狩猟スタイル。
それは、狩人が己の動きを見つめ直し効率化する中で生まれた一つの答えだ。
基本。
狩人達の得物には、ある程度決められた使い方をハンターズギルドにより推奨されている。
勿論独学で武器の使い方を学ぶ者も居れば、そういった人達の弟子になる事で推奨される戦い方とは別の動きを身に付けるハンターも居る事は確かだ。
無論。
推奨されるという事は、それが効率的であるという事である。
態々それを無視して己を貫くハンターは多くないか、その先は言わずもがな。
ちなみに私は基本に忠実なハンターだ。俗に言うギルドスタイルという奴です。
そもそもそんな特殊なスタイルを使い熟すというのは、常人には難しい。だからこれは私が未熟という訳ではなくて、目の前の狩人が
「───さて、まだやるかねぇ〜?」
純白の衣。
防具というよりは衣類というか、ほぼインナーに近い露出の多い装備。
蒼い縞模様の短い上衣とスカートをひらつかせ、同じく短い真っ白でふわふわな髪を風に靡かせる。
その狩人は右脇に、
防具と同じく蒼い縞模様の入った白いヘビィボウガン。
私にはそれがどんなモンスターの素材で作られているのかは分かりませんが、彼女───友人のC曰くそんなに大きなモンスターではないとの事。
「君達もお腹は空いてるってのは分かるけどねー。あたしも仕事だから、引く訳にはいかないのよ〜」
いつものように軽い口調で眼前のモンスター達に語りかけるCは、草陰に隠れた私と大将さんの乗った竜車を尻目に得物を構え直す。
竜車で旅の途中、私達を襲ったのはババコンガ率いるコンガの群れでした。
ピンクの毛皮が特徴的な牙獣種であるコンガの群れは、頭の毛を固めて鶏冠にしている群れのボスに連れられて行動している。
おそらく貨物車に積んである食材の匂いに釣られてやってきてしまったのでしょうが、そこで私達の前に立ってくれたのは友人のCでした。
軽い調子の彼女はしかし、いつものように眠そうな半目ではなく───獲物を睨む狩人のように目を細めている。
「ユーちゃん……!」
「大丈夫だよ〜、クーちゃん。───コンガ一匹通さないから」
その時、牽制を繰り返していたババコンガが友人のCに向かってその巨体を持って轢き殺そうと突進して来た。
ババコンガの体長は私達が乗っている竜車よりも大きい。そんな生き物に踏み潰されたりでもしたら、どんな装備を使っていても結果は変わらないだろう。
私の悲痛の叫びに片手を上げた友人のCは、あろうことか武器を構えたまま突進してくるババコンガを迎え撃つように構えた。
人間がモンスターに腕力で勝てる訳がない。このままでは彼女は潰されてしまう。
そう思って、悲惨な光景から目を背けようとしたその時だった。
ババコンガの豪腕が、彼女の華奢な身体を弾き飛ばそうとした刹那。
彼女は武器種としては珍しい細身の砲身を持つ自らの得物を前に突き出し、体を捻る。
そのままババコンガの前脚に弾かれるヘビィボウガンを背負うようにして───彼女はババコンガの突進を
「───よっと」
突進を受け流されたババコンガは、仕留めた手応えはないが視界から消えた彼女を探す為に首を振る。
そんなババコンガに、友人のCは背後から再び展開したヘビィボウガンで銃弾を叩き付けた。
「イナシ、ブレイヴか」
「改めて見ると凄いです……」
それも、彼女が凄いのはそれだけではない。
「おやー、君達も相手してくれるのかなぁ?」
ババコンガの突進を受け流した彼女は、必然的にババコンガとコンガに挟まれる事になる。
そんな彼女の隙をコンガ達も見過ごさずに、彼女の周りを囲って包囲網を作っていた。
ババコンガは言わずもがな、コンガも私達人間からすれば巨体の持ち主である。
そんなコンガ達に囲まれてしまえば、大きく重い獲物も相まって逃げる事は出来ない。
「ユーちゃん……」
「大丈夫だよ〜」
私の心配に気が付いたのか、彼女と少しだけ視線が合う。同時に、ババコンガはその巨体を持ち上げて豪腕を振り上げた。
