ソードアート・オンライン −電詞都市DT− 作:ラナ・テスタメント
ちょっとお待たせしました、第四話後編でございます♪
今回、なんとずっとボードモードだぜ(笑)
い、いや思ったより長くなりまして(笑)
そんな訳で異世界交流と言う名の腹の探り合い。どぞー♪(笑)
●「キリトのボードモード『DT憲兵師団にて』」
《キリトのオーバーリロード》
:ここは憲兵師団団長私室です。
:部屋には、三人のPCがいらっしゃいます。
:テライ・オーガ・DLL様と青江・正造・ABS様、クリスハイト《設定変更、クリスハイト→クリス。詞速》・WAB様です。
:現在、DT時間にて午前10:00分です。
クリス「ん……? これは、掲示板?」
キリト「ああ、説明したろ? これが、DTのボードモードさ」
クリス「ははぁ、成る程、成る程。これがか。話に聞くのと実際では大分違うな」
テライ「だろうね。キリト君から、ある程度の説明は受けたと見えるが……?」
クリス「ええ、ある程度は。貴方が、DTの代表ですか?」
テライ「代表の一人が正解だな。十三亜神の一人、テライ・オーガだ」
クリス「日本政府から今回の件について全権を任された菊岡です。こちらでは、クリスハイトで」
《キリトのオーバーリロード》
:テライ様、クリス様がサイトモードに切り替えました。
:テライ様が字呼召喚を行い、クリス様と握手しています。
キリト「全権? 菊岡さん、あんた随分と偉くなったんだな……?」
クリス「いやいや、上の人達は異世界DTについて、半信半疑――どころか、ほぼ一信九疑くらいの状況でね」
クリス「テライ氏からの”伝言”がなければ、私を遣わせる事もなかったろう」
キリト「伝言?」
テライ「ああ、現内閣が抱えるヤバ気なネタをハッキングで入手してね」
テライ「それを、それぞれのメールで送付しておいた」
キリト「……それって脅迫じゃ……?」
テライ「適切な交渉と言って欲しいな」
クリス「あれが世間に晒されたら、内閣一発で倒れますがね」
テライ「君達がやってる事も大概だと思うよ、私は」
クリス「いやー、何の事か分かりませんねぇ」
テライ「おや、そうかね?」
クリス「ええ、そうですとも」
テライ「はっはっはっ」
クリス「ははははは」
青江「……おっさん共、腹の探り合いはどうでもいいから、話しをさっさと進めんか」
テライ「こらこら、もっとオブラートに包んでくれ」
テライ「今回は正式な異世界交流となるんだからな」
クリス「ええ。では、早速」
《キリトのオーバーリロード》
:二人が手を離しました。
:テライ様、クリス様がボードモードに切り替えました。
クリス「あなた方への日本政府の見解は、”いるかもしれない”。そんなものだとお思い下さい」
テライ「弱みを握られてるとは思えない上から視線だな」
クリス「ええ。基本的に日和見ですからね、上は」
クリス「その上で、我々はあなた方へ要求を申し上げます」
テライ「聞こうか」
クリス「まず一つ、今回のヒースクリフについて、対処の全てを我々に委譲する事」
クリス「もう一つは、ここに居るキリト君を今回の件から外す事、以上です」
キリト「な……!? クリスハイト、それは!」
クリス「キリト君、君は学生なのだよ。なんだかんだ言ってもね。そんな君を簡単に異世界で危難に合わせる訳には行かないんだ」
クリス「SAO事件で、どれだけ家族に心配をかけたか――忘れたのかい?」
キリト「っ……! それは――」
テライ「落ち着け、キリト君。まずクリスハイト、君達の要求だが、全部却下させてもらおう」
クリス「……理由を伺っても?」
テライ「まず一つ。ヒースクリフへの対処の委譲だが、ここはDTだ。ヒースクリフを逮捕でもしてるならともかく、彼がここで何かしらの行動を行おうとしてるのに、我々に手を出すな、などと言う要求には到底従えんよ」
クリス「力ずくで、と言った場合は?」
テライ「”そちらが先程送り込んだ兵と同じ目にでもあってもらおう”」
クリス「…………」
キリト「クリスハイト……? あんたら、まさか……!」
クリス「彼等は?」
テライ「全員昏倒して、治療室にぶち込んである。全員連れて帰ってもらおう」
テライ「まさか、フル装備で不正入市して来るとは思わなかったがな。ちなみに、全員叩きのめしたのは、後ろにいる青江君だ」
キリト「一体、どうやって……!?」
テライ「我々がクリスハイトに送ったプログラムを利用したんだろう」
クリス「何もかも、バレバレですか」
テライ「そう言う事だ。……これで分かって貰えたと思うが、君達自衛隊と言ったかな? その一個小隊でもこちらの一人に敵わないのが現状だ」
テライ「それでも、力ずくで、などと言えるかね」
クリス「人海戦術に訴える手もありますが」
テライ「無駄だ。数は残念ながら問題にならない」
テライ「我々個人戦力は君達の想像を超えている」
テライ「青江君だが――彼は”拳一つで、都市制圧力の十五パーセント”の攻撃力を持つとされている」
