛けて放たれた。なんとかそれらを避けて行く。

 

だが皆の中に燻っていたあるものが明白に浮かび上がってきた。

 

(勝てるのか、こいつに・・・)

 

ヴィルキス達のディスコードフェザーが効かず、さらには最大チャージのネオマキシマ砲さえ耐えられた。

 

これ以上の有効打が皆の中では思い浮かばないのだ。

 

「・・・私は諦めないわ!」

 

皆の戦意が消えかけていた中、唯一アンジュだけは諦めなかった。一度でダメなら二度、二度でダメなら三度と、必死に喰らいついていった。

 

それによってイズマエルとの戦闘も少しの間やりあえていた。

 

だが徐々にだが差は開いていった。

 

「こいつ!!」

 

勝負を決めようとヴィルキスが一気に接近した。

 

だがイズマエルは、カトンボをはたき落とすかのごとく、ヴィルキスに鉤爪を向けた。それによって、アンジュは機体を制御できず地面へと落下していく。

 

「アンジュ!」

 

皆で救助に向かおうとするが、尻尾などが邪魔して近づけない。

 

イズマエルはトドメを刺そうとゆっくりじわじわとヴィルキスへと近づいて行く。

 

「くっ!動け!動きなさい!ヴィルキス!」

 

だがヴィルキスは動かない。駆動エンジンなどが

完全に破壊されたようだ。

 

「ヴィルキス!動きなさい!さもないとスクラップにするわよ!!それが嫌なら・・・」

 

 

 

「飛びなさい!ヴィルキス!」

 

その時、アンジュの指輪が光った。するとヴィルキスに

変化が起きた。

 

突然ヴィルキスが飛び上がった。それによってイズマエルの鉤爪は地面へと突き刺さった。

 

鉤爪を抜き、イズマエルが振り返る。そこにはボディラインの一部に赤い筋が浮かび上がり、更に他の一部は金色に変化したヴィルキスが佇んでいた。

 

破壊されたはずの駆動エンジンもバリバリに作動していた。まるで生まれ変わったかの様な姿であった。

 

「やるわよ!ヴィルキス!」

 

次の瞬間には、ヴィルキスはイズマエルの懐へと飛び込んでいた。ブレードがイズマエルの身体を貫いた。

 

その後、一気に距離を取り、ライフルを放つ。それはイズマエルに直撃し、爆発が起きた。

 

これはかなりのダメージが入ったようだ。

 

今のヴィルキスは武器の火力などがかなり上がっていた。

 

先程までの劣勢が嘘のようである。攻撃の一手一手にかなりの重さが込められている。

 

そしてヴィルキスは上空へと飛び立った。イズマエルは撃ち堕とそうと口から光線を放つ。たが、それがヴィルキスに命中することはなかった。

 

「これで終わりよ!!!」

 

ヴィルキスからディスコードフェザーが放たれた。これまで見てきたディスコードフェザーのどの威力よりも破壊力があった。

 

渾身の一撃であるそれはイズマエルに直撃した。

 

イズマエルはその場に倒れ伏した。動く気配は微塵も感じ取れない。やがて大爆発が発生した。

 

その場には、無残な姿となったイズマエルとヴィルキスだけが残された。そしてヴィルキスは元の姿へと戻った。

 

「イズマエルの生命反応。消失しました」

 

「・・・んっしゃぁぁ!!」

 

皆が喜んだ。遂に最大の障壁をぶち破ったのだ。

 

「よし!後はエグゼキューターを取り押さえるだけだ!」

 

「全機、一度艦に戻れ。エグゼキューターは白兵戦で取り押さえる」

 

アウローラとアクセリオンは、ボロボロとなっていた機体を回収しようとした。

 

 

 

 

 

その時である。

 

「まさか一瞬とはいえ、ヴィルキスが進化を遂げるとは」

 

嫌な声がした。人の神経を逆撫でするような声だ。

 

その声の主は目の前に突然開いた穴から現れた。ご丁寧に機体と一緒に現れた。

 

「エンブリヲ!」

 

そいつは紛れもなくエンブリヲだ。やはりエンブリヲは生きていたようだ。

 

「よう。エンブリヲの旦那。わざわざこっちの世界にご出張かい?ご苦労なこった」

 

通信越しにガーナムがエンブリヲに労いの言葉をかける。無論、彼に相手を労る気持ちなどない。

 

「ガーナム。私は君達をなめていたようだ。まさか愚かな君達がビーストを作り出していたとは・・・いや、愚かだからこそ愚かなビーストが必要になったのかな?」

 

「おいおい。何もビーストはあんたらの専売特許じゃねぇだろ?まあ作ったのはうちの大将だけだよ」

 

ガーナムの言う大将。間違いなくベノムの事だ。

 

「悪党同士の仲間割れなら他所でやりなさい」

 

そんな会話など御構い無しに、皆が武器をヒステリカに向ける。

 

「落ち着きたまえアンジュ。君を花嫁として迎えに行くのは次の機会だ。それにしても、面白いものがあるじゃないか」

 

エンブリヲの視線の先にはイズマエルの死体が転がっていた。

 

