ログ・ホライズン ~落ちた浮遊城アインクラッド~ 作:マスカルウィン
そして多分この話が一番脳内補完頑張ってもらわないといけない話になると思います。
そして予約投稿。
「うめぇ!」
猫の人が作り上げた料理に、感激しながら食べる。
食べ続ける。
シノンも味気ない料理に、流石に嫌気をさしていたのか、鹿肉を美味しく頂いていた。
ススキノを脱出し、それぞれの騎乗ペットで南下しキャンプをはった。
しかしながら――、ソードアートオンラインでもALOでもそうだったが、アイテムをクリックをし使用だけでキャンプなり、寝袋なりすぐに作り上げられていたのだが、ここでは一から作らなければならないのは非常に面倒であった。
最初の頃は、シロエや直継達に作ってもらってばかりだったが、流石に回数をこなしているとその作業にも慣れてきた。
この世界が、VRMMOにとっておかしい点がにゃんた班長が教えてくれた。
それは、自身の手で作るという点である。
例えば料理であれば、SAO、ALOでは見てる限りでは簡単に作成できていた。
いちいち、煮込む時間が長いほうがシチューが美味しくなるとか、数時間に込まないと料理ができないといった制限はなかった。
この世界では、卵焼きを作るのには鶏から卵を取り、火をおこし、割って、焼かなければならない。
そういう事を理解する事ができた。
ちなみに、これらの事は全てアスナには連絡済である。
「いやー本当にシロエと直継とアカツキさんには、感謝しきれないっす。マジ感謝!」
そう言いながら頭を下げるクライン。
合流した後、ススキノで何かあったのかと聞くと、基本的にずっとにゃん太班長の個人ホームで引きこもっていたらしい。
なにはともあれ、無事でよかった。
「しかし、料理人が現実世界で料理を作るように料理を作れば、キャンプセットをキチンと組み立てれば、ちゃんと使えるのか」
串に刺さった鹿肉をほおばりながらつぶやく。
割と簡単に見てたけど、冷静に考えたら非常に大事な事なんじゃないか?
にゃん太がセララの自己紹介を促すと、セララが簡単に自己紹介をし、シロエや直継、アカツキと言った面々が挨拶をしていく。
俺とシノン、クラインの自己紹介が終わり、ふとした疑問が出てきた。
「ちょこちょこ、話に出てくる〈放蕩者の茶会〉《デボーチェリ・ティーパーティー》ってなんだ?」
「主君と老師が所属していた、伝説のギルドのお話だ」
アカツキが話してくれたのを聞きながら、納得する。
なるほど色々何かした、ゲーム内で有名なギルドなのか。
「いやちみっこ、俺もだからね! 俺もティーパーティーの一員だから! それにあれはギルドじゃねーよ、パーティーだ。 なんていうか居心地がいい場所っていうか、まぁそん感じだよな班長!」
「そうですにゃ、あそこの居心地は最高でしたにゃ」
「なぁキリト、俺達みたいだな」
クラインがそう呟くのに頷く。
俺達は別段ギルドに所属しているわけではない、けどいつも冒険や何かをする時はパーティーを作って行っている。
一度ギルドの話は出たのだが、いつの間にか無くなっていたな。
目を瞑ると、アスナが、ユイが皆がすぐ傍に居るような気がする。
俺を救ってくれた皆が。
「シロエ、皆丁度いい機会だ、話そう俺達の『歴史と世界に』について」
パチパチと焚き火が音を立てるのを聞きながら、俺は話し始めた。
「この世界での年数ではどうなのかわからないが、俺達の世界で始めてVRMMOが発売される事になった、そのゲームのタイトルが「ソードアート・オンライン」と言う。 ゲーム開始の時の人数はソフトが約1万本発売されて、プレイヤーは大体1万人ぐらいだったと思う」
「約? 1万人ならプレイヤーは1万人ぐらいじゃないのか? 大体そんなゲーム発売した時に買う連中は廃人が多いだろ」
「ゲームしたくて買ったけど、プレイできない連中と、βテスターは除いてる」
「ちなみに、キリトは全世界で千人しか選ばれなかった、βテスターの中の1人なんだな!」
クラインがまるで自分の自慢のように話す。
「そういえばにゃ。 我輩もβテスターだったにゃ。 もう20年も前のお話だからすっかり忘れてたにゃ」
「そんなに、このエルダー・テイルは続けられていたのか――」
20年前からエルダー・テイルは続けられていたのか。
いやちょっとまて、にゃん太班長ってリアルじゃいくつなんだろう。
ちらりと班長の顔を見る。
「どうかしたかにゃ?」
「いや、なんでもないです。 えーっと話を戻すな、そこで一つの事件が起こった。 俺達プレイヤー達はゲームの中に捕えられ、ゲームで死ねば現実世界で死ぬというデスゲームになってしまったんだ。 ちなみにソードスキルはその時に実装されてた技だな」
