何か心境が変われば書き足します
ジリリリリリと蝉が五月蝿い。
夏のど真ん中、暑い。
俺は部屋の床に寝転がる。
このあと何も予定は何も無い。
俺は途方に死にたくなった。
けど、しねてない。
半年前から考えてるけど死ねずに生きている
昨日、会社帰りに首吊り縄をホームセンターで買ってきたはいいものの、連日の暑さでセッティングを面倒くさがり、こうやって寝転んで休日を1日過ごす。
そんな毎日。
増えていくのは縄とお金と不安と悲しみだけ
元カノが目の前で通り魔に刺され、早半年あれから1回も女とも話さず、社会の歯車として永遠に機械のように動くだけの生活。
上司からは「休め」と言われ、彼女の葬式の日ぶりに有給を消化し始めたが、何もしていない。
怖いぐらいやらない気に満ち溢れる。
あぁ、あいつと一緒の時は四葉のクローバーを探すだけでも、洗濯物を干しているときでも面白く感じたのに
今ではピンサロ、ソープに行っても、酒場を飲み歩きしても、ゲームをしていても面白くも感じないし、快楽にもならなくなった
思えば彼女は俺の生活に花を与えていたのかもしれない
けれど、俺は彼女何一つしてあげれてない
もう一度、会えたなら彼女になにかしてあげれるのだろうか
食事?遊園地に遊ぶか?
いや、考えるのはやめようとても虚しい
別のことを考えようこのままだと自殺しそう
けど、なんで俺は生きてるんだ?
五月蝿い蝉の合唱が鳴り響くなか、耳元に小賢しい高音が行ったり来たりしている
「………うるえせぇ」
蚊(やつ)か
そう言えば、蚊取り線香つけてなかったし、窓は開けっ放しだったとこを気がついたがそれすら面倒くさくなった
気が向いたら、薬塗っておこう
そう言えばやつのなぞなぞで世界の中心で愛を叫ぶものは何かって言うのがあったな
中心で叫ぶのか、血しか吸えないその口で愛を叫ぶと思うと色々ロマンを感じる
けど、やつが愛を叫ぶとしても一体何に愛を叫ぶのか??
ボウフラか?まさかね
俺だったら…………いや、無謀だな
もし、蚊だったら、自由に飯を食ったり、すぐに死ぬことも、愛を叫ぶことができるのか
もし、生まれ変わったら…………いや、やめておこう
普通に暑さに脳がやられてるなこれは
汗が止まらない。
さすがに蒸し暑いな
確かニュースで連日過去最高気温を更新し続けてるとか
それなのに俺のワンルームにはエアコンも扇風機すらない。
何を考えてそんなことしてるのだろうか???
馬鹿馬鹿しい。
どうせ、寝て起きれば明日だ。
そのぐらいどうってことない。
夜になれば多少は涼しくはなるだろう。
夜まで寝てばどうせ涼しくなるはずだ。
そう思って目を閉じた。
「」
しばらくして、目の前が真っ暗なのに声が聞こえる。
夢か、そうだ夢なんだろうな夢であって欲しい。
そう俺は解釈した。けれどなにを話しているかさっぱりわからない
声が遠くから聞こえてくる感覚の聞こえずらさだ。
「ーーーー」
少しずつ聞こえるようになってきた
誰かが近づいてくる。
誰だ?
「遠くから話してすまない、そして誰かも教えなくてすまない私は世界の理を示すもの」
今度は大分近くで聞こえた、だが、目の前は黒のままで誰も認識することすら難しかった。
理を示す??
神のようなものか?
「そうだ。姿が見えないのは勘弁してくれ。
それこそが私なのだから」
少し意味がわからないだが、信用しよう。
さて、本題に移って欲しい。
「左様、お主の態度は気にくわんが、仕方があるまい、お主は私の手違いで死んでしまうかも知れん」
ほぉ、そいつはありがたい、つい先程まで死ぬか生きるかの選択をしてたのでな。
「だから、お前に異世界に転生させる」
は?なぜその答えを提示した?
死にたいと思ってるやつに新たな世界で生きろってなんて苦痛なことをさせるんですか?
「安心しろ、お前は殺さない」
なるほど、死んでないことになってますけど、死にたいと思ってるやつを生かすだけ無駄ですよ
「ある人にまだ死なせないでくれと頼まれてるものでね、死ぬかも知れないと言っただけだ死んだとは一言も言っていない」
死んで欲しい人死んで欲しくない人って頼んで選別してくれるのかよ
けど、異世界に転生するということは意識だけを異世界に転生させるということか?
「ラノベ用にわかりやすくしているだけだ。
難しい話をすると、意識だけを異世界にあるなに置換させるというのが正しい。どうだやってくれるか」
無理と言いたい
今の俺は彼女という、心の拠り所を失い、廃人同然だ
そんな世界をゴミ同然の見方をしてる俺にとって、
どの世界も良くは見えない。
「たぶん、お前の彼女もいるかも知れんぞ」
いきます
俺は目を覚ますと、あたりはすっかり涼しくなっていて、洋風のレトロな街になって
俺は蚊になっていた
え?
ん????
ことの経緯を話すと、ん????なんだこりゃ????
なんでこうなった????
確かに生前そう想像していたのかもしれないけど、
なにに置き換えれて異世界に転生するとまでは聞いてはいなかった
なんのイタズラか分からないがこうなるのもおかしい
けど、この姿でいいと思った
世界の中心でもう一度言えなかった愛を
今度こそ、叫ぶんだ
そう思いながら、俺は飛び去った