エマヒロに監禁される彼くん   作:ハーレムヤンデレ物は皆仲良しがいい


原作:魔法少女ノ魔女裁判
タグ:オリ主 ヤンデレ 監禁
一般幼馴染の彼くんがエマヒロに仲良し監禁される話。

Pixivとマルチ投稿してます。

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作者の性癖を詰め込もうと思ったら百合に挟まる男に怒りが芽生えたので初投稿です。


エマヒロに仲良し監禁される彼くん

 

「ねぇ、起きた?」

 

 あなたは優しい声と共に体を揺らされ、目を覚ます。

 瞼を開いた先には桜色の髪を揺らして不安げにこちらを見つめている少女、桜羽エマの姿がある。

 

(なんで寝てるんだろう)

 

 あなたは何があったのかを思い出そうと、過去の記憶を洗い出し始めた。

 確か、幼馴染のエマに、ヒロも呼んで三人で勉強会をしようと誘われたのだったか。

 エマとは同じ高校なので会うことも多いが、ヒロは別の進学校に行ってしまったため、久しぶりの機会だと浮かれていたのを覚えている。

 それで、勉強会と言いながら久しぶりに三人でお菓子をつまんだりジュースを飲みながら駄弁っていて、気づいたら眠ってしまったのだ。

 

 ……ふと思い返すと、勉強会なのに他のことばかりしていることに対して、異常にヒロが静かだった気もする。

 いつも通りなら正しくないなんて言いながら小言を行ってきそうなものなのに。

 

 そうやって思考に耽っていると、目が覚めてもぼーっとしてる様子に立腹したのかエマの頬が少しずつぷくーと膨らんでいく。

 

「起きたんだったら少しくらい何か言ってよ」

 

 ごめん、と一言謝る。それから、今度は周囲を見回してみる。

 寝落ちする前と変わりのないエマの部屋、そのベッドに寝かされていて、その横でエマがベッドにもたれかかって自分の顔を覗き込んでいる、その横で彼女のお気に入りの抱き枕が添い寝をするかのように鎮座していた。

 

 あなたは慌てた。たとえ幼馴染とはいえ、異性のベッドで寝ているのだ。急いで飛び上がろうとして……その試みは、首につけられた輪に止められた。

 

「あ、大丈夫!? チョーカー食い込んで痛いでしょ!」

 

 と心配する声と同時に、痛みから急速に目が冴える。

 気づけば、いつも着けているチョーカー(エマとヒロに誕生日から貰った物)に紐が括り付けられていて、まるで首輪のようにベッドにその先を繋がれている。

 このままではベッドに座るくらいはできるだろうが、部屋を出るどころかまともに立ち上がることすら困難だ。

 

 まあ、多分悪ふざけか何かだろう。そう思って、エマに外して欲しいと視線を送ると。

 

「ごめんね、それは外せないんだ」

 

 申し訳なさそうにそう言われてしまった。

 

 じゃあこの悪戯はヒロが主導なのだろうか。ヒロがエマに外すなと言っている可能性くらいしか、こんなことを言われる理由は見当たらない。

 ヒロがこんなことをするのかは疑問だが、それでもエマだけの犯行でないことは絶対だ。

 まだ部屋にはヒロの鞄が残っているし、共犯じゃないならあなたのこの状況に気づかないはずがない。

 

 だからエマにヒロを呼んで欲しいと伝えようとした瞬間、部屋のドアが開いた。

 

「起きていたのか。それなら話が早い」

 

 話とは何のことだろうか。そう思いつつも、この状況について説明がもらえるのなら何だって良いと、言葉の続きを待つ。

 

「まず、君のその拘束具だが……外すことは出来ない」

 

 なんで? と、素朴な疑問が湧き出る。だが、そう言うヒロの表情はあまりに真剣で、傍にいるエマも同じようなものだった。

 その表情に気圧(けお)されたあなたは、一旦黙ることにした。

 

「エマの両親は、しばらく旅行中だ。だから準備が終わるまで、君にはエマの部屋で生活してもらう」

 

 どう言うこと? あなたは反射で疑問の言葉を出した。

 何故、エマの両親が旅行中だからエマの部屋に閉じ込められるのか。そもそも準備とは何なのか。

 

 全てが理解できずにいると、またヒロが口を開いた。

 

「……君は、不眠症を患っていたらしいな。それでよく病院に通っていて、睡眠薬を貰っていたと。それだけならまだ問題は無かった。心配ではあるが、それでもこちらから手を出すことは無かっただろう」

