白兎が魔王の義息なのは間違っているだろうか(細部設定訂正中)   作:クロウド、

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早く、戦闘シーンを書きたいです……。
それに、お試し版見ていただいたとおり出したいキャラが沢山いるのに!


一方その頃

 フィン達がウィステリアでスーパーミレディゴーレムと決死の戦いをしている一方その頃。

 

『おい、嘘だろ……?』

 

『俺達は悪い夢でも見ているのか?』

 

『ありえない! ありえない!』

 

 宴の会場はまさに戦々恐々としていた(特に男神)。そして、その視線の先にいるのは純白のドレスを纏って歩く赤髪の女神。

 

 しかし、その視線は彼女の美貌ではなく……。

 

『『『あのロキに、胸があるなんてぇぇぇぇぇぇ!!!』』』

 

 そう、絶壁で有名なあのロキの胸部が膨らんでいることに慄いているのだ。

 

(やった! ついにやったで! 長年夢見ていた反応や。ホンマにありがとう、ベルたん!)

 

「ムフッ、ムフフフフフ……。」

 

 ロキは内心の笑みを隠しきれずその顔は気持ち悪いくらいにニヤけている。隣に立っているヘスティアは完全にドン引きだ。

 

「おい、ロキ。気色悪いぞ」

 

「そうかぁ……?」

 

「うわぁ……。」

 

 いつもなら嫌味か、頬をつねるくらいのことはするだろうにただニヤけたまま尋ね返すロキを見て重症だこりゃと諦める。

 

 今二人がいるのは今回の宴の主催者ガネーシャの《ガネーシャ・ファミリア》ホーム。『アイアム・ガネーシャ』である。

 

 浅黒い肌にイケメンで有名なガネーシャがどう血迷ったのかファミリアの貯金を全てはたいて作ったこの建造物は概観がガネーシャを模しており、入り口は胡座をかいた股間に設置されている。

 

 因みに構成員にはか〜な〜り評判が悪い。

 

 今回の宴は立食パーティのような仕様でテーブルには色とりどりの料理が並んでいる。

 

 ガネーシャからのお決まりのスピーチを聞き流し、ロキは皿に料理を盛り付ける。

 

「ホレ、ドチビ」

 

「ア、アリガトウゴザイマス……。」

 

「なんで片言!? いや、いつものウチからしたらありえないから仕方ないやろうけど。いくらなんでもひどない!?」

 

「……毒でも盛ってないだろうね?」

 

「盛れるか!?」

 

 背が低くてテーブルに届かないヘスティアに変わって料理を盛り付けた皿を渡すが、今までの関係が関係だったので物凄く胡散臭い目でロキを見る。

 

「全く、失礼なやっちゃな……。あむ……」

 

「パク……。」

 

「「………………。」」

 

「……ベルたんの料理のほうが美味いな」

 

「うん」

 

 一応ここの料理もその道のプロが作ったものなのだが、流石地球で本格的な料理修行をしただけあってベルの料理の腕は凄まじい。

 

 それをほぼ毎日食べて舌が超えていた二人にはここの料理はちょっと味気ない。

 

「あんた達、いつの間にそんなに仲良くなったの?」

 

「ヘファイストス!」

 

「おお、ファイたんやないか!」

 

 現れたのは炎を連想させる赤い髪とそれを引き立てる赤いドレス。そして、片目を隠す眼帯があってもなお生える美しさが印象的な美女。

 

 《ヘファイストス・ファミリア》が主神、ヘファイストス。それが彼女の名だ。

 

 ヘスティアのかねてから親友でロキとも友好的な関係だ。神達の策略あふれるこのオラリオで数少ない善性の神と言えるだろう。

 

「色々あってな、コイツウチのファミリアの傘下になることになったんや」

 

 丁度いい高さにあるヘスティアの頭をグリグリと撫でる。突っぱねたいところを必死に我慢するヘスティア。

 

「へぇ、意外ね。天界でも折り紙つきの仲の悪さだったのに」

 

「まぁ、コイツの初めての眷属が色々ワケアリなんや。保護も兼ねてや」

 

「なに? あんたがそこまで言うなんて、そんなに凄いの? この子の眷属?」

 

 すごいなんてもんやないけどなぁ、と言いたいところを口を紡ぐロキ。特にヘファイストスに彼の能力が知られたら大変なことになるだろう。彼女の胃が。

 

「あっ、そうだへファイストス。君に用があったんだ」

 

「何? 言っとくけどもう1ヴァリスだって貸す気はないわよ?」

 

「違う違う、はいコレ」

 

 そう言ってヘスティアは持参した布袋をヘファイトスに渡す。中には無数の硬貨が。

 

「……ちょっとあんた、やばいことしたんじゃないでしょうね?」

 

「酷いなっ! 確かに僕は最近まで君のところでニートしてたけど、今では眷属を持ってちゃんと意識改革したんだ! 主神としてね」

 

 ヘファイストスにヘスティアの信頼がないのは仕方ないやろうけど。なにせ、眷属の出来なかったヘスティアはベルが眷属になってくれる少し前まで彼女のホームで文字通りニートをしていた。

 

 それを見かねたヘファイストスに追い出されその先で出会ったのがその見た目から中々ファミリアに入れてもらえなかったベルという訳だ。

 

 あの袋の中身はその際借りていた金だ。

 

『おい、ドチビ。あの金……。』

 

『ベル君が眷属になる少し前にバイトしていたときのお金と、残りはベル君に借りてきた。ウィステリアの経営でしっかり返してくれって言われたよ』

 