そう言いながら、ソードスキルを発動させる。
「それじゃ、キリト達はデスゲームの最中にこの世界に?」
「いや違う、俺達はそのデスゲームをクリアし、その後出来たVRMMOの世界でプレイしていると気が付いたらこの世界に来ていた」
「おいおい、キリトよぉ大事な事忘れてるんじゃねーよ。 そのデスゲームをクリアしたのはお前って事飛ばすなよな!」
「えっ?」
「いや、あれは俺だけがクリアしたわけじゃないしな」
キリトは申し訳なさそうに首を振る。
そんなキリトに、シノンがキリトを覗き込むように見る。
「なんだよシノン」
「私達もその辺の話ちゃんと聞いてないから、聞かせて欲しいな」
「あぁそうか……当事者のアスナとクラインしかあの時のことはしらなかったもんな。 ゲーム開発者であり、デスゲームを始めた張本人である茅場を75層で倒したんだ、それでデスゲームはクリアされたそれだけだよ」
そういうと、シノンはクラインに本当に? と聞きに言った。
その様子を見ながら、シロエ達に話しかけられた。
「つまり、キリト達は何ヶ月かわからないけど、仮想世界で過ごしていたと」
「ソードアート・オンラインの時間だけでも約2年間ゲームの中で過ごしていた、その後をあわせると……もっといってるな」
実際問題200年単位で仮想世界で、暮らしていたんだが……まぁその話は今する必要はないだろう。
「しっかし、ゲームや小説のような話が実際にある世界か、シロエが行ってたら間違いなく廃人まっしぐら祭りだな!」
「否定できないのが辛いね」
「また話す機会があれば、俺達の世界の事話すよ。 今日はもう夜も遅いし寝ないか?」
「そうだね、アカツキとセララさんはもう夢の中だし」
班長が二人に毛布を掛けながら、優しそうな顔をしていた。
シノンのほうを見ると、クラインの話を聞いてはいるが非常に眠そうな目をしている。
「だな、明日もキャンプだろうしな、話す機会もあるだろう」
そう言ってその日の夜はお開きになった。
その後も数日間、空を飛び地面を走りキャンプをし、アキバの町に帰るためのたびが続いた。
夜になり、火を囲み、エルダー・テイルの世界の事をキリト達が聞いたり、
ソードアート・オンラインの事をシロエ達が聞いたり、MMOならではの他愛のない話をしつつ、旅は続けられた。
そんなある日、かなりアキバに近づいてきた時に山の向こうで雨雲が見えた。
「シロエ! 雨雲が見えるどうする!」
キリトは同じく空を飛んでいるシロエに、念話を飛ばしてこれからどうするか聞く。
少し間が空いて後、返事が返ってきた。
「近くに村がある、そこで一休みさせて貰おう」
村の世話係を名乗る大地人の男性に、倉庫を貸してもらえる事になり、ご一行はその倉庫に転がり込んだ。
ユージオと旅をしたときのことを思い出すな。
ふと頭の中に、かつての親友の顔がよぎった。
「皆さんはツクバの町から来た冒険者ですかな? こんな辺境までご苦労な事です」
「あぁいや、アキバの街に帰る途中なんですけどね」
「そうでしたか、かなりの大人数の旅、さぞかし面白い物になったんでしょうね、我々大地人は旅はあまりしないものですから」
そう言いながら、男性は俺達の近くに椅子を持ってきて、腰を下ろした。
すかさず、台所から班長が出てきて、お茶を男性に出す。
「中々いけるでしょう?」
「確かに、これは美味しいですな」
その様子を見ながら、ススキノに戻りあの少女だけでも助けるべきかと、キリトはまた悩み始めた。
大地人はNPC? そんなバカなっ! こんなにも会話ができてる。 ソードアート・オンラインのほうがまだNPCらしかったぞ。
心の中で、冒険者を罵倒するような声をあげる。
会話をすればするほど、大地人が人間にしか見えなくなってくる。
俺達と考え方なんて何も変わらない、普通の人間。
作物を育て、家畜と共に行き、自然と生きる……なるほど大地人という名は間違いなく正しいのだろう。
「シロエ、俺には大地人がNPCになんか見えない。 どちらかと言えば人間に見えて凄い力を持ち、死んでも復活できる俺達の方がありえない存在じゃないか?」
「僕も感じていた。 多分人間なんだよ。 僕達冒険者が本来ありえない存在なんだよきっと」
<<冒険者>>のシロエからそういう言葉が出てきて、安堵のため息をつく。
一度アキバの街に戻ってから、言おう。
ススキノに遠征に行き、あそこに居る大地人と冒険者たちを救おうと、シロエなら賛成してくれるはずだ。
あの少女を助けえるためにも、もう一度ススキノに行く必要がある。
そこまで考えて、思考を一度とめる。
この世界に借りはない、脱出する手段を探すほうが先決ではないか?
