作品としては長くはならないと考えてはおります(未定)のでどうぞお付き合い下さいませ!
※本作のあら、葉巻?は原作のエクストラステージ出身という経歴の影響を受けています。端的に言えば時折アホだったり残念な子だったりしますのでご注意を。
カッコ良くて強いあら、葉巻?をご希望の方は投稿して私に教えてください!私も読みたい!
天龍さん先導のもと鎮守府へ向かっている途中、彼女達の少し後ろで私は艦長に叱られていました。
「全く、お前はもっと慎重に動く事を覚えろ!」
「……すみません」
「俺だって腰を落ち着ける場所が必要だとは思ってる」
「そうですよねっ!艦長も同じ考えでいて下さって嬉しいです!」
「調子に乗んなっ!」
「あうぅ」
私だって少し勝手が過ぎたとは思っています。
それでもこんな海の真ん中に艦長を放浪させる訳にはいきません。
その為なら少しのリスクを背負ってでも優先するべきだと判断したのです。
「……はぁ、お前は平穏に暮らしたいんだろ?鎮守府なんかに行ったらまた戦いの道具として使われるだろうが」
「か、艦長……っ!」
あの時の言葉は艦長に聞こえてないと思っていた。
でも艦長にはちゃんと届いていて私の為に考えでくれていた。
「ふふっ」
「……なにニヤニヤしてんだよ。反省してんのか?」
「はい、ありがとうございます艦長」
「こいつ……ちっ、もういい。後は俺がやるからお前は黙ってろ」
照れてる艦長なんて初めて見ました。
艦長の貴重なシーンをメモリーに残していると天龍さんから通信が入って来ました。
「鎮守府が見えてきたぜ。あれが俺らの所属してる柱島泊地第四鎮守府だ」
「あれがですか……」
嘗ての鎮守府と見比べると違う所は多々ありますが、それでも懐かしさを覚える風景ですね。
「取り敢えずあんたの配属先については提督に報告してからだが。ま、これから宜しく頼むぜ?」
「ええ、こちらこそよろしくお願いしますね」
無事鎮守府へ帰投を果たした天龍さんは私を連れて提督が居るであろう執務室へと歩き出す。
それにしても……今までドックにしか居た事が無かったから気付かなかったけれど、まさかこの建物がここまで広いなんて。
ちゃんと地図を覚えられるかしら?
「着いたぜ」
そうこうしてる間にどうやら執務室に到着したらしく、天龍さんは扉をノックして向こうからの返事を待っていた。
「良いか?俺が此処の提督と交渉してやる。お前は安請け合いすんなっつうか極力静かにしとけよ」
「はい、艦長」
此処は大人しく艦長に任せるとしましょう。
弟さんの事になると感情的になる所はありますが、艦隊指揮やこう言った交渉事は一級品ですからね。
伊達に超兵器艦長はやっていませんよ。
「失礼するぜ」
扉を開けて入っていく天龍に続いて私達も部屋に入る。
「失礼します。本日一〇〇〇付けで柱島泊地第四鎮守府に配属となりましたあら、葉巻?です。よろしくお願い致します」
部屋に入るとまず初めに敬礼を行い自己紹介を行う。
第一印象は大事ですからね。
けれどどうやら私はTPOを弁えて居なかったようです。
突如訪れた静寂の中私は一人首を傾げていた。
そんな空気を取り繕うように目の前の方喋り始めて下さいました。
「ええ、と……ご、ごめんなさいね?私は
何だかイントネーションが違う気がしますがあんまり何度も名乗りたくありませんので放っておきましょう。
それにしても……女性が軍人で更には少佐なのに提督をやっているとは。
「灰瀬提督の様な提督はこちらでは珍しく無いのでしょうか?」
「おい、静かにしてろって言っただろうが」
「う、すみません艦長。提督も失礼致しました」
「私は構わないわ?ただ最近は私の様な女性提督を務めることも増えてきてるわね」
あ、そっか。あっちじゃ女性で佐官の軍人が提督をやってるなんて余程の事情がなきゃ起こりえなかった事でもこっちじゃ普通の可能性もあるわけですね。
今回は灰瀬提督も天龍さんも特に気にする様子が無いので助かりましたが……これは提督といる間は余計な口を挟まない方が吉ですかね。
「バカ娘のせいで紹介が遅れて済まない。俺はコイツの面倒を見てる荒っつう者だ。バカ娘共々今後とも宜しく頼む」
えぇ〜……バカバカ言い過ぎじゃないですか艦長?
