ログ・ホライズン ~落ちた浮遊城アインクラッド~ 作:マスカルウィン
評価を投票不可にしております。
理由は多々ありますが、察してくださると嬉しいです。
前話での修正部分をみつけたので、後日数行を変更させていただく予定です。
キャラ崩壊注意!
「ここがアキバか……なんというか想像してたのと全然違うな」
「もっとビル群とか想像してた? 僕達からするとこのアキバがエルダー・テイルのアキバの街なんだけどね」
シロエが苦笑しながら言うと、そのまま街の中に入り道路を歩いて行く。
「そういえばシロエ、アカツキさんの事なんで俺たちに言わなかったんだ?」
「敵を騙すなら、まず味方からって言うでしょ?」
「まぁおかげで助かったんだし、キリトも愚痴々言うなって!」
「まぁ、そうだな疑ってすまないシロエ」
直継のフォローのおかげで助かったけど、アカツキさんは完全に保険だったんだよね。
キリトとシノンか、あの二人は何を考えているかまださっぱりわからないし、あの二人が言っている事が正しいかどうかもわからない、何か問題があったら不味いからっていう事で、アカツキさんを別行動にさせてたけど……それが今回は良かったものの、次からはキチンと付き合うようにしないと。
それにしてもアカツキさんは、仕事人だなぁ……何も言わずともこちらに合わせてくれるというか――。
「どうしたんだ? 変な妄想しまくり祭りか!」
「え、シロエって割と真面目そうなのにそんな事考えているのか?」
引き気味にキリトが言うと、シロエは慌てて首を振って否定する。
「そんなんじゃないよ、ちょっと考え事を……ね、っと念話だごめん」
一同は歩みを止めて、緑に包まれつつあるビルに背中を預ける。
「けど、なんていうか――」
シノンが頭を捻りながら言葉を捜す。
「なんとうか、町全体の雰囲気が重たいというか、活気が無い気がするのは私だけ?」
「いや、俺も感じた。 なんというかこう静かじゃないんだけど――」
「目的が無く、何をしていいかわからない」
アカツキがキリトの言葉に付け加えるように言った。
「目的が無いって……ゲームからの脱出とかは? 」
「それがとっくにわかっているなら、誰もがそれを目指すだろう」
「それじゃ、レベル上げをするとか――」
「一部の<<冒険者>>は積極的に街に出て、レベル上げとかしているだろうが――今までパソコンのモニター越しにゲームしていた奴らが、いきなりこの世界に連れてこられて、じゃぁ目の前の敵と戦ってくださいといわれても戦えると思うか? ましても目的も無く」
「……確かに言われてみればそうか」
俺達は茅場という存在によって、現実世界のゲームに閉じ込められた、それはある意味帰る場所があり、尚且つ脱出する手段が残されていたから俺達が攻略組みとして戦う事が出来た。
100層を全て攻略すれば俺達はゲームから脱出し、あの仮想空間から脱出でき、そして現実世界に帰る術があるからこそ、俺達は戦う事が出来た気がする。
では、今のシロエ達はどうだろうか?
何の理由も説明も無く、この世界に入れられて死ぬ事も出来ず、ただ生きるだけ――
目的を持たない生というのは、それは人と呼べるのだろうか?
