胡蝶家の長男   作:@naru

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最近投稿ペースが遅くて申し訳ありません‥‥。
そして今回はいつもより文字数が少ないです。すいません‥‥。
今月は多忙な時期が続くので、来月からはバンバン投稿できるように頑張ります!









三話 蝶の苦悩、確かな暖かさ

キャラ紹介

○胡蝶しのぶ

胡蝶家の次女。結構なブラコンを持っている。優月に色恋に興味を示した方がいいと享受しているが、自分が優月に女性を近づけさせないようにしている。

姉に続き、柱であり、薬学に精通した知識を持つ。同僚である冨岡とよく任務に当たっている。冨岡に好意がないわけではないのだが、自分があの冨岡に恋していると認めたくない故、少々きつく当たっている。

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________

 

「お、男ぉ!?嘘だ!嘘だぁ!どう見たって女の人だよ!?どう考えたら男だって思うの!?もう意味わかんないよ!!どうなってんの!?」

 

 

「お、落ち着け善逸!確かに俺も驚いたが、何もそこまで取り乱すことはないだろ!?」

 

 

「はあ!?炭治郎は逆に何でそんなに落ち着いてんの!?普通もっと驚くだろ!!」

 

 

「そんな驚くっていったって優月さんに失礼だろ!見ろ!優月さんだって困ってるじゃないか!」

 

 

「(はあ‥‥‥もう泣きそう)」シュン

 

 

そんなに僕は女の人に見えるのかなぁ‥‥。

僕だって男に見られる様頑張ってるんだけどなぁ‥‥。

 

 

「ほら見ろ!善逸が騒ぐから優月さんが悲しんでいるじゃないか!」

 

 

「ええ!?俺の所為なの!?何で俺が悪いことになってんだよ!大体なあ!炭治郎だってーー」

 

 

フワッ

 

「何騒いでるのですか?ここは病室ですよ」

 

 

「んげっ!しのぶさん!」

 

 

「えっ‥‥!?」

 

 

「っ‥‥姉さん、ごめん。僕がいながら‥‥」

 

 

「いえ、大丈夫です。私が言いたいのは静かにして欲しい、と言うことですからね。

ねえ、善逸君?」ゴゴゴ

 

 

「ひ、ひゃい!」ガクガク

 

 

さ、流石姉さん。一瞬で黙らせるなんて‥‥。

 

 

「はあ‥‥それで、何故騒いでいたのですか?」

 

 

「あ、あ〜‥‥それは‥‥あ、あの、優月さんがお、男だということを今知って‥‥」

 

 

「ああ、そういう事ですか。確かに皆さんは驚きますよね。ねえ?優月」

 

 

「姉さん‥‥それを僕に言わないでよ。僕を弄るつもりで言われても困るんだけど」

 

 

「あら、私は弄るつもりで言ったわけではありませんよ。だって優月は本当に女の子見たいですし」

 

 

「だから!それを弄ってるって言うんだよ!」

 

 

「ふふっ、ごめんなさい、怒らないでくださいね。私は怒ってる優月も好きですけど」

 

 

「なっ‥‥!もういいよ!///」ヒュン

 

 

 

「「(可愛い‥‥)」」

 

 

 

「あら、つい弄りすぎてしまいました。これは後で謝らないといけませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、全く姉さんは!すぐ平気であんな事言うから‥‥」

 

 

僕は恥ずかしくて思わず部屋から出てきてしまった。

姉さんはいつも僕をからかってくるので困る。平気ですぐ好きとか言うし‥‥色恋がわからない僕でも、急に好きと言われるとすごく恥ずかしい‥‥。

しかも、あの善逸君達が居る前で‥‥。

 

 

っ‥‥本当に恥ずかしい‥‥///。

 

 

僕は思わず赤くなる顔を手で覆った。

また女だと思われるし、善逸君達の前で取り乱すし、もう今日は厄日だ‥‥。

 

 

「はあ‥‥‥」

 

 

僕は何度目か分からない溜め息をつき、藤の花が見える縁側に腰を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

「あの‥‥しのぶさん。もう一度お聞きしますが優月さんは本当に男の人なんですか?」

 

 

炭治郎君はまだ信じきれないのか、もう一度質問を返して来た。

 

 

