黄金獅子はもういない   作:夜叉五郎

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エピローグ
皇帝編


<宇宙暦799年/新帝国暦元年>

 

 ヴェレファング・フォン・クロプシュトック二十八歳。

 クロプシュトック朝銀河帝国初代皇帝。

 称号は黒竜帝。

 

 オーディンに帰還したヴェルは、年が明けると共に赤子のカザリン・ケートヘン一世から皇帝位の禅譲を受けて登極。

 クロプシュトック朝を開く。

 これに伴ってヴェルの妻ヒルデガルドはクロプシュトック朝の初代皇后となる。

 

 そしてこの時点でまだ未成年であったマルガレータを除く、アンネローゼをはじめとするヴェルの五人の妾たちにも正式に妃の位が与えられ、盛大なセレモニーが執り行われた。

 純白のドレスを身に纏ってヴェルに永遠の愛を誓う彼女たちの姿は全銀河に中継され、帝国臣民だけでなく旧同盟市民もその美しさに圧倒される。

 

 ハイネセンのとあるバーで女を口説いていたシェーンコップは、その式典の主役の一人にかつての恋人の姿を見つけて驚愕し、女の機嫌を損ねてお持ち帰りに失敗してしまう。

 旧同盟軍にその名を轟かせた不良中年にしては有るまじき失態であった。

 五年前にヴァンフリート4-2の地上基地で消息を絶ったヴァレリーの生存を喜びつつも「どうやら奴さんは俺と女の趣味が同じらしい」と呆れるシェーンコップ。

 居合わせたポプランに「あちらさんはきちんと責任を取ってるだけマシだと思いますがね」と茶化されるも「俺はそんなヘマはしないさ」と嘯いた。

 しかし、この数年後に今度は自分の娘がヴァレリーと同じ立場になる光景を見せつけられ、一気に老け込んだシェーンコップはヴェルに対しての心理的な兜を脱がざるを得なくなる。

 

 

 

 ヴェルの皇帝即位と共に、帝国の三矢も元帥への昇進を遂げる。

 軍務尚書にレオポルド・シューマッハ元帥が、宇宙艦隊司令長官にウォルフガング・ミッターマイヤー元帥が、帝国軍統帥本部総長にオスカー・フォン・ロイエンタール元帥が就任した。

 他の提督たちもまた、皆が上級大将に位階を上げ、それぞれ要職を得た。

 

 新体制と共に、旧同盟領の新領土は四つの軍管区に分けられる事も併せて発表される。

 フェザーン回廊からランテマリオ星域までをフェザーン駐留艦隊司令官のエルネスト・メックリンガー上級大将。

 イゼルローン回廊からエルゴン星域までをイゼルローン要塞司令官兼駐留艦隊司令官のコルネリアス・ルッツ上級大将。

 ガンダルヴァ星域からエリューセラ星域までをガイエスブルク要塞司令官兼駐留艦隊司令官のカール・グスタフ・ケンプ上級大将。

 シヴァ星域からリオヴェルデ星域までをハイネセン駐留艦隊のアウグスト・ザムエル・ワーレン上級大将、ヘルムート・レンネンカンプ上級大将、カール・ロベルト・シュタインメッツ上級大将の三提督が管轄し、帝国本土に待機中の他の上級大将たちと持ち回りで任務を果たしていく事となる。

 

 旧同盟の各星系の地方政府は、星系内の有人惑星の地表上のみに限定して、ヴェルからその自治権を認められた。

 その代わり恒星間の流通と輸送の権益並びに航宙戦力は全て帝国に帰属するものとされ、宇宙船の保持を一切禁じられる。

 要するに民主主義の勢力は全て、ヴェルの手により重力の井戸の底に閉じ込められてしまったのである。

 各有人惑星に設置された帝国の出先機関である募集事務所に赴いて帝国軍への入隊を志願する、もしくは帝国から流通業務委託を受けた旧フェザーン系の商社への就職試験を受ける、の何れかを選ぶしか旧同盟市民が宇宙に出る方法は無くなってしまう。

 

 これらの旧同盟領の流通を完全に掌握する仕組みは、フェザーン代理総督からハイネセン駐在の帝国高等参事官に栄転したルパート・ケッセルリンクの手腕により、かなりのスピードで構築されていく。

 持つものと持たざるものを完全に分けてしまうこの政策は、ともすればかつてのシリウス戦役の悲劇を再び招きかねない危険性があった。

 しかし、少なくともクロプシュトック朝の成立間もないこの時期においては、旧同盟領の諸星系の各政府に帝国の圧倒的な武力に抗うだけの兵力も気力も無く、帝国主導での支配構造の変革を受け入れざるを得なかった。

 そして一旦受け入れてしまうと、加速度的に抗う力が更に削がれていき、後戻り出来なくなる。

 

 地上世界に押し込められた領民政府は、手が届かなくなった宇宙を恨めしげに見上げながら、帝国の力を借りずに自分たちの生活を出来るだけ豊かにすべく自助努力を開始する。

 西暦の頃の地球のように、惑星内で全てが完結する経済サイクルに徐々に移行していき、やがて人の数とその活力を倍増させていく。

 かつての三千億の水準まで人類を回復させる事こそが、己の王朝の唯一の責務と豪語するヴェル。

 その思惑通りに事は進みつつあった。

 

 

 

 ヴェルの登極を以って一つの歴史が終わり、銀河は新たな伝説の幕開きを迎えた。

 

 

 

 

 

<宇宙暦800年/新帝国暦2年>

 

 ヴェレファング・フォン・クロプシュトック二十九歳。

 クロプシュトック朝銀河帝国初代皇帝。

 称号は黒竜帝。

 

 憲兵総監兼帝都防衛司令官のウルリッヒ・ケスラーは、フェザーン駐留艦隊司令のメックリンガーと協力してフェザーンへの遷都の下準備を行うよう、ヴェルより内々に命令を受けていた。

 

 そしてヴェルの即位から丁度一年後。

 新年のパーティーの場でヴェルは皇妃ヒルデガルドの懐妊と共にフェザーンへの遷都を宣言。

 合わせてヴェルはフェザーンに大規模な新皇宮を建造する計画も発表する。

 更にフェザーン回廊を守護する新要塞の建造も視野に入れて行動を開始した。

 

 

 

 

<宇宙暦801年/新帝国暦3年>

 

