新たな仲間を……あら、葉巻?   作:上新粉

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皆様初めましての方は初めまして!
過去作品をお読み頂いていらっしゃるか方はお久しぶりです!
そしてお待たせしてしまい申し訳御座いませんm(_ _)m

現在連載中の作品も必ず完結させる所存ですのでどうか記憶の片隅にでも置いといて頂けると幸いです!(現在低速執筆中)









疑問符まで含めて私なんです。

私は日本が誇る超兵器が一つ、超巨大ドリル戦艦【あら、葉巻?】。

弟想いで心配性な艦長達が今日も今日とて私とアマテラスを連れて末弟が艦長を務めるアラハバキがタイマンを張る海域へと向かっていた。

どうして個人的な私闘に我々超兵器を使用しているのかとか、そんな個人的な私闘に更に超兵器を二隻も投入するのはどうなのかとか色々言いたい事はあるが伝えられないので仕方ない。

 

さて、今回の相手は……はぁ、あれは海防艦だろうか?

生意気にも拡散荷電粒子砲を二基積んでいるがあれじゃああの子の主砲が掠っただけでも沈みそうだ。

これなら今回もアマテラスや私が出る必要はないわね。

 

そもそも超兵器に単艦で対抗出来る艦艇など超兵器以外に存在しないし、その中でも私達姉妹は頭一つ抜けていると自負している。

そんな私達を相手にあんな小さな艦艇一隻でどうにか出来るはずが……。

 

「グレた末弟を撃破っ!」

 

は?

 

「にーちゃーん! こいつらがいじめるよう!」

 

まさか超兵器どころか駆逐艦にも満たない様な艦艇一隻にアラハバキが負けた!?

 

余りにも想定外の事態に演算処理が追い付かずにフリーズしている内に次兄艦長が地団駄を踏みながらアマテラスが戦域へと入って行く。

その背中が視認出来なくなった頃、私は艦長の指示を受けて漸く我に帰り戦闘準備を進める。

アマテラスは電磁防壁が無い為奴の荷電粒子砲こそ防げないが、アラハバキより耐久が高く更には私と同じ兵装で406mmガトリング砲という嘗てのビッグセブンを冒涜するような機関砲を搭載している。

 

これでは幾ら早くて小回りが効こうと全て避けきる事など……。

 

「影の薄い次兄を倒しました!」

 

おい…………よくも我が姉妹達を可愛がってくれたなぁ?

ミジンコの分際でよくも……ゆるせないっ!

私の背後を取ろうなどと小賢しい!

 

「「我が名は【あら、葉巻?】ドリル三兄弟(姉妹)の長兄(長女)なり!」」

 

ガトリングでハチの巣にした後このサーキュラーソーと二対のドリルで粉微塵にしてくれるわぁ!!

 

 

 

 

「超兵器撃破っ!」

 

「げばらっ!?」

 

なんなんですか!最高速176knot(≒326km/h)を誇るこの私が追い付けないですって!?

それにあの重力防壁はなに?私のガトリングはそこらの豆鉄砲とは訳が違うのよ!?

……いや、それに関しては今の科学力を以てすればどうにかなる事は知ってますとも。

 

まぁ簡潔に纏めればチャフと超重力電磁防壁と旋回性能で私の兵器が全て無力化された……ただそれだけ。

 

私が沈んでから僅か一分足らずで海中に没して行く妹達。

 

ああ、私は一体何処で間違ったのだろうか。

()()()は無かった訳じゃない。

それをすれば少なくとも私は生き残れたかも知れない。

 

だがそれは妹達を……そして艦長をこの手に掛ける事と同義。

私にはその選択は出来なかった。

私だけ残っても仕方ないし、それに馬鹿で口は悪くても家族想いで心配性な艦長は……存外嫌いじゃ無かったのだ。

 

艦橋で満足そうに腰を降ろす男に苦笑しながら海中から空を仰ぐ。

 

超兵器として生まれた私は今まで他国の超兵器と戦った事などただの一度も無かった。

それは存在自体秘匿されていたからというのもあるが、なによりそうするメリットがほぼ無い。

実際こっちが被害を受けながらも何とか超兵器一隻を落とすより、無傷で敵艦数百を沈める方が戦略的に有効なのだから。

 

