ログ・ホライズン ~落ちた浮遊城アインクラッド~   作:マスカルウィン

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色々とすいません。
かなり長い間放置してしまいました。
というわけで今回はクライン編です。
あっさりとしたお話になってると思います。


第十三話 クライン編

 俺が森の中を散歩していると、突然二人のプレイヤーに囲まれた。

 

「おいそこのお前! 名前はクラインか……武器とかアイテム置いていかないとPKするぞ!」

「まだPKしてるやつが居るのかよ、いい加減やめよーぜそんなの。 円卓会議が設置されて、PK行為に対しても罰則厳しくなってんだろ?」

「うるせぇ! 俺はこれしかしらねーんだよ! 行くぜカツオ丸! 挟み撃ちだ」

「お、おう!」

「ったく……」

 

 同時に攻撃すると合図したくせに、二人の呼吸はばらばらで後方から来た、カツオ丸と呼ばれた武士風の男の剣を避け、その鎧に蹴りを入れる。

 この攻撃は当たらなくてもいい、あたったらあたってでかなり今後の展開に助かるのだが、かわす為に後ろに避けてくれるだけで非常に助かる。

 クラインの後ろに繰り出したけりは、かつお丸に当たりかつお丸はダメージこそ無いが、尻餅をつく。

 そして前から来た、〈盗剣士〉名前はスマッシュと呼ばれるプレイヤーの攻撃を手首に装備している手甲で受ける。

 ダメージこそ食らうが、この状態ならば片手を開ける事ができる、つまりソードスキルを発動するために時間稼ぎが出来る。

 

「おりゃぁ!」

 

 クラインは叫びながらソードスキルを発動させる。

 

(敵のHP半分ぐらい削れたらもっけものっ!)

 

 敵のHPがガクンと減り、驚いた事に半分以上HPが削れていた。

 

「なんだよこの防具! 物理ダメージに強いんじゃなかったのかよ!」

「あー……」

 

 クラインは与えたダメージに驚いていたが、敵の一言でその理由がすぐにわかった。

 MMORPGでの常識である、いや全てのRPGに共通する理屈といっても過言ではない。

 物理特化の防具は、魔法防御にはそれほど強くない。

 

「だーもーやってられっか! 逃げるぞ!」

「お、おい待てって!」

 

 スマッシュというプレイヤーは、一人を置いてさっさとその場所から去ってしまった。

 俺は刀を構ええながらかつお丸と退治すると、相手が武器を捨てて、両手を挙げた。

 

「前にも攻撃してましたよね? 多分、PKするなりアイテム追いはぎするなり自由にしてやってください」

「襲ってこない奴を殺す趣味はおれにはねーよ」

「そう、か……」

「……」

「――、なぁ? どーしておめぇそんな事をした?」

「PK――のことですか?」

「そうだ」

「わからない。 ただ……何をしていいかわからなくて、でも腹は減るし、眠たくもなる、水も飲みたくもなる。 とかいってモンスターと戦うなんて……」

「怖いか?」

 

 クラインの言葉にカツオ丸は一つ頷く。

 それはそうだろう――いきなりMMOの世界がいきなりVRMMOに変わったら、望んでもなく、この世界に捕らえられてしまったら――。

 誰かに縋りたくなるだろう、知ってる人と一緒に居たくなるだろう、そんな事は当たり前の事だ。

 まぁ、そんな世界でも一人でクリアしようと先に進んだのが、キリトの野郎なんだけどよ、人は皆アイツみたいに強くない。

 

「だったらさ」

 

 おれがこいつに教えれることなんて無い。

 俺はSAOでは、仲間で一緒に「攻略」と言う目標に向かって互いに励ましあって進んだ人間だ。

 風林火山があったからこそ、俺は今ここにたっていると思っている。

 そして未だにキリトの友達で居られている気がする。

 

「だったら、人にありがとうって言われる事しようぜ。 なんでもいい狩りを手伝うのでもいい、毎日1回ありがとうって言われる事をしてみようぜ」

「ありがとうって……でも俺達は――」

「『俺達』だから出来ることもあるんじゃねぇか? 考えてみろよ仲間でさ」

「けど俺達は――沢山の人を傷つけた」

「だからさ、その沢山の人と同じだけありがとうって言われるのを目標にしてみたらどうだ? 明確な『目標』があればなんとかなるだろ」

 

 そうして笑う。

 俺達はその目標のために、幾人の人間を目の前で死んでいった。

 でも――この世界での死は死じゃない、やり直しができる。

 目の前で死んでしまった謝れなくなった奴を俺は何人も知ってる。

 あの時助けれなくてすまなかった、あの時一歩踏み出しておけば……って言える事が出来る世界なんだ。

 

「大丈夫さ、カツオ丸。 お前はまだ一人も本当に殺しちゃいねーんだ、頑張ってたらわかってくれる人もいるさ」

 

 そう言うと俺は立ち上がる。

 そろそろログ・ホライズンで班長が美味しい料理を作り始める時間だ、これを逃すわけにはいかない。

 