 ヴェレファング・フォン・クロプシュトック三十歳。

 クロプシュトック朝銀河帝国初代皇帝。

 称号は黒竜帝。

 

 新皇宮の完成と共に、皇后ヒルデガルドと皇太子アレクサンデルを引き連れてオーディンを離れ、フェザーンの新居に玉座を移すヴェル。

 順次アンネローゼやフレデリカらの他の妾妃たちも、それぞれ子供を連れ立って転居を開始する。

 

 地球教徒の妨害も無く、工部尚書のブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒの手によって無事に建造されたその壮麗な新皇宮は、後に“黒竜の泉”と呼称されるようになる。

 クロプシュトック朝が次々と打ち立てていく人類史への輝かしい功績の根源としてだけではなく、“黒竜の泉”はヴェルとその妻たちの熱烈な愛の巣として、広く人々の記憶に留められていく。

 

 

 

 

 

<エピローグ>

 

 黒竜帝ヴェレファング一世の雄々しい生き様は伝説となる。

 後世において「クロプシュトック家の始祖アルブレヒトの“血のローラー”が塗り固めたルドルフ・フォン・ゴールデンバウムの覇道は、ヴェレファングという龍の尻尾の先でしかなかった」とまで評されるに至る。

 

 皇后ヒルデガルドやアンネローゼをはじめとする“黒竜の泉の七妾妃”との恋物語も大いに美化されてしまう。

 永きに渡る時を経てクロプシュトック朝が滅びた後も、人の営みが続く限り、戯曲や演劇、オペラ、童謡、小説、漫画、アニメ、映画などの大衆文化の題材として、好んで繰り返し使われた。

 

 しかし、彼女ら全員がヴェルに寝取られていたという事実を知る者は少ない。

 本来ならば彼女らにはヴェル以外の別のパートナーがいて、それぞれ異なる道を歩んでいたはずであった。

 更に言えばヴェルは、銀河そのものをラインハルトとヤン、常勝と不敗の二人から寝取っていた。

 

 銀河を股にかけた英雄たちの壮大な寝取り寝取られ伝説はここに完結し、神話となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<エンドロール>

 

【主人公】

 

〜 ヴェレファング・フォン・クロプシュトック 〜

 転生者。愛称はヴェル。孤児から皇帝まで成り上がった一代の英傑。乗艦はブリュンヒルトと同系艦のバハムート。

 アンネローゼ 、フレデリカ、ヒルデガルドら美女を侍らせて銀河を統一。数多くの子と孫と玄孫らに囲まれて大往生を遂げる。

 

 

 

【ヒロイン】

 

〜 アンネローゼ ・フォン・ミューゼル 〜

 難病で弟を亡くしてクロプシュトック家に奉公に入る。後宮入りを阻んでくれたヴェルに感謝し、妾となる。

 小ラインハルトをはじめとして一番多くの子を成し、その美貌と共に寵愛が特に厚かった妾妃として名を残す。

 

〜 フレデリカ・グリーンヒル 〜

 エル・ファシルで捕虜となってクロプシュトック領に送られ、ヴェル専用メイドから家宰まで成り上がる。

 後にヴェルとの間の子供らを連れてハイネセンの同盟軍墓地を訪ねるも、そこで車椅子のヤンとニアミスする。

 

〜 ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ 〜

 皇帝の命令でヴェルと婚約し、マリーンドルフ家を勝ち組にする為にヴェルの女癖の悪さもあっさり許容する。

 原作ではラインハルト同様に性に淡白であったが、ヴェルに教え込まれて激変。皇太子アレクサンデルらを産む。

 

〜 ヴァレリー・リン・フィッツシモンズ 〜

 ヴァンフリート4=2の同盟軍基地防衛戦で策に溺れて帝国に亡命せざるを得なくなり、ヴェルに身柄を預ける。

 後宮では唯一のバツイチであり、姉的存在として皆に慕われる。ヴェルの子を孕んで前の男への未練を捨てる。

 

〜 マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー 〜

 ヘルクスハイマー伯爵の亡命騒動時に唯一生き残り、ヴェルに保護されて美しく成長した後に閨房入りする。

 ベンドリング少佐はブラウンシュヴァイク公に消されており、友になれず。ヴェルの子を産んで家門を復活させる。

 

〜 ミリアム・ローザス 〜

 同盟のローザス大将の孫娘で単語の女神様。許嫁の捜索の為に地球に向かう途中でヴェルに見初められる。

 同盟領侵攻時にヴェルに侍って身の回りの世話を務め、ハイネセン到着前夜に懐妊が発覚した。出産と子育てを繰り返す中、許嫁の無事を確認する。

 

〜 エルフリーデ・フォン・コールラウシュ 〜

 対リップシュタット貴族連合の同盟の証としてリヒテンラーデ公より差し出され、ヴェルの妾の地位に収まる。

 長女のフェリシアが名前を隠してロイエンタールに近づいてヴェルの初孫を孕んでしまい、ロイエンタールを恨む。

 

〜 カーテローゼ・フォン・クロイツェル 〜

 母の死後ドミニクのクラブでカリンの源氏名で働き始め、その器量の良さで若くしてナンバーワンホステスの座に上り詰める。

 ヴェルのお気に入りとなって遂には後宮に上がり、ギリギリ十代でヴェルの子供を出産。シェーンコップへの復讐を果たす。

 

 

 

【その他の女たち】

 

〜 マグダレーナ・フォン・ヴェストパーレ 〜

 七人の愛人を侍らせる女傑。女版ヴェル。皇妃ヒルデガルドの友人であり、後に妾妃筆頭のアンネローゼとも親しくなる。

 その実ヴェルにとっては八人目の妾妃とも言える存在であり、子も三人も成している。床の上では不敗で、ヴェルの天敵。

 

〜 シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ 〜

 アンネローゼを寝取ったヴェルのお陰で、寄りを戻せたフリードリヒ四世と幸せな日々を送り、その最後を看取る。

 寡婦となった後にヴェルの熱烈なアプローチにころりと転がされてしまう。実娘を育てつつオーディンで余生を送る。

 

〜 ドミニク・サン・ピエール 〜

 ルビンスキーとケッセルリンクを天秤に掛け、結局若い方を選んだ女。夫の命令で度々ヴェルの相手をし、やがて懐妊。

 ヴェルは既に若いカリンに鞍替え済みであったが、夫の望み通り誰の種か不明な息子を産み、立派な父親殺しに育て上げる。

 

 

 

【クロプシュトック朝の軍人】

 

