クロスアンジュ ノーマの少女達と一人の少年が出会った 作:クロスボーンズ
今回で90話を突破しました。次回は最終話表記の為、これ以上数字が増える事はありません。
それにしても、まさか本当に完結まで書けるとは、過去の自分は思わなかったなぁ。
えっ?消した0話の内容?・・・ナンノコトカワカラナイヨ・・・
今回で最後となる前回のあらすじ!
未来世界のエンブリヲとの激戦を繰り広げるアンジュ達。
そんな中、ヘリオスが最後の切り札たる時間操作を使用。これにより時の停止したアルゼナルは、その効力を失った。それに伴い、エンブリヲの不死も、無効となった。
こうして全力のぶつかり合いの末、遂に不死のエンブリヲを攻略した。これで世界は救われる。あの破滅の未来も、並行世界では無く、エンブリヲの介入しない正しい未来へとなる。
その代償が、メビウス達未来世界の消滅である事を知ったのは、直ぐであった・・・
それでは、本編の始まりです!
空間の崩壊は今もなお進んでいる。早くこの空間から脱出しなければ危ない。だが、アクセリオンは未来世界の技術消滅中の為、旗艦エンジンのマキシマエンジンも喪失。ただの鉄屑の塊となっていた。
「待ってなさい!今アウローラで牽引するから!」
「よせ。そんな事より早くこの空間から離脱しろ。ラグナメイルの持つ時空移動、それを使えば戻れるはずだ」
「あんた達は死ぬのよ!それでもいいの!?」
「・・・あぁ、これでいいんだ。これで歴史は変わる」
100年後の未来世界。マナを失っても復興の為にやらねばならぬ事があったにも関わらず、エンブリヲの介入によって、人々はその道を間違えた。圧倒的な力を求め、他者を虐げる為に争う。そんな世界は、並行世界とはいえ初めから無い方がいいに決まっていた。
「なんで・・・なんであんた達は、そんな平然としてられるのよ!!あんた達はこのまま消えるのよ!!それなのになんで、そんな平然としていられるのよ!!」
「・・・平然となんかしてはおらん。みんな恐怖で震えてるよ。消えたくない。死にたくないって。
喚き散らしたいくらいだ」
「だったら!!」
「・・・でもな。あんな破滅の世界で生きてどうなる?あんな世界を、これから産まれてくるかもしれん、自分のこどもに生きて行かせたいか?我々には、その方が耐え切れん」
「・・・そうだな、あんな世界は初めから無い方がいい」
地面に伏していたメビウスは体を無理矢理起き上がらせ、アンジュ達の方を見る。
「これで、百年後の世界は変わる。人間同士で争い、奪い合ったりする事なく、きっと人間達が笑顔でいられる世界になるはず・・・」
話している内に、メビウスは身体の半分が消えかけていた。それは、向こうの未来組も同じである。
「なぁ、そんな悲しい顔すんなよ・・・生まれ変われた・・・会えるよな!きっとまた会える!!」
その笑顔は空元気の笑顔だと、皆が気づいた。自分自身が一番気付いていた。それでもこの男は笑顔でいた。
「あっ、でもそれだとしたら、100年後とか、そのくらい先になるのかな。そん時はみんな、おばあちゃんになってるかもな!・・・でも、やっぱ怖えな」
「やめて・・・」
「・・・ははっ。やっぱ駄目だな。漫画みたいに
カッコよく決めたいのに。ナオミ達の顔を見てたら、言いたくなっちまう。言ったらきっと、ブレーキ効かなくなっちまうから、言いたくない筈なのに・・・消えたく・・・!?」
次の瞬間、ナオミが口でメビウスの口を塞いだ。暫く塞いだ後に、口を離した。メビウス達が唖然としている中、ナオミが口を開いた。
「はあっ。はあっ。許さない。最後の最後に、弱音を吐くなんて・・・許さない!強がってみてよ!!ここまでやっとこれた。例え本当に存在が消えるとしても、最後までメビウスでいてよ!!」
「ナオミ・・・」
するとネロ艦長が黙って頭を下げた。
「メビウス。そしてシグ。すまなかった。昔、まだ子供だったお前を汚い大人の争いに、私の復讐に
巻き込んでしまって・・・本当に申し訳なかった」
暫く考えた後、メビウスはモニターの方に顔を向けた。そこに先程までの表情は消えていた。普段のメビウスがそこにはいた。
「・・・何を言ってんだよ。こうしてネロ艦長達と出会わなければ、俺がこの場に居る事もなかったんだ。寧ろ、感謝したいくらいだよ」
「だがそのせいで、お前の孤児グループは壊滅。
何よりお前はシグと違って消滅する覚悟は・・・」