「はい。先程も言いましたが男ですよ。隠の方も"私の弟"と言っていませんでしたか?」

 

 

「え〜っと‥‥‥」

 

 

 

 

『あれが胡蝶様の弟の優月様だ』

 

 

 

 

「あっ‥‥確かに言っていました」

 

 

「そうでしょう?正真正銘私の可愛い弟ですよ」フフッ

 

少し"可愛い"というところを強調して言葉にする。

だって本当のことだから。本当に可愛い弟だから。

私は微笑み、そう返した。

 

 

「っ‥‥そ、そうですか」

 

炭治郎君は少し顔を(しか)めたが、私はそれに構わず次の話題へ移す。

 

 

「さて、話を変えますが体の具合はどうですか?」

 

 

「ええと‥‥まだ十分には動かせませんが先程飲んだ薬が少し効いてきたようです」

 

 

「そうですか。それは良かったです。一番症状が酷いのは善逸君ですが、炭治郎君の方も怪我が酷いので安静にしてくださいね」

 

 

「はい、ありがとうございます!」

 

 

この調子なら明後日には機能回復訓練に移れるだろう。

怪我の治りが現れた事に少し安堵した。

そんな時、黙り込んでいた善逸君が口を開いた。

 

 

「‥‥‥そう言えば優月さんの階級って何なの?」

 

 

「いきなりどうしたんだ?善逸?」

 

 

私もいきなりの質問に疑問を覚える。

 

 

「い、いや、ただ気になっただけだけど‥‥」

 

 

「優月の階級は甲ですよ」

 

 

私は善逸君の疑問に対して答えを言った。

 

 

「甲‥‥甲なんですか!?そんなに階級が高かったなんて‥‥」

 

 

「そうなのか‥‥俺はてっきりもっと高い柱なのかと‥‥」

 

 

「あら、そんな事はないですよ。柱が全員いた時に優月の姿はなかったでしょう?‥‥しかしですね、優月は確かに柱並みの実力があると言っても過言じゃないですよ」

 

 

「えぇぇええ!?優月さんってそんなに強いの!?」

 

 

善逸君はとても響く高音を発しながら驚く。

私はまたうるさくなったことに少し怒りたくなったが、その気持ちを抑えて次の言葉を発した。

 

 

「はい。普通に下弦の鬼くらいなら簡単に倒せるでしょうね」

 

 

「(そう言えばあの時、簡単に十二鬼月を倒してたな‥‥)」

 

 

「ですので、とても頼りになる弟ですよ。見た目は女の子みたいで可愛らしいですし」

 

 

「(確かに‥‥しのぶさんと同等ぐらいに可愛い‥‥男だけど)」

 

 

「は、はあ‥‥俺も優月さんのように強くなりたいなあ‥‥(その為には早く訓練しなくちゃ!)」キラキラ

 

 

「‥‥炭治郎君?まず訓練をしたいのはわかりますが体を治すことを第一として考えてくださいね?」

 

 

「(なっ!心が読まれてる!?)」

 

 

「(いやいや、顔にほぼ書いてたよ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥今日は月が綺麗だな」

 

時間は過ぎ、もう夜になった。お風呂にも入り、僕は縁側に座って月を眺めていた。

静かな闇の空間に一際存在感を放つ月。今日は満月でより一層綺麗に見える。

 

 

「‥‥確かに今日は月が綺麗ですね」

 

 

「うわっ!?」

 

 

いきなり耳元で囁かれたと思ったら、後ろに姉さんがいた。姉さんは僕の隣に座る。

僕は昼間のことを思い出し、姉さんを見てムッとする。

 

 

「ふふっ、拗ねないでください。お昼はすいませんでした。少々弄りすぎてしまいました」

 

 

「‥‥全く、姉さんはいっつも僕を弄るんだから‥‥まあ、もう許すけど!」

 

姉さんは驚いたように目をパッと開く。

 

 

「あら、今日はすぐ許してくれるんですね。いつもはすぐ許してくれないのに‥‥」

 

確かに、姉さんから弄られると毎回拗ねてしまうのが僕なのだが、いつもはすぐ許さない。

 

 

でも、今日は何故かそんなに腹が立ったわけでもない。

この綺麗な月を見ると、そんな事がどうでもよく感じ、勝手に許せてしまう。

 