……わからないな、そんな物に答えなんて出ない。
「……リト、 キリト!」
「あ、あぁどうしたんだ、シノン」
「何がどうしたんだ? よ シロエが知り合いのギルドに呼ばれたって、一緒に行く?」
「そうだな、行こうか。何か情報があるかもしれない、クラインを迎えに行くとしても、この世界の情報がもっと必要だ」
あぁ、そうか旧アインクラッドでは、「脱出」と言う目標があった。
ALOでは、アスナを助けるために。
GGOでは死銃を探し出すために……。
考えれば目標と言うのは常に存在してた。
アンダーグラウンドに至っては、天職が存在しその天職を死ぬまでやらないといけないという絶対的な命令が存在した。
しかしこの世界では、命令される事も無く、明確な目標も無くそれでも生きなければならない。
人々が暗くなり、どん底になるのも無理はないと言うのか。
この世界にクィネラがいれば、さぞ恐ろしい事になっただろう。
間違いなく、神にも等しい力を手に入れていた可能性がある。
いや――、もしかしたらそういう風に企んでいる人間がいてもおかしくは無い。
……そうか、この世界には<<禁忌目録>>は存在しない、故に「罪」が無いんだ。
犯すものが無いければ、罪は発生しない。
何処の世紀末だよここは――。
死ぬ事が許されないが、何でも出来る世界、その事により罪が発生しない世界。
「キリト行かないの?」
「あぁ、ごめんちょっと念話するからさ、先に言っててくれ」
「わかったわよ」
シノンに催促されてある決断をする。
何かあってからは、遅いかもしれない手は打っておくべきだろう。
そう考え、なぜかフレンドリストに登録されていた名前を押した。
「そもそも、キリトはギルド会館ってわかならなかったよね?」
シロエが苦笑しながら言う、それもそうだ先に言ってくれと言ったのはいいが、結局シロエ達に戻ってきてもらった。
「地図見ればいいって、思ってました……」
「とりあえず、こっちに三日月同盟ってギルドのギルドマスターに呼ばれたんだよ」
「こんばんわ、マリ姉どうしたの?」
キリトはあわただしく動き回る、恐らく三日月同盟のギルドメンバーを観察していた。
いくらなんでもこの深夜に、バタバタするのはちょっとおかしいよな? 何かの準備かそれとも――。
「あー、えーとな」
呼び出したのは確か相手側だったはずだ、しかしどうにも口が開くのが遅い。
メンバーが気を使ったのか、奥の部屋に入ったのだが、それでもマリ姐と呼ばれたプレイヤーは口を開かなかった。
仕方が無いので、何か話題が無いかと考えた結果、自己紹介をする事にした。
「始めまして、マリエールさん? でいいのかな俺はキリト、そしてこっちが……」
「シノンです」
「そういえば、始めましてですね、森の中で知り合ったんだけどどちらも腕の立つ信頼できる<<冒険者>>だよ」
そうシロエに紹介されたので、あわせて頭を下げる、しかしなんというか冒険者という肩書きには慣れない。
どちらかといえばプレイヤーと、呼ばれるほうがしっくりくる感じがする。
「始めまして、三日月同盟のギルマスのマリエールです。気軽に呼んだってな、そしてこっちが」
「ヘンリエッタと言います、よろしくお願いします」
「それでマリ姐、僕達に何か用――、いやどこかに遠征に行くつもりなの?」
シロエは慌しいギルメンを見て、遠征にいくと判断したのだ。
それもそうか、いくら日本の半分の大きさとはいえ、歩いていくとなると何処に行くのにも時間がかかるだろう。
「エッゾ――というかススキノにな」
シロエが俺を見た。
その意図は読めないが、とりあえず今は黙っておく。
「トランスポートゲートは現在使用不可、ススキノに行くのには遠征しかないのです」
「それはわかります、しかし何故今?」
トランスポートゲートは恐らく、都市と都市をつなぐ転移門的な物だろう、それが使用不可となると歩いていくしかないのか。
「ススキノな、ここより治安悪いらしいねん、そんで大災害の当日運悪くススキノに行っているプレイヤーがいてな……」
そこまででキリトは把握した、このギルドはススキのに遠征し、そのプレイヤーを助けに行くつもりなのだ。
「そんでな、シロ坊にはアキバに残る人たちの様子を見て欲しいよ? アカンかな?」
その言葉を聞いたシロエは悩んでいる気がする、いや実際に何かと葛藤しているのだ。
「勝手なお願いなのは重々承知しています、しかしどうかシロ様、直継様、アカツキちゃんどうかお願いします」
言葉が出せる状況ではない、俺はこの世界の事をまったく知らないのだ、付いて行きたいと言った所で同行は許可してくれるかもしれない。
それは足を引っ張る行為になるんじゃないか?
