軽音部に所属している中野 梓は今日も軽音部のある音楽室に、向かうと…?

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最近けいおん!を全話見て映画を見てから書きたくなったので、衝動的に書きました。
設定としては、唯たちが三年生、あずにゃんたちが二年生です。



唯「あずにゃんって呼ぶのをやめてみる」

 中野 梓(なかの あずさ)という名前はとても気に入ってます。

お母さんとお父さんが頑張って考えてくれた名前だし、今となっては慣れちゃったけど、唯先輩の『あずにゃん』呼びも私の名前から取ってつけて貰ったものなので。

何でこんな事を考えているのかというと、今朝に憂からこんな事を言われて……。

 

 

そう、いつものように登校した後、下駄箱へと靴を入れた私に憂が話しかけて来たんです。

(うい)「梓ちゃん、昨日ってお姉ちゃんと何かあった?」

(あずさ)「えっ? 唯先輩と……って何も無かったけど」

昨日は普通に部活……というか内容的にはお茶したって言った方が正しいけど、まあ、一応は。

梓「うん、お茶してばっかりだったけどけど練習もしたよ」

憂は少し悩むようなそぶりを見せた後で、話を切り出した。

憂「そのね、お姉ちゃんが昨日の夜にギター触りながら、明日はあずにゃんって呼ばないぞぉって息巻いてたんだけど……」

梓「ど、どうしてそんなことを?」

そう質問しても、わかんないと返されるのみ。

 

 

そうして、何でかよく分からないまま授業を終えて、放課後になると私の足は自然と軽音部の部室である音楽室に向かっていました。

 

扉の前で一呼吸……。

むったんの重さを背中で微かに感じつつ、扉を開けて中に入ります。

 

すると、部室では(ゆい)先輩とむぎ先輩がお茶をしながら話し込んでいました。

(ゆい)「だからそこで私が…」

(つむぎ)「いやいや、そこはわたしが…」

私が入って来たのをみると、むぎ先輩が椅子から立ち上がって聞いて来ます。

紬「梓ちゃん、レモンティーとダージリンティーどっちが良い?」

梓「レ、レモンティーでお願いします」

私は鞄とむったんを座席に置く時に、よく見ると唯先輩やむぎ先輩の鞄だけでは無くて、澪先輩と律先輩の鞄も置いてあります。

梓「あれ、澪先輩たちも来てたんですね。 てっきり唯先輩達だけかと思ってました」

いつもの席に座ると、少しだけ唯先輩とむぎ先輩の組み合わせは不思議だな…なんて思ったり。

 

梓「そういえば唯先輩……聞きたいことがあって」

私は朝の憂の様子を思い出して聞こうとすると……見計ったかのようのにむぎ先輩がお茶を出してくれました。

紬「実はレモンティーに入れるはずだったレモンの輪切りを持って来るの忘れたの〜、ごめんね…」

申し訳なさそうに、むぎ先輩は謝りますけど、私としては無くてもそんなに困らないので別に気にしませんよ……。

梓「いえ、私は無くても大丈夫ですから」

そう言いながら一口飲むと、口の中にすっきりとした甘味とほのかな苦味、そして心の中があったまるような温度が私の中をじんわりと進んでいく。

梓「やっぱり美味しい…」

むぎ先輩の入れるお茶はついつい飲んでしまいます。

唯先輩の方を見ると、なんだかいつもよりも優雅にお茶を飲んでいるように感じます。

……気のせいですかね?

 

 

と、部室のドアが開き(りつ)先輩達が入ってきました。

 

(りつ)「ただいまーってもう梓来てんじゃん」

どうも、と挨拶すると同時に(みお)先輩の身体は後ろの方に傾きます。

(みお)「おい、律! また体育館の使用許可状が未提出になってたじゃないか!」

澪先輩がそう言いながら律先輩を引っ張っています。

律「そんなこと言われてもさー、忘れてたのはしょうがないじゃん?」

律先輩の反省しないような態度に、澪先輩はため息をついてやれやれとばかりに首を振ります。

 

先輩達は席に座ると、むぎ先輩からのお茶にそれぞれお礼を述べてから飲み始めます。

唯「練習よりもお茶してたいよぉ、あずさちゃんもそうだよね?」

えっと……なんだか違和感が…って。

唯以外「「「「あずさちゃん⁇」」」」

律先輩が慌てるように隣の唯先輩の肩を揺すります。

律「おいおい、どうしちゃったんだよ唯、いつものあずにゃん呼びはどうした?」

澪「いつもはあずにゃん呼びで定着しているのに……本当にどうしたんだ?」

澪先輩の言う通り、私は少し不満だけどあずにゃん呼びが定着してしまっている今、唐突な呼び方の変更はなんとも不思議な気持ちになります。

 