〜 レオポルド・シューマッハ 〜

 帝国の三矢の一本。クロプシュトック朝の初代軍務尚書。筆頭元帥。乗艦はバルバロッサと同系艦のファフニール。

 ヴェルとは長い付き合いで少佐時代からパシらされてきたが、次は部下のオーベルシュタインにこき使われ続ける羽目になる。

 

〜 ウォルフガング・ミッターマイヤー 〜

 帝国の三矢の一本。クロプシュトック朝の初代宇宙艦隊司令長官。元帥。疾風ウォルフ。乗艦はベイオウルフ。

 フェザーンへの遷都後、主君のヴェルの勧めで妻のエヴァンセリンと共に温泉旅行に赴き、見事子宝を授かってケチャドバ。

 

〜 オスカー・フォン・ロイエンタール 〜

 帝国の三矢の一本。クロプシュトック朝の初代帝国軍統帥本部総長。元帥。金銀妖瞳。乗艦はトリスタン。

 漁色癖は治らず、エルフリーデの娘のフェリシアに惚れられてハメられ、激怒したヴェルにぶっ飛ばされて責任を取らされる。

 

 

 

〜 カール・グスタフ・ケンプ 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。首席上級大将。元ワルキューレライダーの撃墜王。乗艦はヨーツンハイム。

 ガイエスブルク要塞の司令として武勲を立てるも残念ながら元帥位までには届かなかった。三人の息子は全て軍人となる。

 

〜 ナイトハルト・ミュラー 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。残念ながら鉄壁の異名を得る機会は無かった。乗艦はリューベック。

 評価は最年少上級大将のままとなるが、看護婦のクララと知り合う機会があり、嫁取りに成功して勝ち組入り。

 

〜 コルネリアス・ルッツ 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。射撃の達人。乗艦はスキールニル。

 ヨルムンガンド作戦ではイゼルローンを防衛。クラインゲルト子爵家の未亡人フィーアと恋仲となり、ケスラーを慄かせる。

 

〜 ヘルムート・レンネンカンプ 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。元ヴェルの上司。乗艦はガルガ・ファルムル。

 バーラトの和約自体が無くなった事で生き残る。軍事務に秀でており帝国軍内にレンネン塾なる派閥を形成。

 

〜 エルネスト・メックリンガー 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。芸術家提督。乗艦はクヴァシル。

 ヨルムンガンド作戦ではフェザーンにあってヴェルの後方を支えた。ヴェルの奔放な私生活をその手記で後世に伝える。

 

〜 ウルリッヒ・ケスラー 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。憲兵総監兼帝都防衛司令官。乗艦はフォルセティ。

 ヨルムンガンド作戦ではオーディンにあってヴェルの後方を支えた。寝取られ回避に成功する。ホクスポクス以下省略。

 

〜 エルンスト・フォン・アイゼナッハ 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。沈黙提督。通称指パッチンの人。乗艦はヴィーザル。

 本二次創作では全員台詞が無い為、その特徴を消されてしまった可哀想な提督。家庭は賑やか。

 

〜 アウグスト・ザムエル・ワーレン 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。地球教本部討伐で勲功を挙げた提督。乗艦はサラマンドル。

 ヴェルの助言で刺客を排除して義手を回避。妻を早くに亡くしており、一人息子の子育てに苦労している。

 

〜 カール・ロベルト・シュタインメッツ 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。ヴェルの定座のバハムートの初代艦長。乗艦はフォンケル。

 第四次ティアマト会戦からヴェルに仕え、主君の奔放なプライベートに危惧を抱き、早々にグレーチェンと結婚。正解。

 

〜 フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。黒色槍騎兵艦隊の指揮官。乗艦はケーニヒス・ティーゲル。

 ヴェルのパーソナルカラーが黒であった為、最終局面での決戦兵器扱いとなる。辺境星域旅行中にテレーゼと知り合い結婚。

 

〜 アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。ヴェルに次ぐ成り上がりの体現者。乗艦はアースグリム。

 巨額の契約金に釣られてヴェル配下に収まって武勲を重ねる。ヴェルの命令でラッパーデビューして人気を博す。次はM-1だとか。

 

〜 ハウサー 〜

 ヴェルズイレヴンの一人。上級大将。乗艦はクエスチョン。

 全てが謎に包まれた提督。アイデアマンだったらしい。よく数え忘れられる。

 

 

 

〜 パウル・フォン・オーベルシュタイン 〜

 大将。帝国のドライアイスの剣。ヴェルに献策を散々却下された挙句、アンスバッハの暗殺騒動を未然に防げなかった咎で降格。

 軍務尚書となるシューマッハの副官に収まり、軍務省を切り回しつつ地球教徒の殲滅に専念。そして老犬を最後まで看取る。

 

〜 アルフレット・グリルパルツァー 〜

 大将。探検家提督。レンネン塾第一期生。乗艦はエイストラ。

 ヴェルの采配でシューマッハの下に移されてオーベルシュタインの監視を受け、栄達の為の小細工を封じられる。

 

〜 ブルーノ・フォン・クナップシュタイン 〜

 大将。清教徒的提督。レンネン塾第一期生。乗艦はウールヴルーン。

 ヴェルの采配でシューマッハの下に移されてオーベルシュタインの監視を受け、グリルパルツァーとの連携を封じられる。

 

〜 カール・エドワルド・バイエルライン 〜

 大将。ミッターマイヤーの後継者。乗艦はニュルンベルク。

 本二次創作では未記載だがハイネセン侵攻時に活躍。あと宴会でも活躍。ヴェルの無茶振りで歌わされる。俺の歌を聴けぇ!