「さて、俺は上手い料理人が飯作ってくれる時間帯なんだ、そろそろ行くぜ?」

「あ、えっと――はい。 その、ありがとうございました」

「お礼を言われるようなことはしてねぇさ、じゃーな」

 

 そういうとクラインはアキバに向かって歩き出した。

 あれで良かったんだろうか、もう少し掛ける言葉はあったんじゃないかと考えてしまうが。

 今の俺がかけれる言葉は全部掛けたと思う、後は――後はあいつ等の問題だ。

 

 

「はんちょ~うまた今日も美味しい飯くれよ! 飯!」

「はいはい、クラインさんもう少し待つにゃ」

 

 ログ・ホライズンの拠点に行くと、少し時間が早かったのか誰もその場所にはおらず、班長とセララが料理を作っていた。

 

「クラインなんで俺達よりはえーんだよ! 俺達のギルドメンバーより夕食に席に着くなんておかしいだろ」

 

 そういうと狩りから帰ってきたのか、トウヤが笑いながらこっちに歩いてきた。

 

「そういうなよトウヤ、おれっちハラへってたまんなかったんだよ!」

「クラインはいつもメンバーより早いもんなー。いつも何してんだよ?」

「いつも辺りをぶらぶらして戦闘になれてんだよ。 今日は、あれだな迷える子羊を一人聖人の道に歩ませてしまったな……」

「クライン、頭大丈夫か?」

 

 そういう話をしていると、キリト達も戻ってきたようだ。

 

「うっせー、大体キリトとシノンお前等二人で何やってたんだよ、俺だけ除け者にしやがって……」

「シノンに弓を撃って貰って斬る練習、クラインもやるか?」

「イエエンリョシテオキマス」

「はいはい、お話はそこまでにゃー皆さん料理を運んで欲しいにゃ。 そうだにゃトウヤとクラインはちょっといいかにゃ?」

「なんだよ班長。はっ! まさか俺だけ飯抜きとか……?」

「いやいや、そうではないのにゃ。 トウヤ、クラインにタメ口に呼び捨てはどうかと思うにゃ。 クラインの方がとしうえですにゃ」

「あ、あぁ! 待った班長トウヤが悪いわけじゃないんだ。 俺がそういう風に呼んでくれって頼んだんだよ」

「やっぱりまずいよな? 他の知らない人から見たら子供の俺が年上に向かってこんな口調は」

「全然まずくねーから安心しろおめぇはそのままでいい! トウヤは俺の分の料理も頼んだ!」

「あいよー 任せておいてくれ!」

 

 そういうとトウヤはみんなの後を追う様にログ・ホライズンの拠点に入っていった。

 

「どういうことですにゃ」

「まぁ、なんだ、年上一人ぐらい気楽に話せる奴いてもいいだろ? そーいうこった」

「しかしですにゃ」

「わーってるよ、でもまぁ、あいつら自分でお金も稼げてないって思ってるだろうし悩みを聞ける気楽な先輩って言うの必要じゃないか?」

「話しはわかったにゃ。でも節度は守ったほうがいいにゃ」

「節度か、わかったちょっと考えてみるわ」

「クライン……さん! 料理持ってきました!」

「おう! サンキューなトウヤ。後さんはいらねー!」

「中々難しい問題ですにゃ」

 

 班長はそう笑うと、セララが持ってきてくれた料理に最後の味付けを施していく。

 そうして野外に設置されたテーブルで俺達は班長に作ってもらった料理を食べ始める。

 勿論どれもかなり美味しい物ばかりだ。

 

「なぁキリト」

「なんだよクライン」

「ここの料理は美味いな。 アインクラッドじゃここまで美味い料理なかった」

「そうだな、って言いたいところだが。 残念ながらアスナの作ってくれた美味いシチューが最高だな。 あれは美味かった」

「そりゃ愛妻料理にはかてねぇーよ……」

 

 空を見上げると、アインクラッドでも、ALOでも現実世界でも見た事が無い星空が広がっている。

 

「キリト。 絶対に帰ろうな」

「当たり前だ」

 

 親友と拳を合わせる。

 どうやって帰還できるかなんてわからない。

 そもそもこの世界がなんなのかもわからない。

 それでも前に進もうと――、元の世界に帰ろうと今一度決心した。




クラインって心じゃ色々考えている個人的なイメージ
後表舞台には出てないけど、かなり心はイケメンだと思っています。

カツオ丸を出したのはなんとなくです。
いうなれば武士つながりです。
リコピンにして、フラグにでもしようかと一瞬考えましたが、
リコピンはあの美味しいハンバーガーの味を知っているので却下させて頂きました。
スマッシュはまぁアニメだとネタキャラだから別にいいよね?

次の話はアインクラッド在住の皆さんのお話にする予定
そろそろ合流したいですしね。

戦闘描写が何度書いても上手くならない件。
もうログホラのストーリーが主軸だから戦闘省いても……ダメですよね。
頑張りますorz
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