テライ「この意味。君の職業柄、分からない筈も無いと思うが」
青江「あー、おっさん。口を挟むようで悪いが、それは拳豪位の時のじゃぞ」
テライ「……そうだったか。ちなみに、現在は?」
青江「拳聖位は国家認定の兵器あつかいじゃから――」
青江「二十五パーセントって所か」
キリト「二十五て……」
テライ「まぁ流石にそんなのはDTでも彼くらいのものだがな」
テライ「もし、我々と戦うつもりがあるなら、十三亜神全員と憲兵師団が全力で応じようとも」
クリス「……了解です。私達は、貴方がたを見くびっていたようだ」
キリト「そもそも立派な侵略行為だろこれ。いいのかよ?」
クリス「勿論、良くない。なので、黙っててくれると助かるな、キリト君」
クリス「こちらに顔の効く議院からの”お願い”ではあったが……面目丸つぶれだな」
テライ「十三亜神代表、アカラベスは今回の件については、不問とするそうだ。異世界交流における些細な誤解とね」
テライ「ただし、二度は無い。我々が握ってるネタは政府どころか、財閥系も含まれている事を覚えておくように」
クリス「その気になれば日本は今日にでも終わるな……」
クリス「承知しました。伝えましょう。……ところで二つ目の案件についてですが……?」
テライ「キリト君が望む限りにおいて、我々は全面の協力を約束している」
テライ「なので、まずはキリト君に否、と言わせてからにしてくれ」
テライ「少なくとも、第三者に決められる事ではないさ」
クリス「……キリト君」
キリト「悪いな、クリスハイト。俺はDTに居るよ」
キリト「ヒースクリフの目的を見極める。もう決めたんだ」
キリト「それに――だだ下がりの日本の評価も、ちょっとは上げたいだろ?」
クリス「しかし――」
キリト「と言うか、何を今更だよ。《死銃》事件とかに散々巻き込んどいて」
クリス「それを言われると弱いなぁ」
クリス「……ご家族には承諾を得るように。これが、我々からの条件だ」
キリト「分かった」
テライ「さて、ではそちらの話しは終わりでいいかな? 次はこちらからの要求といこう」
クリス「少々、怖い所ですね。先程のやり取りからすると」
テライ「先のは全部君達に交渉のテーブルに付かせるためのものだ。ここから先はイーブンな交渉といこう」
クリス「助かります。で、要求は?」
テライ「貿易交渉だ。ここ、DTでは食料品他を全て輸入で賄っていてね」
テライ「元の世界と入市窓口は儲けられたが、この先どうなるか分かったものじゃない」
テライ「なので、そちらの日本とも貿易したい」
クリス「成る程、そちらについては経済産業省やらを交えないと、どうとも言えませんね」
クリス「流石に門外漢です」
テライ「構わんよ。こちらもとりあえずは、の要求だけだ」
テライ「貿易にあたって、こちらの金銭で取り引きする訳にもいかないだろう」
テライ「なので、我々は我々の技術を貿易対象とする事に決めた」
クリス「……踏み込みましたね。異世界からの技術、ですか。こちらでも使えると?」
テライ「概念がそもそも違うので一つ一つ試してみなければならないだろうな」
テライ「それでも――このDT由来の技術は喉から手が出る程欲しい筈だろう? 例えば」
テライ「”VRMMOで百倍速の時間加速で動きながらも、加齢、新陳代謝に一倍速の制限を加える”、とかな」
クリス「……一つ、お聞きしたい」
テライ「何かな?」
クリス「その設定、こちらで再現出来ますか?」
テライ「DTそのものの再現は不可能だ。だが――」
テライ「擬似的には可能だろうな」
クリス「成る程。もし、それがこちらで出来たのならば、恩恵は計り知れないな……」
キリト「……? それ、どう言う事だ?」
クリス「例えば、重病、重症患者に対して、執余時間が出来る。残り一年しか生きられないと医者に言われても、中で百年過ごす事が出来る訳だ」
キリト「な……!」
クリス「それだけじゃないな。新技術の開発等も、外の百倍速で行える。……DTもそうなんでしょう?」
テライ「概ね、その通りだ」
テライ「……で、どうするかね?」
クリス「確約は出来ません。が、上には話しを通しておきましょう」
テライ「了解だ。ああ、後、政府高官や一部財閥の人間が入市しようとしても、こちらでは一切受け付けない事も言っておいてくれ」
クリス「DTに行けば、百倍寿命が得られ、百倍若くいられると聞けば、喜んで亡命しそうですからね。了解です」
テライ「では、今回の異世界交流はここまでとしようか」
《キリト様のボードモードを終了します》
(第五話に続く)
はい、第四話後編でした♪
ずっとボードなのは、話しオンリーだったからです。
途中でサイトに切り替えようとも思ったんですが、理由がないなと(笑)
ちなみに乗り込んで来た自衛隊の装備は現在の陸上自衛隊準拠となります。
ただし、字呼召喚も知らなかった彼等がまともに戦える筈もなし。青江に叩き潰されました(笑)
さて、次回第五話はバトルありです。お楽しみにー♪