 

「‥‥今日は綺麗な月が出ているから。なんか怒る気分にもならないんだ」

 

 

「ふふっ、では今日はこの月に感謝しなくてはいけませんね」

 

 

「‥‥そんな事しなくても姉さんが僕にちょっかいを出さなければいい話なんだけどね」

 

 

「それは無理な話ですね。優月の可愛い反応が見れませんから」

 

 

「むっ‥‥また可愛いとか言って‥‥」

 

 

「ああ、すいません。やっぱり思ったことはすぐ口に出てしまうものなんですよ。というか優月が可愛すぎるのがいけません」

 

どういう理由なんだ‥‥。

それ僕悪くないよね‥‥?

 

 

「何それ‥‥僕が悪いわけじゃないじゃん。僕は可愛いより格好が良いって言われたいのだけど‥‥」

 

 

姉さんからかっこいいなんて一言も言われたことがない。

僕を褒める?時はいつも可愛いの一言だけだ。

 

 

「優月が格好良くなる、ですか‥‥想像もつきませんね。ああ、でも戦いの時は可愛さより凛々しさが目立ってますね」

 

 

凛々しさか‥‥まあ、可愛いと言われるよりはこっちの方がいいかもしれない。いや、こっちの方が断然いい。

褒められている感じがしっかりと来る感じ。

少し気恥ずかしくなるが、僕は不思議と笑みが溢れた。

 

 

「ありがとう、姉さん」ニコッ

 

 

「‥‥ふふっ、やっぱり優月は可愛いという方が似合ってます」

 

 

「なっ‥‥っ、もういい!」

 

 

「あーあー、すいません。拗ねないでくださいよ」フフッ

 

 

せっかくお礼を言ったのに‥‥また直ぐに揶揄うのだから。

本当に困った姉さんだ。

 

 

だけど、こういう他愛のない話を姉さんとする時間はとても心地よく感じる。

"家族と過ごす時間"という安心感が僕の心を癒してくれる。

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

スッ

 

 

瞬間、姉さんが僕と手を重ね合わせる。

その温もりがさらに心に染み渡る。心も体も安らぐ優しい暖かさ。家族だからこそ、近くにいるという事を改めて理解させてくれる。

その暖かさが僕は好ましく思う。

 

 

だが、その一方で、この温もりがいつか消えてしまうのではないかという感情が僕の心の不安要素として出てくる。一度、家族を亡くした感情を味わった。あんな感情など、二度と味わいたくない。

 

 

僕は思わず姉さんの手を強く握った。

その行動の理由を姉さんは察したのか、姉さんも手を握り返してくれた。

 

 

「優月、大丈夫。此処には皆が居ます。蝶屋敷の皆、柱の方達、お館様、全てが貴方を拒むことはないでしょう。だから安心して。優月」

 

 

「‥‥‥うん」

 

 

この姉さんの言葉が、僕の不安要素を一気に掻き消してくれた。

そうだ、此処には蝶屋敷の皆や沢山の仲間がいる。姉さんだっているんだ。何も不安になることはない。

僕は皆を信じて進むだけ。

夢を叶える為にーー

 

 

「‥‥ありがとう、姉さん。いつも‥‥側にいてくれて。‥‥それじゃあ、僕はそろそろ寝るよ」

 

 

「分かりました。お休みなさい、優月」

 

 

「うん、お休み。姉さん」

 

 

姉さんに手を振り、夜空に輝く満月を背にし、僕は自分の部屋と向かった。

 

 

 

 

今日はとても良い気分で眠りにつける。そう思い、僕は安堵した気持ちで布団に入るのだった。

 

 

 

だが、僕は重要なある事に気づいていなかった。姉さんの言葉が僕を安堵させた。これに嘘偽りはない。

しかし、姉さんの言葉を改めて思い返すと、

 

 

『蝶屋敷の皆、柱の方達、お館様、全てが貴方を拒むことはないでしょう。だから安心してーー』

 

 

この言葉の中には"姉さん"が入っていない。

何故、姉さんがその中に入っていないのか。

それは単に忘れただけなのか、はたまた、絶望の道への一歩なのか、それを理解する時、それはずっと先になってからのことであったーー

 

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