「いいんだ。初めからシグは消える覚悟で戦ってきたんだ。シグは俺なんだ。俺はシグなんだ。なら、俺もその覚悟をする・・・してみせるさ。メビウスらしく、最後まで・・・な」
ネロ艦長が帽子を外した。その態度はこれまで外した時の凶暴性ではなく、ネロ艦長そのものであった。
「・・・アウローラ。最後の頼みだ。あと僅かではあるがメビウスを、シグを頼む」
そう言った瞬間、アクセリオンとの通信は途絶えた。その途端に、アウローラの船体に嫌な音と共に亀裂が生じ始めた。艦の耐久地は、もはや限界であった。
「これ以上此処にいたら、アウローラが持ちません!!」
「・・・アウローラ緊急発進!!目標座標はドラゴン達のいる地球だよ!」
「・・・っ了解。アウローラ、緊急発進します」
次の瞬間には、アウローラはこの空間から姿を消した。ヴィルキス達ラグナメイルの力で、この空間から真実の地球へと跳んだのだ。
「アウローラは翔び立ったか」
そう話しているうちにブリッジに集まっていたメンバーは一人、また一人と消滅していった。やがてその場には、デルタメイル部隊の乗り手と、ネロ艦長の5人だけが残された。
皆、既に立っているのも辛く、全員が地面に横になっていた。そんな中で最初に消滅するのはアクロであった。
「この感じ・・・悪いな。どうやら一番に消えるのは俺みたいだな・・・」
「アクロ。お前からか」
「・・・正直、俺はネロ艦長には感謝してる。当時人類進化連合の鼻つまみ者だった俺たちを拾ってくれたんだからな。ネロ艦長がいなけりゃ、きっと俺たちは本当に腐ったまま死んでた」
「そりゃどうも」
「・・・お先に、みんな。それにネロ艦長。貴方の淹れたコーヒー。美味かったぜ」
こうしてアクロは消滅した。次に消滅するのは、
カイであった。
「おいおい。次は俺か、嬉しい様な悲しい様な・・・なぁみんな。みんなは異世界転生とか信じるか?」
「・・・まぁ、信じてみたいな」
「俺は生まれ変わるなら、異世界転生でもしてみてえな。そしてよくあるハーレムでも作ってみてえな。まぁ本命は決めてるけどな・・・あばよ。アンリ、みんな・・・」
こうしてカイも消滅した。この次に消滅するのはアンリであった。
「ええっ!?私がカイの次って。まるで後追いみたいじゃない」
「アンリ。歳ってのは気がついたら増えてる借金みたいなもんだぜ。早いとこお相手見つけなきゃ、損するぜ」
「カイみたいな軽口を言うなァ!・・・まぁ、あいつが本気なら、少しは考える事くらいはしたかもね・・・また会えたら、こっちから聞いてみるか」
そう言い残し、アンリも消えていった。その次が
ワイズナーだ。
「遂に自分が消滅か。ネロ艦長、貴方には色々と
お世話になりました」
「ワイズナー。君は私の右腕として、予想以上の働きをしてくれた。世話になったのはこちらの方だ」
「恐縮です。貴方と共に仕事が出来て、とても充実した人生でしたよ・・・血と硝煙の匂いがない、
平和な世界で生きてみたいですね・・・さようなら・・・」
残されたネロ艦長だけとなった。そのネロ艦長も今まさに消えようとしていた。
「私も消滅か・・・上手くいけば、家族の待っている場所に行けるのかもな。あの未来が起きないのなら、家族が死ぬ事もないのだから・・・でも、それって初めから出会わないって事に・・・」
「・・・考えるのはやめだ。それにもし、消える人間が一箇所に集まっているのなら、そこから家族を探せばいい・・・」
既に身体の殆どは消滅しており、最早時間の問題であった。そんな中、最後の力を振り絞り、重い口を開いた。
「・・・さらばだ、メビウス、シグ・・・」
アクセリオンは崩壊していく空間に飲み込まれる寸前、ネロ艦長と共に、光となって消えていった。
やがてそこには、何もない空間が何もなかったかの様に消滅していった。
アクセリオンが消えた頃、アウローラは真実の地球へと辿り着いた。既にメビウスの身体も消えかけており、今にも消えて無くなってしまいそうだ。
「!!」
「メビウス?どうしたの?」
「今、ネロ艦長達の声が・・・なぁナオミ」
振り向いたその目に既に光はない。見えてない。
だが見えてなくとも、ナオミ達の方を見続けた。
「消える前に・・・聞いて欲しい事がある・・・」
目の前の人間の存在が消えようとしている。今まさに、その事実が重くのしかかってきた。周りは強く振る舞おうとしても、つい本音が出てしまった。
「やだよ・・・消えないで!やっと、やっと戦いが終わったのに。私達が自由を手に入れたのに!!