 

〜 ハンス・エドアルド・ベルゲングリューン 〜

 大将。本二次創作では未記載だが、カストロプ動乱時にシューマッハの下で活躍。その後はミッターマイヤーの幕僚となる。

 私生活が乱れまくってるヴェルに対して唯一手厳しい諫言をした男。上司を二人とも失わずに済んだ為に自死を回避。

 

〜 フォルカー・アクセル・フォン・ビューロー 〜

 大将。本二次創作では未記載だが、カストロプ動乱時にシューマッハの下で活躍。その後はミッターマイヤーの幕僚となる。

 若気の至りで猪突気味のバイエルラインと、厭世気味で辛辣な同僚のベルゲングリューンの双方のお守りで大変苦労する。

 

〜 アルツール・フォン・シュトライト 〜

 大将。主席幕僚としてヴェルの直衛艦隊に配される。初めブラウンシュヴァイク公に仕えるも嫌われて下野。

 原作と異なって親戚筋にヴェルが手を回した結果、リップシュタット戦役中からヴェルに出仕し、大将まで栄達。

 

〜 アントン・フェルナー 〜

 大将。参謀長としてヴェルの直衛艦隊に配される。初めブラウンシュヴァイク公に仕えてヴェル暗殺計画を立てるも防がれて投降。

 オーベルシュタイン失脚後にその職務を大過なく引き継いでヴェルを補助し、原作では少将止まりであったが大将まで栄達。

 

〜 イザーク・フェルナンド・フォン・トゥルナイゼン 〜

 大将。ヴェルの直衛艦隊に配される。乗艦はシンドゥリ。若手の一番星。

 ヴェルが同盟領侵攻を前倒しした結果、唯一の見せ場の「乾杯!同盟最後の年に!」で目立つ機会を失くす。ざまぁである。

 

 

 

〜 モルト 〜

 中将。ケスラー配下。リップシュタット戦役ではヴェルより帝都駐留部隊司令官を任される。宮廷警備最高責任者。

 ヴェルの油断によって婚活パーティーの隙を突かれて幼帝を誘拐され自裁。彼の死がヴェルに銀河一統を決断させた。

 

〜 ジークフリード・キルヒアイス 〜

 一等兵。ラインハルトとアンネローゼに出会う事なく、帝国軍幼年学校にも入学せずに徴兵を受けて入隊する。

 ガイエスブルク要塞でのアンスバッハの凶行で没し、ヴェルに衝撃を与えてアンネローゼの第二子懐妊に間接的に寄与する。

 

 

 

【クロプシュトック朝の官僚】

 

〜 フランツ・フォン・マリーンドルフ 〜

 クロプシュトック朝の初代国務尚書。皇妃ヒルデガルドの父。娘の他に多数の妾を抱えるヴェルに絶えず反発している。

 オーベルシュタインから外戚として権力を持つ恐れを指摘されるも意に介さず、ヴェルはその人格と能力を活用し続けた。

 

〜 ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒ 〜

 クロプシュトック朝の初代工部尚書。ヴェルの指示で地球教徒のテロは防がれ、帝都首都建設長官の職務を最後まで遂行。

 フェザーンに壮麗な新皇宮“黒竜の泉”を建造する。その功績によって、技術官僚として初めて宰相位を得た。

 

〜 カール・ブラッケ 〜

 クロプシュトック朝の初代民生尚書。クロプシュトック領の統治から携わり、ヴェルとは互いに互いを利用する間柄。

 ただし原作のラインハルトよりもヴェルが外征に消極的で、国家の疲弊も少なかった為、辛辣な批判は発せられなかった。

 

〜 オイゲン・リヒター 〜

 クロプシュトック朝の初代財務尚書。クロプシュトック領の統治から携わり、ヴェルとは互いに互いを利用する間柄。

 ブラッケよりは穏健派であり、ヴェルが門閥貴族を次々と潰して帝国の財政を瞬く間に回復させた為、心服する。

 

〜 ブルックドルフ 〜

 クロプシュトック朝の初代法務尚書。本二次創作では未登場だがマルガレータの裁判時にヴェルと親交を持つ。

 ヴェルがラングを排斥した為にラングに利用される機会も無く、法務尚書の職務を全うする。

 

 

 

【ゴールデンバウム朝の要人】

 

〜 フリードリヒ四世 〜

 ゴールデンバウム朝神聖銀河帝国第三十六代皇帝。放蕩の人。治世の前半は年増好き、後半はロリコン。

 寵姫シュザンナが三度続けて流産し、代えを探すもヴェルのせいで結局見つからなかった。決めたとおり何もせずに没する。

 

〜 エルウィン・ヨーゼフ二世 〜

 ゴールデンバウム朝神聖銀河帝国第三十七代皇帝。ヴェルとリヒテンラーデ連合に擁立されるもすぐに用無しとなる。

 廃棄される寸前にフェザーンと旧門閥貴族の手により同盟へ亡命。行方不明となってその終わるところを知らず。

 

〜 カザリン・ケートヘン一世 〜

 ゴールデンバウム朝神聖銀河帝国第三十八代にして最後の皇帝。生後半年で即位し、その半年後にはヴェルに禅譲する。

 美しく成長した為、ヴェルの意向により、成人後に皇太子のアレクサンデルの妃に迎え入れられる。

 

 

 

〜 オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク 〜

 フリードリヒ四世の女婿。公爵。リップシュタット戦役でヴェルに敵対する。乗艦はベルリン。

 ヴェスターラントへの核攻撃を企図してヴェルに公爵位を剥奪される。大敗の末、アンスバッハに毒酒を仰がされる。

 

〜 フレーゲル 〜

 ブラウンシュヴァイク公の一族。男爵。ヴェルを貴族と認めず敵対。ヒルデガルドとの婚約を成立させてしまった元凶。

 原作と違って有能な副官を配されなかった為、ガイエスブルク攻防戦で深入りし過ぎ、ワイゲルト砲の前に散る。

 

 

 

〜 ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム三世 〜

 フリードリヒ四世の女婿。侯爵。リップシュタット戦役でヴェルに敵対する。乗艦はオストマルク。

 カイザーリンクの大敗を契機に連合から離脱するも、ミッターマイヤーとロイエンタールに艦隊を撃破されて戦死。

 

〜 ヘルクスハイマー 〜

 リッテンハイム侯の腰巾着。伯爵。敵対するブラウンシュヴァイク公の娘の秘密をゲットするも、それが悪手だった。

 結果主君に疎まれてしまい、指向性ゼッフル粒子の生成装置を手土産に同盟への亡命を図るも、減圧処理に失敗して死亡。

 

 

 

〜 クラウス・フォン・リヒテンラーデ 〜

 フリードリヒ四世治世下の宰相代理。侯爵。フリードリヒ四世逝去後にヴェルと手を組み、宰相と公爵にクラスチェンジ。

 姪にヴェルを誘惑させるも逆に籠絡され、リップシュタット戦役末期にコールラウシュ家に裏切られて毒殺される。

 

〜 ゲルラッハ 〜

 フリードリヒ四世治世下の副宰相。リップシュタット戦役平定後にミッターマイヤーに拘束されて失脚。

 その後のリヒテンラーデ家の内紛に巻き込まれ、同盟への亡命を図って幼帝誘拐に積極的に協力。バレて捕まり死罪となる。

 