彼女の周りはコンガに囲まれていて逃げ場がない。彼女のイナシも、この状況では隙を見せるだけである。
絶体絶命。振り下ろされる鋭い爪を持った豪腕。
今度こそババコンガの豪腕が彼女を肉塊に変えようとしたその時───
「───それ頂きぃ」
彼女は逆に、ババコンガの豪腕を踏んだ。
振り下ろされたババコンガの前脚を足場にして、彼女は自分の足をバネのようにしならせて跳び上がる。それはまるで、野を駆けるケルビのような軽やかな動きだった。
「……エリアル?」
これには流石の大将さんも驚きます。
彼女の持つ得物にしては変則的な動き。彼女が上位ハンターたる由縁。それは彼女の戦い方の柔軟性にあるのだと、いつか狩場を共にした狩人に聞きました。
「背中がガラ空きだよぉ〜」
彼女は空中で砲身をババコンガの頭に向ける。
放たれた弾丸はババコンガの鶏冠を抉り、彼女は銃撃の反動で着地点をババコンガ達から大きく離した。
「───よっと。……おや、まだやる気かなぁ」
着地した友人のCの眼前で、ババコンガは体を持ち上げて顔を真っ赤にしながら震え始める。
小さな生き物のくせに、あまりにも小賢しい物だから堪忍袋が爆発したか。私が見ても怒っているのが分かった。
「それじゃ〜、とっておき見せようかなー?」
そう言いながら、彼女は自らの得物に何やら大きな弾丸を装填する。
間髪入れずに砲身をババコンガの頭上辺りに向けて引き金を引くと、放たれた弾丸は───空中で爆発した。
空気を燃やす業火。
まるで空中に太陽が出来上がったかのような、空気が炎に包まれていく。
それにはたまらず、ババコンガ達も文字通り尻尾を巻いて逃げ出していった。なんなら私も逃げ出したい。なんだそのとっておきは。モンスターの仕業かと思ったんですけど。
「───はい、退治完了〜。そいじゃー、先を急ぎますか〜」
汗一つかかずに眠そうな顔でそう言う友人のC。彼女が護衛役をやってくれているというのだから、この旅はとても安心していたりする。
「よくやってくれたな。今晩はご馳走にするぞ」
「やった〜。良かったねー、クーちゃん。いっぱい飲めるよ〜」
「いや、護衛任務中に飲まないで下さい」
しかし彼女はいつも通りだ。
さて、そういえば事の経緯を全く話していませんでしたね。まずはそこから話す事にしましょう。
それは街を出る少し前の事でした───
☆ ☆ ☆
『menu15……モンハン食堂旅先のフルコース』
「───もう出発するんですか!?」
街に戻ってきて三日。大将さんの話を聞いて私は目を丸くする。
曰くある程度食材は集まったから、明日の朝にでも出発するとの事だ。
前回ドンドルマに来た時はもう少しゆっくり出来ていたので、今回もそうかと思っていた私は急な話について行けずに頭を抱える。
休みの日に洋服を見たり、新作のポーチを確認したり、そういう───私だってまだ女の子したい年頃なんですよ。
ちなみにそれを伝えた所、大将さんは「は?」と目を細めてそのまま身支度を進め始めました。酷過ぎる。
「……それで、次は何処に行くんですか?」
「今回は火山辺りの村に向かう予定だ。その辺りにしかない食材もあるからな」
灼熱の溶岩地帯、火山なんかにどんな食材があるというのでしょうか。
それにまた今回も長旅になりそうな予感がして、私は旅の無事が不安で仕方がありませんでした。
長距離を移動すれば移動する程、モンスターに襲われるリスクが高くなる。
飛行船等の移動手段が確立されてきた今の時代でも、キャラバンが大型モンスターに襲われて全滅なんて話は特段珍しくない。
護衛ハンターもなしに長距離を陸路で移動しようなんて無謀もいいところなのだ。
「───ん? 護衛ハンター?」
そこでふと、私は何かを思い出します。そう、自分本来の職業を。
「私が護衛って事ですか!?」
「んな訳あるか。俺をそんな命知らずかバカみたいに言うんじゃねぇ」
