ソードアート・オンライン −電詞都市DT− 作:ラナ・テスタメント
早速の第四話をお届けします♪
その前に、キリト君の都市シリーズ的紹介いってみましょう♪
Name:キリト。
Style:近接斬剣士。
Extension:ASB詞族(高速動作耐性)。
Story:異世界からの来訪者、言わずと知れたSAOの主人公。SAOで二年間戦い続けた結果、桁外れの反射速度と洞察力を身につけるに至る。それは、VRMMO最高とも言われる程。
DTに来るにあたって、コンバートして持って来たアバターを優緒が気合い入れて改造。結果、ソードスキルを始めとした各スキルをプログラムとして保有し、しかもアバターのステータスは、ゲーム上のものと同一と言う凄まじいカスタム具合となっている。また、召喚紋章を大召喚した際には、知覚が時間の速度を超越しかね無いレベルの反射速度となる。
ヒースクリフこと茅場晶彦が何をするか見極める為、また止める為にDTでの戦いに臨む。
召喚紋章:『黒剣士(ブラックソード)』
キリトの反射関係を中心に発動、遺伝詞召喚し、反射速度の上限を解除する。
大召喚時には、反射速度と共に知覚速度が段階的に加速していっていた。
こんな所でしょうか♪
では、第四話前編、どぞー♪
ALOにある新生アインクラッド第22層のマイホーム。
ログハウスのそこは、アスナとユイと、俺の家であり、仲間達との憩いの場でもある。
――そこで、俺は容赦なく正座させられていた。い、いや、別に足は痺れないんだけど、そんなものとは比較にならないものが俺を先程から貫いていた。
アスナ、リズ、シリカ、リーファ、シノンの女性陣からのそれはそれは冷たく鋭い眼光である。DTなら、これだけで当たり判定がでるんでわと疑いたくなるような威圧を伴いまくっていた。
「……つまり、また、私達の誰にも相談せずに、勝手に、死ぬかもしれない所に行ってたんだね?」
「…………はい」
アスナさんの素敵な笑顔が、今はひたすら怖い。
いや、最初こそは言い訳――と言うか、言い分を主張してたんだけど、そのたんびに細剣やらハンマーやら短剣やら直剣やら矢やら魔法やらが降り注ぎ、俺は抵抗を諦めた。てか、怖いよ皆……!
「あの、ママ。私も着いていきましたし、これ以上は――」
「ユイちゃんはいいのよ。キリト君が一人で行くのを何とかしようとしてくれたんだから」
そうやってユイを撫でるアスナ。なんか、俺と扱いが違いすぎませんか……?
「キリト君? こっちだと思考出ないかもだけど、顔には出てるからね?」
「そ、そうなの?」
「お兄ちゃん分かりやすいもん」
そう言うリーファに、うんうんと頷く一同。そ、そうなのか……ちょっとショック。
「こないだ幻の街の話しした時に、思ったんだよね。キリトはこれに首突っ込みそうって」
「シノンさんの予想通りでしたね」
「巻き込まれ体質は健在よねー」
シノン、シリカ、リズがにこやかに笑いあう――が、こちらに向ける視線は大変冷たい。
ああ、仲間は誰もいないのか……。
「キリの字よ、モテる男は辛いねー」
「……うるさいよ」
こっちを見ながらニヤニヤ笑うクラインとエギル――この二人は、断じて味方では無い。そう言い切れる。
そして、その後1時間に渡って説教された後、ようやく俺は解放されたのだった。うぅ、身体的には疲れが無いはずなのに、やけに疲れた……。
「それで、お前はまたDTって所に行くんだな?」
「……ああ」
エギルに言われ、俺は頷く。アスナを始めとした女子達は、一様に表情を曇らせたが、これだけは譲る気は無い。
「なんで、お兄ちゃん、そこまでして……!」
「あそこにはヒースクリフ、茅場晶彦がいる。そして、何かをやろうとしてるんだ。放っておけないよ」
つい先程も問われたそれに答えながら、リーファ――スグの頭を撫でてやる。
奴が向こうで暮らす程度なら、どうでもいいと俺も思っただろう。だが、あいつはDTをこっちに持って来たのだ。なら、こちらにも何かしらの影響がある事をするのは間違いない。
――それを、俺は止める。いや、止めたい。何より、大切な皆と、俺自身の為に。
「キリト君……」