梓「うーん確かに言いましたよね……って、そう言えば! 憂から聞いたんですけどもしかしてあずさちゃん呼びしているって」

朝に憂から聞いた事を本当にやっているのかと思うと、ちょっとあきれたりもしますが……。

 

澪「……!なあ、ちょっといいか?」

何かに気づいたかの様な表情を浮かべたあと、澪先輩は唯先輩以外を集めてひっそりと話します。

澪「なあ、もしかしてあれって唯じゃ無くて憂ちゃんなんじゃないか?」ヒソヒソ

その言葉に、むぎ先輩も頷きます。

紬「ありえるかも知れないわね。 この前の学祭の時に風邪の唯ちゃんの代わりに来てたもんね」ヒソヒソ

律「なんだかんだ言って憂ちゃんも寂しかったのかもしれないな。 ここは気付かないフリをしておこうぜ」ヒソヒソ

紬「そ、そうよね」ヒソヒソ

私は唯先輩な気がしますが……。

紬「唯ちゃん、まだまだおかわりもあるわよ〜」

むぎ先輩はそういうと、ティーポットから唯先輩のマグカップにおかわりお注ぎます。

うーん、もしかしたら憂なのかな?

梓「唯先輩、お菓子もまだありますよ」

唯「良いの〜!それじゃ、クッキーも食べちゃお〜」

梓(見た目は唯先輩なのに……)

紬(中身は憂ちゃん……なのよね)

唯「おいし〜!」サクサク

うーん、本当に憂なのか唯先輩なのかわからないです……。

 

あ、演奏だったら判断できるかも…!

梓「唯先輩、そろそろ練習しますよー!」

いつもなら練習する時間だし、本当はどっちなのかを判断するいい機会ですっ。

唯「えー、まだやらなくて良いじゃん。 お茶してゆっくりしようよー、あずにゃん!」

唯以外「「「「あずにゃん!?」」」」

律「呼び方が…」

澪「戻った……な」

澪先輩達が驚いて固まっています。

わからなくなって来たので、演奏で判断することにします。

梓「ゆ、唯先輩、良いですから練習しましょ」

唯「もぅ、さっきから、みんな驚いてどうしたの?」

少し怒った様に頬を膨らませて言います。

梓「な、何でもありませんよ!」

慌ててごまかした私を少し見てから、急に席を立ち上がります。

唯「よっーし、クッキー食べちゃったし、練習しようか、あずにゃん!」

梓「は、はいっ!」

そんな風に今は(めずらしく)練習にやる気を出した唯先輩に私は慌てて返事します。

それなら、という風に澪先輩たちも準備を始めます。

澪「私たちもやるか、練習」

紬「そうね〜」

 

それぞれが席を立ち始めた時に、ガチャリと部室の扉が空きました。

その隙間から憂がひょこりと顔を覗かせて話します。

憂「お、おねえちゃん、プリントが落ちてたってさわ子先生が……」

憂を見て、律先輩たちは安心したかの様に言います。

律「なんだよー、さっきのは唯が言ってただけかー」

澪「本当に憂ちゃんかと思っちゃったな」

紬「そもそも学年でリボンの色が違うわけだし…」

あそこに憂がいるって事はやっぱり、もともと部室にいたのは唯先輩だったって事ですよね?

梓「……っあれ?」

よくよく見てみると、憂が付けているリボンの色が青色だ。

もしかして、もしかしてだけど……。

梓「憂じゃなくて、唯先輩なんですか?」

恐る恐る訪ねてみると、唯先輩の格好をしたであろう憂が不適に笑い出します。

憂?「ふっふっふっ、そのとぉーり!」

後ろにいた唯先輩……もとい憂も話します。

唯?「騙しちゃってごめんね。梓ちゃん」

2人は髪を下ろすと、それぞれいつもの髪型に戻します。

唯の格好をしてた憂「私が憂で」

憂の格好をしてた唯「私が唯なんだよー!」

梓「へぁ!?すっかり騙されたです……」

これは……すっかり騙されてしましました。

すると、むぎ先輩がニコニコとしてポケットから赤いリボンを取り出します。

紬「ごめんなさいね、実は協力してたの〜」

まさか、むぎ先輩が協力していたとは……。

私はポカンとした表情を浮かべたまま、席に戻って言います。

「あの、唯先輩も含めてもう一回ティータイムにしましょう!」

放課後にいつも待っているティータイムは、今回も長くなりそうです。




という事で、こんな感じですが楽しんでいただけただしょうか。

今回は地の文多めの台本形式にしてみました。

あ、因みに推しはむぎちゃんです(*´-`)


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