リリカルにマブラヴした結果がこれよ   作:shita

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6 コンピューターゲーム

6-1 コンピューターゲーム

 

 

「で、できてしまった……。この世界にもコンピューターゲームというものが……」

 

(ピロリン、流石ですねマイマスター)

 

 

レイジングハートのサポートを使えば、基地内のセキュリティなんて無意味なのはお察しの通りです。

いや、それどころか、非常に高価なオモチャと言われる、シミュレータを改造することができることが分かってしまったのです。

 

本当はすごい難しいんだろうけど、困ったときのレイジングハート。

シミュレータの上に独自のライブラリを構築した上、猫でも分かるのを一晩で作ってくれましたっ!

 

なるほど。ツクールっぽいのなら、楽勝だ。さっすが未来の魔法テクノロジー。

あと、戦術機のデータを引っ張り出すと大量のサンプル音声ファイルと映像テクスチャ(3D画像みたいなの)あと、町のデータ。

 

一晩カタカタやってたら、すっごい3Dゲーム……いや、この世界のリアルなシミュレーションを生かし、質量を持った残像かって、レベルのすんごいゲームが出来た……っ!!

やべーよww ふひひww

 

――そんな感じで真っ暗なシミュレーターでケタケタ笑っていたら、涼宮中尉に捕まりました。

お、そうだ――

 

 

 

 

6-2 涼宮(中尉) ずーっと、ずっーとー憧れている 奇跡が始まる

 

 

なんだかよく分からないけど、

香月副司令が前に紹介してくれた子供にシミュレーターに乗せられてしまった。

 

(私はオペレーターなんで、衛士の誰かお連れしましょうか?)

 

そう話をしたんだけど……私でいいらしい。本当にいいのかなぁ?

……でも、ちょっとシミュレーターに乗るのは嬉しかった。

 

私だって衛士訓練兵を卒業してるんだ。

本当は水月みたいに孝之君の仇を取るために、戦術機に乗って戦いたいよ。

 

――そういって、本当に久しぶりにシミュレーターに乗った。

――でも、これが私の人生の転機になるなんて思いもしませんでした。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

眼を閉じたままシミュレーターの起動を待つ。

 

 

(……え?)

 

 

閉じた目に光源が当たっているのを感じる。すごい……風と草の香りがする。

すぅ……っと深呼吸をすると、すごく気分が落ち着いた。

 

 

「……あ、あれ?」

 

 

目を開けると、私はふかふかのベッドに座っていた。片付いた綺麗な部屋……この部屋は、そんなはずは、、、

それにシミュレーターって、こういうのは無かったはず? 対人戦闘用の新型かしら?

 

しかし、気分はいい。でも、なんだか妙に気分が落ち着かないなぁ。そわそわしてしまう。

とりあえず、ベッドから立ち上がって、半開きのカーテンを開ける。

 

 

(シャッ) 「あっ……――――っ!!」

 

 

……とそこには、透き通るような青空が広がっていた。

ムッとするような夏の熱い風が鼻孔に入ってきて……細めた目に映るのは、

 

 

――信じられなかった。

 

 

廃墟ではない家々が並んでる。

小鳥の鳴き声と、近所の犬の吠える声が窓越しに少しだけ聞こえるのを、私はぼんやりと聞いていた。

 

 

「もーーいい加減にしろって~!! おーーい!! 何度呼べば気付くんだよー!!」

 

 

……誰かの懐かしい声が聞こえた。なんでだろう。さっきから胸の鼓動が止まらない。

冷や汗が背中に走り、緊張で唇を何度も舐め直す。

 

ドキン、ドキン、ドキン。

胸が痛いよ。さっきから、この家の下でチャイムを鳴らしてるのは……!!

 

 

「た、孝之君っ……!!」

 

 

私は部屋を飛び出した。

 

 

……

…………

 

 

「孝之君、これは、シミュレータで、どうなって……?」

 

「シミュレータ? 何言ってるんだよ、遥。あっ、もしかして、今日のデ、デートのことか?

 でも、シミュレートってのは酷いよなぁ! 俺なりに頑張って行く先決めてあるんだぜ?」

 

「えっ、デ、デート!!? ち、違うよ!! 孝之君、話を聞いてよぉ!」

 

 

……

…………

 

 

「遥、遥……! おーいっ? なんだか少しボーっとしてるぞ?

 ――うーん、今日は調子が悪いのか? 公園で少し涼もうか。今日も暑いからなぁ」

 

「……ごめんね孝之君」

 

 

……

…………

 

 

「う~~、んっ! 木陰最高だなぁ~。公園のベンチも悪くないよな」

 

「うん、そうだね。……なんだか、夢を見てるみたい。静かで穏やかで……」

 

「……うん。確かに、夢かぁ。俺、プラン立てるので……徹夜したから…………実は眠くて……」

 

「あっ、孝之、君……(肩に頭が乗ってるーっ!! ね、寝ちゃったの? ……ひ、膝枕したほうがいいのかなぁ?)」

 

 

……

…………

 

 

「ふぅあ~……よく眠れた……けど、すっかり夕焼け空だ……。

 そろそろ帰ろうか。つか、ごめんな遥。暇だったんじゃないか?」

 

「ううん! そんなことないよ……っ!!

 すごく……すごく、素敵な一日だったよ……」

 

 

……

…………

 

 

「……っ。最後に遥聞いて欲しい。……俺……お前のことが……」

 

「孝之君、でも水月だって……!!」

 

「……誰かを好きになるのに理由なんていらない。気持ちの重さだって天秤にはかけられるものじゃない。

 ――でも、遥。俺は、お前を選びたいんだっ!!」

 

(……っ!!!!)

 

 

……

…………

 

 

ぶわわっ! 私の両目が涙にあふれて視界がぼやけて霞んで……。

なんて暖かい涙なんだろう。あれ、それになんだか頭に聞こえるこの歌……なんだろう。

 

 

――やわらか――風に……

――あなた 想う心 切なく……

 

 

気づくと孝之くんが私のすぐ側にいた。零れ落ちる涙を指ですくい上げ……

 

 

――あなたへの想い 生きてく……

――永遠に……

 

 

私は温かい唇の感触に身を委ね……そのまま意識が落ちた。

 

 

 

 

6-3 伊隅大尉 A01部隊

 

問題だ。大問題だ。

いや、こんな問題だれが予想しただろう。

 

 

「伊隅大尉、私は大丈夫です。私のことは、もう気にしないでください。

 だって、孝之君が寂しがってるから……」

 

「涼宮! いい加減目を覚ませ! どうして毎日シミュレーターをしているんだ!?」

 

「失礼ながら、伊隅大尉。この世界は夢なのです。

 うん。そうだよ。こんな世界、ずっと前から信じられなかったもんね」

 

「は? ……ば、馬鹿者! 何を言ってるんだ!!」

 

「私は正気に戻りました!」

 

 

涼宮は……シミュレータールームの一角を私室化してしまった。

香月副司令は、なんとか説得しなさいというが……これは、骨が折れそうだ。

 

 

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