そっとアスナが手を握ってくれる。本当は、アスナも一緒に来たいのだろう。いや、皆そうだと表情が語ってる。だけど、誰一人として俺はそれを許すつもりは無かった。
DTは偽物の、電子の世界。だが、あそこはゲームでは無いのだから。
「お前の話しが本当なら、女の子達ならともかくよ。俺達はどうなんだ?」
「ああ、なんなら店を閉めて――」
「いや、これは俺の我が儘だから。お前達を巻き込めないよ」
DTはフィードバックで、本体にもダメージが来る。その為、俺達男連中ならとクラインもエギルも言ってくれるが、俺はそれにも首を横に振った。
二人とも、SAO事件があったとは言え、立派な社会人だ。もし、一生ものの後遺症でも負ったら目も当てられないだろう。
「言ったろ、これは俺の我が儘なんだ。それに、向こうは向こうでちゃんと手伝ってくれる人達がいるからさ」
「ったく、水臭ぇ野郎だ」
それでも、ふんと嘆息だけで済ませてくれるあたり、クラインは人が出来てる。エギルも、ため息だけ吐いていた。
「私も、これ以上は何も言わないけど……。キリト君、必ず帰って来てね。怪我とかしちゃやだよ」
「ああ、約束するさ」
アスナに頷き。皆を見渡す。――皆、大切な仲間だ。だからこそ、頷きだけを返してくれた。
ありがとう。心の中でそれだけを呟いて、俺も頷く。
「しっかし、まさか異世界とはなー。お前も、いよいよ行く場所に節操が無くなって来たな。どんな世界だったんだよ」
「……一言で言うのは正直難しいな」
話題を切り替えるように聞いてくるクライン。皆も興味あったんだろう、好奇心に満ちた目を向けて来るが、説明するにはあの世界の概念から語る必要がある。
そんな困る俺を見てか、ユイが小さな羽を羽ばたかせて皆の前に出た。
「私が、パパの行動をログとして取ってます。映像つきで出せますよ」
「そっか、ユイは今は俺のマウスなんだっけ、それじゃちょっと頼め――」
……そこで思い出したのは、DTでの数々の行状。特に青江さんによるセクハラだ。
あれは……! あれはまずい!
「あ、あのーユイさん? ちょっとご相談が――」
「……分かってます」
仕方ないパパです、とばかりに嘆息しながら頷く愛娘。出来た娘や……! ほんまに出来た娘や!
「……? キリト君、なんの話し?」
「なんでもないさっ! ほら、始まるぞー!」
一瞬、疑いの目を向けるアスナを誤魔化す為、あえて声を張り上げつつ展開したウインドウを指差す俺。
訝し気な目となるアスナさんだが、映像が始まるとそちらへと視線を向ける。ふぅ、助かった。
そんなこんなで、俺はDTでの説明を皆に伝える事が出来たのであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ダイシーカフェ』東京御徒町の細い路地に、昼間は喫茶店の、その店はある。
AM11時。俺は、そこからアミュスフィアを使い、フルダイブをしていた。目的は優緒さんに送られた、字呼召喚と大召喚のシュミレートによる練習を行う為である。
さて、なんでそれをこの寂れた(エギル曰く、夕方から夜は結構賑わってるとの事)カフェで行っているかと言うと、理由は二つある。
一つは、ここで菊岡と待ち合わせしており、直接ここからDTに行くつもりだと言う事。
そしてもう一つは、ギリギリまで召喚紋章を使った戦闘の練習を行いたかったのである。
コンバート機能を使い、優緒さん特製のシュミレート室である所の真っ白な空間に入った俺は、擬似的に再現した字呼召喚を使って剣を振るっていた。
――疾れ、前に!
詞を飛ばし、擬似的に字呼召喚。同時、アバターがぐっと加速し、起こしたモーションからライトエフェクトが発生する。
片手剣スキル:ホリゾンタル・スクエア。
水平四連撃の斬撃が、鮮やかな軌跡を描いて走る――まだだ。モーション終了のベストなタイミングを見計らい、再び字呼召喚!
――繋がれ、速さの先に!
硝子が砕けたエフェクトと共に、剣がライトエフェクトを継続。ソードスキルが繋がる――!
片手剣スキル:バーチカル・スクエア。
ホリゾンタル・スクエアから、さらに四連の斬撃は走る。モーションの終了タイミングで、更に字呼召喚。
――まだだ、もっと速く!
