作者メモ
ヒロイン 黒嶺 乃愛 わたくし 私 黒髪ロング 巨乳
ヒロイン 逢坂 夏目 あたし ボーイッシュ 普通
主人公 宮中 涼 僕
「好きです、付き合って下さい!」
僕は頭を下げてお願いする、どうか断るなら早くしてくれ、恥ずかしくてたまらない。
「貴方が私を?」
彼女は信じられないと言う様に、驚いていた。
そりゃそうだろう彼女は学校で一番いや……日本で一番美しいかもしれない。
高等部の花なんて呼ばれていたりする。
そんな美少女の彼女に僕が告白なんて、信じられない身の程知らずな行動だ。
「貴方が好きです!」
もう一度告白する、振るなら早く振って、お願い!
「あぁ……なんて、なんて事なの……信じられないわ」
「……あの?」
彼女は俯き表情は見えないが、僕なんかに告白されたのが余程のショックだったのか、信じられないと呟いている。
僕だって告白する気はなかった、でもじゃんけんで負けた僕が彼女に告白する罰ゲームなのだ。
彼女は美人だから毎日告白されているが、誰とも付き合わず告白した男は皆こっぴどい振られ方をするらしい。
だから僕にも振られて恥をかけと言う、酷い罰ゲーム。
「まさか貴方から告白してくれるなんて、信じられないわ」
「……わっ」
顔を上げた彼女は、思わず驚くほどの色香を放っていた。
「ああ、自己紹介が遅れましたね。私黒嶺乃愛と申します。
是非乃愛とお呼びくださいませ。」
「えっと、乃愛さん?僕は宮中涼です」
「はい、存じております涼様」
「りっ涼様?」
涼様なんて初めて呼ばれ、しかも相手はあの乃愛さんだ。
驚かない訳が無い。
「そんな涼で良いですよ、様付けなんてそんな恐れ多い」
「呼び捨てなんてそれこそ、恐れ多いですわ。
私の方こそどうぞ乃愛と呼び捨てて下さいませ」
「の、乃愛?」
「はい!」
名前を呼んだだけでペカーっと輝く様な笑顔を見せてくれる。
まさか彼女が僕の事を知っていたなんて…
「それで涼様、告白の返事は勿論YESですわ」
「え?」
「あぁ、これで晴れて涼様と恋人同士になれたのね、あとは何事も無く卒業して結婚するだけね」
「え?ちょっと待って下さい」
「はい?涼様の為ならば幾らでもお待ちいたしますわ」
「乃愛は僕の事が好きなの?」
「はい、勿論好きですいえ、愛していますわ」
また乃愛は恍惚とした表情になり、愛していると繰り返している。
「そんな…僕なんか、一体何処が好きになったの?」
そうだ僕なんかこれと言って特徴も無い、顔も背も平均的で斗出した才能だって無い、もしかして僕の方がからかわれているのかも知れない。
「涼様御自分を卑下するのはお止めになって下さい」
「え?」
「涼様はとても良い人物だと、私とも趣味が合うと存じ上げておりますわ」
「なんで、僕の何を知っているっていうの?今告白したばかりじゃないか」
僕がさっき告白したばかりで、一体僕の何を知ってるっていうんだろう?
「知っておりますとも、趣味は読書。
性格は困っている人を見捨てられず、御自身が被害を被ろうとも笑って許してしまうお人好し、そのせいで被害を被った事も多々有るとか…」
そこまで聞いて背筋がゾッとした。
乃愛は僕の事を良く知っていた…話すのが今日、今始めてなのにも関わらず…
「どうしてそこまで詳しく知っているの?」
「それは隅から隅まで調べたからですわ
此処からは少し昔の話になりますけれど宜しくって?」
僕が頷くと乃愛が話し始めた。
「私実は家が少々裕福でして、それ相応の教育を家庭教師から受けていましたの」
少々裕福どころでは無い大財閥の長女で愛娘だと聞いている。
「その頃は時間に余裕が無く、手の開く時間は寝る前の数時間だけでした。
その時間に出来る事となれば読書位のもので、その時に貴方を見つけましたの」
「僕を?」
「はい、放課後図書館で本を探しているとドサドサと本が落ちる音が聞こえてきて、落としたらしき女子生徒が泣きそうになっている時に貴方が助けに行きましたの」
「ああ、あの時」
確かに図書館で積み上げた本を崩して、泣きそうになっている女の子を助けた事が有る、でもそんなことで好かれるかな?
