ログ・ホライズン ~落ちた浮遊城アインクラッド~ 作:マスカルウィン
今日は合流後の夜のアインクラッドメンバーのお話。
基本的に現状のやり取りの交換って感じです。
「さてと、とりあえず久しぶりの再開を祝って」
「「かんぱーい!」
ダンスパーティーの後の時間で、俺たちはアインクラッド組みに当てられた部屋に集まって食事会のようなものを開いた。
俺は久しぶりにアスナにあうんだ、それぐらいしたって、文句は言われないだろう。
「まぁ、キリトなら無事だと思っていたが、まさかこんな状態になってるとはな」
「こんな状態?」
「この世界の政治のあれこれに巻き込まれてるって話さ」
エギルが呆れつつ言うので、それに小さく頷く。
「俺だって、こんな事してるとは思わなかったからなぁ。 とはいえ明日もまだ領主会議は続くんだ、早めに切り上げて明日に備えよう」
「そのためには、お互いに保有している情報を交換しないとね」
「あぁ、アスナ頼めるか?」
「キリト君の頼みなら! そのかわりキリト君もこの世界の事教えてね?」
「あぁ、もちろん」
するとアスナは何処からか、眼鏡を取り出して黒板を用意してくる。
一体あのセットは何処で調達してきたのだろう。
いやまぁ、似合ってはいるんだけど、こう若い教師みたいで
「とりあえずほとんどは前回報告したとおり、階層攻略は上にも下にもいけない状態になってて、ボスがとてつもなく強いの。 この世界の戦闘に慣れてないからアインクラッドの住人だけじゃ、ボス攻略は多分難しいじゃないのかな?」
「エギル、そんなに別格なのか?」
「んー、そうだな、SAO時代のボスをALOで強化されただろ? あれを更に強化した感じか」
「――、殆ど攻略不可能ってレベルだろそれ、あれ? そういえば23層のボスは……」
「23層のボスは、ヒースクリフがお助け人物を送ってくれて攻略できたんだ。 名前は確か――ユージオと言ったか」
「なっ!?」
ガタンと椅子から立ち上がり、喋っていたサクヤに詰め寄る。
エギル、アスナ、サクヤその場に居た全員が驚いていたが、そんな事を気にしている余裕は無い。
「ユー、ユージオだって? その武器とか姿とか教えてもらってもいいか?」
「あ、あぁ、武器は氷で出来た剣を使っていたな、後氷の魔法のような物も使っていた、防具は――、アリスさんに雰囲気が近かったか……?」
「あ、そういえばそうね、アリスの防具の雰囲気が似てた。 とは言っても銀の防具の下に青い防具を装備していたな」
「……ユージオがなんでこの世界に――」
「キリト君、ユージオの事を知ってるの?」
「――あぁ、『あの世界』の親友だ」
けどユージオはあの時死んだはずなんだ。
フラクライトはあの時に完全に消滅したはず、何故今更この世界に――
そもそも、茅場と一緒にいる?
「キリト、そのユージオなる人物がどうかしたのか? 凄い難しい顔をしているぞ」
「あ、あぁいや――なんでもないんだ。すまないエギル」
「ねぇキリトユージオの事は聞きたい事があるんだけど、もしかしたらって可能性があるから聞くね」
「あぁ、どうしたんだよアスナ」
「サチって人知ってる?」
「え?」
「キリト君知ってるの?」
何も答えず小さく頷く。
遠い、非常に遠い記憶。
『俺』からすれば、200年以上昔の記憶、いや『記録』と言ったほうがいいのか。
「知ってる。 けどまだこれ以上は話せない。 ごめんなアスナ」
「キリト、君……? うん、わかった。 話してくれるのを待ってる」
間違いなく――、これは『俺』が話をしていい話ではない。
いや、感じた事は間違いなく『俺』自身の体験だ、けどこのアスナは、『俺』のアスナではない。
だから……二人のためにも、『俺』は今ははぐらかすしかない。
「とりあえず、明日も領主会議が続くので……俺達アインクラッド組が取るべき手段を考えよう」
「とるべき手段? 普通に冒険者と協力関係じゃダメなの?」
「基本的に、冒険者と協力関係を見せるというか、俺たちは『冒険者』として今は認識してもらったほうがいい……が」
「が? なんだよキリト、そんな意味深で止めるなよ」
「正直な話、『冒険者』よりも強い位置にいるのが俺達だ」
「何故そういい切れる? 俺達のスキルも、この世界にあわせて変更されてる。 そこまで差があるように思えないが」
「どちらかと言えば、慣れているこの世界の住人の方が強い気がするのだが……」
「まぁ俺達は実際に戦って、MMOを楽しんでいたと言うアドバンテージはあるが、それも慣れてきたら同等になるんじゃないか?」
「普通のプレイヤーは」
「普通の?」
「俺たちは知ってる、心意の力を」
俺は心意の小太刀をイメージして放つと、SAO、ALO、アンダーグラウンドで発動した心意が発動する。
その心意の小太刀は同じく、心意の小太刀を放ったアスナの心意で遮られる。
「少なくとも、俺たちはアミュスフィアか、ナーヴギア、もしくは、STLでログインしている事になる」