『ウチはてっきり、ベルたんに錬成させたのかと思ったわ……。』

 

『僕も流石にその発想はなかったよ……。』

 

 ロキの発想にドン引きするヘスティア。いや、普通考えるやろ? と弁明するロキだが。ヘスティアの視線はヘファイストスに向いている。

 

「なるほどねぇ、何はともあれ神友としてはアンタがしっかりしてくれたことは嬉しいわ」

 

「いやぁ、それほどでも。あっ、そうだ! 今度ウチのホームに来てよ、喫茶店やってるから」

 

「……私が紹介したの、廃教会だったと思うんだけど」

 

 ヘスティアの無邪気な言葉に本気で疑問符を浮かべる。

 

「あら、変わった組み合わせね」

 

「来とったんか。」

 

「ふ、フレイヤ……。」

 

 現れた第4の神物にロキは意外そうな顔をしヘスティアは露骨に顔をしかめる。

 

 美形の多い数多の神の中でも特に美しいその美貌。そして、完璧と言って触りないプロポーション。金の刺繍の施されたドレスを纏い、長い銀髪をなびかせる彼女の名はフレイヤ。

 

 美に魅入られた神、フレイヤ。

 

 オラリオ最強の二大派閥、《ロキ・ファミリア》と対を成す《フレイヤ・ファミリア》の主神。

 

「な、なんで君がここに?」

 

「ああ、すぐそこであったのよ。久しぶりー、って話していたら、じゃあ一緒に回りましょうかってことになったの」

 

「か、軽いよ、ヘファイストス……。」

 

「お邪魔だったかしら、ヘスティア?」

 

「そんなことはないけど……。」

 

 薄い笑みを浮かべたままの美神に顔を背けながらヘスティアは口を曲げて呟いた。

 

「ボクは君が苦手なんだ」

 

「フフフ、私は貴方のそういうところ好きよ?」

 

「やめてくれよ」

 

 そこから基本的に他愛ない話だった。最近、ファミリアの方はどうだーとか、本当に他愛もない話だ。

 

 周りから『まさかあのヘスティアがロキの傘下に入るなんて』とか、『いつも会うたびに胸のことで喧嘩してたのに』という声が聞こえていた。

 

 しかし、そこへヘファイストスが無自覚な爆弾を落とす。

 

「そう言えば、ロキ。あんた、最近ダンジョンに現れる黒ずくめの冒険者について何か知らない?」

 

「「ぶほっ!」」

 

「ちょっ、どうしたのよ!?」

 

 最悪なタイミングで飲んでいたドリンクを吹き出す二人。

 

『おい、黒ずくめの冒険者って……。』

 

『ベル君だろうね……。』

 

 何度もボードゲームで対戦した影響か、二人はもはや目線だけで会話ができるようになっていた。

 

「あ〜、ギルドの受付嬢の子に聞いたわ! それで、それがどうしたんや?」

 

「それがウチの団長がその冒険者、いえ、正確にはその冒険者が使ってた武器にえらくご執心なのよ。なんでも、ダンジョンに潜ってる途中見たこともない武器で戦っているところを偶然見たらしくて。

 しかも、かなり離れてたのにバレて逃げられたんですって」

 

((さっ、最悪だぁぁぁぁぁ!!!))

 

 以前も説明したとおりヘファイトスのところの団長は鍛冶に関しての情熱が凄まじい。ベルの工房の存在を知ったら乗り込んできそうなくらいには。

 

 バレたらまずいと考えた二人は目線を合わせて頷く。

 

「悪いけど、ウチの団員がそれを見たって話は聞いてないんや」

 

「そう……。フレイヤはどう?」

 

「ごめんなさい。私も噂くらいしか知らないわ。でも、面白いわね。所属も、目的も不明。おまけに未知の武器。まさに、正体不明(アンノウン)ね」

 

『ベルたんが気に入りそうなワードでてきたなぁ……。』

 

『ああ』

 

 厨二感溢れる言葉にベルが喜びそうだし後で教えてやろうと考える二人。

 

「あっ、ファイたん、フレイヤ。ウチまだ話さなアカンやつおるから。この辺で、行くでドチビ」

 

「はいはい」

 

「そう、それじゃまた会いましょう」

 

「ロキ、ヘスティアさようなら」

 

 そんな簡単なやり取りで二人から離れるロキとヘスティア。

 

「ドチビ、気付いたか?」

 

「ああ、フレイヤの奴。ベル君の話題が出たとき一瞬雰囲気が変わった」

 

「あら、バレてるかもしれんな〜。まぁ、ベルたんなら『猛者』に喧嘩売られても勝てるやろうからええけど……。というか、喧嘩売ったらオラリオの勢力図塗り変わるんとちゃう?」

 

「当然ッ! ボクのベル君は世界最強の魔王の息子だもん!」

 

「嗚呼っ! なんでウチんところに入ってくれんかったんや!」

 

 逃した鳥の大きさに酷く後悔しながらロキはうなだれる。

 

「というかロキ? ベル君からのお使いはいいのか?」

 

「なにいってんや? ベルたんの注文にピッタリ合う奴ならお前もよく知っとるやろ?」

 

「え? あっ!」

 

 ロキが顎でホレと示す先には他の神にからかわれる独特な髪の結び方をした男神がたっていた。

 

 ロキは自身の夢(胸)を守るため、もとい、ベルからの使いを果たすためその神へと近づいていった。




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