「いや遠回しに私の事凄く馬鹿にしましたね!?」
これでもランポスくらいなら倒せるんですよ。ランポスくらいなら。
「お前が想像以上に役に立たないのは前回よく分かったからな、今回は護衛ハンターも用意してある。そこは安心しろ」
「それは良かったです───じゃなくて、今ナチュラルに役立たずって言いませんでした?」
「気のせいだろ。とっとと支度しろ」
「酷い」
しかし大将さんに言われては仕方がありません。相棒とかパートナーとか格好良く言っていますが、実際私は大将さんに借金のある奴隷なのだ。
「うぅ……私の安息の街」
せっかく久し振りに友人のCにも再会出来たし、可愛いお花屋さんを見つけたりとここ数日の楽しみを考えていたところなのに。
それに、護衛ハンターを雇ったという事は今回は三人での旅になるという事なんですよね。
「お、お花摘みとかどうしましょう……」
もしも護衛のハンターさんが男性だった場合、なんだかとても気を使う事が多くなりそうです。
それに気を抜けばガチムチの屈強なハンターに襲われるかもしれない。そうなってはランポスしか倒せない貧者な私には抵抗のしようもありません。
しかし考えていても仕方がない。
私は奴隷なので彼の言う事を聞くしかないのだ。
そうして迎えた朝、街の門の前で待っていたのが───
「やーやーやー、旅のオトモにハンターはいかがかねぇ? そこの食いしん坊ちゃん。いまならなんと格安、毎晩の晩酌代だけで護衛ハンターが買えちゃいますよぉ?」
───物凄く不安な売り文句で竜車に乗り込んで来た友人のCだったのです。
時は戻って旅路の途中。
ババコンガを追い返した友人のCは、得物を背負って草木に隠した竜車まで歩いて来た。
巨大なモンスターとさらにその群れまで相手をしてきた筈なのに、彼女はほぼほぼ無傷でいつものフワフワした表情のまま片手を上げる。
これが上位ハンターの力。
私にもこのくらいの力があったら───
「お疲れさん、流石に頼もしいな」
「このくらい朝飯前ってねぇ〜。ところで今は夕飯前だけどぉ?」
「んぁ……どこまでも食い意地の張った二人を乗せてると飯の話しか出てこないな。まぁ、そういう契約だが」
彼女、友人のCですが、雇い賃は本当に言葉通り毎食の食事代だけで良いらしい。
実際にこのレベルのハンターの護衛を雇うなら食事代を出すのは当たり前で、そこからさらに護衛費と追い払ったモンスターによっては追加料金が掛かったりするのだ。
彼女のいう通り、これは格安の契約である。
「移動して今日の休憩場所を探す。食いしん坊、飯の用意だけしとけ」
「はい!」
大将さんが言うと同時に竜車は再び歩き出した。アプトノスのサンセーの歩幅に合わせて揺れる竜車の上で、私はお皿や椅子を出す準備をする。
「今日のご飯は何かなぁ?」
そんな私の隣で寝転んでいる友人のCに「お気楽な人ですね」なんて言えるハズもない。
彼女はこう見えて、仕事中はモンスターの気配があれば寝ていても飛び起きて竜車の前に立って私達を守ってくれるのだ。
これが本物のハンターという事なのでしょう。
小一時間移動してから竜車は少し広い岩地に止まりました。今日はここで休憩らしい。
「これと、これと……」
貨物車から机と椅子を出してから、並べた机の上にキッチンから飲み物用の容器を用意していく。
真ん中にはお花屋さんに貰った青い花。
大将さんの事だから、この食べられないお花には興味も持たないと思ったんですけど、ちゃんと花瓶に入れて大事にしているので意外でした。
「……よし、準備完了です!」
「お疲れさーん」
私が準備している間に既に席に座っていた友人のCは、片手を上げてそのやる気のなさそうな目で私を呼ぶ。
これが狩りの時になれば、人が変わったかのように真剣な表情を見せるのだから人は見掛けによらない。
「ユーちゃんも、今日はお疲れ様です」
「もう三日目だけど、護衛任務も慣れたもんよ〜」
