でもボチボチ投稿できるようにはしていきます。
それでは……
本編どうぞ!
「ここが人里だ……って流石にわかっているよな」
「当然よ、それでここに何か用でもあるわけなの変態野郎」
「その名では言わないでくれ女苑……」
冷ややかな目で見つめて来る女苑に心折られそうな私こと天子です。なんでここまで嫌われているの?
「ねぇ女苑、天子が可哀想だよ?」
「姉さんこいつはやっぱり変態野郎だったのよ。あの博麗の巫女が他にも女がいるとか言っていたじゃない?こいつきっと行く先々で口説いているんだわ。そうでしょ変態野郎さん?」
違うと言いたいけど……あながち間違っていないので返せない私!でも言い訳すれば私の中身はピチピチの女の子なの!だから変態野郎ではないのよ……女苑に冷ややかな目で見つめられている理由ってこれだったのね。ショックだわ……
天子は見るからに落ち込んでしまった。誰だって変態野郎と言われれば傷つくのは避けられない
「天子落ち込まないで?よしよ~し♪」
「なー!!?」
そんな天子に対して頭を優しく撫でる紫苑にその行為を目撃して驚愕の表情を浮かべたのは衣玖。
「姉さん変態野郎に甘くしないで!変態菌が移るわ!!」
「天子様!私も撫でて差し上げます……よしよ~し♪天子様はこの世で一番素敵な方ですよ~♪私に対してなら変態野郎でも構わないですからね~♪」
「うわぁ……姉さん以外にも女性を手駒にするとか……きもっ」
両手に花とはこのことか、紫苑と衣玖に子供を可愛がるようによしよしされる天子の内心はと言うと……
紫苑は優しいわね……って衣玖はさり気に私を変態野郎と決めつけないで!そして女苑は引かないでよ!これは二人が勝手にやったことだから距離を取らないで!!手駒とかそんな関係じゃないから!!
ひと悶着あって人里へとやってきた天子御一行にハプニングはあったが、しばらくしてある人物に会うために寺子屋へとやってきた。
「失礼します。慧音さんいませんか?」
「おお、衣玖と以前の姉妹と……ど、どうしたんだ天子?なんだか落ち込んでいるようだが?」
「……ワタシハ……ヘンタイヤロウ……ジャナイ」
「……本当にどうしたんだ?」
「色々とありまして……」
寺子屋とやって来たはいいが様子のおかしい天子を見て困惑する慧音であった。
「ごほん、すまない。醜態をさらしてしまったようだな」
「いや、天子も大変だな」
「……ああ」
ホントそれよ……女苑に引かれて滅茶苦茶ショックだったんだから。ちなみに今も距離が離れている……心が針山地獄に囚われているようよ……
「いい気味だわ……変態」
精神と言う名のダムが決壊して
しわくちゃになりそうな表情を押し殺して慧音に事の経緯を伝える。
「なるほどな、簡単に言えば友好関係を自慢しに来たと言うことだな」
「慧音言い方が……まぁそんなところなんだがな。慧音は紫苑と女苑とは面識があったのか?」
「ああ、以前に他人の財産目当てに悪さをする輩がいると聞いたのでちょっと注意したことがあった」
「どこが注意よ、あれはまさしく暴力だったじゃないのよ」
「……何か言ったか?」
「……いいえ別に」
「……ブルブルブル」
紫苑と女苑は既に慧音と接触済みであった。異変が起こる前にも何度か他人から財産を巻き上げる行為をしていた紫苑と女苑は運悪く慧音に見つかって注意(頭突き)を受けたことがあった。その時に面識を持ったのだ。ちなみに紫苑はその時のことを思い出したのか生まれたての小鹿のように震えていた。
「ところで慧音さん、妹紅さんや他の方々はどこにいるのかお分かりですか?」
