クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った   作:クロスボーンズ

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前回のあらすじ!

イズマエルに苦戦するメビウス達。

その時ヴィルキスが真の能力解放を果たした。それはイズマエルを圧倒。皆を勝利に導いた。

だがそこにエンブリヲが突如乱入。何とカラスをイズマエルに与える事でイズマエルを復活させた!

復活したイズマエルは翼を生やし、新たなビースト。ベルゼブア・コローネへと生まれ変わった。

そんな中、メビウスは皆をエグゼキューターへと送り出した。

己のせいでこの世界に放たれたビースト。それらにケリをつけるために・・・

それでは本編の始まりです!


第84話 奇跡の不死鳥

アウローラとアクセリオンは現在エグゼキューター目指して突き進んでいた。

 

「大丈夫か?メビウス一人で?」

 

あのビースト。ベルゼブア・コローネ。あれはどう考えても一人では抑えられる代物ではない。だが

今はメビウスを信じてやる事しか出来ない。

 

「で、あの物騒な奴がエグゼキューターってやつかい?」

 

モニターには巨大な砲身が映し出されていた。それは遠い場所にあるにもある関わらず、はっきりと見えていた。それだけでその砲身の巨大さがはっきりとわかる。

 

「・・・皆さん。お願いがあります。これから何が起きても、驚かないで落ち着いて対処してください」

 

突然アンリがアウローラに通信を送ってきた。

 

「え?それってどういう・・・」

 

時を同じくして、ネロ艦長が艦長の帽子を投げ捨てた。そして息を大きく吸い込んだ。

 

「野郎どもぉ!これから敵地に乗り込むぞぉ!!」

 

「!!??」

 

その怒鳴り声の様な大きな声は通信越しのアウローラのブリッジを凍りつかせた。

 

突然のネロ艦長の豹変ぶりにアウローラ組が困惑していた。あの丁寧なネロ艦長のこの変わり用は流石に予想外だったのだろう。

 

「今から俺たちは!世界の王を気取る奴に一泡吹かせてやるんだぁぁ!!」

 

「イエエエエィィィ!!」

 

アウローラ組とは違い、アクセリオン組は何故かとても乗り気であった。

 

「すいません。ネロ艦長って、所謂その、あれですよ。帽子を取ると何故か高揚感が得られるというか・・・」

 

アンリがアウローラ組に必死に説明している。皆開いた口が塞がらない状態であった。

 

・・・人は見た目で判断できないの良い見本となった。アクセリオンが更に加速している。

 

「アイ・フィールドを艦の前面に押し出せ!マキシマ砲発射用意!!」

 

「ラジャー!!!」

 

まさかのオペレーター組までノリノリであった。

 

「・・・え!?まさか!?」

 

アンジュ達はネロ艦長達のやろうとしている事に

予想がついた。

 

「突っ込めぇぇぇ!!!」

 

【ドッスーーン!!バリバリバリバリ!!! 】

 

次の瞬間、轟音と共にエグゼキューター基地が大きく揺れた。

 

「何事だ!?」

 

「ガーナムさん。大変です!ZEUXISの奴らの母艦が・・・エグゼキューターに侵入しました!!」

 

「・・・はぁぁぁ!!?」

 

そうなのだ。なんとアクセリオンはエグゼキューターの砲身めがけて突っ込んだのだ。そしてアクセリオン自身はなんと砲身を貫通して基地内に突っ込んできた。

 

「アクセリオンが侵入した近くのブロックが制圧されました!」

 

「奴等め!狙いは発射管理システムか!!」

 

「警備兵を総動員しろ!警備ロボットも出せ!なんとしても一時間持ちこたえさせろ!!」

 

オペレーター達が慌てふためく中、ガーナムだけは澄まし顔でいた。

 

「ふん。この基地がどうなろうと知った事か。それより、見せてもらおうじゃねぇか。テメェの意地を・・・」

 

そう言うとガーナムはモニターの方に悠々と顔を向けた。

 

アウローラ組はポカンとしていた。まさかあの様な乱暴な手段で乗り込むとは・・・

 

「・・・なぁ。これ、私達必要だったか?」

 

ヒルダ達が顔を見合わせながら呟いた。

 