なんですか、気絶させちゃった事の仕返しですか?ちゃんと謝ったのに……。
「荒さんですか。はい、宜しくお願いしますね。では早速ですがアラハマキさんの配属先に付いて決めましょうか」
「そうだな。それじゃあ灰瀬さんの考えから聞かせて貰えるかい?」
灰瀬提督と艦長が当事者の私を放って配属先を話し合い始めた。
「なあアラ=ハマキ?、あの二人は何か知らんか白熱してるみたいだし補給でも行かねぇか?」
う〜む、確かに暫くは終わらなそうですが。
ただ超兵器機関だから燃料は不要ですし弾薬も満タンなんですよね。
とはいえ、先程艦長にスペックは出来る限り秘匿しろって言われたのでそのまま伝えるわけにはいきません。
そこで私は一度艦内に燃料や弾薬を入れといて後で返すという名案を実行に移す事にしました。
「行きましょう。天龍さん、案内をお願い出来ますか?」
「おうっ、まかせな!」
「では艦長、灰瀬提督、私達は補給に行ってまいります」
まぁどうせ聞こえてないんでしょうけど?
二人に一言伝えてから天龍さんと二人で補給場所へと向かったのでした。
天龍さんに此処だと言われて中に入るとそこは私の想像だにしなかった場所であった。
「此処は……まさか……?」
「あ?まさかも何も此処は食堂だせ。俺達は普段は此処で食事を燃料に変換してんだ」
ああっ、食事!私はそれが人間達にどれだけ活力を与えているか知っている!
自身の食堂で乗員達が食べていたカレーライスが……今の私なら、食べれる!
「カ、カレーを!カレーを頂いても良いでしょうか!?」
「お、おう。じゃあ今回は特別に俺様が持ってきてやっからよ。戦艦級で良いよな?」
「お願いしますっ!」
「ははっ、じゃあそこに座って待ってな」
私は言われるがままに椅子に座りカレーが来るのを待ちました。
永遠とも思える様な三分間を経て、天龍さんが遂に山の如くよそられたカレーライスを持ってきて下さいました。
すごいっ!そびえたつ山脈の様なカレーライス!
だけど私には食べ切れるという確信があった。
「戴きますっ!」
先ずは一口。
「はむっ!んっ!?ん〜〜〜っ!」
何これ!?す、すごい!
ああっ、どうして私はこの感動を表現する言葉を持っていないのでしょう!
ですがこれは素晴らしいものですっ!
これが食事ですか、これなら士気が上がるのも頷けます。
「ど、どうだ?美味いか?」
「ゴクン……っぷは!はいっ、素晴らしく美味しいです!」
そして二口目からはそれはもう怒涛の勢いで口に放り込んで行きました。
艦長達は今までこんな良い思いをしてきていたなんて……ですが赦しましょう。
なぜなら今の私は幸福に包まれていますから。
「すげぇな、もう食っちまいやがったぜ」
「はい、とても美味しくてもっと食べたいくらいです」
「ははっ、じゃあ満足するまで食ってみっか?なんて━━」
「良いんですかっ!?」
「「あっ(察し)」」
「……いや」
「そう……ですよね。すみません」
「うっ……ぐぅ……いい、ぜ」
「いえ、ですが……」
「ああもうっ!いいつってんだろうが!間宮さん!こいつの分は俺が出すから好きなだけ食わせてやってくれ!」
天龍さん……っ!貴女は神ですかっ!?
私頑張りますっ!天龍さんの力になれるように一生懸命働きます!
天龍さんと間宮さん!そして全ての命に感謝を込めてっ!
「頂きますっ!」
その結果、私は配属初日にしてお代り禁止令が言い渡されてしまったのでした。
流石にその月の残りの配給分まで食べきってしまったのはいけませんでしたね。
今思えば間宮さんはどうしてあんなに作ってくれたのでしょうか?
〜執務室にて〜
灰瀬「えっ?アラハマキさんに天龍が好きなだけ食わしてやるって?」
(まあ初日だしそこまで燃料は消費してないでしょう)
灰瀬「別に良いわよ。間宮さん、彼女が食べ終わったらまた報告してくれるかしら?」
荒(なんか嫌な予感がするぜ……)