だが、艦長の満足そうな顔を思い出して漸く理解する。

雑魚を散らすだけの作業の様な日々より、より強い相手と戦いたい。

きっと艦長達はそう思ったからこそ超兵器(私達)を私闘に用いたのだろう。

 

私にも今ならその気持ちが理解出来る。

妹達と協力し艦長と共に全力を尽くしてなお越える事が出来なかった小さくも力強い海防……いや、役割からして超小型駆逐艦と言った所か。

 

きっと奴はこの先も数多の超兵器を打ち倒し、いずれ伝説の究極超兵器すら……。

 

まぁ、それは最早私達には関係の無い話かな。

それよりも自分のこれからを考えなくちゃ。

 

このままでは艦長はいずれ息絶えてしまうだろう。

たが彼は私と運命を共にしようとしている。

 

私としては助けられるのなら彼には助かって欲しいのだけれど、残念な事にその事を伝える手段が無い。

ならば私も彼と運命を共にする覚悟を決めよう。

 

直後、限界を迎えた艦橋の窓が砕け海水が流れ込むが、私は艦長が海に放り出されない様に電磁防壁で包み込む。

そうしてそのまま私の超兵器機関が活動を停止するその時まで艦長の身を守り続けた。

 

艦長、来世はもっと暖かい所で貴方と平穏に暮らせる事を……祈って……いま……す。

 

 

 

 

ドリルの咆哮 ~完~

 

 

 

 

 

……と、私達の物語は本当なら此処で終わる筈でした。

だが私の超兵器機関が終わりを告げる直前、私達の前の空間が歪み始める。

 

『汝は斯様な水底で眠る様な器ではない』

 

あなたは何者ですか?

 

心の内側から呼び掛けられる様な声に居心地の悪さを覚えながら尋ねる。

 

『余は異なる世界を見つめる者。汝に新たな活躍の場を与えてやろう』

 

声の主はそう言うと私の理解などお構い無しに空間の歪みは更に拡大していき、やがて私を丸々包み込んだ。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

は?一体何が起きたの?え、水底……あれ?

 

突如現れた空間の歪みに飲み込まれたと思ったら海上に立っていた。

 

いつの間にか浮上した?

いやいや超兵器機関が止まろうとしてたのにこの巨体が浮上出来る筈がない。

 

異次元……はは、まさか?そんなの究極超兵器の彼女でも出来ない筈だ。

いや、別の次元にも彼女の様な究極超兵器があるのならば考えられる話でしょうか。

 

未だ納得出来ない思考を仮説を立てて無理矢理押さえ付けると、今の状況を整理する。

周囲に何も無いのは記憶にある海と変わりは無い。

 

日の傾き具合からして明け方でしょうか?

レーダーにもソナーにもこれと言って反応は無い。

後出来る事としては自身の艤装の確認位ですが……。

 

「…………はい?」

 

センサーが故障したのでしょうか?

私にはドリルやらサーキュラソーやらを両腕に着けた女性が海の上に立っているように見えるんですが。

 

「っていうかこの身体って……もしかして……」

 

「もしかしなくてもお前自身だ【あら、葉巻?】」

 

「ひあっ!?い、今の声は!」

 

いきなり耳元から飛び込んで来た声は私の良く知る艦長の声だ!

 

近くに居るのかと慌てて周囲を見渡すがそれらしき男の姿は見当たらなかった。

 

えぇ……まさか幻聴?

あの人の幻聴が聞こえてくるなんてどうやら私は自分で思っていたよりメンタルが弱かった様だ。

 

「おい、こっちだ。お前の右肩の上に居るだろうが」

 

「へ、みぎ?」

 

視線を右舷方向へ向けるが軍服に身を包んだ小さな人形が置いてあるだけでやはり艦長の姿は見当たらない。

 

……え?もしかして?いや、そんな馬鹿な。

 

「か、艦長?」

 

「ああそうだ、お前の艦長の荒だよ」

 

そう言って目の前の小さな人形の様な生き物は右手を前に突き出した。

 

「あの、艦長。どうしてそんな姿をされてるんですか?」

 

「知らん。つかお前に言われたかねぇよ」

 

「私?そう言えば先程から違和感があるのですが、一体私の船体はどうなってしまったのでしょうか」

 

恐る恐る訊ねる私に艦長は非情な現実を突き付けた。

艦長曰く嘗ての破壊の化身の如き鋼鉄の姿ではなく、肩に掛かる黒髪と端正な顔立ちの見た目麗しい大和撫子の様だとの事らしい。

 