 

 そこまで言われてようやく、次に言われるであろうことにあなたは気づいた。

 

「君が……その睡眠薬を使用せずに溜め込んでいて、自殺を仄めかす日記が君の部屋にある、なんてことにならなければ」

 

 どうして、気づかれているのだろうか。病院に通っていることは、家族にも伝えていなかった。

 心配させたく無かったから。精神科に通っている息子なんて、どう対応するべきか困るだろうから。

 

「ある日、私とエマは君の家に向かったんだ。なんてことはない、ただ遊ぼうと思ってね。それで君のお母さんに部屋に案内されて、しばらく君を待つように言われた」

 

「それからは、多分君の想像通りだ。エマが好奇心から色々覗き込んで、日記を見つけた」

 

 だとしても、何故それと閉じ込められることに関係があるのか。両親に伝えられて、病院に行かされるのなら理解できる。なんでわざわざ自分を閉じ込めるなんて発想になったのか。

 

 あなたは、これまで溜め込んだ分も含めて疑問を投げかけた。

 

 するとヒロは少し気まずそうな面持ちで答えた。

 

「……君が入院するのが嫌だったからだ。もっと言うなら、それで面会拒絶になんてなるのが」

 

 ヒロというよりは、まるで寂しがり屋のエマみたいな理由だと、そう感じた。

 

 気づくと、今の今まで黙っていたエマが立ち上がって、こちらを見つめている。

 まるで自分のことを見透かしているような感情の読めない瞳で、普段とのギャップに恐怖する。

 

 

「ボクが言ったんだ。君に会えなくなるなんて我慢できないって。それで、ヒロちゃんが一人暮らしでマンションを借りるから、そこに閉じ込めようって。手続きは終わるまではボクの部屋で、準備が終わったらヒロちゃんの部屋で」

 

「だから。君がどんな事情でそうなったのか分からないけれど、もう大丈夫だから」

 

 一縷の光を残しつつも、単調な色に染まった瞳で自分のことを見つめながら。

 エマはそう言い切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 その後、エマがご飯を作ると出て行った後の部屋であなたとヒロは見つめ合っていた。

 

((エマが、ヤバい……))

 

 言葉にせずとも、お互い伝わっていた。

 元々エマに少し友人に対して重い気質があるのは知っていたが、それにしても今のエマは異常だ。

 いつもコロコロ変わって面白くて可愛かった表情が、唐突に色のない物に変わるのだ。

 変わってからまたすぐにいつも通りになるのも怖い。サイコパス的な、本能的な恐怖を感じる。

 

 それは、ヒロも同じのようで。さっきまで気まずそうだった顔に恐怖の色を滲ませている。

 

 自分以外にも状況の異常性に気づいている人がいる、それだけでとても安心感があるし、もしかしたら脱出を手伝ってくれるかもしれない。

 これでヒロにも「君はここにいるのが正しいんだ」なんて真顔で言われたら、パニックになっていた自信がある。

 

「その……すまない。君のプライベートを侵害するような真似をして。それに、君のことを考えるならこんなことをするより先に病院に連れて行くべきだったとも思っている。ただ、その……」

 

 エマがとても怖かったんだ、と。そう続くことが容易に想像できる間を作って、ヒロは謝罪をしてきた。

 あなたが「一人で抱え込んだ自分が悪い。いつも頼れと言っているし言われているのに。だから、この状況について思うところはない」と伝えたところ、ヒロの表情が少しずつ軟化していく。

 真面目なヒロのことだ、この状況にも責任を感じていたのだろう。一言、「ありがとう」と。そう返してくれた。

 

 ヒロの気持ちを和らげられて良かった、そうあなたが達成感に浸っていると。

 

「それはそうと、君が自死を選ぼうとしたことは正さなければならない。私もこんなことは不本意だが、君には生きていて欲しいんだ」

 

 またもや光を失って単調になった瞳で見つめられながら、告げられる。

 

(ああ、ヒロもそっち側かぁ……)

 

 あなたはまた脱出の希望が潰えたのを、目の前で見届けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、エマがカレーを運んできた。スパイシーな匂いよりも先に優しい甘い匂いが鼻を突く、家でしか味わえない感触がする。

 首輪もどきも外されて、部屋の真ん中に三人で座る。

 

 ──よく考えたら自殺未遂者に首輪つけるってヤバくね? と一瞬思ったあなただったが、そういえば彼女たちは部屋を漁った訳で、もしかしたら自分の癖に合致しているのはベッド下のあれを読んで……そこまで思いついてから、続きは考えないことにした。

 

 一口、スプーンを口に運ぶ。

 真横に座ったエマが、こちらを見ながら尋ねた。

 

「どう? 美味しい?」

 

 美味しいよ、とあなたは震えた声でそう返す。舌に感じる野菜の甘さだとかカレーのコクだとか、そんな感想は頭から吹き飛んでいた。

 

 ……あまりにも、あまりにもさっきとの差異が大きい! 