一緒に生きたいのに!!」
「お願いだ、聞いて・・・弱音なんかじゃない。俺の、願いを」
「・・・・・・何?」
「この世に、神様って・・・いるのかな?もしいるなら、また・・・ナオミ達に合わせて欲しいって願う・・・たとえ生まれ変わって、その代償として、記憶が吹き飛んだとしても、また・・・会いたい。好きな・・・人に・・・」
「メビウス・・・」
「・・・当たり前の様で、名前があるって・・・
嬉しいな。俺は・・・幸せ者だ・・・」
メビウスとシグの消える直前、もう見えない二人の視界に、こども達が映った。それは以前、孤児グループ時代に寝食を共にした、メンバー達である。
(ロイ。ミィ。みんな、迎えに来てくれたのか・・・シグ。お前も行くぞ。お前の事も・・・紹介しないとな)
(・・・あぁ)
差し出されたその手を掴もうと、腕を伸ばす。彼等はその手が一瞬だけ、触れられた気がした。
そうして恐怖ではなく、安らぎの笑みを浮かべながら、メビウスも光となって消滅していった。メビウスの消滅と共に、フェニックスも同じ様にアウローラの格納庫から消えていった。
これで、破滅の未来の全てが消滅していった。
「・・・・・・」
世界は完全に解放されたのだ。自分達は、望んでいた自由を掴み取った。
その代償は、一つの並行世界の消滅。それも知った人間達も一緒に消滅したのである。
これはどうあっても避けれなかった道なのだ。未来を破滅に追いやったエンブリヲが討たれなければ、自分達は自由を掴み取れなかった。世界も、解放されなかった。
だがその結果、エンブリヲが死んだ事であの未来を創り出す存在も消え、あの未来世界の存在そのものが消えてしまった。
それでも彼等は、あの未来を変える為に戦ってきたのだ。自分達の存在が消滅する覚悟をしていて。
最後まで、顔色一つ変えずに。
「こんな・・・こんな結末って・・・」
その時であった。この場に威厳の溢れる声が響いた。
「いいえ。メビウス達は、彼等は死んだのではありません」
声の主は、皆聞き覚えがあった。皆が空を見上げた。そこにはドラゴン達が飛んでおり、声の主は
その中で一際大きなドラゴンであった。
「アウラ・・・」
「全てがあるべき場所へと戻ったのです。彼等はまた産まれてくる。形こそ違えど、そこにある命は変わらない・・・」
「・・・そうね。私達が悲しむのを、きっとメビウス達は望んでいない。それこそベノム、いえ、エンブリヲの思惑通りになる」
彼女達は悲しまない。それがきっと、未来世界を生きた者達の願いだから。あんな世界を願わないでほしい。
「そして皆さん。改めてお礼を言わせてください。貴女達のお陰で、世界が解放されたのです」
「突然ですがクイズです!ここは何処でしょう!」
「言わなくても分かるよ。ドラゴン達の世界、
だろ?」
改めて上空を見上げた。そこには無数のドラゴン達がいた。自分達を歓迎しているかの様に。そんな中、サラマンディーネがアンジュに尋ねてきた。
「・・・アンジュ。貴女達はこれからどうするのですか?もう戦う必要も、争う必要はなくなったのです」
エンブリヲは倒された。もう戦う必要はない。少し考えた後、アンジュはその顔を上げた。
「・・・国を作るわ。誰もが自分らしく、自分の
意志で生きていける国を」
「相変わらずスケールがデケェな。その話、乗ったよ。私はあんたの側に居続ける」
「あら、それは私の役目ですよ?」
ヒルダ達が名乗りを上げた。
「あの、アンジュリーゼ様。あちらの世界はどうなるのでしょうか?」
モモカさんが当たり前の疑問を呈した。
「さぁ?それは分からないわ。でも、エンブリヲの介入がない以上、自分達の足で生きていくはずよ。今度は間違わずに、正しくね。もしそれができなかったら、その時は野垂れ死ぬだけ」
その頃、向こうの世界では争いは起きていた。しかし、エンブリヲの介入が無い事によりパラメイルなどの技術の流出はなかった。
その世界では皆が戦っていた。だが、他者を圧する為ではない。自分達の足で生きていく為に。秩序を築くための、混乱の時期とも言える。
少なくとも、未来とは違い、この戦いは殲滅戦にはならずにいずれ終わり、その後は平穏が訪れるはずだ。
そしてその中には、立派に戦う一人の少女の姿があった。その少女は何処と無く、シルヴィアに似ていたそうな。
「さぁ。私達も行きましょう。自分の道を、自分の足で!!!」
「「「イエス・マム!!!」」」
こうして皆が、歩き出した。未来に向かって。
(私達は忘れない。あの破滅の未来世界を。そしてその未来を変える為に戦った戦友達を。絶対に・・・そして信じてる。また会える事を・・・)
次回、ノーマの少女達と一人の少年が出会った、最終回。
原作での最終回が終わったとはいえ、蛇足にならないように私も最後までやり切ります!例えそれが、後日談の様な形になったとしても!
尚、喫茶アンジュはどちらの最終回でも登場する
予定です。(状況などは恐らく異なりますが)
今のところ御都合主義をフル稼働させても大円団になる事を望んでいる人が多くて、私としては嬉しい限りです。
(恐らくご都合主義を通り越した何かになる危険が
ありますけどね)
最終回は同時投稿する予定です。投票終了はこの回投稿後の24時間後です。未投票の方は宜しければ投票してください!
この作品のエンディングに以下の二つを用意しています。この作品の正史的なエンディングとしてどちらが見たいかを聞きます。選ばれなかったエンディングも番外編として投稿するつもりです。①大円団エンド(ただし持てるご都合主義をフル稼働させます)②グッドエンド(しかしご都合主義はそこまでありません)
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①
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