まさか艦長からそんな歯の浮くようなセリフが出てくるとは思っても居なかったがそんな些細な事はどうでもよかった。

 

私の自慢の船体が……こんな今にも折れてしまいそうな貧弱な姿に。

 

「お、おい。そんな凹むなよ。兵装はお前のなんだしもしかしたら性能はそのままかも知れんぜ?」

 

「それは……まぁ、試してみますが」

 

艦長は分かって居ない。

あの人間から畏怖の念を一身に向けられる美しき破壊者としての姿を……。

こんな姿で暴れ回っても誰も恐れてくれませんよ。

 

内心で愚痴を吐露しつつも機関出力を上げていく。

 

「ちょっと待て!落ちるっ!落ちるっつうの!」

 

「人の身体では艦長の居住スペースなんて……あ、此処で良いですね」

 

「ちょいまっ!?」

 

私は艦長を優しくつまみ上げるとバイタルパート付近にある二つの膨らみに出来た隙間に乗艦させた。

 

「徐々に加速していきますので気を付けてくださいね」

 

何故か抵抗しようとする艦長を押し込んで更に加速して行く。

 

うん、推力は特に変わらないみたいね。

 

やがて最高速へと達した時、突如海面から黒い何かが飛び出してきた。

 

「グオォォォォッ!」

 

「へ?何ですかあれ……って、あ」

 

「ギィヤァァァァッ!!」

 

黒い物体は何者か確認する間もなく足元に取り付けられたサーキュラソーに巻き込まれミンチになってしまった。

 

「あー……まぁ魚か何かでしょう」

 

「叫んでたがな」

 

一応速度を下げて戻ってみるが既に沈んでしまったのか黒い何かの姿は見当たらない。

 

……まあ良いですよね?

 

特に何も無かったと開き直り再び機関出力を上げようとしたその時。

 

「グゴォォォォッ!」

 

「ギャァァァ!」

 

「ゴガァァァッ!」

 

再び海面から三匹の黒い魚の様な何かが飛び出してきた。

 

「あれも……魚でしょうか?」

 

「砲塔を乗せてんな」

 

砲塔……もしかして私と同じ様に姿が変えられた超兵器?

それなら話が出来るかもしれないですね。

 

「聞こえますか!こちらは日本国の超兵器です!そちらの所属を教えて下さい!」

 

しかし相手は答えることなく主砲を放ってきた。

 

実弾ですか……避ける事は簡単ですが相手の力量を見極める為にも一発だけ被弾しますか。

 

「艦長、一発だけ被弾する事をお許し下さい」

 

「ならん、回避せよ」

 

「了解」

 

艦長の指示通りにノーフレームで面舵を取り加速する事で砲撃を切り抜ける。

 

「では艦長、敵勢力を殲滅しますか?」

 

「ああ、一人として逃がすな」

 

「了解」

 

私はすぐ様舵を反対へ切り直し黒い奴らを二对のドリルで次々と引き裂いて行った。

 

「殲滅完了、付近に更に反応を感知しました。殲滅しますか?」

 

艦長は少し考えてから答える。

 

「いや、対話が出来る相手なら今は少しでも情報が欲しい。この世界の事を知らずに動くのはリスクが大きい」

 

確かに艦長の言うことは尤もだ。

それに私の速度を以てすれば余程の事が無ければ逃げ切れる。

例え余程の事があったとしても艦長一人なら逃がす事は出来る。

 

「了解しました。それでは相手に接近致します」

 

「ああ、相手と同じ速度でな」

 

「はい」

 

相手と同じ…………30knot以下?

出せるかしら?