「妹紅は輝夜とやり合うと言っていたな。阿求と小鈴はこの時間だと自宅でゆっくりと読書している頃だと思うぞ」
「っだそうです天子様、如何いたしましょうか?」
「そうだな……」
天子は依神姉妹に紹介しようと思っていたが都合が悪いのであれば仕方がない。次はどこへ向かおうかと検討していると慧音が思い出したように言った。
「こころと小傘が命蓮寺に遊びに行ったな。丁度今の時間帯は暇だから遊びに行っても邪魔にならないと言ってもいたから訪ねてみてはどうだ?」
「そうしようか……って女苑は全員知っているよな」
「当たり前でしょ?短い間だったけど修行生活してたんだし」
「じゃあ挨拶しに行こうか、紫苑は白蓮とはまだ会ったことないんだろ?」
「ない、ねぇ女苑は命蓮寺の料理食べた?」
「食べたけど……期待しない方がいいわ。精進料理だから肉とかないわよ?」
「じゃあ行かない」
「おいおい……」
天子の料理を食べている内に次第に贅沢を言うようになった今の紫苑にとって精進料理は不満のようだ。これには周りの誰もが呆れ顔となる。
「なら近場は……神子がいる神霊廟だな」
「あのエロミミズクのところですか……チッ、アレが居るだけで行く気が滅入りますね。あっ、鳥籠をご用意すれば万事解決ですが」
「鳥籠がどうして必要なの衣玖?」
「いいですか紫苑さん、ミミズクを鳥籠に入れてしまえば後は見てる、嘆く、指をくわえているの三拍子で私達に手が出せなくなるのです」
「衣玖お前……神子を鳥類扱いするなよ」
ううん……相変わらず仲が良いのか悪いのか衣玖と神子の関係は深いようね。命蓮寺は紫苑が飯の量が少ないから拒否し、神霊廟は衣玖が神子を拒否してしまい次にどこへ向かおうかと悩んでしまう。むぅ……命蓮寺と神霊廟は二人の機嫌が良い時に回すとしてどこへ行こうか……悩むな。
天子が悩んでいると聞き覚えのある声が耳に届いた。
「今こそ守矢神社を信仰しましょう!そして神様を信じましょう!守矢を信仰していればいつかはあなたは救われるのです……たぶん」
宗教勧誘……これは早苗であることは明らかね。あっ、そうだわ!次の目的地が決まったわね。
「流石天子さん、美少女で天才であるこの東風谷早苗を選ぶなんてわかってますね♪」
「次の目的地が決まっていなかったから丁度よかっただけなんだがな」
「またまた~天子さんそんなこと言って、実は私に気があるのですよね?」
守矢神社へと向かう道中で早苗はふざけて天子に抱き着いた。
むっ!で、でかい……だと!?これが今どきの女子〇生の
その時に伝わって来る衝撃を天子は忘れない……内心めっちゃ凹んだ。持つ者と持たざる者の違いを思い知らされたのである。
「早苗さん……整備された道だからと言って天子様に抱き着いていては危険ですよ。早く離れてください」
「ええ~衣玖さんは心配性……『離れてくださいね?』あっはい……」
擬音に例えるならばゴゴゴゴゴッと音を立て、満面の笑みを浮かべる衣玖が背後に立っている。早苗はスッと天子から離れて天子も内心冷や汗を流していた。それから急に静かになる天子御一行。
「女苑、なんだか衣玖が怖い……」
「姉さん……今の私達は空気扱いでいいの、気配をころしておきましょう」
そして姉妹は自分達が巻き込まれないように空気と同化していた。
「あっ、それと天子さん丁度よかったです。守矢神社にお客さんが来ていまして」
「お客?私の知り合いだったりするのか?」
「ええ、知り合いです。
知り合いが守矢神社を訪れているようだが一体誰なのだろか?と天子は思ったが、早苗は笑みを浮かべて誰なのか答えてはくれなかった。行くまで内緒ということらしいが……誰が訪れているのだろうか?