 

 

〜 ヨッフェン・フォン・レムシャイド 〜

 フリードリヒ四世治世下のフェザーン駐留帝国高等弁務官。伯爵。エルウィン・ヨーゼフ二世と共に同盟へ亡命する。

 実態なき銀河帝国正統政府の首班となるも、トリューニヒト派とヤン派の内戦に巻き込まれて死亡。

 

〜 アルフレット・フォン・ランズベルク 〜

 伯爵。へぼ詩人。先祖が作ったノイエサンスーシーの地下通路を使って幼帝救出に協力しようとする。

 ヴェルの原作知識によって地下通路はモルト中将に封じられていたが、陽動として機能してしまう。その場で拘束され死罪。

 

 

 

〜 ハインリッヒ・フォン・キュンメル 〜

 男爵。ヒルデガルドの従兄弟。難病の為ほぼ寝たきりの生活。ヴェル爆殺を目論むも、妄想の中だけで終わってしまった。

 ヴェルから黒竜号を贈られるも結局一度も使う事無く、フェザーンへの遷都前に没する。

 

〜 ハイドリッヒ・ラング 〜

 フリードリヒ四世治世下での社会秩序維持局長。オーベルシュタインによって内国安全保障局長に推挙されたのが藪蛇だった。

 かつての悪行を洗い出されて投獄される。彼の罪状は旧政体を貶める材料として喧伝され、ヴェルの治世に利用される。

 

 

 

〜 ウィルヘルム・フォン・クロプシュトック 〜

 侯爵。宮廷闘争の敗北者。テロリスト予備軍。孤児院にいたヴェルを引き取り、息子ヨハンの忘れ形見として養育する。

 生前に家の血を絶やさぬように数多の美女をヴェルの周囲に配した為、黒竜の淫蕩さを引き出した元凶と目されてしまう。

 

 

 

【ゴールデンバウム朝の軍人】

 

〜 グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー 〜

 フリードリヒ四世治世下の宇宙艦隊司令長官。元帥。一番良い時期に威風堂々と退役。乗艦はヴィルヘルミナ。

 特にヴェルに対して隔意は無かったが、門閥貴族を黙らせる為に難易度の高い任務を与える事が多かった。

 

〜 エーレンベルグ 〜

 フリードリヒ四世治世下の軍務尚書。元帥。モノクルを光らせる特技を持つ。

 リップシュタット戦役開戦前夜のヴェルのオーディン制圧時に拘束され、強制的に退役させられる。

 

〜 シュタインホフ 〜

 フリードリヒ四世治世下の帝国軍統帥本部総長。元帥。

 リップシュタット戦役開戦前夜のヴェルのオーディン制圧時に拘束され、強制的に退役させられる。

 

 

 

〜 ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ 〜

 上級大将。ゴールデンバウム王朝の宿将。ヴェルの策謀によりリップシュタット戦役には参加せず。乗艦はネルトリンゲン。

 退役後に元部下のシュナイダーを使嗾して幼帝エルウィン・ヨーゼフ二世を同盟領に落とす。裁判で極刑を言い渡される。

 

〜 ベルンハルト・フォン・シュナイダー 〜

 少佐。メルカッツの忠実な部下。メルカッツの内意を受けてエルウィン・ヨーゼフ二世をノイエサンスーシから外に出す。

 同盟に亡命後に銀河帝国正統政府に参加するも、帝国軍襲来の混乱中に再び幼帝を誘拐。その後消息を断つ。

 

 

 

〜 ミヒャエル・ジギスムント・フォン・カイザーリング 〜

 上級大将。薬中艦隊を率いるもヴェルの機転によりアルレスハイム星域会戦で大勝。リップシュタット連合の総大将を務める。

 リップシュタット戦役のシャンタウ星域会戦にてファーレンハイトに大敗。総大将の座を追われ、戦役平定時に拘束。死罪。

 

〜 クリストフ・フォン・バーゼル 〜

 中将。カイザーリンク艦隊の真の主人。その実サイオキシン麻薬のバイヤー。

 シャンタウ星域会戦にて戦死。妻のヨハンナはヴェルの命令を受けたケスラーによって拘束され、その悪事が明らかになる。

 

 

 

〜 オフレッサー 〜

 上級大将。装甲擲弾兵総監。石器時代の勇者。ミンチメーカー。

 リップシュタット戦役のレンテンベルク要塞攻防戦にて、ヴェルの氷塊質量爆弾の連打を浴び、要塞ごと潰される。

 

〜 アンスバッハ 〜

 准将。ブラウンシュヴァイク公に仕える忠臣。忠臣の割に主君に自裁を強要するなど、名を残したい願望はあった様子。

 リップシュタット戦役後の式典への火器の持ち込みは防がれるが、原作どおりキルヒアイスは道連れにする。

 

 

 

〜 シュターデン 〜

 大将。ヴェルの軍才を認めなかった提督の一人。理屈倒れ。リップシュタット連合軍の先陣を務める。乗艦はアウグスブルク。

 リップシュタット戦役のアルテナ星域会戦で胃を痛めてレンテンベルク要塞に後送され、要塞と運命を共にする。

 

〜 フォーゲル 〜

 大将。ヴェルの軍才を認めなかった提督の一人。銀河帝国正統政府における軍務尚書。乗艦はバッツマン。

 アスターテ星域会戦でヴェルの麾下となるもヴェルを認めず。同盟に亡命した後、ランテマリオ星域会戦に参加して討死。

 

〜 エルラッハ 〜

 少将。ヴェルの軍才を認めなかった提督の一人。乗艦はハイデンハイム。

 アスターテ星域会戦でヴェルの命令に従わず、後背に廻った第二艦隊に対して回頭しようとしてヤンの砲火に倒れる。

 

 

 

〜 グリンメルスハウゼン 〜

 大将。軍事的才能は皆無な老人。フリードリヒ四世の治世にて帝国の暗部を牛耳る。乗艦はオストファーレン。

 ヴェルとは何ら交わるところはなく、帝国の暗部を記したデータは彼の死と共に闇に葬られた。

 

〜 ヘルマン・フォン・リューネブルク 〜

 少将。同盟からの逆亡命者。第十一代ローゼンリッター連隊長。第六次イゼルローン要塞攻防戦でシェーンコップに討たれる。

 彼の妻でハルテンベルク伯爵の妹エリザベートには興味を抱いたヴェルであったが、病的過ぎて食指が動かず放置される。

 

