白兎が魔王の義息なのは間違っているだろうか(細部設定訂正中)   作:クロウド、

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え〜っ、そろそろこの小説も前に進まなければいけないのかもしれません。しかし、書ける自身があまりまりません、それでも書いてほしいって人がいるなら書きますけどね……。


《アストレアレコード》エピローグ 試作

 ―――教会での一件から数日。シャドウボーダーの調整も終わり、ベルがこの世界を去る日がやってきた。

 

「「ベル様ぁ〜〜〜!!」」

「…………。」

「あぁ、もうっ!リリちゃんも、春姫ちゃんも僕の服で涙を吹かないで。アイズちゃんは無言で僕の首絞めないで」

 

 ベルがいた世界より早くに救われた少女たちは自分を救ってくれた青年が行ってしまうと知り、泣きながら抱きついていた。元の世界でもそうだが、すっかり懐かれてしまい引き止められていた。

 

「あらあら、相変わらずベルはモテモテね!」

「そんなこと言ってないで助けてくださいよ、アリーゼさぁん」

「無理ね!はっきり言って私だって同じことしたいもの!」

「そんなぁ!」

 

 胸を張って何故かそういう【アストレア・ファミリア】団長。仕方ないので隣の輝夜やリューに視線を向けると彼女達は()()と二人を引き離しにかかる。それに釣られリヴェリアもアイズを引き離す。

 

「ほら、春姫いい加減離れろ」

「リリ、貴女もですよ」

「アイズ、彼が困っているだろう」

 

 三人が保護者(仮)達に引き剥がされると、ベルは三人娘にもみくちゃにされた衣服と正す。

 

 この場にはベルの見送りとしてアストレア、ロキ、ヘルメス、ガネーシャ、ヘファイストスの各ファミリアの代表達と主神、さらにはエレボス、ザルド、アルフィアが彼の見送りとしてオラリオの入り口に集まっていた。

 

 ようやく、三人娘から開放されたベルの視線はヘファイストスと椿とともにいる赤髪の少年に目を向ける。

 

「ヘファイストス様、椿さん、ヴェルフのことはお願いします」

「ええ、任せて頂戴」

「こやつの面倒は我々が責任を持ってみよう」

 

 そう、この少年こそ後のベルの親友にして兄貴分であるヴェルフ・クロッゾ。春姫のときと同じように羅針盤によってラキアから出奔したところを見つけオラリオに連れてきてその面倒を【ヘファイストス・ファミリア】に預けたのだ。

 

「ヴェルフ、立派な鍛冶師になるんだよ」

「あぁッ!いつかアンタのアーティファクトすら超える砕けねぇ魔剣を打ってみせるさ!」

「楽しみにしてるよ」

 

 ポンポンと自分より小さい兄貴分の頭を撫でる。きっと彼ならその目標にたどり着ける日が来るだろう。

 

「皆さんにもお世話になりました」

「それはこちらのセリフさ」

「あぁ、お陰で私達は救われた」

「まぁ、ちとやりすぎな気もするがの」

「あぁ、それとあの二人のことは……。」

「うん、まぁ……任されるよ」

「まぁ、あんなかわええ子たちを家族にできるのはありがたいんやけど……。」

「すいません、襲ってきたから……つい」

 

【ロキ・ファミリア】の三人にそれぞれ感謝をいい、言われる。ついでに、羅針盤で見つけた二人のアマゾネスのこともフィンに頼んでおく。最も、二人はベルに声をかけられて喧嘩を売られたと思ったのか襲ってきてまんまと返り討ちにあってからアマゾネスの本能なのか異性として見るようになったせいで今日は【黄昏の館】で留守番させられているが。

 

「ベル・クラネル、妹の命を救ってくれて本当にありがとう」

「私からも改めて、ありがとね!」

「俺からも言わせてもらおうッ!ガネーシャ感謝ッ!!」

「もう良いですって、僕は僕の満足する未来を見たかっただけですから」

「まぁ、それが君の英雄らしいところじゃないか?」

「たしかにな、強欲と傲慢な英雄か。まっ、そんなのも悪くないんじゃないか」

「ヘルメス様、エレボス様……次変なことしたら消すからな」

「「俺たちだけに辛辣じゃねッ!?」」

 

 シャクティ達、【ガネーシャ・ファミリア】にアーディの一件で礼を言われ、そこに割り込んできたヘルメスとエレボスに絶対零度の視線で辛辣な事を言う。アスフィは『当たり前でしょう……』と額を抑えている。どうやら、この時代でも苦労症の団長は健在らしい。

 そんな彼女に特性の健康ドリンクを差し入れし、この世界に来て一番世話になった【アストレア・ファミリア】の四人、アリーゼ、輝夜、リュー、ライラそしてアストレアに視線を向ける。

 

「皆さんには本当にお世話になりました」

「何度も同じことを言わせるな、救われたのは私達の方だ」

「そうそう、今更水臭いことは無しよ」

「あぁ、それに悪くなかったしな」

「えぇ、こういっては不謹慎ですが貴方との時間は楽しかった」

「リリと春姫のことは任せて。元気でね、ヘスティアにもよろしく言っておいて」

「はいっ!」

「「ベル様ぁぁぁぁぁ!!」」

「…………。」

「うわっ、またかっ!」

 

 アリーゼ達の言葉を受け取っていると、復活した三人娘が再びベルをもみくちゃにする。

 

「あぁ、もう!()()()()()()()()()()()()()()()()()ひっつかないでよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「は?」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 ベルがポロッとこぼした言葉にその場にいた神々も眷属も目が点になった。その中で一人、誰よりも早く冷静に戻ったアストレアがベルに震えた声で問いかける。

 