「着きましたよ」
「ありがとう椛」
「いえ、天子さんには色々とあの
「……一応上司だろ?そんな無礼な態度で大丈夫か?」
「大丈夫です、問題ありません。寧ろあれが上司だと疑っているぐらいです」
ふむ、相変わらずの犬猿の仲……この場合は狼鴉の仲になるのかな?まぁそれは置いておいて、私達は妖怪の山の入り口で椛と出会い、事情を説明するとわざわざ案内してくれた。椛も毎日警備続きだと精神が参るみたいで、仕事に影響が及ばない限りならこうして気分転換ということで付き添ってくれた。守矢神社への道は整備されて安全だから椛がいなくても安心だけれど紫苑と女苑に紹介しておきたかったから丁度よかった。お互いに挨拶を交わしてのんびりとお喋りしていると守矢神社へと到着した。
「そうか、頑張れよ椛」
「善処します。それでは」
椛を見送った後、目的の人物はすぐに見つかった。守矢の巫女(正確には風祝)である早苗と保護者の神奈子と諏訪子……だけではなく、意外な人物と遭遇した。
「――天子さん!?」
「おや?天子がここに来るだなんてね」
「菫子ちゃんと華扇さん!?こんなところで出会うだなんて意外な運命だな」
「なに?この変態野郎と知り合いなの?」
「その名で呼ばないでくれるかな!?温厚な私だってそろそろ我慢の限界だぞ!!」
「天子落ち着いて?よしよ~し天子はいい子だよ~♪」
菫子ちゃんと華扇さんが守矢神社に居るだなんて予想外の出来事だわ。驚いていると横から変態と周りに認知させようと口を挟んでくる女苑はやっぱり私のこと嫌いなのかしら……紫苑に慰められている私はとても可哀想な存在に見られているでしょうね……よし、帰ったら泣こう。
自分自身を哀れに思いながら紫苑に慰められていた天子……その光景を見てムスッとしていた衣玖であったが、同じくその様子を見ている華扇も頬を膨らませて露骨に機嫌が悪くなった。なにやらマズイ空気が漂い始めたので菫子は話題を変えようとする。
「ええっと……あら?あの時の双子も一緒じゃないの。それで天子さん達はどうしてここに?」
「そんなの決まっているじゃないですか!天子さんは可愛くて美少女の天才スターである早苗ちゃんが魅力的過ぎてナンパしに来たんですよ♪」
「うわぁ自分で可愛いとか美少女とか……ありえないわね」
「なんですとー!?なんなんですか天子さん!!この金持ち属性持ちのメスガキ女は!!?」
「メスガキ!?誰がメスガキよこのナルシスト!!」
「なっなー!?これはもう事案です激おこぷんぷん丸ですよ!!こうなったら弾幕勝負です!!」
「ふん!望むところよ!!」
「……止めなくていいの?」
「話が勝手に進んで止める暇もなかったぞ。それよりも……こっちを何とかしてほしいのだが」
「……ごめん無理」
早苗と女苑は弾幕勝負をするために空へと舞い、天子は衣玖と華扇に詰め寄られ菫子に救いを求める視線を送るが、紫苑に嫉妬する二人の間に割り込むなど彼女には荷が重く視線を逸らされた。
その後のことだが、早苗と女苑との決着は引き分けとなった。今度は勝つとお互いに意気込み知らず知らずに仲が良くなっていたように見え、守矢神社に招かれた一行は早苗の自慢話と菫子の的確なツッコミを踏まえた談笑や衣玖と華扇による天子の取り合いに紫苑のお菓子独占欲事件もあって賑やかだが平和な時間となった。
「ねぇ神奈子、今回私達空気じゃない?」
「
「そうだね。平和が一番だね」
保護者二名はガヤガヤと騒がしい騒音を背にのんびりと快晴な空を眺めながらお茶をすすっていた。