 

 

〜 ノルデン 〜

 少将。子爵の嫡子。第三次ティアマト会戦にてヴェルの参謀長を務める。凡庸オブザ凡庸。原作と違って優しくあしらわれる。

 リップシュタット戦役の頃には子爵家を継いでおり、門閥貴族側に属してガイエスブルク攻防戦で戦死。

 

〜 アントン・ヒルマー・フォン・シャフト 〜

 技術大将。科学技術総監。元帥位を得る野望に燃えていた。ただし目ぼしい業績は指向性ゼッフル粒子くらいであった。

 フェザーン提供のワープエンジン連動技術で歓心を買おうとするも、シャフト閥ごとヴェルに切り捨てられる。

 

 

 

【自由惑星同盟の軍人】

 

〜 ヤン・ウェンリー 〜

 退役大将。エル・ファシルの英雄。ミラクルヤン。魔術師ヤン。政争に躓いて不敗のまま表舞台から去る。

 同盟末期にもしヤンが指揮を取れる状態であったら、とは歴史のifとして長く論じられるところとなる。

 

〜 ユリアン・ミンツ 〜

 元軍曹。ヤンの被保護者。その非凡さをアピールする機会も功績も無かった為、ヤンの後継者とは目されなかった。

 ヤン失脚後にフェザーン経由でハイネセンに潜伏するも間に合わず。ヤンの療養を手助けしながら政治家を目指す。

 

〜 ワルター・フォン・シェーンコップ 〜

 中将。第十三代ローゼンリッター連隊長。第七次イゼルローン攻略戦での要塞奪取の功労者。ヤンを守れず一時厭世的になる。

 カーテローゼに新皇宮に呼び出され、三十代で孫を抱かされる。その後ハイネセン領民政府に参加。治安維持に貢献する。

 

〜 アレックス・キャゼルヌ 〜

 中将。ヤンの先輩。同盟軍のロジスティックのスペシャリスト。イゼルローン要塞からの撤退作戦の功労者。

 戦後はハイネセン領民政府に参加。需要過多で混乱するハイネセンの物流の統制に貢献する。

 

〜 ダスティ・アッテンボロー 〜

 中将。新設第六艦隊司令官。ヤンの後輩。逃げ弾正。乗艦はトリグラフ。

 ヤン失脚後に新設の半個艦隊を率いる。帝国の同盟領併呑後は帝国軍への仕官を断り、コーネフ商会に参加する。

 

〜 エドウィン・フィッシャー 〜

 中将。新設第七艦隊司令官。ヤン三人衆の一人。ヤン艦隊の生ける航路図。乗艦はアガートラム。

 ヤン失脚後にハイネセンに召喚される。ランテマリオ星域会戦に先立って急遽新設された半個艦隊を率いて奮戦。戦死。

 

〜 ムライ 〜

 中将。ヤン三人衆の一人。ヤン艦隊の歩く叱言。ヤン失脚後にドーソン大将付きの幕僚にスライド。

 イゼルローン要塞からの撤退戦にて民間人を乗せた箱舟隊を指揮する。ハイネセン内戦時に地球教徒に刺されて入院。

 

〜 フョードル・パトリチェフ 〜

 少将。ヤン三人衆の一人。ヤン艦隊のなるほど太鼓腹。ヤン失脚後にフォーク少将の配下となり新設第二艦隊を統括。

 第八次イゼルローン攻防戦で人事不省のフォークに代わって半壊した艦隊を率い、続く回廊出口の戦いで奮戦。戦死。

 

〜 オリビエ・ポプラン 〜

 元少佐。イゼルローン第一空戦隊長。撃墜王。レディーキラー。ヤン失脚後にユリアンと共にハイネセンに潜伏する。

 帝国の同盟領併呑後は帝国軍への仕官を断り、イワンの死を嘆きつつもコーネフ商会に参加する。

 

〜 イワン・コーネフ 〜

 少佐。イゼルローン第二空戦隊長。撃墜王。クロスワードパズルでフラグを立てる男。

 ヤン失脚後にポプランの離脱を受けて空戦隊を統括する。イゼルローン回廊出口の戦いで奮戦。戦死。

 

〜 バグダッシュ 〜

 中佐。救国軍事会議に参加し、ルグランジュの暗殺命令を受けてヤンに近づく。メッサースミスに正体を見破られて転向。

 戦後はハイネセン領民政府に参加。情報の統制に力を注ぎ、ハイネセンの治安維持に貢献する。

 

〜 ルイ・マシュンゴ 〜

 准尉。運命には逆らえない人。査問会に召喚されたヤンの護衛に就くも、ベイ少将に阻まれヤンと引き剥がされてしまう。

 ハイネセンに潜伏したユリアンと協力し、ヤンの軟禁場所の調査に尽力。内戦時はユリアンを護衛。戦後もユリアンに付き従う。

 

〜 ジャン・ロベール・ラップ 〜

 元少佐。ヤンの親友。第六艦隊参謀。ヴェルの戦術を見抜くもムーアに相手にされず、ヴェルの術中にはまって捕虜となる。

 帝国の同盟領併呑時には降伏勧告の使者を務め、ジェシカの出産に立ち会う。そのまま寄りを戻して寝取り返しを完遂。

 

 

 

〜 アレクサンドル・ビュコック 〜

 元帥。自由惑星同盟最後の宇宙艦隊司令長官。同盟には勿体無い爺さん。呼吸する軍事博物館。乗艦はリオ・グランデ。

 同盟軍の戦力を結集してランテマリオ星域会戦に臨むも、衆寡敵せず敗退。戦後は罪を問われる事無く退役。余生を過ごす。

 

〜 チュン・ウー・チェン 〜

 大将。 自由惑星同盟最後の宇宙艦隊総参謀長。パン屋の二代目。食事のマナーが大変宜しくない人。

 ビュコックを良く補佐してランテマリオ星域会戦に臨むも、衆寡敵せず敗退。戦後は罪を問われる事無く退役し、パン屋となる。

 

〜 クブルスリー 〜

 元帥。自由惑星同盟最後の統合作戦本部長。有能かつ公正な軍人であり、それ故にトリューニヒト派から疎まれる。

 空洞化の酷い統合作戦本部を率いてビュコックを支援するも、全てが手遅れ。戦後は罪を問われる事無く退役。隠居する。

 