「皆さんは機体の整備をお願いします!」

 

アンリが通信越しに指示をだした。だがそれも銃声が鳴り響くと、切られた。

 

「メビウス。あいつ。大丈夫かな・・・」

 

「ねえ!メビウスの援護に行けないの!?」

 

「無理だよ!アウローラだってかなり損傷してるんだし!仮にメビウスの援護に向かおうにも、全てのパラメイルは大破。修復にはかなりの時間が・・・」

 

そうなのだ。アウローラ自身、そしてどの機体もかなりボロボロである。一機を集中的に応急手当てをしようにも最低1時間はかかる。

 

「くそっ!なにか出来ないの!?なにもしてあげられないの!?」

 

自分達の不甲斐なさにナオミは珍しく感情的になる。拳を床に叩きつけた。

 

「あんた達。だらしないねぇ」

 

その時突然声がした。驚いて振り返るとそこにはジャスミンがいた。

 

「ジャスミン。何でここに?」

 

「ナオミ。メビウスの援護に行きたいんだろ?」

 

「ええ。でも、あのビーストに有効な武器が思いつかない。それに機体も・・・」

 

「ついてきな。まだ一番立派な武器が残されてるじゃないか」

 

「え?そんなものが残されてるの!?」

 

「ついてきな。10分間レクチャーしてやるよ」

 

そう言うとジャスミンはナオミを連れてある場所へと訪れた。

 

「これって!」

 

ナオミは目の前のそれに驚いた。本当に残されていたのだ。たった一つだけ、パラメイルに勝るとも劣らない立派な武器が。

 

「危険だけど、やる覚悟はあるかい?」

 

ジャスミンがナオミに問いかける。

 

「やるよジャスミン。メビウスは私達の為に危険を背負ってる。だから今度は、私達が危険を背負う番だから!」

 

そう言うとナオミはそれのレクチャーを受け始めた。

 

 

 

 

 

一方こちらはメビウスサイド。

 

現在【ビースト・ザ・ワン・ベルゼブア・コローネ】とのドッグファイトの最中にである。

 

フェニックスの手にするサーベルの出力はマックスである。それらを使い敵ビーストの放つ攻撃を切り裂いてゆく。

 

ベルゼルア・コローネが火球を数発放った。難無くフェニックスはそれらを避けた。そして目前で、

ビーストは何かをチャージしていた。

 

「チャンス!」

 

サーベルの出力を最大にして、斬りかかろうとした。

 

すると突然背後から何かがフェニックスに襲いかかってきた。

 

「なっ!」

 

あまりにも不意な出来事にフェニックスは完全にバランスを崩した。慌てて振り返り確認する。なんとそこには先程避けた筈の火球がこちら目掛けて飛んできた。

 

追尾式火球弾である。残りの数発がこちら目掛けて飛んできた。メビウスもファングで、手当たり次第に火球を蹴散らして行く。

 

次の瞬間、背後からビーストの貯め射撃が放たれた。アイ・フィールドで何とか、威力を軽減する。

 

だがそれでも徐々にだが差は開いていった。

 

こういう敵には油断せずに短期決戦を持ち込むのが勝つための定石である。だがイズマエルとの激闘の傷跡などがフェニックスには襲いかかっている。

 

はっきり言ってまだこのビーストと戦っていられる方が異常とも言える。

 

それはメビウス自身も同じであった。既に意識も半ば朦朧としている。既に30分は経過している。

 

「はぁっ。はあっ。はあっ。はぁっ」

 

「モウゲンカイカ!?」

 

突然声が響いた。その声の主にメビウスの度肝は抜かれた。

 

「なっ!お前、喋れるのか!」

 

それは目の前のビーストが喋っていた。あまりにも予想外だった。目の前のビーストがまさか喋る事が出来るとは。

 

「オレハスベテノビーストノチョウテンニタッテイル!ホカノカキュウビーストトイッショニスルナ!」

 

「どうでもいいんだよそんな事!上級だろうと下級だろうと、お前を倒すのが俺の任務だ!!」

 

一気に接近してサーベルで喉を貫こうとする。

 

その瞬間、フレラシアの花粉が放たれた。それらはフェニックスの外装に命中し、大爆発を起こした。

 