やる気のなさそうなのはそのままに、ガッツポーズを見せてくれる友人のC。
しかしその腕は私からみても華奢だ。どこにあんな力が眠っているのやら。
「私もユーちゃんみたいに戦えたら良かったんですけどね……。やっぱりハンマー持って手伝った方が良いんじゃないですか?」
「邪魔だから引っ込んでて良いよー?」
「ナチュラルに邪魔とか言わないでください」
「誰かに気を使いながら戦うって、凄い疲れるんだよねぇ」
表情は変えずにそう言う友人のCは、キッチンにいる大将さんを横目で見ながら顎を手に乗せて目を細めた。
「……大将さんもさー、そういう気持ちがあるからあたしを呼んだんじゃないかなぁ?」
「え、私が邪魔って事ですか?」
「いやいや、心配してるんだと思うよぉ。クーちゃんをさ」
「私を心配している?」
彼女の言葉に私は首を横に傾ける。同時に吹いた風が、青い花の花弁を揺らした。
「こんがり肉G、大将さんが目指してるのは例のお花───じゃなかった。弟子だったハンターさんへの謝罪の気持ちが大きいと思うんだよねぇ」
「それは……タイショーさんが責任に思ってしまっているから、でしょうけど。それと今の話関係あります?」
「……同じ過ち、繰り返したくないでしょ?」
彼女は静かにそう言って、青い花を指先で突く。
同じ過ち。
大将さんは例え望んでいなかった弟子だとしても、目の前で誰かが傷付くのが許せなかったのかもしれない。
だから私が危ない時は本当に必死に助けてくれたし、物凄い怒ってくれた。
それは彼があのポッケ村のハンターのオトモであった事のプライドではなく、きっと彼の優しさなんだと思う。
「……私、やっぱり足手まといなんじゃないでしょうか」
「それはそうかもしれないけどさぁ」
自分で言っておいてなんですが、そこで肯定されると傷付きますよ。
しかし彼女は少しだけ間を置いて、こう続けました。
「……結局は、それを決めるのは最後だしねぇ」
「最後?」
「もし、大将さんがこんがり肉Gを完成させた時。そのこんがり肉Gに、クーちゃんがどれだけ貢献出来たかが、クーちゃんをそばに置いている意味だと……あたしはそう思う訳ですよー」
「……私がどれだけ貢献できた、か」
私は大将さんのこんがり肉G作りに貢献出来ているのでしょうか。
どうしたらこんがり肉Gを作る手助けが出来るのでしょうか。
まだ、分からない。
「まー、ゆっくり考えれば良いんじゃないかなぁ? 大将さんも時間かかりそうだし」
彼女はそう言って大将さんを横目で眺める。
当の大将さんは私達に出すご飯を作りながら、自分用のこんがり肉を焼いて口にしてはいつものように溜息を吐いていた。
「アレはまた失敗って事ー?」
「あー、はい。いつもあんな感じで、合間合間にこんがり肉を焼いては自分で食べてるんですよね。前、今みたいに失敗したこんがり肉を食べさせて貰ったんですが……普通に美味しかったし何が足りないのかなんて私には分からなくて」
私がそう言うと、友人のCは眠そうな目で「それに気が付けば、きっとゴールに辿り着けるんじゃないかなぁ」と小言を漏らす。
それが分かれば苦労しない。
「───へい、お待ち」
数分後、大将さんは大きな皿を持ってきて机の上に音を立てて叩き付けました。その時点で、豊潤な料理の香りが立ち昇る。
「な、なんですかコレ!?」
大将さんの料理に驚かされるのはよくある事なんですが、今回は大袈裟に驚くしかなかった。
「わー、これはこれは。凄いねぇ」
それもその筈である。だって私達の前に出て来たのは───
「モンハン食堂、旅先のフルコースだ。今日は奮発したぞ」
───宴会でもやるのかと言いたくなるような量の料理の数でした。
「奮発し過ぎです!」
「いやいやー、たまりませんなぁ」
机の上に並ぶ料理の数々。なかなかお洒落な見た目は良いですが、片付けるの大変でしょうねこれ。
あ、片付けるの私ですね。