〜 シドニー・シトレ 〜

 退役元帥。先の統合作戦本部長。ヤンを英雄の座に押し上げてしまった張本人。

 ヤンの行き着いた先に何か思うところがあったのか、同盟滅亡後は暴動に参加する事も無く、カッシナで養蜂を営み続けた。

 

〜 ラザール・ロボス 〜

 退役元帥。先の宇宙艦隊司令長官。第六次イゼルローン攻略戦あたりから老化が進み、敵方のヴェルの昇進に大いに寄与する。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルに敗れ、同盟の戦力の四割を失ったのは致命的で、これが亡国の一番の要因となる。

 

 

 

〜 パエッタ 〜

 大将。第一艦隊司令官。トリューニヒト派の提督。乗艦はパトロクロス。

 アスターテ星域会戦第三戦で、三方ヶ原におびき寄せられた徳川軍状態のところをヤンに救われる。ランテマリオで戦死する。

 

〜 ルフェーブル 〜

 中将。第三艦隊司令官。乗艦はク・ホリン。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルのワイゲルト砲の一斉射の戦術にはまり、艦隊ごと撃ち抜かれて戦死する。

 

〜 パストーレ 〜

 中将。第四艦隊司令官。トリューニヒト派の提督。乗艦はレオニダス。

 アスターテ星域会戦第一戦でバリアを張る間も無くヴェルの急襲を受けて敗死する。野外でノースキンはとても危険。

 

〜 ムーア 〜

 中将。第六艦隊司令官。トリューニヒト派の提督。乗艦はペルガモン。

 アスターテ星域会戦第二戦でラップの進言を退けてヴェルの急襲を受けた後、部下たちに叛かれて負傷。ラップの介錯を受ける。

 

〜 ホーウッド 〜

 中将。第七艦隊司令官。乗艦はケツアルコアトル。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルのワイゲルト砲の一斉射の戦術にはまり、艦隊ごと撃ち抜かれて戦死する。

 

〜 アップルトン 〜

 中将。第八艦隊司令官。乗艦はクリシュナ。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルのワイゲルト砲による全軍崩壊を受け、傷ついた味方を逃す為に殿軍として奮戦。戦死を遂げる。

 

〜 アル・サレム 〜

 中将。第九艦隊司令官。乗艦はパラミデュース。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルのワイゲルト砲の一斉射を受けて負傷。モートンに指揮を引き継ぐも、傷が癒えずに陣没。

 

〜 ウランフ 〜

 中将。第十艦隊司令官。乗艦はバン・グゥ。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルのワイゲルト砲の一斉射で航行不能となる。アッテンボローに後事を託してその場で戦死。

 

〜 ホーランド 〜

 中将。第十一艦隊司令官。自称アッシュビーの再来。先覚者的戦術の使い手。乗艦はヘクトル。

 第三次ティアマト会戦で序盤猛威を振るうも、タイミングを見計らったヴェルの斉射三連で乗艦ごと爆砕する。

 

〜 ルグランジュ 〜

 中将。第十一艦隊司令官。救国軍事会議の唯一の航宙戦力を率いる提督。乗艦はレオニダスII。

 再編成中でアムリッツァには未出征の第十一艦隊を率いてヤンに挑むも力及ばず。最後まで無駄に粘ってヤンを苦しめた。

 

〜 ボロディン 〜

 中将。第十二艦隊司令官。乗艦はペルーン。

 アムリッツァ星域会戦でヴェルのワイゲルト砲の一斉射の戦術にはまり、艦隊ごと撃ち抜かれて戦死する。

 

〜 ライオネル・モートン 〜

 中将。新設第三艦隊司令官。ビュコックと同じく叩き上げの提督。乗艦はアキレウス。

 ヤン失脚後に新設の半個艦隊を率いる。イゼルローン回廊出口の戦いでシューマッハ艦隊と交戦。箱舟隊を逃す為に全滅する。

 

〜 グエン・バン・ヒュー 〜

 少将。新設第四艦隊司令官。救い難い戦闘狂。乗艦はマウリア。

 ヤン失脚後に新設の半個艦隊を率いる。第八次イゼルローン攻防戦の序盤戦にてロイエンタール艦隊に敗退。戦死を遂げる。

 

〜 サンドル・アラルコン 〜

 少将。新設第五艦隊司令官。暴力士官。エベンスとは犬猿の仲。乗艦はマルデューク。

 ヤン失脚後に新設の半個艦隊を率いる。第八次イゼルローン攻防戦の序盤戦にてロイエンタール艦隊に敗退。戦死を遂げる。

 

〜 ラルフ・カールセン 〜

 中将。新設第八艦隊司令官。乗艦はデュオメデス。

 ランテマリオ星域会戦に先立って急遽新設された半個艦隊を率いて勇戦。黒色槍騎兵艦隊の突撃を受けて戦死を遂げる。

 

 

 

〜 ドワイト・グリーンヒル 〜

 大将。ロボスの右腕。アムリッツァの大敗の責で総参謀長から降格。査閲部長。救国軍事会議の首班。フレデリカの父。

 帝国からフレデリカを取り戻す為に軍事クーデターを起こすも、ヤンとフォークに邪魔をされてクリスチアンに殺害される。

 

〜 エベンス 〜

 大佐。救国軍事会議の経済担当。なのに経済オンチ。

 グリーンヒル大将を殺害したクリスチアンを銃殺した後、迫るヤン艦隊に降伏を通知。その後に自決する。

 

〜 アーサー・リンチ 〜

 少将。エル・ファシルから真っ先に逃げ出した軍人。ヤンに利用された男。

 ヴェルがオーベルシュタインの策を却下した為、帝国に居残って捕虜を続け、クロプシュトック朝設立時に恩赦される。

 

〜 クリスチアン 〜

 大佐。救国軍事会議のメンバー。スタジアムの集会が無かったので見せ場を失う。

 フラストレーションを溜めていたのか、娘を帝国の大貴族の妾にしていたグリーンヒルを射殺後、エベンスに撃たれる。

 

 

 

〜 ドーソン 〜

 元帥。イゼルローン要塞司令官兼駐留艦隊司令官。トリューニヒト派の軍人。じゃがいも士官。

 四十代後半にして政治力だけで元帥まで駆け上った異数の人。何もせぬままイゼルローン回廊出口の戦いで倒れる。

 