それと色々考えて、見て分かった事がある。
ここはVRMMOなんかじゃない、俺たちが過ごしてきた世界とは根本的に違う。
ここは異世界なんだ、根本的な考えを改める必要がある。
シロエが何か言いそうになったが、それを押し留めようとしたとき
「いえ、シロ」
「主君の出番だ」
シロエの仲間二人からシロエに向かって声がかけられた。
「僕らが行きます」
「え?」
「僕らが行くのがベストです」
「そんなっ、シロ坊うちらそんな事をねだっているわけじゃっ……」
マリエールの言葉を無視するかのように振り向き、仲間を見るシロエの顔は何かを吹っ切れた顔をしている。
「モチのロンだぜ!」
「主君と我らにお任せあれ」
マリエールとヘンリエッタに答えられないように返事をする二人、こうなる事はなんとなく予想は出来たのだが――。
「シロエその旅に俺達も同行させてもらいたい、ススキノにははぐれた親友がいるんだ」
「……言われると思った、けどそれは出来ないんだ、すまないキリト、シノン、けどその親友も一緒に迎えに行くからこの街で待ってて欲しい」
「何故だ? やはり足手まといだからか?」
シロエの顔は本当に申し訳ないという色が出ていたのだが、それでも俺は聞いてしまった。
「それは違う、人数が多いほうが間違いなくいいんだけど、キリト達は僕や直継が持っている移動手段を持ってないんだ、だから……」
「いや、そこまでで大丈夫ありがとうシロエ、そして無理を言ってすまない」
「そこでマリ姐この二人を三日月同盟で保護じゃないけど、様子を見て欲しいんだけどいいかな?」
「ええけど、二人はそれでええの?」
よくはない、がクラインを救出するのに俺たちが居ては邪魔になるのならば引き下がるしかない。
不本意だが、ススキノにはシロエだけで行ってもらい、俺とシノンはアスナ達に連絡する情報を集めるべきだろう。
「このギルドにお世話になっていいなら、ね? キリト」
「あぁ――すまないが頼めるか、三日月同盟のギルドマスター」
「あぁ、もちろん……!?」
マリエールが驚いてソファーから立ち上がるのと同時に、シロエ達やキリト達も慌てて視界の上を見た。
「これは……システムコール!?」
<<アインクラッドにて22層ボス「死霊の王」の攻略に成功しました、アインクラッド23層の開放とラストアタックボーナスを該当者に送付しました>>
「アインクラッド――アスナ達か! けど死霊の王なんてボスじゃ、一回目も二回目とも違うはずだ、また別のボスが配置されているのか」
同時にアスナがじっとせず、動き回ってる事に少し喜びを得ていた。
アスナ達も頑張っているんだな――。
状況を説明しようと、シロエ達のほうを見ると、シロエと直継が驚きの表情を浮かべていた。
「死霊の王? ハデスズブレスのボス……もしかしてっ! キリトその貰ったアイテムを、教えてもらえるなら教えて欲しい!」
「ど、どうしたんだ慌てて、わかった少し待っててくれ」
シロエの驚き方に押されつつ、恐らく攻略をこなしたアスナに連絡と付ける。
「アスナ! ボス攻略をしたんだな、突破おめでとう!」
「キリト君、あのシステムコール聞こえてたんだね。ありがとう」
「早速で悪いんだけどさ、LAって誰がとったんだ?」
「私が取っちゃいました! けどALOの時には無かったアイテムなんだよね、よく分からないNPCも助けに来てくれたし」
「ボス攻略戦でNPCが助けに来るって……本来ありえないよな?」
「うん、私ビックリした、それでアイテムなんだけどワイバーンの笛ってなってる、3人乗り用のモンスターらしいよ?」
「そうか、ありがとう」
念話をつながったままシロエに話す。
「シロエ、どうにも騎乗系モンスターを召喚する笛らしいんだ、丁度俺のフレンドが貰ってて……どうしたんだ?」
シロエは話を聞くと、非常に難しい顔で悩んでいる。
「現状そのアインクラッドの場所はわからないんだよね?」
「海の上周りはなーんもないから、皆は何処にいるかも分かってないと思う」
「そうか、ありがとう マリ姐僕達は早朝街を出ます。帰ってきたら詳しくアインクラッドのことを教えて欲しいなキリト」
「移動手段が無い以上、俺たちが一緒についていけない……ってそうか」
「アスナ、ちょっと借りるぜ!」
そう言い、お互い共有化しているアイテム欄を覗き込む、アスナが持っているのならば、俺のイベントリにも――あった!