「右からホロロースの皇帝風マリネ、オニオニオンのスープ、チコフグのムニエル、氷結晶イチゴ、ガウシカのローストだ。デザートにチリチーズのチーズケーキもあるぞ。飲み物はミラクルマキアートだ」
並べられた大盤振る舞いの料理を紹介していく大将さん。その皿の中から、彼は一番初めに紹介したホロロースの皇帝風マリネを私達の前に出す。
「コース料理って言ってな、本来は順番に客に出すもんだ。今回は客じゃないし、試作みたいなもんだから一気に作ったがな」
「あたしを商売の出汁にするなんてねー、なかなかやりますなぁ」
言いながらも出された料理に手を付ける友人のC。こんな時でも商売の事を考えている大将さんは、やはり立派な職人さんなんでしょうね。
ホロロースの皇帝風マリネは前菜。そしてスープの次に魚料理であるチコフグのムニエルという順番で食べ進めていくのがコース料理というものらしい。
普段こんなにお上品にご飯を食べる事はないのでなんだか気を張るのですが、普段と違う食べ方というのも偶には面白いかもしれません。
「これは熱帯イチゴのアイスですね。砂漠で取ってきたのがなんだか懐かしいです……」
「食べさせてもらってるあたしが言うのもなんなんだけどさー、こんなに食材使って大丈夫なのー?」
「それなりに食材は用意したからな、それに今回はババコンガの群れなんて大物を撃退してくれた礼もある」
大将さんの言う通り、今日は友人のCにとても助けられました。ここ数日もイーオス等の小型モンスターに襲われる事はありましたが、今日はババコンガですからね。
「ババコンガで済んで良かったってのはあるけどねー」
「なんで私を見ながら言うんですか。私はババコンガじゃないですよ」
他人の食べっぷりを見てババコンガ扱いするのは辞めてください。私はあんな堂々と屁をこいたりうんこ投げたりしません。乙女ですから。
乙女ですから。
「いや、あんたの腕ならこれからも安泰だ。期待してる」
「私と扱いが違い過ぎる!」
「お前はポポ相手でももたついてたろ……」
何も言えない。
「他人を見る目は感心しますなぁ。いっひっひー、まーまー、任せて下さいよー」
「そうだな。んぁ……それよりあんな戦い方、どこで身に付けたんだ?」
あんまりない胸を張る友人のCに、大将さんはそこそこ興味ありげに問い掛ける。
「企業秘密でーす。あたしは本当は高いからねー」
「そいつは残念だ。今晩は新しい樽を開けるつもりだったんだがな」
「おっとー?」
食事をしながら楽しそうに狩りの話をする大将さん。
その時私はふと思った。
「ガウシカのロースト……とても美味しいですね」
もしかして大将さんは、狩りがしたいんじゃないかと。昔のように、料理人じゃなくて狩人の仕事がしたいんじゃないかと───そう思ったのです。
「───ま、あんたを雇ったのは正解のようだな」
「ユーちゃんの実力は私の折り紙付きですよ!」
「クーちゃんをモンスターから守るのは慣れてるからねー」
「それは本当に頼もしいな。……こいつはほっといたら勝手に死にに行くからよ」
「だからナチュラルに人を馬鹿にしないでください」
友人のCの護衛により今回の旅は比較的安全に進んで来ました。
しかし私達はこの時……まさかあんなモンスターに遭遇するなんて、思ってもいなかったのです。
〜本日の
『モンハン食堂旅先のフルコース』
・ホロロースの皇帝風マリネ
・オニオニオンのスープ
・チコフグのムニエル
・氷結晶イチゴ
・ガウシカのロースト
・チリチーズのチーズケーキ
・ミラクルマキアート
当店のオススメフルコースになります。特別な日の食事等にどうぞ!
なんと今回でモンハン食堂1周年になりました。日頃の応援ありがとうございます!
【挿絵表示】
感謝のイラスト。普段ふざけた感じの奴が本気になった時の目が大好き侍。
本当は1周年なのでもう少しちゃんとしたのが書きたかったんですが時間が……。許して。
それでは読了ありがとうございました!次回はヤバいのと戦います。