「こいつ!イズマエルの時の力も使えるのかよ!」

 

フルバーストがフェニックス目掛けて飛んできた。それらに耐えきれず、フェニックスは地面へと叩きつけられた。モニターなどの表示がされなくなった。

 

「くそ!動け!動け!!動け!!!」

 

しかしフェニックスは完全に沈黙した。フェザーファングはおろか、アイ・フィールドさえ使えなくなっている。今なお、火球などのフルバーストがフェニックス目掛けて放たれた。それらは全弾命中した。

 

「うわぁぁぁっ!!!」

 

機体を襲った衝撃によって、彼の意識は閉ざされた。

 

 

 

(・・・ここは!?)

 

気がつけばメビウスとシグは精神世界に来ていた。辺り一面真っ暗である。すると突然、目の前にある光景が映し出された。それは一方的に攻撃を受けるフェニックスの姿であった。

 

(・・・これ以上の戦闘に、フェニックスはもう、耐えきれない。フェニックだけじゃない。お前自身も、もう耐えきれない)

 

(じゃあ、この悪魔はどうするんだ!!)

 

メビウスとシグの目の前に、ベルゼブア・コローネの幻影が現れた。

 

(だめだ・・・ここで終わるなんて・・・

駄目だ!約束したからな・・・絶対死なないって)

 

二人の目の前に突然扉が現れた。それは精神世界の出口だと何故だか理解できた。

 

二人がその扉に手をかける。そして開けた瞬間、

アウラの声が二人の耳に聞こえた気がした。

 

(奇跡は起きます。絶対に・・・)

 

次の瞬間、突然周囲が明るくなった。

 

 

 

気がつけばメビウスはコックピットに戻っていた。相変わらずベルゼブア・コローネの猛攻は続いている。

 

しかし恐怖心は微塵もなかった。

 

「諦めるか・・・諦めるもんか!!諦めてたまるもんかぁ!!!」

 

その叫びに応えるかの様に、ネオマキシマエンジン。つまりはネオドラグニウムが光輝いた。メビウスの体内にあるドラグニウムも同じく光輝いた。

 

そして奇跡は起きた。突然フェニックスが白く光り輝いた。背中の左右それぞれにあった翼が鎧となった。

 

真紅のボディは白銀の如く輝いている。そしてモニターにはとある文字が表示されていた。

 

【フェニックス・ノア】

 

それは今の機体の名前であった。先程までの傷などは全て感知されている。機体のハンドルを一気に入れた。するとその速度などは最終形態の比ではなかった。

 

「うわっ!」

 

まだ操作に慣れていないようだ。すると何かによって機体が捕縛され、拘束された。

 

「コノシニゾコナイガ!!」

 

ベルゼブア・コローネが機体に喰らい付いてきた。再び何かを溜め撃ちしようとしている。今度はゼロ距離でだ。

 

「メビウス!しっかりして!!」

 

突然声がした。次の瞬間、ベルゼブア・コローネの背後で爆発が起きた。それによってフェニックスの拘束が解けた。距離をとって声の主を確認する。

 

「あれは・・・ナオミ!!?」

 

そこには何とナオミがいた。しかもパラメイルにもラグナメイルにも龍神器にもデルタメイルとも違うものに乗ってきた。

 

 

 

それはジェットボードであった。以前メビウスがジャスミンに半ば強引に押し付けられたあのジェットボードである。(22話などを参照)

 

ビーストはナオミを標的とした。火球などがナオミ目掛けて放たれた。

 

「撃つんじゃない。そういう時は回避するんだ」

 

通信越しにジャスミンからの指示が飛ぶ。それとともに火球をなんとか避けて行く。

 

「ロケットランチャーの残弾数は残り一発」

 

ナオミが弾薬の装填を開始した。そしてそれが終わるとビーストの背中の翼目掛けて、放った。

 

ジェットボードを加速させ、ビーストの間近を、フェニックスの間近を横切る。この時、一瞬だけ

フェニックスと視線が合った様な気がした。

 

「メビウスゥゥゥ!!!」

 

次の瞬間、ベルゼブア・コローネはロケットランチャーのの直撃を浴びた。これは流石に聞いたのか

フェニックス・ノアの拘束が緩んだ。

 

