閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者   作:ガイア・ティアマート

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今回はいろいろ氏の小説「喫茶鉄血」とのコラボ回です。

初めての事なので色々と手探りですが、コラボを快諾していただきありがとうございます。

喫茶鉄血の代理人視点はこちら:https://syosetu.org/novel/178267/204.html


【CO1】平行世界の街並みと -喫茶鉄血-

*S09地区 路地裏*

 

404特務小隊の初任務から約1か月後。季節は秋にはなったが、まだ残暑が厳しい。

 

石畳の表通りは昼過ぎともなると打ち水の効果もとうに無くなり、アスファルトほどではないが照り返しで結構暑い。

 

こういう日は無理に表通りを歩かず、影が多い裏路地を通るのが幾分か涼しい。

 

そんなこんなであれからいくつかの任務をこなし、ある程度落ち着いてきたことでもらえた休暇をUMP三姉妹はアイスクリームを舐めながらちびスキンの状態で裏路地を散策していた。

 

【視点:シゴ】

 

フィアーチェ「う~ん・・・まだまだ暑いねぇ・・・。」

 

シゴ「カンカン照りだからねぇ・・・。」

 

ナイン「なーんかぼーっとしちゃうねぇ・・・。」

 

私達は三者三様にどこかぼけーっとした感じで他愛もない会話をした。

 

普段はこういう路地裏は多少なりとも風が流れているものなのだが、今日に限っては凪だ。

 

おかげで熱が籠ってしまい日陰でも妙に蒸し暑いのだ。

 

私達はそんな中少しでも涼しいところを求めて特に当てもなく彷徨うように路地裏を進んでいた。

 

別に冷房が効いた室内に籠っていてもいいのだけれど、私達は三人そろって活動的な性格なので、部屋の中でぐでーっとしているのはどうにも性に合わない。

 

その結果、暑いのが解っているのに外に出て路地裏散策をしている。

 

私達は特にやることが無いとこうやって路地裏散策に繰り出すけど、S09地区の裏路地はあちこちが複雑に入り組んでいて、ちょっとした迷路のような感じになっている。

 

そこを特に当てもなくぶらぶらしていると、意外と暇つぶしになる。一度通ったところでも、別の日に来たり別の向きから来たりするとまた違った顔を見せる裏路地はいつ来ても飽きない。

 

と・・・。

 

ナイン「あれ?」

 

ナインがふと足を止めた。

 

ナインの目線の先には他の路地とは雰囲気が違う、何度も緩やかに折れ曲がりながら続いていく見たことも無い路地が伸びていて、その先からほのかに涼しい風が吹いてきていた。

 

暑さで微妙に頭が回らなくなっていた私達はその涼しい風に誘われるかのようにその路地を進んでいった・・・。

 

 

 

チリーン・・・

 

 

 

どこかで小さい音がしたような気がしたけど、私達はそっちまで気が廻らなかった・・・というより、別段気にしなかった。

 

・・・

 

・・・・・・

 

アイスクリームを舐め終えて、コーンも食べきった所で私達は路地の出口にたどり着いた。

 

出た先は公園のようだ。

 

確かS09地区にはメインストリートから少し離れた路地の先に日の当たる公園があったが・・・。

 

フィアーチェ「・・・こんな公園なんてあったっけ?」

 

自分たちが知っている公園とは何かが違うように思えた。そして・・・

 

ビュオォォ!!

 

三人「「「寒い!?!?」」」

 

突如吹いた寒風で一気に体が冷える。

 

途端にぼんやりとしていた頭が一気に覚醒し、状況を整理し始めた。

 

ちらほらと雪が舞う曇り空。

 

自分たちの記憶には無いレイアウトの公園。

 

そして、この寒さ。

 

因みに私達は三人とも残暑対策のために薄着だ。

 

シゴとナインはちびスキンに付随する子供風の私服だし、フィアーチェも狐をモチーフにしたポシェットを身に着けている程度のスポーツタイプの服。

 

防寒性能など絶無といっていい。

 

三人「「「ひいぃぃぃぃ!!!」」」

 

思わず回れ右して路地に飛び込もうとするが、そのまま壁に激突してはじき返される。

 

出てきたはずの路地が無くなっているのだ。

 

軽く混乱した私達はとりあえず暖を取れるところを探して駆け出そうとするが・・・。

 

シゴ「・・・て、あれ?」

 

ふと、目についた喫茶店の看板の前で私達は足を止めた。

 

その看板には「喫茶 鉄血」と書かれていた・・・。

 

・・・

 

・・・・・・

 

喫茶鉄血の代理人「そうですね、説明する前にまずは温かい飲み物でもお出ししましょう」

 

店に入ると出てきた代理人-私達の知る代理人とはどこか違う代理人-が応対してくれた。

 

言われるがままに席に通され、私達はホットドリンクと一緒に出された古い新聞を読ませてもらっていた。

 

最初は意味がよくわからなかったけど、ある記事に目が留まった。

 