「そのビースト。確かイズマエルと言ったね」

 

「あぁ。ビーストが元の一つに戻ろうとして作られたぜ」

 

「いい機会だ。どうせこの世界に既に未来はない。ガーナム。最後に君達に手を貸そう」

 

次の瞬間、エンブリヲの背後の穴から大量の黒い何かが現れた。

 

それはカラスであった。

 

「カラス!?なんでこんな・・・まさか!?」

 

なんとカラスの群れは、イズマエルの死体の背中部分に吸収されていった。

 

それらは背中で何かを形成していった。

 

「嘘・・・」

 

次の瞬間、イズマエルが立ち上がった。いや、蘇ったと言おう。しかも先程までの戦闘の傷や爆発の跡などが嘘のように消えてだ。

 

そして何より・・・背中に黒い翼が生えていた。

 

「そんな・・・」

 

「復活した・・・」

 

あれほど苦戦して、最後は奇跡まで絡んでやっと倒せた存在が目の前で復活した。しかも翼の生えた

その姿はどう見ても強化されている。

 

復活したイズマエルは滅茶苦茶は攻撃を繰り広げた。辺り一帯に広がった無差別に火球を放つ。

 

「アンジュ。もう少しでより良き世界を作る用意が完了する。それまで待っていたまえ。それともう

一つ。エグゼキューターの発射時間は残り一時間だよ。せいぜい頑張りたまえ」

 

そう言いエンブリヲは穴へと去っていった。

 

「より良き世界って、まさか時空融合!?」

 

時空融合はエネルギー源のアウラが奪還された事により挫折したと思っていた。だがエンブリヲはどうやらもう一度、時空融合を行うつもりのようだ。アウラの代わりとなりうるエネルギー、それほどのなにかを手に入れたようだ。

 

「アンジュ!今はそれどころじゃねぇ!早くエグゼキューターを」

 

だが今はエグゼキューターどころではない。目前のビーストは大きな翼を広げると、空へと飛び立った。

 

その姿に皆が驚愕していた。

 

ネロ艦長がその姿を一言で表した。

 

「あの姿・・・まるで」

 

「・・・悪魔」

 

悪魔のコードネームをこう名付けた。

 

ベルゼブア・コローネ

 

冠を戴いた魔王と・・・

 

そいつは火球を辺り一帯にばら撒いた。全員の機体にそれらは直撃した。

 

「ぐぁぁっ!」

 

機体が大きく揺れた。装甲などもかなり抜かれたようだ。

 

「おい!みんな!」

 

既に皆の精神力などは疲弊しきっている。このままこいつと戦えば全滅は必須である。

 

「・・・」

 

やがてメビウスが通信を開いた。

 

「ネロ艦長!俺以外の全員をエグゼキューターに

連れて行ってくれ!」

 

「おい!お前何言ってんだよ!」

 

皆が驚く。

 

「エンブリヲの言う通りならもう発射まで時間が残されてないんだぞ!あの矛先が過去のミスルギに向いたらアウトだ!」

 

もしミスルギ皇国にあの砲撃が放たれたらどうなる。間違いなく今いる破滅の未来が繰り返される。

 

「・・・だからといって!お前一人で倒せる様な敵じゃないだろ!?」

 

「ならとっととエグゼキューター抑えて戻ってこい!踏ん張るだけ踏ん張る!!」

 

「その間に死ぬぞ!!」

 

「死にません!絶対に!!」

 

「・・・」

 

やがてネロ艦長は苦渋の決断を下した。

 

「フェニックス以外の全機、帰投せよ!!」

 

「・・・了解!!」

 

皆がそれぞれの母艦へと帰投した。メビウスの中にある覚悟、それを信じたからだ。

 

「予備ブースター起動!これよりアクセリオンは、エグゼキューター攻略戦に移行する!!」

 

「アウローラの予備ブースターも使うよ!アクセリオンに遅れるんじゃないよ!!」

 

ベルゼブア・コローネが艦を撃ち墜とそうと火球を放つ。フェニックスはそれらを撃墜していった。

 

「メビウス!絶対に死ぬんじゃないわよ!」

 

その声と共に、アウローラとアクセリオンの姿は遠くへと消えていった。

 

その場には、フェニックスとビーストだけが残された。

 

「お前の相手は俺だ」

 

フェニックスは赤い翼を広げ、飛び立った。

 

眼前に聳え立つ悪魔【ベルゼブア・コローネ】との決着を、ビーストとの戦いにケリをつける為に。

 





ちょっと早いですけどヴィルキスを真・能力解放させました。

そしてビーストの最終戦はザ・ワンでいきます。

ザ・ワンとはネクサスの前日談であるULTRAMANに現れたスペースビーストです。

イズマエルは全てのビーストがザ・ワンに戻ろうとして誕生したビーストです。その為、ザ・ワンに戻してみました。

ネクサス要素を取り込むと決めた時は、本来その役目に、ナオミとヘリオスがザ・ワンになる予定でした
(敵対時にザ・ワンと名付けたのはその理由から
です)

2019年も残り一週間を切りましたね。

残り少ない2019年、皆様も有意義に過ごしましょう。
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