私達超兵器は他の艦と足並みを揃える様には出来てないのでそこまで速度を下げる減速機は搭載してない。

 

その為、私は機関を動かして止めてを繰り返し凡そ30knot前後をどうにか維持していた。

 

それから暫くして互いの姿が見えてきた所で無線のオープン回線から声が入って来る。

 

『おーい、聞こえてっか?やっぱ気のせいだったのかなぁ』

 

『ドロップ艦が動く事例だってゼロじゃないわよ〜?』

 

『そりゃそうだけどよ。結構な速度でこっちに向かって来てたんだぜ?』

 

ドロップ艦?なにやら良く分からない話をしてますが取り敢えず返事をしておきましょうか。

 

「呼んでいるのは私の事でしょうか」

 

『お、聞こえてたか。俺の名は天龍、お前の名前を教えてくんねぇか?』

 

「俺らを知ってる奴が居た場合面倒になるかも知れん。適当に名乗っ━━むぐぐっ!?」

 

指示を出す艦長を隙間の奥に押し込めて言葉を遮る。

 

私だって正直あまり名乗りたくはないのですが、お上の方に付けて頂いた名前ですから偽るのは不敬ですよ。

 

「私は超巨大ドリル戦艦【あら、葉巻?】です」

 

『アラ=ハマキ?海外艦か?つかなんで疑問形なんだよ』

 

「なんですか?人の名前に文句があるんですか?それと疑問符まで含めて名前ですのでお忘れなく」

 

『あ、いや……わりぃ。そういうつもりじゃねぇんだ』

 

私が軽く怒気を含めて聞くと天龍は少し狼狽えつつも謝罪を述べた。

 

いえ、まぁ文句なら私が言いたいんですけどね。

 

「それで天龍さん?ドロップ艦と言うのはなんでしょうか」

 

『ん?ああ、原因は解ってないらしいが時折お前みたく海上で一人突っ立ってる艦娘が居るんだよ』

 

「ほう、それでその艦娘?をどうするんですか?」

 

『まぁ……既に在籍してる艦じゃなきゃ基本的には保護した鎮守府で運用する事になるぜ』

 

成程。私がそのドロップ艦かどうかはさておき、そのシステムは使えますね。

私の名前に違和感を感じていたので少なくとも同名艦は居ないのでしょう。

 

「そうでしたか……それで、天龍さん。私はそのドロップ艦と言うものなのでしょうか?」

 

『あー……まぁ、ちょっと気になる所はあるが提督がドロップ艦として連れてこいっつうからそうだな』

 

成程、艦隊の頭が決定したのなら私の扱いはドロップなんでしょう。

 

私に対する警戒を少し緩めた天龍達が声が届く距離まで来たので無線機を戻して改めて自己紹介を始める。

 

「改めまして、超巨大ドリル戦艦……です。これからよろしくお願いしますね?」

 

名前は天龍から伝わるでしょうし良いですよね?

 

「俺が天龍型軽巡洋艦一番艦天龍だ。フフ、怖いか?」

 

こちらの左目に眼帯を着けたお茶目さんが天龍さんですね。

 

「同じく天龍型の二番艦龍田だよ〜?よろしくねぇ?」

 

服装以外は姉妹艦とは思えないふんわり系の龍田さん。ただ目だけは一ミリも笑ってないですね。

 

「特三型駆逐艦一番艦暁よ!レディとして扱ってよね!」

 

随分と可愛らしいレディの様ですね。

 

「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名があるよ」

 

私も不死鳥って呼ばれないかしら?

……まぁ、そんな華やかな通り名は着きませんよね。

 

「雷よ!困った事があったら何時でも頼りにしても良いのよ!」

 

あら、頼もしいですね。

元の世界に戻りたいなんて言ったら困らせちゃうでしょうか?

まぁ、私の船体と姉妹達以外にはあの世界に未練はありませんけれど。

 

「電です。よろしくお願いします」

 

ええと、何か怯える様な事したでしょうか?

そんな小動物みたいに震えなくても良いんですよ?

あ、よく見たら所々に先程の方々から噴き出してきた青い体液が付いていましたね。

 

まぁ……それでも第一印象は概ね上々と言った所でしょうか?

結果論とはいえ心配性な艦長を奥に押し込めておいて正解でした━━ってあら、いつの間にか気絶されてましたか。

 

気を失った艦長を右手に持ち変えるとそのまま天龍さん達の後をついて行くのでした。

 

 




Q.あら、葉巻?が長女って事は三隻の中で一番最初に造られたのですか?

A.原作参戦順としてはアラハバキ→アマテラス→あら、葉巻?ですが、本作では彼女達はコンセプトが同じなだけで実はそれぞれがネームシップとしています。(ドリル三兄弟と関係を合わせたかっただけです)

Q.あら、葉巻?が呼び辛い

A.あら、葉巻?「愛称を下さい」

Q.続きますか?

A.おもいつき100%なのであまり期待せず。
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