「心意の事は私にはよくわからないが――、少なくとも現実世界ではないという事か?」
「だと思うんだが……なんだろう、ただ、現実世界じゃ無いと言う一言では終わらせるわけにはいけない気がする」
「どういう事だ?」
「――まだこの世界の情報が少ないんだ、もう少し考えるべきだと思う」
「結局はそこに行き着くしかないか、とりあえず現状は冒険者に協力する事で決定だな」
エギルがそう宣言し、そこにいるメンバーは大きく頷いた。
その後、冒険者達の話をざっくりと話、こういう状況という事を伝えた。
3人の質問等に答え、この世界の現状と言うのはある程度は理解できただろう。
少し、『キリト』より情報量が多いかもしれないが、後で報告しておけば問題はないだろう、多分。
アインクラッド組の会議が終わり、各々用意された一人じゃ大きすぎる部屋に戻りベットに飛び込む。
さて、明日からが大変だ――。
寝ようとしていたときに、寝室のドアが勢いよく開け放たれる。
そこには寝巻き姿のアスナの姿があった。
「やぁ、アスナさん、どうしてそんなにお怒りモードなんですかね?」
「久しぶりの夜だからきっとキリト君のほうから、来てくれると思っていたのにいくら待っても来ないからです!」
「だって、明日は忙しいんですよ?」
「それでも!」
そう言いながらアスナは布団にもぐりこんでくる。
慌てて脱出しようとするが、既に逃げられないように手を持たれている。
よこしまな考えが出る前に寝ようとするため、寝返りをうちアスナと反対の方向を向く。
アスナは潜り込んで、枕辺りに顔を出したのだろう、耳元に息遣いが感じられ、ぞくっっとしたが意を決して寝ようと目を瞑る。
スチャ
布団の中でアスナのレイピアが俺の背中にいつでも攻撃出来ると言ったアピールなのか。
「アスナどうしたんだ? そんなに俺が怒らせたのか」
そう言いながら体を起こそうとするが、アスナの声に止められる。
「動かないで! そのまま質問に答えなさい」
「本物のキリト君はどこ?」
「どうしたんだよアスナ、まるで俺が偽者みたいに……」
「うんん、あなたはキリト君に良く似てる。 うんん、違う。偽者じゃないけど、私が念話で話してたキリト君じゃない」
「……どうしてそう思う?」
「質問に質問で返すのは好きじゃないんだけど、じゃぁなんで貴方が、キリト君を庇う必要があるの?」
「伊達にキリトと共に、崩壊せずに生き続けた訳じゃない……か」
心意の力を持って、レイピアと布団を蹴り上げ、そのままベットに座る。
「流石キリトの恋人……強い人格と言うべきか、すまないアスナ……さん。 俺はキリトであってキリトじゃない」
アスナはレイピアがはじかれ、得物が無くなったというのに少しも折れずに俺を見据えている。
「じゃあなんだって言うんですか?」
「アスナ……さんには聞いててもらったほうがいいのかもしれない、少々長いけど大丈夫?」
「――最初に確認です。 キリト君は元気なんですか?」
「そもそもこの作戦考え付いたのは、そのキリト君なんだぜ?」
「え――?」
その夜はアスナに向かって、数時間俺とキリトの関係を話す事になった。
アスナは俺の話を聞いた後、皆には内緒にしないとねと、納得してくれた。
「そういえば……なんで今キリト君に連絡付かないの?」
「あー、名前変えてるからじゃないか?」
「名前を? どうやって?」
「そりゃ心意の力を使って、今は『翠』って名前の女の子プレイヤーだよ」
「お、女の子!?」
「あぁ、性別と見た目と名前をちょっと弄ってるんだ」
「……見たい」
「え?」
この世界にも心意の力はありました。
と言うか、この二次創作の設定の中では、
口伝=心意に近いものと言う認識だと嬉しいです。
オーバースキル=心意に近いもの、そんな認識でお願いします。
基本的に物語が動かないお話ですが、
それでもまぁ色々頭を捻るお話でした。
次はゴブリン襲撃の一方……と行きたい所なのですが、
リ=ガンとのお話をして、ちょっとこの二次創作の設定を公開していきたいと思います。
リ=ガンとの会話は、絶好の公開するチャンスですので……
基本的に原作のお話のあれこれはスキップで云々。
(多分次の投稿は遅れると思うので……すいませんがよろしくお願いします)
キャラクターネーム 『翠』
レベル 24
職業 守護戦士
サブ職業 片手半剣使い
もう一人のキリトによって、オーバーレイされたキリトの姿。
守護剣士という職業でありながら、盾を持たず、バスタードソードと呼ばれる重たい武器を両手や片手で操る。
盾で攻撃を受けるのではなく、剣で攻撃を受けると言った前衛のスタイル。
もう一人のキリトによって、見た目から全てを変更されている。
ガンゲイル・オンラインのキリコに近い容姿と想像していただけると嬉しいです。
ちなみに私の独断により性別は女の子にさえていただきました(ゝω・)テヘペロ