「べ、ベル?今、なんて言ったのかしら?」

「え?ひっつかないでよ?」

「違うわそれよりちょっと前」

「えっと、これが最後じゃないんだから?」

「そうっ、それよ!どういうこと!?」

「あれ、言ってませんでしたっけ?シャドウボーダー自体の調整はとっくに終わってたけど、羅針盤にこの世界を記録させるために時間がかかってたんですって、だから、ぶっちゃけいつでも来れるって」

「「「「言ってない(わ)(よ)!!!」」」」

 

 ベルが説明すると何人もの神が、眷属が頭を抑えてふらつく。特に突っ込んだアリーゼ、輝夜、リュー、アーディは『なにそれ、色々悩んでた私達馬鹿じゃない』と言いたげな雰囲気を醸し出している。

 

 とにかく、それを聞いた幼女達は大喜びでありようやく泣き止んで服を話してくれた。ただ、すっかりシワだらけで『後でアイロンかけなきゃな』とつぶやいた。

 

「―――ザルドさん、アルフィアさん」

 

 そして、最後に挨拶するべき人物たちに顔を向けて一言こう言う。

 

()()()()()()()()

「あぁ、任されよう」

「……約束する」

 

 二人の言葉に満足したのか、ベルはシャドウボーダーに向かって歩き始めた。

 

 アルフィアとベルの関係を知っているアリーゼ達は、その様子を黙って見届けている。そして、シャドウボーダーの前にたつと、ベルが口を開いた。

 

「アルフィアさん―――僕の今の父親は南雲ハジメで、僕の母親はユエ義母さんたちです。メーテリア……母さんも僕を生んでくれた人なので母親だと思っています。だけど、貴女を母だとは思えない」

「……あぁ、当然だ。」

 

 ベルの言葉にアルフィアは寂しそうな笑みを浮かべて、頷く。本人自身、納得していたのだろう。エレボスの誘いに乗ったとはいえ、自分が家族を見捨てたのは何も間違っていない。家族として何もしてやれなかった、恨まれて当然なことをしたのは自分なのだからと。

 しかし、「だけど」と続けたベルの言葉にアルフィアは反射的に顔を上げた。

 

「貴女が僕と血が通った家族だってことは間違いない」

「ベル、お前……。」

「だから、だからさ……!」

 

 シャドウボーダーの方を向いているベルの声は僅かに上ずっていた。そして、その言葉の後に服の裾で目元をこすると、アルフィアの方を向いて涙でくちゃくちゃになった顔を出来る限りの笑顔で口を開いた。

 

「またっ、会いに来てもいいかな?―――『姉さん』……!」

「ッ!ベルッ……!!」

 

 その言葉に心のダムが決壊したアルフィアは泣きながらベルを抱きしめる。ベルもまた愛すべき唯一の血のつながった家族を抱きしめ返す。

 

 そして、そんな二人の家族の姿を絶対悪の神が、遊戯神が、鍛治神が、正義の女神が、放浪神が、民衆の主が見守っていた。

 

「―――こんな奇跡があるものなんだな、これだから下界の子供達は面白い」

「いやいや、あの子は特別やろ?長い時間を生きてるうちらかて聞いたことないで時空を自由に移動できる人間なんて」

「そうね……でも、一度くらいこんな奇跡があっても悪くはないと思わない?」

「ええ、今回の件で私達も学んだわね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「あぁ、ゼウスは本当に面白い子供を残してくれた。彼の思惑とは違うが、間違いなく英雄は生まれた」

「これこそまさにガネーシャだなッ!!」

「「「「「それは絶対に違う」」」」」

「……ガネーシャ、ショック」

 

 きっと、この場にはいない美の女神も言葉は違うが同じようなことを言うことだろう。それだけベル・クラネルという英雄は変化を知らない神々にとって素晴らしいものを見せてくれたのだから。

 

「それじゃあ、皆さん!お元気で!」

「ええ、またね!」

「今度来るときはそっちの馬鹿エルフも連れてこい盛大に煽ってやる」

「させるか、輝夜。だが、私も一度そちらの私にあってみたいものです。」

「また会いに来てねっ!」

「はいっ!」

 

 こちらに来てから何かと世話になったアリーゼ、輝夜、リュー、アーディの言葉を受けてシャドウボーダーに乗り込む。そして、轟音とともに発進したシャドウボーダーを手を降って見送る。

 そして、シャドウボーダーは時空の果に消えていった。

 

「―――行ったか」

「ああ……私達も行くとしようか」

「そうだな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 とある村、その入口で一人の老神が人を待っていた。かの神は友人たる放浪神が寄越した手紙の内容―――異世界から来た自分の孫が成した冒険に目を通し、ある人物たちを待っていた。

 そして、その人物たちの姿がようやく見えてきた。

 

「おお、待っていたぞ。ヘルメスから話は聞いている」

「あの子は?」

「今は家で眠っている、こっちじゃ」

 

 老神に導かれるままに二人の男女―――ザルドとアルフィアは一つの民家にやってきた。家に入ると、大人用の椅子の上で先程まで読み聞かせてもらっていた絵本を抱きしめ眠っている白髪の少年がいた。

 二人はその姿を見て微笑み、アルフィアはその少年に近づきその頭を撫でる。

 

「ん、んぅぅ……?」

 

 やがて、少年が目を覚ましまだ眠いのか紅眼をこすりながら、二人の姿を確認する。

 

「お姉さんたち、だぁれ?」

「私達は―――お前の家族だ」

「家族?」

「あぁ、そうだ―――今度はこちらから聞いていいか?」

「なぁに?」

 

 

 

 

 

 

 ―――お前の名前はなんというんだ?

 

 ―――僕の名前は……ベル!ベル・クラネル!

 

 

 

 




この作品のベルのアーティファクトの元ネタは大抵Fateシリーズになりそうです!
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