片手剣スキル:ヴォーパル・ストライク。
ジェット噴射を思わせる猛烈なエフェクトと共に、突貫する俺――だが、モーション起動した直後に字呼召喚! ”ソードスキルのモーションを途中でキャンセルする――”。
片手剣スキル:サベージ・フルクラム。
ヴォーパル・ストライクのモーション途中で強制発動された重三連撃の斬撃が、凄まじいサウンドエフェクトを撒き散らして走る。そして、そこでようやく俺は停止した。
長い長い、呼気を吐き出す――。
「スキル・コネクトならぬ、スキル・キャンセラーってとこかな。立派なチーターだな、もう」
苦笑してそう思う。もちろん、DTではチート云々は関係ないが、一介のネトゲユーザーとしては、ちょっと複雑なものがあった。
それに、字呼召喚を連続で行う必要もある。つまりそれは、熱量消費――燃費が激しいと言う事も意味していた。
いざと言う時の切り札だな、と思いつつ、次は大召喚を試してみようとして。
「なんだよ、何もねぇな。こんな所で練習かよ、キリト」
そう言って入って来たのは見慣れた野武士面、クラインだった。こんな真昼間にどうした不良社員。
「いや。お前が昼から向こうに行くって言うじゃねぇか。見送りに来たら、なんか面白そうな事やってたからよ」
「別に必要ないって言ったろ」
そう、今日の昼から菊岡を伴ってDTに入市するつもりだったのだが、それを昨日と言うか、今日に皆に伝えると、全員が見送りに来ると言い出したのだ。
だが、いくら何でも大人数過ぎたので、見送りは断ったのである。それに、向こうは百倍速の世界だ。「行っちゃったねキリト君」「そうだね……」「ただいまー」「!?」――なんて言う大変気まずい事も起きかねない。
なので、後からアスナが来るくらいだったのだが。
「昼飯のついでだ、気にすんなよ。ところでキリの字、召喚紋章っての、ここなら俺も使えるんだよな」
「ああ、多分。て言うか、字呼召喚しなきゃソードスキルも使えないぞ、ここ」
俺の台詞にふむぅと唸るクライン。すると、刀を正眼に構えて一気に振りかぶった。同時、詞が飛ぶ。
――ぶった斬る!
直後、硝子が割れるような音と共にクラインの両腕に浮かぶ召喚紋章。
刀ソードスキル:緋扇。
上下に素早く斬り分け、止めに突きが放たれる。
モーションを最後まで行い。クラインはにやりと笑った。
「成る程なー、これはこれで面白ぇかもな」
「ああ。本来のソードスキルも良かったけど、これは必殺技って感じするよな」
笑いながらそう言うと、クラインも苦笑してこちらに振り向いた。そして、刀を向けて来る。おいおい……。
「いいじゃねぇか。一本、戦ってみようぜ」
「まぁ、いいけどな。ここHPないし、まともに食らっても痛みは無いだろうし」
もちろん、刃を打ち込まれた不快感はあるだろうが、それこそ本来のSAOやDTとは比較になるまい。
俺も手に握る片手剣を構えた。……ちなみにこの剣は、ユイ作成のプログラムである。なんと我が愛娘は、優緒さんからプログラム作成機能まで与えられていたのだ。高機能だなぁ。
多分、クラインの刀もそうだろう。コンバートは、アイテムや金は適用されない。
互いに構えをとった俺達は、不敵に笑い合い――全く同時に字呼召喚!
――モテねぇ男達の恨みを思い知れ、リア充!
――仕事しやがれ不良社会人!
刀ソードスキル:辻風。
片手剣ソードスキル:ヴォーパル・ストライク。
居合いの要領で放たれた横薙ぎの刀と、ジェット噴射を思わせる勢いで放たれた突きが真っ向から衝突!
弾き(パリィ)が発生し、お互いにノックバック状態となる――ふっ、甘いぜクライン!
――まだ俺のターン!
字呼召喚による、スキル・キャンセラー発動! ”ノックバックによるディレイを強制的に破棄する――!”
「はぁっ!? なんだそりゃ! てめぇズリぃぞ!」
聞く耳持ちません。てな訳で――。
――くたばれ、野武士面!
片手剣スキル:ハウリング・オクターブ。
高速五連突きから斬り下ろし、斬り上げ、最後に全力の上段斬り! 全部まともに直撃し、クラインは真っ白な床に叩きつけられた。
「ふ……正義は勝つ」
「てんめぇ、何が正義だ! なんだよ今の!」
「字呼召喚を使った、強制キャンセルさ。スキル・キャンセラーって名付けてみた」
ちょっと大人げ無いけど、PVP――対人でも十分、通用する事が今ので証明された。
「もう一回だキリの字! 次は勝つ!」
「……いや、悪いけど。ここまでみたいだな。ユイが呼んでる」
どうやら菊岡が来たらしい。予定よりちょっと早い。出来れば大召喚も練習しておきたかったが……。こればかりは仕方ない。
「ほら、クライン。ログアウトするぞ」
「くっそー、戻って来たらもっかいだかんな!」
「仕事あるだろ、お前」
「なら仕事終わった後だ!」
まぁ、時間が許せばやってやらなくも無いか。そう思いながら、俺とクラインはログアウトし、現実に復帰したのだった。
(後編に続く)
はい、第四話でした♪
ちなみにクライン。あの時点だと、召喚紋章はありません。DTに行ってないので設定されてないのですね。
そんなクラインに容赦なくスキル・キャンセラー使うキリトさん外道(笑)
ちなみにスキル・キャンセラーと名付けられてますが、ほぼ全てのモーションやディレイをキャンセルしうるチート技能です。これは酷い(笑)
まぁ、大召喚よりはマシなんですが(笑)
では、第四話後編にてまたお会いしましょう♪
ではではー♪