俺、シノン、クラインがこの世界の情報を収集できる唯一の存在だ。
ならば、余計な事をせずアインクラッドに居る人たちのために、尽力を尽くすべきではないか?
スグもログアウトできないこの状況に巻き込まれているんだ。
いや、でもしかし――。
答えが出る事が無く、まどろみの中に落ちていった。
朝、一気に空を飛び俺たちはアキバの街に戻ってきた。
三日月同盟の面々が俺達を迎えてくれる。
アキバの様子は変わった感じはしない。
けどなんとなく更に暗くというか、人が減ってる気がする。
その夜、三日月同盟で盛大なパーティーが執り行われた。
あらかじめ班長の手によって伝えられた、味をする料理の事を教えていたので、味のする料理でのパーティーである。
クラインは数々の女の子に手を出そうとして、マリエールに手を出すなと叱られており、シノンは静かに端で飲み物を飲んでいた。
そんな楽しい時間が一気に過ぎ、全員が夢の中に入った時に、俺はその会場から抜け出した。
「さてと、どうするかね」
空を見上げて、独り言をつぶやく。
俺だけの一存では決まらない、というか決めて良い訳がない。
「何を悩んでいる」
「えっ?」
独り言のつもりだったが、突然後ろから声を掛けられ振り返る。
そこには赤い鎧を装備し、白い盾を持った男性が立っていた。
「ヒースクリフッ!?」
「久しいなキリト君、まさかこの世界で会うとは思っていなかった」
「俺もだよ、ヒースクリフ。 またお前の仕業か?」
「そうとも言える、だがそうとも言えない」
「どういうことだ? 自分で答えを探せという事だ、答えはこの世界にある」
「相変わらず面倒な言い回しだな」
「ふっ、そう言うな私は再びこの世界に来られて、歓喜してるのだよ?」
「再び? おい茅場お前どういうことだ!」
「話はここまでだ、だがそうだな。ヒントを一つ」
ヒースクリフは誰も居ない方向にソードスキルを発動させる。
光り輝く盾は、軌道を残しながら盾を横になぎ払った。
「さてと、これだけのヒントでキリト君がどれだけ気づけるかと思うが、私の元にたどり着ける事を祈っている」
「それだけかよ! 他に何か!」
「転移、紅玉宮! あぁそうだキリト君、50層より上は現段階では行けない様にしてあるから」
「ちょっと待て!」
その声を掛けるも、ヒースクリフは転移してしまった。
「ったく、何考えてるんだあいつ……。そもそも転移結晶使えるのか。ALOでは転移結晶がないから、俺たちは持ってないが」
愚痴ばかり言っていても、仕方がない、ソードスキルがヒント? わけがわからないぞ。
わけのわからないヒントの答えを探していると、後ろから足音が聞こえて、振り返る。
「シロエか、どうしたんだ?」
「キリト頼みがある」
この旅では見たことのない表情に、キリトは少し身構える。
「キリト、君の知識とそのスキルを……貸して欲しい。 アキバの街を変える為に」
滅茶苦茶急ぎ足、スキップ多発なぅ。
猟期が終わったので更新速度が多少回復すると思います。
リアル大地人ですので私……時期が来ると忙しいのです。
次は田植え時期に間がかなり空くと思います……。
猟期終わるのは嬉しいけど、罠回収に時間かかりすぎて禿る。