それを選択し、実体化させる。
「これが、ワイバーンの笛だ、これがあるなら一緒にススキノに行けるだろ?」
その笛を見たシロエ達は絶句していた。
それはそうだろう、持ち主が遠く離れているはずのアイテムをキリトは自身のイベントリから取り出したのだ。
「キリト結婚システムに付いて説明したほうがいいと思うよ?」
シノンは呆れながら言うと、キリトは思い出したかのように言う。
「俺達のVRMMOでは結婚システムというのがあって、結婚するとアイテムを共有化されるんだ」
「つまり、キリトのそのお嫁さんがそのアイテムを保持していて、キリトがそれを貰ったと」
「だな、これでも一緒に行けないか? シロエ」
「騎乗系ペットを持ってるなら別だ、一緒に行こうキリト」
シロエが手を差し出してくるので、それをつかみ握手をする。
「無理言ってすまない、シロエ」
「水をさして割るいんやけど――、俺達のVRMMOってどういう事なん? シロエ、キリト?」
シロエは少し困ったかをでこちらを見てきたので、俺は頷いた。
そもそもあんなに大きくアインクラッドの名前が表示されたのだ、今後ばれる可能性がある、秘密にしておく理由はもう無い。
かくかくしかじか。
「はー、そないな事が……ヘンリエッタ、これは私たちの胸のうちにしまっておこうな?」
「わかりました、事が事ですからね、秘密にさせて頂きます」
「それはそうと、リアルでも結婚しているわけじゃないよな? そうやとお姉さん悲しいやけど――」
「さすがにまだ学生だからね、16歳ですし、あーでももうすぐで17歳ですね」
「16歳!? なんかすっごい昔に感じるわー」
「マリ姐も十分若いよ、気にし過ぎだって」
「せやけどなー、ゲームの世界とはいえ結婚してるなんてうらやましーわ」
その言葉にシノンの耳がピクリと動いた気がした、いや多分気のせいだろう。
「いやでも、キリトって現実世界でもアスナと交際してるんだよねー? それなのに、私を抱きしめたりとか、他の人を無意識で口説くから本当に……何か言ってあげてくださいよ」
どうやら気のせいではなかったようだ、というか爆弾発言!
「えっ、ちょシノン!? いや確かに抱きしめたのは間違いじゃないけど! それとそれとは話が別物というか……」
「キリトくーん? そんな話私はっ――」
とりあえず一番の問題である念話を切る。
「へぇ、キリトって女垂らしだったんだ――」
引き気味に言うのはシロエ。
いや違うんだ、彼女いるのに全国ネットで、シノンを抱きしめたのは間違いないけどっ!
「16歳やのに、そんな多人数とお付き合いを――? 不健全な人? シロ坊信用できる冒険者って言ってたのに……」
「ごめんマリ姐そんな人には、見えなかったんだよ」
「え、ちょシロエ! シノン早く訂正しないと大変な事に!」
「事実でしょ?」
キリトが直継とアカツキに弁解している間に、シロエはマリエールと話していた。
「悪い子じゃないね?」
「そうやね」
「マリ姐お願いがある、アキバの街で流れ星か何か落ちてくる物体を見た人がいるか聞いて欲しい、それも大手ギルドには見つからないように」
シロエはキリト達を見ながら、表面的には笑顔で話を続ける。
「難しい事言うなぁ、あの子達の城だよね? まぁ期待はせんといてよ?」
「頭の片隅程度で、多分あの子達の城が今後未来に関わって来ると思う」
眼鏡を直しつつ答えるシロエ、少々黒いオーラが見えたのは多分気のせいではない。
「わかったわ、そのかわり――」
「そのかわり、ススキノにいるプレイヤーは任せてください」
「頼んだわ、名前はセララちゅうねんお願いするな」
「はい」
笑顔で頷くシロエを見たキリトは。
「も、もしかして信用してくれたか?」
と少し疲れた表情で話しかけてきた。
「少なくとも、キリトのいう事よりシノンのいう事のほうが信用できるかな、あんなに可愛いプレイヤーに抱きついておきながら、彼女持ちって……」
酷く落胆したように言うと、キリトが項垂れる。
「そういえば、アリスに聞いたんだけど、幼い子のおでこにキスをしたって話も――」
「ちょ、アリス何話しているんだ! しかも一番話してはいけない人に!」
「えぇ……ねぇ直継、キリト連れて行くの止めた方かもいいかも知れないね?」
「そうだな、女の子口説きすぎ祭りだぜ」
「シノン、他にそういう話題はないのかい?」
シロエはこれ以上無い黒い笑顔でシノンに問いかける。
それに答えるかのように、最上級の笑顔でシノンは答えようとした。
「そうね、そういえば――」
「もう勘弁してくれぇ!」
キャラ崩壊MAX祭りだぜ!
色々簡略化しすぎて違和感MAX祭り。
そんでもって、視点がかわりまくりで、混乱させてるかなとか思いつつ。
キリトとシロエが別行動し始めたら、多少は見やすくなると思うのでそれまで我慢していただけると幸いです。
次はアスナ視点の予定ー