〜 ベイ 〜

 少将。同盟最高評議会議長の警護室長。トリューニヒト派の軍人。いたち。

 救国軍事会議に潜入したりヤンを監禁したりとトリューニヒトに尽くすも、最後に裏切られてヤン一派への贄にされる。

 

〜 エドモンド・メッサースミス 〜

 少佐。グリーンヒル大将の教え子。フレデリカの代わりにヤンの副官となり大過なく職務を果たすも、査問会では何も出来ず。

 マシュンゴと共にヤンの居場所を探しつつも憂国騎士団に通じ、合流したユリアンらを排除しようとして失敗。返り討ちされる。

 

〜 ロックウェル 〜

 大将。後方勤務本部長。トリューニヒト派の軍人。帝国軍のハイネセン襲来時にトリューニヒトと運命を共にする。

 実は捕えて投降の手土産とすべくトリューニヒトに同行していたのだが、実行に移す前にフォークに阻止され、汚名は免れた。

 

〜 アンドリュー・フォーク 〜

 少将。新設第二艦隊司令官。同盟軍と救国軍事会議とヤン艦隊とトリューニヒト政権を崩壊させた男。乗艦はヒューベリオン。

 トリューニヒト殺害後に投獄先で病死する。後世において“配られた者が必ず負けるジョーカーのカード”と評された。

 

 

 

【自由惑星同盟の政府高官】

 

〜 ヨブ・トリューニヒト 〜

 最高評議会議長。アムリッツァの大敗と救国軍事会議を奇貨とし、マスコミと警察と軍を牛耳って同盟を枯死させた宿り木。

 憂国騎士団と地球教徒だけでなく帝国軍をも利用しようと図るも、最後はフォークの狂気に巻き込まれて野望半ばで横死する。

 

〜 ジョアン・レベロ 〜

 自由惑星同盟最後の最高評議会議長。帝国領侵攻作戦に反対票を投じて見識の高さを示すも、ヤンの失脚は容認してしまう。

 戦力的にも道義的にも完敗が確定の状況下で一日だけ同盟の国家元首を引き受け、降伏文書に調印。その後に政界を引退する。

 

〜 ホワン・ルイ 〜

 ハイネセン領民政府最初の最高評議会議長。レベロの盟友。帝国領侵攻作戦に反対票を投じて見識の高さを示す。

 ヤンの辞表提出を思い留まらせようとするもレベロに止められ万事休す。レベロの後任としてハイネセン再建に尽力する。

 

〜 ネグロポンティ 〜

 自由惑星同盟最後の国防委員長。ヤンを失脚させた査問会の表の主催者。帝国と同盟の戦力差を完全に読み違えてヤンを排除。

 同盟消滅時に軍の指揮権と任命権を持つ閣僚として唯一彼のみが帝国軍に拘束され、ヤンを追い込んだ報いを受ける。

 

〜 ウォルター・アイランズ 〜

 トリューニヒトの子分。ネグロポンティがヤンを排除して国防委員長の座を守り通した為に出番が無くなる。

 未覚醒のまま終戦を迎え、半世紀の惰眠が約一世紀まで伸びてしまった。

 

 

 

【フェザーン】

 

〜 アドリアン・ルビンスキー 〜

 フェザーン自治領最後の自治領主。黒狐。突如地球を征服したヴェルのお陰で地球教の呪縛から解放され、独自に行動を開始。

 自己の権益を最大化する為の陰謀を進めてヴェルの怒りを買い、黒竜の呪いを受けて火祭りの準備も出来ずに行動不能となる。

 

〜 ルパート・ケッセルリンク 〜

 ハイネセン駐在高等参事官。狐。ヴェルの支援を受けて黒狐との権力闘争に勝利し、関心を買う為に妻のドミニクを差し出す。

 己の子がヴェルの種である事を武器に新領土で勢力を拡大するも、今際の際まで実子と知らずにドミニクに足元をすくわれる。

 

〜 ニコラス・ボルテック 〜

 オーディン駐在高等弁務官。ハゲ鼠。ヴェルに幼帝誘拐の一味として捕えられ、ルビンスキーを売る事で生き延びる。

 クロップシュトック領を旧帝国領における経済拠点とすべく、ヴェルはボルテックをフレデリカの補佐役に配した。

 

 

 

〜 ボリス・コーネフ 〜

 フェザーンの独立商人。イワン・コーネフの従兄弟。ヤンの幼馴染。悪童ボリス。ユリアンのハイネセン潜入を助ける。

 同盟滅亡後、旧同盟領の物流を助ける為にコーネフ商会を設立。やがてケッセルリンク打倒の活動を開始し、成果を挙げる。

 

 

 

【その他】

 

〜 ジェシカ・エドワーズ 〜

 ラップの元婚約者。ヤンの内縁の妻。そしてラップのセフレ。政治家への道を選ばず、ヤンのもとへ身を寄せて一子をもうける。

 変わり果てたヤンの姿に苦しむも、ラップに支えられて立ち直る。ヤンに義理立てして最後までラップとは籍を入れなかった。

 

〜 シャルロット・フィリス 〜

 キャゼルヌとその妻オルタンスの間の長女。

 美しく成長して親の要望どおりにユリアンと恋仲となるも、二歳年下の妹に寝取られそうになって修羅場となる。

 

 

 

〜 コルヴィッツ 〜

 宮内省の官吏。帝国騎士。街で見かけたアンネローゼを皇帝の寵姫に求めるも、既に借財の形で奉公に出されており断念。

 その後シュザンナから呼び出されたコルヴィッツは、勇気を振り絞って子作りを諦めるよう助言。シュザンナの鬼女化を防いだ。

 

〜 セバスティアン・フォン・ミューゼル 〜

 アンネローゼの父親。帝国騎士。妻クラリベルを交通事故で、息子ラインハルトを難病で相次いで失い、酒に依存する。

 ヴェルの手配で治療を受けるも結局肝硬変で死去。アンネローゼはその遺言に従い、クラリベルのウェディングドレスでヴェルの妃となった。

 

 

 

〜 セバスティアン 〜

 凋落著しかったクロップシュトック家の執事。フリードリヒ四世崩御後のキナ臭い時期に倒れ、長く闘病生活を続ける。

 フェザーン遷都前に息を引き取る際、ヴェルが実はヨハンの忘れ形見ではなかった事実を明かすも、ヴェルにとっては本気で今更な告白となる。

 

 

 

Fin

 

 


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