「鉄血クーデター事件」

 

似たような事はあったと記録にあるけど、その内容は私達が知っているそれとはまったく違った。

 

大まかな成り行きは似ていたけど、この新聞の記事では「鉄血ハイエンドモデルがクーデターを起こし、その後当時のハイエンドモデルが責任を取って鉄血を離れた」とある。

 

私達が知る情報では、「SFS(旧鉄血工業)の若社長、ガイア・ティアマートが当時の鉄血上層部を追放した」とある。

 

加えてフィアーチェが何の気なしに壁に掛けられていたカレンダーの日付を見ると日にちは元より、年も全然違うことに気づいたの。

 

具体的に言うと、何十年も先の日付になっていたの。

 

喫茶鉄血の代理人「その様子だと薄々お気づきになったと思われますので端的に説明しましょう。ここは、貴方達の居た世界とは別の世界です。」

 

・・・

 

喫茶鉄血の代理人「・・・そういえば、貴方達はUMP型の戦術人形のようですが、名前はあるのですか?」

 

シゴ「私は「シゴ」、SFSのミドルレンジモデル戦術人形で、そっちの名前は「SFSチェイサー」っていうの!」

 

フィアーチェ「アタイは「フィアーチェ」。もうひとつの名前は「SFSコンダクター」だよ。」

 

ナイン「私は「ナイン」。もう一つの名前は「SFSピアサー」なの。」

 

喫茶鉄血の代理人「「SFS」とは何でしょうか?」

 

シゴ「私達の世界の鉄血工業の再編後の名前。『Sangvis Ferri Striders(サンギス フィリー ストライダーズ:鉄血の闊歩者達)』、頭文字を取って『SFS』ね。」

 

私たちはお互いの世界の事を話し合っていた。

 

といっても、私たちは生まれてからまだあまり時間がたっていないし、鉄血工業襲撃未遂事件等に関しては記録でしか知らないから予めそう断ってから話したけどね。

 

意外なことに、この世界にもサクヤさんが居ることに驚いた。尤も、元からいたわけじゃなくて別の世界から流れ着いた人みたいだけど。

 

逆にこちらの世界の代理人の話も聞いた。この世界のUMP三姉妹の事も。

 

・・・この世界のUMP45が妹UMP40と「F45」というUMP45を参考に生み出されたフィードバック戦術人形にべったり好かれ、よくUMP45が二人に両サイドからマフラーで首を絞められて窒息しかかるという愛を受けているのを聞いたときは私達は苦笑いしか出なかったけど・・・。

 

・・・そのUMP45も昔は私と同じように銃の命中率が悲惨だったと聞いて顔が真っ赤になったけどね・・・。

 

因みになんで私達が普通に話せているかというと、時間が来れば自然と元の世界に帰れると初めに教えてもらったからだ。

 

そのあとも会話が弾んだけど・・・。

 

ふと身に着けていた時計がひときわ大きな音を立てて時間を告げた。

 

喫茶鉄血の代理人「おや、どうやら時間のようですね。」

 

シゴ「えっと、お勘定・・・って、あれ?値札の単位が・・・。」

 

フィアーチェ「本当だ、コインじゃない・・・。」

 

ナイン「私達コインしか通貨持ってないよぉ・・・。」

 

喫茶鉄血の代理人「いえ、お代は結構です。どのみち通貨が違う以上お会計できませんので。強いてお代というなら、貴方達の世界のお話がお代替わりです。それと・・・。」

 

そういって代理人は私達にコーヒー豆を持たせてくれた。

 

喫茶鉄血の代理人「うちのオリジナルブレンドです。貴方達の世界の鉄血・・・SFSの皆さんとどうぞ。」

 

シゴ「うん、ありがとう!」

 

フィアーチェ「あ、そうだ!」

 

そういってフィアーチェは狐のポシェットから折り紙を何枚か取り出し、手早く折って形にする。

 

それは私達の小隊「404特務小隊」の隊章によく似たデザインだ。・・・というより、隊章を考えたのはフィアーチェだったりする。

 

フィアーチェ「せっかくだからこれあげる!」

 

喫茶鉄血の代理人「ふふふ、ありがとうございます。では、お気をつけておかえりください。」

 

三人「「「はーい!」」」

 

そして私たちは店の扉を開けて外に出る。

 

 

チリーン・・・

 

 

再び音がしたかと思うとそこは自分たちが良く知るメインストリートから少し離れた日の当たる公園だった。

 

空は快晴で相変わらず残暑がキツイ。

 

ふと振り返ると、「喫茶鉄血」があった所には古いアパートがたっていた。

 

シゴ「・・・不思議なこともあるんだね。」

 

フィアーチェ、ナイン「そうだね。」

 

私達は貰ったコーヒー豆を持ってSFS本社に歩いて行った。

 

余談だけど、この不思議な体験を聞いた代理人がお店を持つことに興味を持ったりしたけど、それはまた別の話。

 

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