 

 今の彼女は不安げに目が揺れていて、自信なさげにしている。その姿が、先ほどのあまりに温度の無い表情と同じ人物が浮かべていると思えないような庇護欲を刺激する表情をしているので、頭が追いついていない。

 

「それならよかった……あ! あ〜んしてあげよっか?」

 

 あなたは恥ずかしさ故に否と答えようとして……できなかった。ここで否定した瞬間、エマがさっきの顔に戻るかもしれない。あなたはすっかり恐怖で躾けられてしまった。

 

「はいっ、あ〜ん」と与えられたスプーンは、恐怖と同時にとても優しい味がした。

 

 

 ちなみにヒロはエマとは反対側で静かに上品にカレーを口に運んでいた。

 よくカレー食う動作で気品出せるなお前。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、食器片付けてくるね!」

「エマだけに任せるのも悪いからな、手伝うよ」

 

 じゃあ俺も。そう言うとすぐに「君は待ってて」「ここに居るんだ」とすぐに否定された。

 何もできない手持ち無沙汰のまま、一人で放置されているあなたには……なんの拘束具も無かった。

 

 ……そう! あの二人は紐を付け直さないまま行ってしまったのだ! 

 

 こうして脱出のチャンスを得たあなただったが……全く、逃げ出そうとは思わなかった。

 だって、普通に心配してくれるの嬉しいし、愛されてるの感じるし。親や友人たちからも親愛や友愛は感じて育ってきたが、それとはまた違うのだ。

 それに……逃げ出そうとして、彼女たちに、いいよなんて見放されたら。そう考えると、今度こそ終わらせてしまいたくなるから。

 

 大人しく、あなたは二人を待っていることにしたのだった。

 

 

 

 二人はしばらくしてからそれに気づいたようで、ドタドタと音を鳴らしながら戻ってきた。

 逃走の意思を見せないあなたに対して安心した表情を向けていたのだが……ヒロは少し「マジかこいつ」という視線が混じっていたような気がする。お前も実行犯やぞ忘れとんのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして。風呂に入れるのか拭くだけで終わらせるのかだとかしょうもない論争をして、子供のように歯を磨かれて、気づけばあなたは布団に寝かされていた。

 

 窓から微かに見える外の景色は、月明かりを映している。部屋の電気は消灯され、一つのベッドに三人がぎゅうぎゅうに押し込まれている。

 どうも、エマのフィーリングとヒロの一人暮らしが奇跡的に噛み合っただけで、元々計画なんてないも同然だったらしく……当然、布団も人数分ある訳がなかった。

 

 あと、窒息すると危ないからとチョーカーと紐は外された。本当にこれ監禁か? まああなたは脱走するつもりは無いし、そもそも布団から出ようとしただけでエマが目をかっ開いて止めてくる未来しか見えない。どっちみち逃げれないだろう。

 

 そう言う訳で、詰め詰めのぎゅうぎゅう状態な訳だが、案外悪くない。……二人の体温を直に感じれて、泣きたくなるほど安心するのだ。人が横にいて、一人じゃないと言う感覚。孤独や不安からは最も遠い場所。世界で一番好きな場所。

 ふと左を見ると、エマがあなたを抱き枕にするかのようにしがみついている。とても強い力だが、今のあなたにとっては安心の一要素でしかない。

 ふと右を見ると、ヒロが異常に良い姿勢で仰向けに寝ている。一人だけ蚊帳の外でいるのが可哀想なので、空いている方の腕で思い切り抱きついた。少し嫌がるような素振りを見せたが、それでも何も言わずに手を重ねてくれた。

 

 あなたは三人で団子になりながら、自らが不眠症だったことも忘れたかのように、穏やかに、ぐっすりと眠りについた。

 




もしかしたらあと1、2話続くかも。

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