「メビウス!チャンスは作ったよ!後は頑張って!」

 

武器がなくなり、ナオミはアウローラへと帰還した。解放されたフェニックス・ノアの腕から何かが放たれた。

 

それはブレードの様なものであった。

 

腕から放たれたそれは、ベルゼブア・コローネの翼を簡単に切り落とした。完全に取り込んでいなかったのか、翼の部分は、烏へと戻り、辺り一帯に羽ばたいていった。

 

翼を失い、ビーストは自由落下の法則で地面へと叩きつけられた。その目の前にフェニックスは降り立った。ベルゼブア・コローネは、烏を失った事により、その姿をイズマエルへと姿を戻していた。

 

そしてあの高さから落ちた影響か、イズマエルの身体は既にボロボロであった。

 

フェニックス・ノアの腕から何かが溢れていた。それはエネルギーチャージにも似ていた。次の瞬間、機体の腕をクロスさせた。

 

するとそこからネオマキシマ砲の光線が放たれた。それらはイズマエルに直撃した。イズマエルは徐々に、後ろへと後ずさっている。身体の一部が崩れ落ちていった。

 

「バカナ!バカナァ!!バカナァァァ!!」

 

断末魔と共に、やがてイズマエルは塵一つ残さず消滅した、おそらく分子、いや、原子レベルで完全に消し去ったのだろう。

 

終わったのだ。イズマエル。いや、ビーストとの戦いが・・・

 

「メビウス!」

 

アウローラから通信が入った。出てみると第一中隊の皆であった。

 

「終わったんだな。ビーストとの戦いは」

 

「あぁ。後はブラック・ドグマとエンブリヲだけだ。奴等を倒せば、本当の戦いにケリがつく」

 

その時だった。

 

「みんな!大変だ!」

 

突然ネロ艦長から通信が割り込みで送られてきた。本人のテンションはいつものネロ艦長に戻っていた。しかし何処か様子がおかしい。何か慌てふためいている。

 

そして通信越しに聞こえた会話に皆の背筋が凍りついた。

 

管制室では、皆が慌ただしく色々な事をしていた。だがどれもまるで手応えがなかった。

 

「どうなってるんだ!?」

 

「駄目だ!全くこちらのコマンドを受け付けない!!」

 

「やべぇな。発射までもう時間がねぇぞ!!」

 

エグゼキューター管制室のモニターは刻一刻と時間を刻んでいる。全てを滅ぼす、破滅の光。それを放つ残りの時を・・・

 

「砲身やエネルギー源そのものを破壊すれば!」

 

その時である。

 

「そんな事したら、辺り一帯がマジで吹き飛ぶぜ」

 

ある声が響いた。目の前に降り立った黒色の機体。

 

「よぉ。シグ。いや、メビウス。ビースト退治は見事だったぜ」

 

「ガーナム・・・」

 

「エグゼキューターの発射管理システムはこっちが掌握している。残りチャージ時間は残り10分ってところだ」

 

残り10分でエグゼキューターは発射される。仮にここで撃ち込まれた場合、アウラがいない為、間違いなく全滅するだろう。

 

「もう言わなくてもわかるよな?」

 

そう言うとジュダはサーベルを長く伸ばした。エグゼキューターを止めるためには、ガーナムを倒すしかない。

 

「さぁ、始めようぜ。最期の戦い。いや、殺し合いってやつをよ」

 

「メビウス。お前に人を殺させはしない」

 

メビウスの主人格がシグへと変更された。

 

「ガーナム。今回だけだ。貴様の言う殺し合いに

全力で付き合ってやる」




フェニックス・ノア・・・

どう考えても元ネタはあの光の巨人です。本当にありがとうございました。

アンケートの回答期間は2020年1月6日の23時59分59秒までとします。

おそらくこれが今年最後の投稿となるでしょう。

あと1話でオリジナルシナリオの未来編は完結の予定です。

そしたら遂に最終章。アニメ本編の最終話に突入します!!

この様な作品ですが、最後まで御付き合いをよろしくお願いします!!

それでは皆さん。良いお年をお迎えください!!

フェニックス・ノアの元ネタを知ってる人に聞きます。あいつを出していいですか?(暗黒破壊神の事)

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