「その時は優しい生徒が居るものね、と関心しただけでしたわ。
それから読書をするたびに、私よりも先に同じ本を借りている方がいて、それが毎回続き気が付いたら宮中涼様が気になっていたのですわ」
「へー思ったよりもまともな切っ掛けだ」
「もうっ、一体どんな風にお思いになっていたんですの?」
「ごめんなさい」
僕の返事にふふっと微笑み会話を続け用とした時
「涼〜!振られたならさっさと帰るわよ?」
「夏目!」
後から名前を呼ばれて振り返ると幼馴染の逢坂夏目がたっていて僕の腕を掴んでいる。
その顔はニシシと笑っており僕が振られる事を確信して居る顔をしていた。
「なんですの貴女?」
先程までにこやかに話していた乃愛が片眉を吊り上げ夏目を睨んでいた。
「へ?」
夏目がポカンとして僕と乃愛を見比べていた。
もしかしなくても僕が乃愛に振られたと思って居たのだろう、何しろこの告白の罰ゲームを言い渡したのは、この夏目本人だ。
「紹介するよ僕の幼馴染の…」
「逢坂夏目さんですわよね?」
「知ってるの?!」
「涼様についてなら何でもですわ」
その、何でもが何処までなのか非常に気になるが…
「は?涼様?涼、黒嶺さんになんて呼び方させてるのよ!」
「いいえ夏目さん?これは私が好きで呼んでいるんですのよ」
「だって涼を様付けで呼ぶなんて…」
「それにさっきからなんですの?なぜ涼様の腕を掴んでおられるのですか?」
夏目の腕を睨みつけ怖いくらいの怒気を放っている。
「え?幼馴染だからこれくらいはするよね?」
「へ?えっとうん今までしてきたね」
「涼様これからはダメです、その分の接触を私にしてくださいませ」
その発言に怒った人間が居た、夏目だ
「なんで黒嶺さんにそこまで言われないといけないんですか!」
「あら?貴女まだ気付いていませんでしたの?私達付き合う事になりましたの、ですので異性との接触はなるべく避けるのが普通ではなくて?」
「うそ…」
僕の腕を掴んでいる夏目が此方に確認を取る様に目配せしてきたので、頷いて見せる。
「涼、ほっ本当なの?」
「本当だよ、乃愛と付き合う事になったんだ」
僕がそうはっきり言うと、夏目は腕を掴んだままずるずると座り込み目に涙を浮かべた。
「夏目?!」
「あら、大丈夫でして?」
「…つもりだったのに」
「夏目?」
夏目が何かを呟いているが、声が小さく座り込んでいる為良く聞こえない。
「あたしが涼と付き合うつもりだったのに!」
急な夏目の怒鳴り声に乃愛も僕も驚いて目を見開いた。
「夏目何言ってるのか分かってるのか?」
「そうですわよ、涼様は私と付き合うのですのよ?」
「いやそもそも、乃愛に告白させたのが夏目なんだから、
僕の事好きな分けないでしょ」
「まぁ夏目さんが恋のキューピッドでしたの?」
「だから!」
夏目が僕の腕を掴んで立ち上がる、その顔は涙でぬれたまま怒りの形相を浮かべていた。
「だから違うの!」
「何が違うの?」
よく分からずオウム返ししてしまう。
「黒嶺さんに告白して振られて、落ち込んだ涼と私が付き合うつもりだったの!」
「ええっ!」
「それなのに涼は告白成功させちゃうし、あたしの事何とも思って無かったんだ…」
「だってずっと幼馴染だったから…」
そこに乃愛が割って入ってくる。
「もうそろそろ離れていただけるかしら」
とうとう乃愛の語尾から疑問符が消えた。
「いやっ!」
夏目は離すまいと僕の腕を胸に抱き込んだ。
それに反抗して乃愛が反対の腕を胸に抱き込んだ。
「はぁ涼様がこんなに近くに、私幸せですわ。夏目さんは離れてくださいな」
「いやだ、あたしと一緒に帰るの!黒嶺さんが離せば良いじゃない!」
「取り敢えず二人共離れてよ!」
急に大声を出したから驚いたのか、二人共硬直する。
「取り敢えず僕に少し考える時間を頂戴」
それだけ言って僕は二人から逃げた。
「あっふふっ逃しませんわよ、涼様」
「まってよー涼」
夏目は涼の後を追いかけ、乃愛は不敵に笑っていた。
続くかも
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